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Last-modified: 2008-07-05 (土) 12:33:36

229 名前: この肉なんの肉きになる肉 1/6 [sage] 投稿日: 2008/06/03(火) 07:15:37 ID:lP/RoV3R
ロイ    「ただいまー」
アイク   「ピコピコ・・・おかえり・・・ピコピコ」
セリス   「アイク兄さんがゲームしてる。珍しいね」
マルス  「しかも初代ゲームボーイだよ。なつかしいね」
リーフ   「何のソフトをやってるのかな?」

ユンヌ   「…ガクブル…ダメー!チェーンソーきらいー!!バラバラはイヤーー!!!…ガクブル…」

アルム  「ユンヌさんが部屋のすみっこで、もの凄く震えてるね」
マルス  「神にチェーンソーで有名なSaGaみたいだね。でもなんでまた?」
アイク   「ピコピコ…どうしても気になることがあるのでな…ピコピコ」
ロイ    「このゲームに気になるような場所なんてあったかなぁ?」
リーフ   「さぁ?ところで今のパーティはどうなってるのかな。嫁候補の名前はあるのかな~?」

モンスター:アイク にんげんおとこ:マルス エスパーマン:リーフ エスパーギャル:ミカヤ

アルム  「…質問いいかな?兄さん」
アイク   「しりたがりは はやじにするぞ」
アルム  「そうだな わすれよう …じゃなくって、何でリーフ兄さんとミカヤ姉さんは【エスパー】?」
アイク   「魔法が使えるからだ…ピコピコ」
マルス  「ギャルって歳じゃない人がいるけどね」

ロイ    「マルス兄さんは【にんげん】なんだね」
アイク   「このゲームでは【にんげん】はアイテムを使って強くなるからな…ピコピコ」
リーフ   「つまり…ドーピングしないと強くなれない、と」
マルス  「 orz 」
ロイ    「落ち込んじゃったね…」
アルム  「昔から言われ続けてるからね」
セリス   「だ、大丈夫だよ!マルス兄さん成長率はいいんだから。CCできれば最強だよ!!」
マルス  「うわ~~~ん・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ 」
ロイ    「大泣きしながら出ていっちゃったよ…」
アルム  「トラウマ直撃だよね。『どうしてマルス様はスターロードにならないんですか(w』って」

セリス   「あ、あの、その、え~っと…、ア、アイク兄さんが【モンスター】なのは何でかなぁ」
アイク   「このゲームの【モンスター】は敵モンスターの落とす『肉』を食べることで成長するんだ…ピコピコ」
リーフ   「つまり…肉を食べるのは俺の役目だ、ってこと?」
アイク   「なかなかりかいがはやい。そう わたしはにくがおちるのをまっているのです」
230 名前: この肉なんの肉きになる肉 2/6 [sage] 投稿日: 2008/06/03(火) 07:16:11 ID:lP/RoV3R
ロイ    「で、アイク兄さんはこのゲームの何が気になってるの?」
アイク   「ちょっと待ってろ。もう少しでその場面が・・・、来た!これだっ!!」
リーフ   「どれどれ?…」

*******************
 がいこつの 
 にくが おちている    にア たべる
                    たべない
*******************

リーフ   「…これ?」
アイク   「そうだ。お前達も気になるだろう?」
セリス   「ごめんね兄さん。何が気になるのかサッパリわからないよ」
アルム  「ごめん、僕もわからないよ。このゲームではよくある場面だし」
ロイ    「いったい何が気になってるの?」

アイク   「【がいこつ】の【にく】が落ちているんだぞ。不思議だと思わないか!?」

セリス   「そっか、確かに不思議だね。【骸骨】って『骨だけ』の魔物だよね」
アルム  「言われてみれば、肉のついたスケルトンなんて見たこと無いな」
リーフ   「肉がついてればゾンビだよね。でもさぁ…」
ロイ    「これゲームなんだから気にしても…」

アイク   「確かに、子供のころの俺は『これはゲームだから』と気にしてなかった。だが今は思うんだ。
        『ゲームだからですませていいのか?本当に全部が虚構なのか?』とな」
ロイ    「あきらかに逆だよソレ!大人の今こそゲームだから、で済まそうよ!!」
アイク   「しかしあの□社だ。俺の知らないことを知っているのかもしれん。俺は学が無いからな」
ロイ    「無いから!たとえ学があっても骸骨に肉なんて無いから!!」
アイク   「だからスケルトンから肉が取れるかなって思ったんだ」
アルム  「ごめん、兄さんの考えについていけないよ」
リーフ   「まず何を持って『だから』なのか知りたい」

アイク   「□社といえば『FF』だ。『FE』と『FF』って似てるだろ。線一本の違いだ」
ロイ    「全然違うよ!『FireEmblem』と『FinalFantasy』だよ。省略形じゃダメだよ!」
アルム  「アイク兄さんの『FF』だと『FinalFight』のほうが似合う気がするな」
セリス   「インド人を右に!」
リーフ   「いろいろ間違ってるよ!」

ロイ    「そもそも今問題なのは『SaGa』だよ。同じ□社製でも一緒にしちゃだめだよ」
アイク   「アイテムにも共通点があるぞ。ロングソードとかサンダーの書とか」
ロイ    「そんなのよくあるアイテムじゃないか!その程度じゃ共通点とはいえないよ!」
セリス   「ファンタジー系ならどこにでもありそうなアイテムだよね」
リーフ   「『SaGa』は剣と魔法の横でバズーカとか戦車とか売ってる世界だよ。そっちを重要視しようよ」
アイク   「それなら問題ない。スマブラで競演したからな、慣れた」
ロイ    「いっしょにしちゃダメーーー!」

アイク   「…ふぅ。どこまでいっても平行線か。これでは埒があかんな。…よし、みんな支度するんだ!」
セリス   「どうしたの?急に」
アイク   「実際にやってみれば証明できるだろう」
リーフ   「え、それって…」
アイク   「スケルトン狩りだ!アルム、バレンシアの墓場まで案内してくれ。行くぞ!!」
    『えええぇぇぇぇ~~~~~~~~~~~~~っっっ』
231 名前: この肉なんの肉きになる肉 3/6 [sage] 投稿日: 2008/06/03(火) 07:16:45 ID:lP/RoV3R
セリス   「で、バレンシアの墓場にやってきて半日が経ったんだけど…」
ミカヤ   「ねぇアイク、まだあきらめるつもりは無いの?」
アイク   「まだだ。まだやれる」
リン    「シグルド兄さん仕事あったのに…こっち来てよかったの?」
シグルド 「家族の一大事と聞いたから抜けて来たのに…、これでまた休日出勤だ」
エリンシア「お兄様次の休日はディアドラ様とのデートでしたのでは?」
シグルド 「ディアドラあぁぁぁ~~~」

アイク   「くっ!なぜだ!?スケルトンどころかゾンビやバールですら1回も肉を落とさん!」
ロイ    「アイク兄さん、家族総動員までしてがんばってるけど、やっぱりムリだよね…」
マルス  「時間の無駄だよね。でも他の人は収穫あったみたいだよ」

リーフ   「イヤッホオォーイ!盾とか剣とかこんなにたくさん手に入ったよ」
エリウッド 「ああ、これを売れば家計の足しになるな。正直助かるよ」
ヘクトル 「それだけじゃねぇぞ。斧や槍も手に入ったぜ!」
エイリーク「他の地区からも魔物が戦いの気配に釣られて来たみたいですね」
エフラム 「こ、これが幻の3槍『りゅうせい』『たいよう』『げっこう』か。なんと神々しい輝きだ…」
セリカ   「やったねアルム。全部揃ったわ」
アルム  「やったねセリカ。ゲーム中だって揃ったことほとんど無いのに、こんなとこで揃っちゃったね」

ロイ    「…いいのかな~これで」
マルス  「不幸な人もいるけど…、全体を見ればプラスになってるみたいだし、良しとしようよ」

ドサッ…
ヘクトル 「ん?何の音だ?」
セリス   「そ、そんな…ア、アイク兄さんが…」
アイク   「 OTZ 」
エフラム 「兄上が膝をついている?まさか諦めたのか?」
エイリーク「今まで決して諦めた事の無い兄上が諦めたというのですか?」
アイク   「だめなのか?俺ではダメだったのか」
シグルド 「アイクには悪いが…ようやく諦めてくれたか。これでやっと家に帰れ…ん?」

ミカヤ? 「アイク、諦めたらそこで試合終了よ」
リーフ   「ミカヤ姉さん…じゃないよね。さっきまでアイク兄さんに諦めるように言ってたんだから」
ロイ    「しばらくおとなしくしてたと思ったのに、出てきちゃったんだね」
アイク   「ユンヌ!肉が…肉が食べたいです」
ユンヌ   「私の持てる力……全てあなたに集めるわ!」
アイク   「任せろ。これで決める……!」

ヘクトル 「おー、2人とも気合入ってるな~」
アルム  「セリカ、止めないの?ユンヌさんに好き勝手やらせていいの?」
セリカ   「いくらあのバカ女神でもムリよ。ガッカリしていればいいわ。好きにさせましょ」
ロイ    「もしかして本当に何とかしちゃったりして…」
マルス  「ハハハ…ムリムリ」
セリス   「わかんないよ~。だってアイク兄さんなんだし」
シグルド 「おいおい、いくらアイクといっても越えてはいけない壁があるよ」
エリウッド 「あ、ちょうどいいタイミングでスケルトンがやってきな。ターゲットはあれかな」

ズガシャーーン!!   スケルトンを倒した!

リン    「凄い勢いね。気合入れすぎよ」
エイリーク「あの勢いでは肉どころか骨すら落ちないのではないですか?」
エリンシア「あまりの勢いで煙が上がって前が見えませんわ」
232 名前: この肉なんの肉きになる肉 4/6 [sage] 投稿日: 2008/06/03(火) 07:18:30 ID:lP/RoV3R
この肉なんの肉きになる肉 4/6
セリス   「煙が晴れてきたよ。アイク兄さんは…」
アイク   「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シグルド 「ショックで呆然と立ちすくんでいるよだな。やはり無理だったか」
エリウッド 「やれやれ…あとは兄さんを家に連れて帰って終わりだな」
エイリーク「!?ま、まってください!あれは…そんな!?」
マルス  「ま、まさか…?」

*******************
 スケルトンの 
 にくが おちている    にア たべる
                    たべない
*******************

『うそおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーー』

マルス  「ばかな…そんなことがあるなんて…」
シグルド 「なんてことだ、アイクがまたひとつ壁を越えてしまった」
エリウッド 「だめだよ!この壁は越えちゃだめだよ!」
ヘクトル 「さっきのってスケルトンだったよな?肉なんてついて無かったよな?なんで落ちてるんだよ!?」
アルム  「骨だけだったはずなのに…何がどうなったらあんなマンガ肉になるんだろう?」
セリス   「すごいな~さすがアイク兄さんだね!」
ロイ    「そうだね、アイク兄さんだしね…って納得できるかーーー!!!」
エイリーク「そのアイク兄上は先ほどから止まったままですが、どうしてしまったのでしょう?」

アイク   「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ユンヌ   「ア、アイク…。ど、どうしたの?嬉しくないの?成功したんだよ…」
アイク   「ユンヌ………」
ユンヌ   「なぁに?」
アイク   「ありがとう。あんたのおかげだ…」ニッコリ。ギュッ…
ユンヌ   「えっ…?え、え、え…」

『えーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!』

マルス  「あ、あ、あ、あの、ア、ア、ア、アイク兄さんが…」
ロイ    「ニッコリいい笑顔で微笑んで…」
セリス   「ユンヌさんを ギュッ… て抱きしめちゃった…」
リン    「うそ…これってフラグ成立?しかもアイク兄さんから…?」
シグルド 「いかんぞアイク!精神がユンヌ神でも身体は姉上なんだ。このままではKINSHINになってしまう」
セリカ   「まずいわ!この機に乗じてセクハラ邪神が好き勝手するかも。止めないと」
233 名前: この肉なんの肉きになる肉 5/6 [sage] 投稿日: 2008/06/03(火) 07:19:10 ID:lP/RoV3R
ユンヌ   「/////ポーーーーーッ………………/////」
エイリーク「真っ赤になってポーッ…としたまま、止まってしまっていますね」
エリウッド 「アイク兄さんの思いがけない行動に、オーバーヒートしちゃったのかな」
アルム  「普段はあんなのでも…根っこは結構純情だったってことなのかな?」
ヘクトル 「おい、おまえら!ユンヌばっかり見てないでコッチ手伝ってくれ!」
エリンシア「あ、あ、あんのアマーー!わ、私だってあんなことしてもらったことありませんのにーーー!!」
エフラム 「お、落ち着いてくれ姉上!兄上は一時的に舞い上がってるだけだ!」
エリンシア「お退きなさい!アイクに、ギ、ギュッ・・・ってしてもらうのは私ですわーーー!!!」
シグルド 「お前のフラグは続編で消えただろう。今更KINSHINとか兄さんは許さんぞ!」
エリンシア「ムーーー!ならアイクを殺してお姉さまも殺して私も死にますわーーー!!」
リーフ   「ちょっ、いくらなんでも飛躍しすぎ!」
エイリーク「兄上の有得ない行動がこれほどの混乱をもたらすなんて…」
マルス  「この状況、どうすれば収拾つくんだろう…」
エリンシア「ムキーーーーーーーーーー!!!」

ユンヌ   「///ポーッ…/// ハッ!い、いけないわッ!ポーッとしてる場合じゃないわ。
        今がチャンス!絶好のチャンスよ!!この機は逃せないわ!!!今のうちに既成事実を…。
        あ、あのねアイク…わたしね…いまね…」
アイク   「おっと、こんなことしている場合ではないな。早く肉を食べなければ」 ポイッ
ユンヌ   「え…?あれっ…?」

リーフ   「アイク兄さんが抱いた女をポイしたね」
リン    「変な言い方しないで」
エリウッド 「抱いた女を捨てて肉を手に取る兄。シュールだな」
ロイ    「現実見たままその通りだから困る」
シグルド 「自分で立てたフラグを自分で折るとは、さすがクラッシャー」
アルム  「何でわざわざフラグを立てるんだろう。どうせ最後には折るのに…」
マルス  「何を言ってるんだい。フラグは立てなくちゃ、折れないじゃないか」
ヘクトル 「これが一流か。おっそろしいな…」
エフラム 「遥かなる高み。まだまだ遠いな…」
エイリーク「近づいてもらっても困ります」
エリンシア「羨ましいのかそうでないのか…複雑ですわね」
セリス   「アイク兄さんはすっごい嬉しそうだね。周りに♪が見えるよ」
セリカ   「鼻歌歌いながらスキップしてるアイク兄さんなんて初めて見たわ…」

アイク   「ふ~ん、ふ~ん♪ るんる~ん♪ おにく おにく おっにっくっ♪
        遂に夢にまで見た【がいこつ の にく】を食べるときが来たっ!
        いざっっっ!!! い  た  だ  き  ま
イレース 「あ!」 
   ザシャアッ! ヒョイパクッ! モグモグゴクンッ!
イレース 「にくおいしいです」
アイク   「す !! ん…?」
234 名前: この肉なんの肉きになる肉 6/6 [sage] 投稿日: 2008/06/03(火) 07:19:46 ID:lP/RoV3R
アイク   「?……?(゜▽゜   )……???」

ロイ    「えっ…?」
エイリーク「イ…レース…さ…ん?」
エリウッド 「なんで…ココに…?」

アイク   「え…?あ、あれっ?(  ゜□゜) にくは?」

アルム  「兄さん…そんな…こんなことになるなんて…」
セリカ   「ミラ様…この仕打ちはあんまりです!アイク兄さんがなにをしたっていうのですか!?」

アイク   「え…?(゜д゜ ≡ ゜д゜)な…なんで…にくないの…?あれ?だって…おれ…たべて…ない…?」

セリス   「うっ、うっ…に、にいさん…グスッ…」
シグルド 「セリス、お前は泣いちゃダメだ。今泣いていいのは…一人だけだ」
ミカヤ   「アイク…あなたは強いわ…。でも…弱いときがあってもいいのよ…うっ…」

イレース 「…あの…アイクさん?…どうしたんですか?」
アイク   「 (-_- )…。 イレース…今の肉は…うまかったか…?」
イレース 「はい。少し骨っぽい食感でしたが…おいしかったです。この世界のものとは思えない味でした。」
アイク   「…そうか。…それは…よかった…な( ⌒ ▽ ⌒ )」
イレース 「ハイッ!」
アイク   「………( = ▽ = )………」

リーフ   「イレースさん…いい顔してるね」
マルス  「この世界のものとは思えない味…か。なかなか云い得て妙だね…」
リン    「アイク兄さん…『良かったな』だなんて…。一番辛い人は…」
ヘクトル 「だめだっ!もう見てられねぇよ!」
エフラム 「目を逸らすなっ!最後まで見届けるんだ!」
エリンシア「私達にできることは、アイクを暖かく迎えてあげることだけですわ…」

アイク   「 ( ´; ω ;` ) 」
イレース 「…ア、アイクさん?…ど、どうしたんですか?」
アイク   「。・゚・。・゚・。・゚。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・。・゚・・。・゚・。・゚・(   ノдT)・゚・。 」
イレース 「アイクさん!?アイクさーーーーーん!」

ミカヤ   「……………………………………………………帰りましょ」

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アルム  「………こうして、僕達家族のひとつの冒険は終わりました。
       みんな次の日には普通の生活をしていました。だれも昨日の話なんてしません。
       もしかしたら、あれは一夜の夢に過ぎなかったのかもしれません。

        ………ところで、ある時からバレンシアにひとつの怪談が生まれました。
        夜な夜な墓場から不思議な声が聞こえるというのです」

 ニク ・・・ ニ ク ヲ ク レ ・・・  オ  マ  エ  ノ  ニ  ク  ヲ  ヨ  コ  セ  ・ ・ ・ ・ ・ ・