11-378

Last-modified: 2008-07-05 (土) 12:37:46

378 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2008/06/13(金) 22:46:25 ID:dbVwBeYn
リーフ  「ただいまー」

 ドタドタドタドタドタドタッ!

シグルド 「……!!」
リーフ  「ど、どうしたのシグルド兄さん、おっかない顔して」
シグルド 「チッ……なんだ、リーフか」
リーフ  「ひ、ひどっ!? 僕の扱いはいつからそこまで低く……!」
マルス  「いや、割と最初からだと思うけど」
リーフ  「それもそうだね」
ロイ   「いや、納得しちゃダメだよ兄さん」
シグルド 「まったく、いったいどこをほっつき歩いているんだか……ぶつぶつ」
リーフ  「で、なんでこんないらついてるのシグルド兄さんは?」
アルム  「セリカがまだ帰ってこないんだよ。ミレトスの教会に用事があるって言って出て行ったきり」
リーフ  「あー、なるほどね。もう八時回るものね」
シグルド 「KINSINの上に夜遊びの癖までつくとは、全く以ってけしからん! 帰ってきたら久しぶりに尻百叩きをかましてやる」
アルム  「いや、兄さんそれ普通に家庭内セクハラだから」
リーフ  「訴えられたら確実に負けるからそれ」
シグルド 「ええい、うるさい! そもそもアルム、お前は普段セリカにベッタリなくせにこういうときに限って」
リーフ  「うわー、うざいなこの人」
アルム  「まあ、セリカならもう少しで帰って来るだろうから、それまでの辛抱だよ」

 ~一時間後~

シグルド 「まだ帰ってこない……! 全く、KINSIN以外は真面目だから小言は控えていたというのに」
ロイ   (あれで小言控えてるつもりだったんだ)
マルス  (基本的に過保護だからねシグルド兄さんは。将来娘に『パパうざーい』って言われるタイプだよあれは)
ロイ   (なるほど)
エフラム (なぜそこで)
セリス  (僕とエフラム兄さんを見るの?)

 ~二時間後~

シグルド 「……遅い。いくらなんでも遅すぎる……まさか、何かの事件に巻き込まれたのか?」
ロイ   「まだ十時だよ、そんな大袈裟な」
シグルド 「いや、だがあの真面目なセリカに限って、連絡もなしにこんな遅くなるとは……」
アルム  「僕もちょっと心配になってきた」
379 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2008/06/13(金) 22:47:00 ID:dbVwBeYn
 ~三時間後~

シグルド 「探しに行くべきだろうか。いやしかし」
ロイ   「迷ってるねえ」
マルス  「でも実際遅いねセリカ。こんな遅くまで帰ってこないなんて初めてだよ」
アルム  「まさか本当に事件に巻き込まれたんじゃ……!」
リーフ  (仮にそうだとしても、犯人側が強制的に改宗させられてる絵しか浮かばないのは何故だろう)

 ~四時間後~

シグルド 「ええい、離せ! こうなったらミレトスの闇に潜む悪人どもを片っ端からティルフィングで斬り倒してやる!」
アルム  「僕も加勢するよ兄さん!」
ロイ   「落ち着いてったら二人とも!」
リーフ  「でも本当にどうしたんだろう、セリカは」

 ~五時間後~

セリカ  「……ただいまー」
エリンシア「おかえりなさい、セリカちゃん」
セリカ  「ごめんね姉さん、遅くなっちゃった。教会の司祭様が急に発作を起こして倒れられて、看病とかで連絡してる暇もなくて」
エリンシア「そうだったの。何かあったんだろうとは思っていたけど。司祭様はもう大丈夫なの?」
セリカ  「ええ、なんとか。ああ、疲れた……」
エリンシア「お疲れ様。アルムちゃんが心配してたわよ」
セリカ  「悪いことしちゃったわ」
エリンシア「それと、シグルドお兄様が」
セリカ  「……やっぱり物凄く怒ってるわよね……?」
エリンシア「ううん、それが……」

 ドタドタドタドタドタドタドタッ!

シグルド 「セェリカァァァァァァァッ!」
セリカ  「キャアッ!? ちょ、シグルド兄さん、だ、抱きつかないで! どうしたのよいきなり!」
シグルド 「うぉぉぉぉん、無事でよかった、本当によかった!
      兄さんはてっきり、お前がベルクローゼン辺りに捕まって外国に売り飛ばされたものとばかり」
セリカ  「なんの話!?」
シグルド 「いやいいんだ、とにかくよく無事に戻ってきてくれた! お前が無事だっただけで私は、私は……うぉぉぉぉおん!」
セリカ  「ちょ、ちょっと、兄さん泣きすぎだって……遅くなってごめんね」

アルム  「……」
リーフ  「というわけで、出て行くタイミングを逸したアルムは、
      久しぶりに仲良さげなシグルド兄さんとセリカを、複雑な表情で見つめるのでありました」
アルム  「変な解説つけなくていいよリーフ兄さん!」