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Last-modified: 2008-10-07 (火) 20:36:39

753 名前: ふとした思い付き [sage] 投稿日: 2008/07/09(水) 00:30:16 ID:Guf3LUeZ
「ああ、よく来てくれたね二人とも」

マルスの自室。暗闇の中にスポットライトのような明かりがついて、椅子に座ったマルスを照らしていた。

「えっと、マ、マルスさん?あの、私たちに、なんの……」
「とりあえず来てみたけど、何なのこの怪しい空間は?」

フロリーナは、リンの陰に隠れながらおどおどと話す。
リンはそんなフロリーナを守るように立ちながら、強気な声で話す。

「まあ、気分だよ。特に深い意味はない。
 それで、ちょっと君たちに話があるんだ」

いつものような爽やかかつ胡散臭い笑みで、マルスは話を続ける。

「さて、フロリーナ。君はヘクトル兄さんに惚れているね?」
「ちょっ……!」
「あ、あう、あの、その、私……」

マルスの言葉に、フロリーナはあからさまに動揺する。

「隠さなくたっていいんだよ。今日君たちを呼んだのは、その問題の解決のためなんだから」
「…………」
「あう…………」

リンはマルスをにらみつけながら、フロリーナは相変わらずおどおどしながら、沈黙する。

「しかし、きみのお姉さんのファリナもヘクトル兄さんが好き、
 ついでにもう一人のお姉さんのフィオーラはエリウッド兄さんが好き……」
「ちょっと待って、ファリナはともかく、フィオーラさんは関係ないんじゃない?」

リンは強い口調で、マルスに詰め寄る。
何か変なことをフロリーナに吹き込んだら、今すぐその首を刎ねる、とでも言わんばかりの剣幕で。

「いいや、大いに関係あるね。まあちょっとメタ的な話になるが聞いてくれ。
 まず、リン姉さん、エリウッド兄さん、ヘクトル兄さんの三人は原作では烈火の剣の主人公だ。
 そして、君たち三姉妹はFE伝統のペガサス三姉妹だ」
「だから、それがなんなのよ?」
「リ、リン、いまはちょっと話を聞こう?」

リンは訝しげにマルスに問いかけるが、フロリーナは控えめに制止する。

「こんな奴の戯言、聞かなくたっていいわよ!ほら、いくわよ!」
「ま、待って!」

リンはフロリーナの手をつかんで部屋を出て行こうとするが、フロリーナはそれに抵抗する。

754 名前: ふとした思い付き [sage] 投稿日: 2008/07/09(水) 00:31:20 ID:Guf3LUeZ
「で、でも、これで本当に解決するんなら……わたし、どんなことでもするわ」
「フロリーナ……?」
「だって、お姉ちゃんと争うなんて……もう嫌だもの……」

フロリーナは目に涙を溜めながら、しかし力強い口調でリンを説得する。
そんなフロリーナの頭に、リンは手を置き、微笑んだ。

「……分かったわ。まあ、話だけでも聞いてみましょ。
 現実的な話だったら、協力してあげるわ」
「……ありがとう、リン……」
「ほらほら、泣かないの」

母親のように、リンはフロリーナの頭を撫でる。
その光景に、マルスの口の端が上がった。

「よし、そうこなくっちゃね。そうじゃなきゃ話にならない」
「……?」

リンはまた、訝しげな目でマルスを見つめる。

「ああ、いやこっちの話だ。じゃあ、話の続きだ……
 フロリーナ、君のお姉さんたちと僕の家族の状況をまとめるとこうなる……」

『フィオーラ→エリウッド
 ファリナ→ヘクトル』

「見てのとおり、それぞれ違う烈火の主人公に惚れているね……?
 そう、つまり、これに続くのはフロリーナ→リンであるというのが筋だtへぶっ」

マルスの言葉は、リンの渾身のドロップキックに中断された。

「ぐはっ……リン姉さんの手が出るのが早いことは知っていたけど……今回は特に素早い……」
「あんたねぇ!フロリーナに何吹き込んで……」
「……なるほど……」
「ってぇ!?ちょっと、何感心してるのよフロリーナ!」
「あの……ふ、不束者ですが……」
「待って!落ち着いて!三つ指突かないで!……あっ!こら!逃げるなマルス!!」