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Last-modified: 2008-10-13 (月) 22:00:47

240 名前: しっこく挑戦状1 [sage] 投稿日: 2008/07/28(月) 14:08:26 ID:mOno/liC
ネタ投下。無駄に長い。それからちょっと漆黒の騎士がひどい目にあって、エリ姉がキャラ違うかもしれない

エリウッド「素晴らしいね」

ヘクトル 「…突然大丈夫か?」
エフラム 「駄目だろうな」
リン   「エリウッド、何かあったの?出来るかぎりは相談に乗るわ」
エイリーク「お休みになられてはどうですか?」

エリウッド「君達、決め付けないでくれないか…
      休みの日の今日、午前は誰も問題をおこさなかったじゃないか!こんな日久しぶりだからね」
ヘクトル 「あー、そーゆーことか」
エフラム 「今日は休日だがシグルド兄上は仕事。おかげで仲良く出掛けたアルムとセリカを止める喧嘩もおこらない」
リン   「リーフもマルスもロイもさっさと遊びにいっちゃったからね」
エイリーク「今セリスはエリンシア姉上と洗濯物を取り込んでいらっしゃるようですし」
リン   「なら手伝わなくっちゃ」
ヘクトル 「別にまかせときゃいいだろ。そーいやミカヤ姉貴とアイク兄貴は?」
エリウッド「ミカヤ姉さんは朝早くから出掛けていったよ。アイク兄さんの方は部屋にいるみたい。寝てるんじゃないかな」

エフラム 「なるほど、確かに誰も問題をおこしそうにないな」
リン   「そういや、ミルラたちと遊びに行ったりしないわけ?」
エフラム 「イドゥンが何処かに連れていくらしい。あぁ、お土産は期待しろとのことだった」
リン   「誰もそんなことまで訊いてないわよ…」
ヘクトル 「しっかしそれはそれで暇だな…よっし、エフラム。ここは一つ勝負しねぇか?」
エフラム 「いいだろう、受けてたとう」
エイリーク「お、お二人とも、今日はやめられた方が…!」
リン   「そーよ、そーよ!ただでさえ暑いんだから!」
エリウッド「そうだよ。頼むから今日くらいは平和な気分を味わあせてくれ…」

ミカヤ  『ただいまー!』

リン   「ミカヤ姉さん帰って来たみたいだわ」
エリウッド「どこ行ってたん――」

 ド ゴ ー ン ! !

5人   「………」

ミカヤ  『な、何っ!?』

エリンシア『何の音ですの!?』

241 名前: しっこく挑戦状2 [sage] 投稿日: 2008/07/28(月) 14:11:57 ID:mOno/liC
セリス  『玄関の方からだよ!』

エリンシア『!――ミカヤ姉さまご無事ですか!?』
ミカヤ  『え、えぇ…』
セリス  『うわぁ、玄関がめちゃめちゃだよ!けどドアは無事だね』
ミカヤ  『私、まだ閉めてなかったから…』

ヘクトル 「玄関めちゃめちゃだとよ」
エリウッド「………」
エフラム 「ドアは無事らしいな。だか閉まるのか?」
エリウッド「………」
リン   「そんな問題じゃないでしょっ!
      って感じに会話を繰り広げる余裕があるほど、こういうことになれちゃってる私たちが悲しいわね…」
エリウッド「………」
エイリーク「リン、それよりも早く様子を見に行きましょうっ!」
エリウッド「………」
ヘクトル 「だな」

エリウッド「………(←気絶してる)」

エイリーク「ミカヤ姉上っ!」
リン   「ミカヤ姉さん大丈夫!?」
ミカヤ  「エイリーク、リン!えぇ、私は大丈夫よ」
ヘクトル 「すっげー、何があったんだコレ!?」
エリンシア「もの凄い力が働いたのは事実ですわ…」
ミカヤ  「それがわからないの。ドアを開けて中に入った次の瞬間、凄い音とともに後ろから何かが飛んできた気がして…」
エフラム 「飛んできた、か。確かに何か衝撃波のようなものが通ったような傷跡だな」
リン   「何か衝撃波…まさかアイク兄さんが素振りし過ぎて…!」
エリンシア「いえ、それはないですわ。アイクは部屋で寝ると私に申しましたから」
エイリーク「けれど玄関を破壊するほどの衝撃波を出せる方など兄上以外にそうそういないと思うのですが…」

セリス  「あれ?何だろコレ?」
エフラム 「どうしたセリス。怪我をしたら危ないからお前は触れない方がいい。エイリークもだ!」
セリス  「大丈夫だよ。それに危ないのはみんな一緒だよ!」
リン   (相変わらず過保護ねぇ)

ヘクトル 「で、何があったって?」
セリス  「うん、何か黒い物が…――あれ?重いな、何だろ?」
ミカヤ  「重い?瓦礫なんじゃ…」
エフラム 「いい、俺がやる!」
セリス  「大丈夫だって!今取り出し…」

 ひょいっ!

セリス  「!」
エフラム 「アイク兄上!」

242 名前: しっこく挑戦状3 [sage] 投稿日: 2008/07/28(月) 14:14:18 ID:mOno/liC
エリンシア「アイク、寝てたんじゃ…」
アイク  「凄い音がしたからな、ところで何だコレは?」
セリス  「あれ?アイク兄さん、ソレ重くない?」
アイク  「それほど重くないが?」
セリス  「あれ?」

ミカヤ  「コレが飛んで…きたの?」
ヘクトル 「これ鉛で出来てねーか?しかもわざわざ黒で塗ってあるぞ」
リン   「封筒の形してるわね。ホント何よコレ。新手の武器?」
エイリーク「衝撃波、黒…嫌な予感が」
アイク  「…開くようだな。開けるぞ」

ヘクトル 「中にあるのは普通に手紙か」
エフラム 「しかしこれも真っ黒だな」
セリス  「アイク兄さん、こわいけど開けてみて」
アイク  「あぁ…開けるぞ」

 デーッデッ デーッデッ デーッデーッデッデー

7人   「………」
アイク  「むっ、しっこくのテーマ…!」

 デーッデッ デー(ry

リン   「えーっと、つまりこの惨状はしっこくさんの所為ってこと?」
エイリーク「やっぱり…」
ミカヤ  「騎士さま…」
エリンシア「どうしてこのようなことを…」

ヘクトル 「これってあれだよな?」
セリス  「クリスマスカードなんかによくある、手紙やカードを開くと音楽がなるってやつだよね?」
エフラム 「真っ黒といい手が込んでるな」

アイク  「…なるほど、俺に対する挑戦状のようだ。果たし状みたいなものか」
エリウッド「は、果たし状のためだけにここまでするなんて…」
ヘクトル 「復活したのか」
アイク  「因みに直接渡すのはおかしいから届けることにしたようだな、エタルドで」
リン   「普通にポストに投函するなり、ミカヤ姉さんに間接的に渡してもらえばいいじゃない…」
アイク  「それから衝撃波に耐えられるよう鉛制のを特注したらしい」
ミカヤ  「努力を間違えてるわ!」

エリンシア「アイク、他に何か書かれていませんか?玄関の修理代のことなど」
アイク  「あぁ、あるぞ。ミカヤ姉さんを連れてこいと」
エリンシア「そうではなくて…」

243 名前: しっこく挑戦状4 [sage] 投稿日: 2008/07/28(月) 14:16:21 ID:mOno/liC
アイク  「他は場所、時間だけだが?」

エリンシア「………」

 バキッ!

エイリーク「え、エリンシア姉上、何か手の中で音が…」
エリンシア「大丈夫よ、エイリークちゃん。ただ、洗濯ばさみの砕けた音がしただけだから」
ヘクトル 「大丈夫って洗濯ばさみ大丈夫じゃないだろ」

エフラム 「あー、姉上。怒ってるのか…?」
エリンシア「いいえ、エフラムちゃん。怒ってなんてないわ」

 メキメキ…!

リン   「さ、さらに粉々になってそうな音…」

セリス  「え、えーっと…僕洗濯物の取り込み、続きやってくるねっ!」
エリンシア「あらありがとう、セリスちゃん」
エリウッド「え、笑顔が恐い…」

ミカヤ  「エリンシア、落ち着い…――」
エリンシア「アイクっ!!」
アイク  「あ、あぁ何だ?」
     (一体何だ、このエリンシアを包むまがまがしいオーラは)
エリンシア「その決闘、私も見に行ってよろしいですよね?」
アイク  「いいと思うぞ。ミカヤ姉さんを連れてこいとしか書いてないからな」
エリンシア「そう。なら…」
アイク  「なら…?」
     (しかも更にグレードアップした!?)

エリンシア「私が間違えて手出ししてしまっても構いませんよね?」

アイク  「いや、それは困る…!」

エリンシア「 か ま わ な い わ ね ! ? 」

アイク  「………はい」

エリンシア「そうと決まれば準備しましょう。アイク、その手紙を貸してちょうだい」
アイク  「それは構わんが、これはお前には重いと…」

 ひょいっ!

エリンシア「何かおっしゃって?」
アイク  「いや、なんでもない…です」
ミカヤ  (さすが力の成長率65%第4位、筋肉を語るだけあって本人もしっかり鍛えているのね。
      いえ、それともこれは家事で身についたのかしら。今回のことといい、エリンシアに苦労かけてるのね…)

エリンシア「準備は完了ですわ。あら?比較的直ぐですのね?行きましょう、アイク、ミカヤ姉さま」
アイク  「………(←意気消沈)」
ミカヤ  「えーっと、行きましょうか」

 
244 名前: しっこく挑戦状5 [sage] 投稿日: 2008/07/28(月) 14:18:37 ID:mOno/liC
ヘクトル 「行っちまったな」
エフラム 「決闘の相手はアイク兄上のはずなんだが、兄上本人は戦えそうにないな」
リン   「何と言うか、エリンシア姉さんはやっぱり怒らせちゃ駄目ね」

マルス  『ただいまー』
ロイ   『帰り兄さんたちと出会って――!?』
リーフ  『ロイどーし――うわっ、何コレ!?』

エイリーク「三人が帰ってきましたね」

リーフ  「何このぐちゃぐちゃ。
      シグルド兄さんの近親成敗の跡?あぁ、仕事か。 んじゃリン姉さんの愛の鉄槌?…マルス兄さんここだから無理か。
      ヘクトル兄さんとエフラム兄さんの喧嘩の跡、アイク兄さんの修業の跡、ミカヤ姉さんにユンヌさんが憑いた、
      セリス関係の奪い合い、はたまた突然メティオやら何やら降ってきた…
      ――アイタっ!
      何でいきなりマルス兄さんもリン姉さんも殴る訳!?」
マルス  「僕がいつも成敗されてるみたいな言い方やめてくれない?」
リン   「愛の鉄槌って何よ、まったく!」
エフラム (照れ隠しか)
エイリーク(それよりこんなに候補があることを嘆いた方がいいような…)

ロイ   「結局何があったのこの玄関?ドアは無事だけど」
エリウッド「実はかくかくしかじかで…」

マルス  「ふーん、しっこくさん死亡フラグか」
リーフ  「修理代払ってもらわなきゃだから殺しはしないんじゃない?」
ヘクトル 「けどあの勢いじゃ半殺しにしそうだけどな」
ロイ   「そんなに凄かったの?」
セリス  「前にエリンシア姉さんを怒らせちゃ駄目ってシグルド兄さん言ってたけど…」
エイリーク「セリス」
セリス  「洗濯物はみんなたたんでわけたよー」
マルス  「で?」
リーフ  「というかシグルド兄さん何して怒らせたんだろう」
セリス  「姉さんって普段は温厚だから。確かにちょくちょく怒ったりはするけど」

245 名前: しっこく挑戦状6 [sage] 投稿日: 2008/07/28(月) 14:20:31 ID:mOno/liC
リン   「かなり怒ってたものね。アイク兄さんも勢いで負けてたし」
ロイ   「あのアイク兄さんが!?しっこくさん本当にやばいんじゃ…」

ヘクトル 「そーいやエリウッド、気絶はしたがいつもみたく嘆いたりしないな」
エリウッド「いや、エリンシア姉さんが何だか怒っていたから、僕はそういう気分にならなかったというか」

マルス  「エリンシア姉さんは僕ら家族の中でも家にいる時間が長いからね。だからじゃないかな」
エフラム 「そう言いつつ普段から破壊されまくりの家だが?」
マルス  「まぁ、運悪く色んな条件重なったんじゃない?」
リーフ  「と言うと?」
マルス  「家が破壊されるごとにたまる怒り、家事の疲れ、最近色々値上がりもしてるし、そういうのが溜まってプツンと切れた。
      しっこくさん修理のことは触れなかったんでしょ?」
エイリーク「手紙には書かれていなかったようです。けど、やはりエリンシア姉上はお疲れだったのですね」
リン   「私たちが仕事や学校に行ってる間、家のことは任せっきりだし」
セリス  「そうだよね、これからはもっと手伝わなくちゃ!」
ヘクトル 「めんどいが仕方ないか」
エフラム 「俺たちが当たり前に暮らせるのはエリンシア姉上のおかげもあるということを、自覚しなくちゃならないな」

ロイ   「とはいえ今はどうしようか?これ見たらあの仲良し二人組はともかく、仕事帰りのシグルド兄さんは卒倒しそう」
リーフ  「片付けるにも粉々だしねぇ。修理担当アイク兄さんもいないし」
マルス  「ま、取り敢えずしっこくさんのご冥福でも祈っておけばいいんじゃない?」

 
246 名前: しっこく挑戦状7 [sage] 投稿日: 2008/07/28(月) 14:22:21 ID:mOno/liC
 ‐夕方、川辺‐

漆黒の騎士(そろそろか。乙女はちゃんと来てくれるだろうか。いや挑戦状は届いただろうし大丈夫だろう。
      直接渡さず、しかし私とわかるようにもしたし、ドアが開いた瞬間を狙ったから家にたどり着いたはずだ。
      あぁ、しかし緊張する。今回の勝負、乙女とこれからの私に関わってくる大切な勝負。乙女の前でアイクに勝つ…
      いや勝てなくても渡り合うことが出来れば、乙女の目に私は強く映り好印象になるはずだ。緑風には無理な策だな。
      それにこういうところでのアイクとの勝負にも憧れていた。純粋に勝負も楽しみだ。
      あとは待つばかり。…しかし緊張していた所為か、何かミスを侵した気がして不安でならん)

漆黒の騎士「むっ!」

 漆黒の騎士が見たのは翔けてきた一匹の天馬。

漆黒の騎士「あれは乙女の家の…」

エリンシア「やっと着きましたわ。あら、しっこくさま。ご機嫌うるわしゅう。ミカヤ姉さまとアイクを連れて参りました」
漆黒の騎士「貴殿が連れてきたのか」
エリンシア「えぇ。天馬に無理矢…いえ、しっかりと乗せて。それにつきまして、私も見学してよろしいでしょうか?」
漆黒の騎士「………構わない」
エリンシア「ありがとうございます」

ミカヤ  「…騎士さま」
漆黒の騎士「乙女よ、安ずるな。アイクとの勝負、楽に勝てるとは思わぬが、楽に負けるとも思っていない」
ミカヤ  (その心配じゃないんですが…)

アイク  「しっこく…」
漆黒の騎士「どうした。勝負の前だというのにその表情。貴殿らしくない」
アイク  「俺には止めることは無理だった」
漆黒の騎士「?」
アイク  「頑張ってくれ」
漆黒の騎士「頑張れとは人任せな…一体何を――!?」

 一瞬で剣を後ろに構えた漆黒の騎士。エタルドが受け止めているのは、天馬に跨がったエリンシアの手に握られたアミーテ。

エリンシア「まぁ、受け止めるだなんて」
漆黒の騎士「突然何を…」
エリンシア「けれどこれでは終わりませんわ!」

 次々と繰り出されるエリンシアの攻撃。漆黒の騎士はその一つ一つを的確に受け止めていたが…
 
247 名前: しっこく挑戦状8 [sage] 投稿日: 2008/07/28(月) 14:24:56 ID:mOno/liC
エリンシア「いきます!」
漆黒の騎士「!?」

ミカヤ  「あれは叫喚!?騎士さまは見切りを持っているはずなのに」
アイク  「見切りすら越えたというのか!俺もまだ未踏だというのに…」

エリンシア「見切りなど私の怒りに比べたらどうということありません!さぁ、修理代を払ってもらいましょうか!?」
漆黒の騎士「修理代…とは?」
エリンシア「とぼけるのですね!ならわかるまで斬り続けるだけです!
      あいにくアミーテは耐久がありませんもの。何度も何度も連続で行かせていただきますわっ!!」
漆黒の騎士「ま、待った!修理代の説明を…!」
エリンシア「言い訳は聞きませんっ!」

ミカヤ  「………」
アイク  「………」

エリンシア「ぶっ飛ばして差し上げますわ!」

 結局三人が帰って来たのは夜。エリンシアの顔は晴々だった。
 次の日グレイル工務店に依頼して玄関は無事修復される。その修理代もしっかりと払われた。
 玄関は何事もなかったかのように今も使われている。
 しかしあの一件以来、皆が少しだけ家事の手伝いをしてくれるようになったとか。

おわり