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Last-modified: 2008-10-19 (日) 13:35:56

268 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2008/09/15(月) 11:26:37 ID:xgYmDdb4
ロイ   「……」
リーフ  「……」
マルス  「……君たち、準備はいいね?」
ロイ   「もちろんだよ兄さん」
リーフ  「この日のためにどれだけの準備を重ねてきたか……」
マルス  「うむ。もはや気は熟した! 我々の辞書に失敗の文字はない!」
ロイ   「この襖を開けてミカヤ姉さんが入ってきたときが勝負、か」
マルス  「ぬかるなよ、二人とも!」
二人   「おう!」

 そのとき、玄関から「ただいまー」という声が聞こえてきて、三人の間に緊張が走る。

マルス  (来たか……!)
リーフ  (冷静に行動しようね、二人とも!)
ロイ   (もちろんさ!)

 さあ来い、と三人が身構えるのと同時に、居間の襖が開く。
 そして現れたミカヤが、満面の笑みで叫ぶ。

ミカヤ  「みんな、今日は敬老の日よ! さあ敬って!」

 空気が凍った。
 三人は一体何を言われたのか分からない、という感じの呆然とした表情でしばし立ち尽くす。
 やがてその顔が、見る見る内に絶望に覆われていった。

ミカヤ  「え、な、なに、どうし」
マルス  「ウワァァァァァァァァァァァッ!」
リーフ  「そりゃねえよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ロイ   「酷すぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」

 頭を抱えてのけぞるマルス、壁に頭を打ち付けまくるリーフ、跪いて地面を叩きまくるロイ。
 そして、三人の目から止めどなく溢れ出す、滝のような涙。

ミカヤ  「い、いったい何がどうなって……」
マルス  「どうしたもこうしたもないよ!」
リーフ  「なんで自分で『敬って』とか言っちゃうのさ!?」
ミカヤ  「え? いやだってほら、わたしってばおばあちゃん呼ばわりされてもおかしくないぐらいの年だし……」
ロイ   「だからって自分から宣言するこたないでしょ!?」
マルス  「うわぁぁぁぁっ、この日のネタ作りのために台本まで用意したのにぃぃぃぃぃっ!」

 髪をかきむしるマルスの横で、リーフが電話帳ぐらいのサイズの台本を思い切り叩きつける。

ミカヤ  「ちょ、厚すぎないこれ!?」
マルス  「それだけ波瀾万丈の大作になる予定だったんだよ!」
リーフ  「テキストにして1MB越えの超大作だよ!」
ミカヤ  「スレ二つでも足りないじゃないそれ! 長すぎ!」
ロイ   「ババァ扱いされてキレたミカヤが起こす、紋章町史上最大の大騒動!
      アイクが叫ぶ! ヘクトルが吼える! エフラムが走る!
      エイリークが流す慟哭の涙は、はたしてユンヌに届くのか……!?
      そういう煽り文句の傑作ネタになるはずだったのに!」
ミカヤ  「どういう話なのそれ!?」
マルス  「ああ失望した、全く姉さんには失望したよ!」
リーフ  「やってらんねーっ!」
ロイ   「KY! ミカヤ姉さんのKY!」

 三人は泣き叫びながら何処かへと走っていく。
 残されたミカヤ、茫然自失の表情で一言。

ミカヤ  「……あの、わたし、なんか悪いことした?」