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Last-modified: 2008-12-07 (日) 23:39:40

326 名前: とある孤児院での大騒動? [sage] 投稿日: 2008/10/24(金) 22:21:11 ID:CJXL8ISq
とある孤児院にて
ルゥ   「みんなー、お勉強の時間だよ-。」
チャド  「勉強が終わったら昼飯だから、しっかり勉強するんだぞ-?」

ヒュウ  「・・・ふぅ、今日も良い感じだな。エフラムわりいな、
      折角の休日に孤児院を手伝って貰ってるのに、大した礼もできなくて。」
エフラム 「気にするな。俺もそろそろ進路を考えなければならない時期だからな。こういった職業訓練の機会を与えてくれて、むしろ俺が礼を言いたいくらいだ。」
ヒュウ  「そうか。まぁ、気が向いた時にまた手伝いに来てくれると助かるぜ。ガキんちょたちにかなり気に入られたみたいだしな。
      また運動とか教えてやってくれよ。大した礼はできねーが、昼飯くらいなら用意するからよ。」
エフラム 「ああ。・・・それと、次に来る時にはミルラ達を連れてきてもいいか?ここには(見た目的な意味で)同年代の友達になれそうな子が沢山いるからな・・・。」
ヒュウ  「おう。どんどん呼んでくれ。おっと、そろそろ来る時間か・・・。」

突然孤児院に1人の竜騎士がやってくる。

ヴァイダ 「今日のお客さんはこの孤児院で間違いないね?」
ヒュウ  「ええ、間違いないッすよ。」
ヴァイダ 「よし。たのまれた肉団子50人分、ちゃんと届けたよ。」
ヒュウ  「ありがとうございました。これ代金です。また頼む時があると思うんで、そんときはお願いします。」
ヴァイダ 「あいよっ。・・・おや?アンタ・・・兄弟家の坊やじゃないか。アンタもここで働いていたのかい?」
エフラム 「『竜牙将軍』の店長じゃないか。俺は手伝いでここにいるんだ。・・・なるほど、今日の昼飯はあんたの所の肉団子がメインか。子ども達も喜んでくれるだろうな。」
ヴァイダ 「ハハハッ、嬉しい事いってくれるじゃないか。今日は孤児院のガキんちょ達がお客さんっていうからね。
      いつも以上に気合いを入れて作ったよ。・・・腹一杯食うのは子供の義務だからね。少しでも良い物を届けてやりたいさ。」
エウラム 「・・・そうだな・・・。ところで、店の方は良いのか?今あんたがいないんじゃ、店の方は・・・。」
ヴァイダ 「心配いらないよ。ヒースのヤツが店番しているからね。といっても、このまますぐ帰ったんじゃアイツの為にもならないから、
      しばらくここにいさせて貰っても良いかい?」
ヒュウ  「ええ、問題ないっすよ。」

そして昼食の時間
ヒュウ  「よーし、メシの時間だぞ-!!今日のメインは、あのヴァイダさんとこの肉団子だ-!!」
子ども達 「わーい!!」
エフラム 「大人気だな。」
ヴァイダ 「ホント、こんなに嬉しいことはないさね・・・。」
ヒュウ  「よーし、全員に行き渡ったな?それじゃあ・・・全員手を合わせて下さい!!」
全員   「(ビシィッ←手を合わせる音)」
ヒュウ  「いただきます!!」
全員   「いただきます!!」

幸せそうな食事の風景。
ヴァイダも楽しそうに食事をする子ども達を見て、思わず頬がゆるんでいた。

昼食の後・・・
ルゥ   「みんな、お昼寝の時間だよー。」
チャド  「この後はエフラム兄さんも一緒に遊んでくれるから、しっかり休んでおくんだぞ-。」
子ども達 「はーい!!」
327 名前: とある孤児院での大騒動? [sage] 投稿日: 2008/10/24(金) 22:22:07 ID:CJXL8ISq
数分後
チャド  「よし、チビ達はみんな眠ったな。」
ルゥ   「そういえば、今日子ども達に読んであげる本はどうなりました?」
ヒュウ  「あー・・・やべ、見つかってねぇや・・・。」
チャド  「いつもはレイが送ってくれるんだけどな・・・。あの野郎、しくったか?」
ルゥ   「やめなよチャド。レイは子ども達のことを考えて本を送ってくれているんだから。」
チャド  「わかってるって。アイツも素直じゃねぇよな。今闇魔導の研究をしているのも、
      いずれチビ達が闇魔導に興味を持った時に少しでも危険がなくなるように自分が教えるってのが目的の1つだもんな。」
ヒュウ  「ん?・・・おっと、メールだ。兄貴?何々・・・『子供向けの、面白そうな本を
      見つけたから今からそっちに持っていくよ。』か。何とかなりそうだな。」

さらに数分後・・・
カナス  「こんにちはー!!」
ヒュウ  「兄貴、そんな大声ださなくても聞こえるって。ガキんちょ達が起きちまうぜ。」
カナス  「おっと、ゴメンゴメン。あれ?ヴァイダさんじゃないですか?」
ヴァイダ 「アンタ・・・久しぶりだね。」
エフラム 「知り合いか?」
カナス  「昔、本をその竜さんに何度か食べられたことがある関係、かな。」
チャド  「なんだそれ・・・。」
ヒュウ  「それで兄貴、子供向けの本ってのは・・・?」
カナス  「ああ、これだよ。 つ『ディアドラえもん~ドキッ!?イズカだらけの大運動会!?~』」
エフラム 「(その作品は・・・!!)」
ルゥ   「(多くの読者を再起不能にした・・・!!)」
チャド  「(放送禁止の問題作・・・!!)」
ヒュウ  「(こんな物を見せたら、ガキんちょどもは・・・)」
カナス  「どうかな?僕も軽く目を通した程度だけど子ども達に呼んであげても良いんじゃないかな?」
エフラム 「(ああ・・・孤児院の子ども達オワタ・・・)」
この混沌としたスレに救世主が!!!
ヴァイダ 「喰っちまいな!!アンブリエル!!」
カナス  「えっ?」
カナスが差し出した「ディアドラえもん~ドキッ(ry」をむしゃむしゃと食べる、ヴァイダの愛竜、アンブリエル。
ヒュウ  「(ヴァイダさんGJ!!)」
エフラム 「(マジでGJ!!)」
カナス  「ああ・・・あんなに美味しそうに・・・。」
チャド  「(・・・なぁ、カナスさん、マジでへこんでないか?)」
ルゥ   「(うん・・・カナスさん的には、子ども達に喜んでもらおうと思ってやったことだしね・・・。)」

カナス  「・・・。(しょんぼり)」
ヴァイダ 「あ、あんたらしくないねぇ!!ほ、ほら、この本貸してやるから、
      いつもみたいにヘラヘラしてな!! つアンパントマンの初版本(レア)」
カナス  「!!・・・これは・・・あの幻の・・・ヴァイダさん、どうしてあなたが・・・。」
ヴァイダ 「じ、実家の倉を漁ってたら出てきたんだよ!!何かの役に立つと思って持ってきただけさ!!」
ヒュウ  「兄貴、兄貴もこれ読みたいんだろ?だったらさ、ガキんちょ達が起きてきて、
      本を読んでやる時間になったら兄貴が読んでやってくれよ。兄貴は本を読むのが
      上手いからなぁ。ガキんちょ達も、きっと喜んでくれるって!!」
カナス  「そ、そうかなぁ?・・・よーし、兄さん、頑張って子ども達の為に読むぞ-!!」

その後、カナスの朗読は元の話の面白さもあってか子ども達を大いに楽しませ、孤児院の新たな名物となった。
エフラム 「・・・何はともあれ、一件落着ってヤツか?」
ルゥ   「丸く収まって良かったって事にしましょうよ。」
チャド  「ホント、良かった良かった。」
328 名前: とある孤児院での大騒動? [sage] 投稿日: 2008/10/24(金) 22:23:03 ID:CJXL8ISq
長めのおまけ

ヒースの日記
○月×日
今日はヴァイダ隊長が孤児院への配達ということで、しばらく店を離れる事になった。
その間、俺が何とかこの店を守らなければ。
隊長はなかなか帰ってこない。そう思っていると、
仲の良さそうな・・・というよりは、妹が兄に過剰な恋愛感情を抱いているような、
そんな感じの兄弟が客にやってくる。
接客態度としては全く問題はなかったと思うが、
俺自身、その妹の儚げな感じに見とれてしまった感があった。
いかんいかん、自分には隊長という人がいるのだ。
もっと精進しなければ。

さらに数分後、
とても綺麗な金髪のおねいさんが店にやってきた。
少しばかり雑談したのだが、そのおねいさんは、リグレグループの社長令嬢らしい。
身分違いの恋というヤツか・・・。
いや、違う!!俺は隊長一筋のはずだ!!
数時間後、隊長は機嫌が良さそうに帰ってきた。
まさか、他に男がいるんじゃ・・・。
正直不安になったが、帰ってきてすぐに俺が1人で店を守りきったことを誉めてくれた。
いよっしゃあああああああ!!!!!!!!!

後日談
カナス  「実は、もう一冊あったりして。 つ「ディアドラえもん~ビラクと秘狩りの勇者(いいおとこ)達~」」
ヴァイダ (ちょっと涙目)「喰っちまいな!!アンブリエル!!」
カナス  「ああ・・・あんなに美味しそうに・・・!!」

エフラム 「・・・こうして、孤児院の平和は守られた。」
ジャファル「・・・良かったな、本当に。」
エフラム 「・・・ああ・・・!!」

終わり