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Last-modified: 2009-01-06 (火) 22:54:27

144 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2008/11/20(木) 23:32:54 ID:vioHeILk
リーフ  「そういえばさ、エリンシア姉さんはいつからああなの?生れつき?」
マルス  「何が?オバンシアだってことがかい?」
エリンシア「うふふ、マルスちゃんったら何の話かしら?」
マルス  「あ、いやそのすみません慈悲拷問は止めアッー」
リーフ  「はいはい志村うしろうしろ」
エリンシア「あらリーフちゃん話を遮ってごめんなさい。それで私が何ですって?」
リーフ  「そうそう、前から聞きたかったことなんだけどさ、姉さんはいつからあんな筋肉好きなの?」エリンシア「え……」
ミカヤ  「おっとそれは私も気になるところね」
リーフ  「ん、姉さんも知らないの?」
ミカヤ  「うん、この子ったら中学生には既にガチムチ覗きで前科二犯だったからね」
リーフ  「マジですかwwwやばいっすねwwwww」
エリンシア「その……あの頃にはありがちな厨二病だったというか///」
リーフ  「いや、今もしてるでしょ」
ミカヤ  「んー、でも確か小学校低学年くらいはそうでもなかった気が……その頃からかしらね?」
エリンシア「……それは!」
リーフ  「あれ、図星?」
エリンシア「……はい、確かにそう……です」
ミカヤ  「ど、どうしたのエリンシア胸に手を当てちゃって?もしかして切ない恋の記憶?!」
エリンシア「私の……淡い初恋だったんです」
リーフ  「ガチムチ好きになったきっかけの恋か。微妙だなぁ……」
ミカヤ  「ちょ、聞かせて聞かせて!」
エリンシア「あれは十年程前……まだ私が天馬騎士を志したばかりの頃でした……」

~~~~~~~~~~

エリンシア「お、おねがいです!いうことをきいて!」

幼いながらもどこか大人びた雰囲気の11歳エリンシアは暴れる天馬に悪戦苦闘していた。
まだロクに天馬に乗ったことのないためになかなか扱いの勝手が分からないのだ。
しかしペガサスは不完全な体勢でしがみついているエリンシアを無視して空へとどんどん進もうとする。

エリンシア「や、やめて……そんなにとんではだめ!こ、こわい……!」

下を見下ろすとさっきまでいた庭があんなにも小さくなっている。恐ろしさのあまり手綱を掴む手が震える、思わず手が滑る。

エリンシア「……っ!」

体が大きく揺れ、天馬の上から滑り落ちたエリンシアは腕一本でどうにか留まっている状態であった。
しかしそれは11歳の力無き少女のか細い腕、自らの体を支えるのはすぐに限界が来た。もう駄目、落ちる――

?????「ピー!」

何かの鳥の鳴き声が聞こえた。前方にやけに大きな緑の鳥が見える。
それは風をも超えるような速さで迫り、そのままエリンシアをくちばしでくわえる。
驚きのあまり言葉も出なかったエリンシアに次の更なる驚きが待っていた。

?????「ふぅ、全くベオクの娘っ子はそそっかしくていけねえ」

巨大な鷹にくわえられていたはずのエリンシアはいつのまにか筋骨逞しい大男の腕の中にいたのだ。しかもその男の背中には――

エリンシア「ととと鳥さんの羽ついた人とななな何でさっきの鷹さん私おおお落ちてはわわ」
鷹の民の男「お、おいおいちょっと落ち着けって、別に取って喰わねぇから。ほらよ(天馬に乗せる)」
エリンシア「あ……」
鷹の民の男「乗る奴が怖がるからこいつも怖がって暴れるんだぜ?しっかりしろよ」
エリンシア「あ……は、はい。……あの、ありがとうございました。危ないところを助けていただいて」
鷹の民の男「……随分躾の行き届いたベオクだな。俺が怖くねぇのか?」
エリンシア「……??どうしてですか?助けていただいた方を怖がるだなんて」
鷹の民の男「いや、その……ほら、耳が尖んがってるとか翼が生えてるとかよ」
エリンシア「え……あ……そういえば翼?さっきの鳥さん?あなたは一体?」
鷹の民の男「混乱してんな。ま、無理もねえか。あのな、俺達はラグズって言ってな……」
145 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2008/11/20(木) 23:34:32 ID:vioHeILk
鷹の民の男「ま、そういうわけだからあまり俺達には関わらないこった。お前やその家族までのけ者にされちまうからな」
エリンシア「……やっぱり意味がよく解りませんが?」
鷹の民の男「嬢ちゃんにはもう少し賢い印象を受けたんだがな?あのな……こんな化け物みたいな奴らと」
エリンシア「そんな素晴らしい翼を持っていることの何がそんなにおかしいのですか?私には理解しかねます!」
鷹の民の男「……!」
エリンシア「私、ずっと鳥さんに憧れてたんです、自分の翼で空を飛べる鳥さんに。でも、それは私自身の力では到底無理なことだと解っていました。
      だから、天馬騎士になってせめてこの子の力を借りて飛びたいってそう思ったんです。でも、上手くいかなくて落馬して……」
鷹の民の男「ほう……」
エリンシア「そんな中、あなたに出会えました。同時に言い表せない感動にも。まさか、こんな、こんな風に自分の翼で空を飛べる人がいるだなんて!」
鷹の民の男「……嬢ちゃん」
エリンシア「あ……!すいません、お喋りが過ぎました!……お気を悪くさせたでしょうか」
鷹の民の男「何なら……俺と一緒に飛んでみるか?」
エリンシア「本当に申し訳な……え?」
鷹の民の男「なんだ、その……もし俺みたいなのが本当に怖くねぇってんならだけどよ……」
エリンシア「ほほほ、本当によろしいんですか?!」
鷹の民の男「ああ、ペガサスよりもその気分に近くなれると思うぜ?」
エリンシア「ぜ、是非ともおねがいします!」

エリンシアの了解を得ると、鷹の男は早速天馬から彼女を降ろし、しっかりと抱きかかえた。
男の隆々とした筋肉の感触が直にエリンシアの肌に伝わってくる

エリンシア「あ……///」
鷹の民の男「おっとすまねえ。化身して背に乗せるんじゃどうしても危ねえからな。このままじゃまずいか?」
エリンシア「い、いえ!お構いな……あ、あの!///」
鷹の民の男「どうした?」エリンシア「お、おにいさん?はひょっとしておねえさん……だったりしますか?!」
鷹の民の男「……は?!」

突然の突拍子もない珍妙な質問に男は鳩が、いや鷹が豆鉄砲を喰らったような顔をした。

鷹の民の男「な……どうやったら俺がお姉さんに見えるんってんだ?」
エリンシア「し、失礼しました!やっぱりおにいさんですよね!」
鷹の民の男「いや、怒ってねえけど。ただ、なんでそんな……」
エリンシア「おっぱいが……」
鷹の民の男「へ?」
エリンシア「おにいさんにしてはおっぱいがやけに大きいなあって……///」
鷹の民の男「ぷっ……くくっ……ハッハッハ!嬢ちゃん、お前は面白い奴だなあ!」
エリンシア「わ、私また何か無礼を?!」
鷹の民の男「いやいや。にしても……くくっ、おっぱいってな!」
エリンシア「ち、違うんですか?」
鷹の民の男「いいか、確かに俺の胸は膨らんでるかも知れねぇ。でもな、これは『筋肉』なんだ」
エリンシア「『筋肉』?」
鷹の民の男「そ、おっぱいと違って柔らかくねえんだよ。ほら、触ってみろ。こいつをどう思う?」
エリンシア「すごく……硬いです……」
鷹の民の男「な?ま、これも戦う男の勲章みたいなもんだ。てわけで俺は正真正銘男だよ」
エリンシア「筋肉……KINNIKU……硬い……男の勲章……」
鷹の民の男「お、おい?」
エリンシア「ハッ!すみません、ちょっとぼーっとしてて」
鷹の民の男「大丈夫か?まあ、ずっとこうしてるのも何だしそろそろ行くぜ」
エリンシア「は、はい!」
鷹の民の男「俺の腕にしっかりとつかまってろ……よ!」

男はそう言って全身を斜めに傾け飛び立ち、エリンシアはその感動に浸るはずであったのだが――

エリンシア「(や、山のような腕と胸のKINNIKUに密着して窒息しそうハァハァ/ヽア)」

彼女は飛ぶどころか堕ちてしまっていた。

鷹の民の男「どうだ、気持ちいいか?!」
エリンシア「は、はい!とっても!(KINNIKUが///)」
146 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2008/11/20(木) 23:35:45 ID:vioHeILk
しばらくして残された天馬の元に戻り、それを引き付れて地上へと降り立つ。
その頃にはエリンシアはすっかり男の虜になってしまっていた。

エリンシア「あ、あああありがとうございましたッッッ///」
鷹の民の男「ちょ、大丈夫か?なんか顔赤いぞ嬢ちゃん。ひょっとして……無理させちまったか?」
エリンシア「いえ!そんな!全く!全然!」
鷹の民の男「しかしな、息も荒いみてぇだし……寒い中飛び回って風邪ひいたんじゃあ」
エリンシア「そ、それは違います!私は、私は……」
鷹の民の男「な、なんだ?」
エリンシア「わ、私はおにいちゃんのことを好きになってしまったみたいなんです!」
ティバーン「?!」
エリンシア「……鷹のおにいちゃん!私をあなたのお嫁さんににして下さい!」

男は二回目の豆鉄砲でちょっとの間呆然としていたが、しばらくするとまた一回目の時の様に豪快に笑い出した。

鷹の民の男「俺の……くくっ……ラグズのお嫁さんにってか!ハハハ、こんな面白いベオクに会ったのは嬢ちゃんで二人目だぜ!」
エリンシア「な……!私は本気ですよ!!」
鷹の民の男「いやー、悪い悪い。気持ちは嬉しいんだけどな、その……俺とお前じゃあ……えっと」
エリンシア「私が子供だからってことですか?!」
鷹の民の男「……あ、ああ!そう、それ!嬢ちゃんみたいな色気の無いガキには興味ねえからな~」
エリンシア「そ、そんな!もうブラだって付けてるのに!」
鷹の民の男「なんと言われようと今のままじゃ駄目だな。まあ、十年経って……それでも俺のこと想ってくれてるようなら考えてやってもいいけどよ」
エリンシア「十年、本当ですね?!」
鷹の民の男「……ああ、約束しよう」
エリンシア「私、ずっと待ってますから!」
鷹の民の男「そうか……じゃ、俺そろそろ行くな?」
エリンシア「はい、今日は本当にありがとうございました!」
鷹の民の男「ああ、元気でな、嬢ちゃん」
エリンシア「はい……あ!待って!」
鷹の民の男「ん、どうした?」
エリンシア「お名前を……伺ってませんでした!私はエリンシア、あなたは?」
ティバーン「俺は、ティバーン。フェニキス王ティバーンだ、エリンシア!」

~~~~~~~~~~

エリンシア「というわけなんです」
リーフ  「へー!あの鷹王が初恋の相手で命の恩人だったんだ」
エリンシア「はい。それからというもの私はティバーン様の面影を追いかけてはガチムチな殿方を視姦し痴漢しハァハァするようになり」
ミカヤ  「今に至るってわけね」
マルス  「犯罪入ってるよ」
ミカヤ  「全くそれならそうと早く言ってよ!妻子持ちのバアトルさんにハァハァしだした時はどうしようかと思ったけど鷹王様なら全面的に応援するわよ!」
マルス  「鳥翼族とのパイプ、しかも最高に太いやつが出来るしね」
ミカヤ  「顔もなかなかのイケメンだしね」
アイク  「何か知らんが鷹王なら確かに安心して姉さんを任せられるな」
エリンシア「それはそうなのですが……」
リーフ  「どうしたの?もう十年経ったじゃん。何でそんなに失恋みたいに悲しそうなの?」
エリンシア「駄目なんです、私はあの方を愛してはいけないんです!」
ミカヤ  「な、何で?!」
エリンシア「皆さん、ラグズがベオクと間に子をもうけると……どうなるかご存知ですか?」
リーフ  「え?」
ミカヤ  「まさか……!」
エリンシア「あの時ティバーン様が私を避けた本当の理由が今なら分かります。そう、私は……
     知ってしまったんです!その子供は親のラグズとしての力を奪ってしまうということを!」
リーフ  「そんな!」
ミカヤ  「なんてセツナイ恋の結末なの!」
エリンシア「私はあの方の翼を奪いたくないんです!ティバーン様にはいつまでも空の王者でいて欲しいんです!ウッウッ……」
リーフ  「姉さん……」
ミカヤ  「エリンシア……」
147 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2008/11/20(木) 23:37:09 ID:vioHeILk

マルス・アイク「いや、子供産まなければよくない(か)?」

エリンシア「え?」
ミカヤ  「ちょ、何を言い出すのよ!」
リーフ  「な、なんてデリカシーのない……!」
マルス  「だってそうじゃん、今時避妊方なんかいっぱいあるんだし」
ミカヤ  「そういう問題じゃないの!出産が女性にとってどんなに大事な……いや、その前に空気を、このセツナイ空気を読みなさい!」
マルス  「セツナイ(笑)」
ミカヤ  「むきー!ヲトメゴコロ(笑)馬鹿にすんなー!」
リーフ  「姉さん、自分で(笑)付けてるから」
アイク  「コウノトリに鷹王の力を奪わない子供を頼めば」
ミカヤ  「あんたは根本的に間違ってる!全くもうどいつもこいつも繊細さに欠けるんだから!ねぇエリンシ」
エリンシア「盲点でした……そういえばそうですね!」

ミカヤ・リーフ「エェェェェェェェェェェェ」

エリンシア「たとえ実の子は産めなくても、この愛はきっとティバーン様の厚い胸板に届くはず!」
リーフ  「ちょwwwテラポジティブwww」
アイク  「頑張れエリンシア!俺も協力するぞ」
マルス  「そうだよ、十年経ってレディ通り越して熟女になったその魅りょ……ぐふっ!」
エリンシア「はい!頑張ります!」
ミカヤ  「ああもうどうにでもなれー!早くデキ婚でもコウノトリでもしちまえー!」

ルキノ 「どうしたのヘタレ弟よ」
ジョフレ「姉さん……何故か涙が止まらないんだ(´;ω;`)」

おわる