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Last-modified: 2011-06-09 (木) 22:10:21

333 :時の挟間にて:2009/01/05(月) 19:52:30 ID:ytj2s/Ad
12月31日23時50分
―大晦日から元旦へと変わるのもすぐという時間―

本来なら誰も居ないはずのマレハウト山岳頂上に一人、立っている者が居た。
その者の姿は、学者か研究者を彷彿させるような―この深夜でもはっきりと見える白い―ローブを着ていて、長髪だった。
その者は何かを待っている様で、時計をやや気にしつつもその場から動こうとしなかった。

一刻、一刻と時計は進み、あと10秒で日付が変わるという時、その者は動き出した。
顔に手を当て、体を反らせながら深呼吸をして、止まり…

叫んだ。

「今年は、色々と、酷い有様でしたーーー!!」
デシターー
デシターー
デター・・
シター・・・・・

山彦が帰ってくる中、その者はもう一度深呼吸をして、止まった。

1月1日 0時0分 元旦

「今年も、色々と、酷い有様でありますようにーーーーーーーー!!」
コトシモイロイロトヒドイアリサマデアリマスヨウニーーーーー
コトシモ・・・・ヒドイ・・デアリマス…ーーーーー…
コトシモイロイロト・・・アリ・デ・・ス・・ーーー
………………・・・・・・ウニーー……

山彦も消えてからしばらくして…

「……さて、帰るとしましょう。」

その者は春風のごとく帰って行った。