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Last-modified: 2011-06-09 (木) 22:26:27

412 :頑張れ乙女・・・と男達:2009/01/11(日) 00:56:23 ID:StQqoXTe
ユアン  「あ、マリカみつけた。」
マリカ  「ユアン?どうしたの?」
ユアン  「マリカに連絡。少しの間お仕事は休みだよ。」
マリカ  「どうして?」
ユアン  「大したことなかったんだけど、ジスト隊長がケガしちゃったんだ。」
マリカ  「!!」
ユアン  「それで、一週間位病院に入院してるんだ。このメモに病院の地図と部屋番号書いてあるから。」
マリカ  「そう、・・・ありがとう、ユアン。」

病院にて・・・
ジスト  「しっかし、俺としたことが情けねぇ話だな。こんなケガして入院だなんてな。」
テティス 「でも、命に別状がなくて良かったわ。本当、心配したんだから。ね、マリカ?」
マリカ  「・・・(コクッ)」
ジスト  「そいつは悪かったな。俺はしばらくベッドの上での生活になるが、お前達まで俺に付き合って仕事休まなくても良いんだぜ?」
テティス 「何言ってるの。まだ傷が響くんでしょ?お世話しなくて良いの?」
マリカ  「(うんうん。)」
ジスト  「ハハハ・・・。」
テティス 「少なくとも、どうしても抜けられない仕事の時以外はこうして付いていてあげるわ。」
マリカ  「私も。もし、隊長がケガしているの知って悪い奴らが来たら大変だから・・・私も来る。」
ジスト  「だからわざわざ個室の病室を借りたのか・・・二人とも、ありがとよ。」

次の日・・・
ジスト  「よう、マリカ、良く来たな。」
マリカ  「隊長、具合はどう?」
ジスト  「まぁ、ちょっとずつだが良くなっているぜ。」
マリカ  「良かった。・・・テティスは?」
ジスト  「ああ、昨日言っていた『どうしても抜けられない仕事』が入っちまったらしい。」
マリカ  「そう。・・・今日は、私が隊長を、守るから・・・。」
ジスト  「おう、期待しているぜ。」

数時間後・・・
ジスト  「・・・・・・。」
マリカ  「隊長、どうしたの?」
ジスト  「いや・・・ちょっとばかし眠いだけだ。・・・ひとつ、頼まれて貰って良いか?」
マリカ  「何?」
ジスト  「いや、俺が眠っちまったら、その間に上半身だけで良いから、身体拭いてくれねぇか?まだ風呂には入れねぇんだ。」
マリカ  「え・・・!?」
ジスト  「ま、できたらで良いからよ。そん・・・じゃ・・・ちょっとばかし眠らせて貰・・・ZZZ。」
マリカ  「わ、私が、隊長の・・・?」

マリカはお湯につけたタオルを手に取った。視線の先には自分の思い人であるジストの眠っている姿がある。
彼女は勇気を出して、ジストのパジャマの上を脱がせた。間近で見る男の裸体
(エリンシア「KINNNIKU!KINNNIKU!」エリンシアさん、患者さんが起きるんで自重して下さい。)
自分の体温が上がっているのを彼女は感じた。そして彼女の手(タオル)が触れそうになった瞬間・・・マリカの意識はなくなった。

413 :頑張れ乙女・・・と男達:2009/01/11(日) 00:57:01 ID:StQqoXTe
さらに数時間後・・・
ヒーニアス「ん?」
サレフ  「む。」
ヨシュア 「お?」
ヒーニアス「何故貴様がこのような場所にいる?」
サレフ  「この部屋に入院している友人の見舞いに来ただけだ。お前にどうこう言われる筋合いはない。」
ヨシュア 「まぁまぁ、目的は一緒なんだから仲良く行こうぜ。怪我人の前で喧嘩するのも何だろ?よーう、ジス・・・」

ドアを開けた次の瞬間、三人の目の前には凄まじい光景が広がっていた。
三人   「血の海―――――!!!????」
そう、さほど広くもない病室にはジストが横たわっているベッド、花瓶、来客用の椅子などが置かれているのだが、
その全てを覆い尽くすような、真っ赤な血が壁一面、床一面にぶちまけられていたのである。
ヒーニアス「一体何があったというのだ!?」
ヨシュア 「し、知らんがな!?あっ!あそこに倒れているのはマリカ!?」
サレフ  「左手にタオルのようなものを握りしめているが・・・!?」
ヒーニアス「ペロ・・・これは鼻から出た血液!!」
ヨシュア 「何でわかるんだ!?つーかよくなめられるな!!」
ヒーニアス「なんとなくだ!!」
ヨシュア 「(スルー)そうか、これはきっとマリカは貧血で倒れたんだ。その証拠にこの大量の・・・」
ジスト  「ん・・・(寝ぼけ眼で血まみれ)おーうみんな、見舞いに来てくれたのかー・・・?」
ヒーニアス「まずい!!この状況を見られたら・・・」
サレフ  「スリープ!!」
ジスト  「・・・(がくっ)・・・ZZZ。」
ヨシュア 「なにしてるんだ!?」
サレフ  「はっ、体が勝手に・・・」
ヒーニアス「いや、むしろGJと言わざるを得ない。ジストが眠っている間に、我々でこの状況をなんとか打開するぞ。」
ヨシュア 「お、おう!・・・確かにここで起きられたらマリカオワタだもんな・・・。」
サレフ  「それで、具体的にどうする。」
ヒーニアス「ここにはうちの執事のモルダが医者としても働いていることもあり、私は何かと顔が利く。
      私は院長と話を付けてくる。ヨシュアは付いてきてくれ。
      サレフ、お前はマリカの介抱とジストが目を覚ましそうになった時のスリープの重ねがけを頼む。」
サレフ  「わかった。まかせてくれ。」
ヒーニアス「よし、いくぞヨシュア。」
ヨシュア 「ああ。」

ヒーニアス「よし、次は部屋の掃除だ。私は天井と壁をやる。二人は床を頼む!」

ヨシュア 「ジストの着替えと体をキレイにするの、終わったぜ!」

サレフ  「そろそろ起きる頃だな・・・スリープ!!」

ヒーニアス「そうですか・・・新しい病室は取れませんか・・・ではできればもうひとつベッドを貸して・・・大丈夫ですか!ありがとうございます!!」

ヨシュア 「よっしゅあ!!運ぼうぜ!!」

サレフ  「今のは聞かなかったことにしておいてやる・・・。」

ヒーニアス「輸血の方は・・・おお!!ヨシュア、お前の血液がマリカに使えるようだ。」

ヨシュア 「え?・・・ち、血が~!!」

サレフ  「・・・。」

414 :頑張れ乙女・・・と男達:2009/01/11(日) 00:58:31 ID:StQqoXTe
そして・・・

マリカ  「ん・・・?」
ジスト  「お?起きたみたいだな、マリカ。」
マリカ  「・・・どうして私がベッドに?」
ヒーニアス「貧血で倒れていたんだ、私達が見舞い来た時にな。」
ヨシュア 「ちょっと疲れが溜まってたみたいだな。(フラフラ)」
サレフ  「医者が言うには、二,三日休めば大丈夫らしい。ゆっくり休むことだ。」
ジスト  「だってよ。みんなに感謝しとけよ?」
マリカ  「ありがとう。(ペコリ)」
ヒーニアス「気にするな。特に大変なことがあったわけではないからな。なぁ?」
ヨシュア 「お、おう。これくらい何でもないさ。(血は足りないけど。)」
サレフ  「気にしないでくれ。」
ジスト  「それにしても、お前達、随分仲良くなったみたいだな?」
マリカ  「私もそう思う。」
ヒーニアス「・・・まぁ、少しな。」
ヨシュア 「俺は元々仲良いつもりだぜ?」
サレフ  「ふっ・・・(微笑み)」
ヒーニアス「さて、そろそろ私達はおいとましよう。面会時間も限られているしな。
      そうだ、二人は同じ部屋で構わないか?私が掛け合って別々の部屋にしても良いが・・・。」
ジスト  「そこまでしてくれなくても良いって。まぁ、マリカ。少しの間我慢してもらえるか?」
マリカ  「私は・・・一緒の部屋でも構わない。(///)」
ヒーニアス「そうか。では私達はここで失礼する。」
ヨシュア 「ゆっくり治せよ。」
サレフ  「(お前もな。)また来させてもらう。」
ジスト  「おう、ありがとよ。」
マリカ  「ありがとう。」

ジスト  「みんな帰っちまったな。ところで・・・何でかわかんねぇけど、今日全然眠くねぇんだ。お前は?」
マリカ  「私も今起きたばかりだから・・・眠くはない。」
ジスト  「そうか。じゃあ久々に話でもするか。ここ最近、仕事ばっかりだったもんな。」
マリカ  「・・・うん。」

こうして、三人の男達の活躍によって事なきを得た。
だが忘れてはならない。誰かの笑顔、喜びの裏には必ず
誰かが影ながら頑張っているのだと言うことを・・・

ジスト  「(・・・にしても、上半身どころか、下半身も、全身やけにさっぱりしてるんだよな・・・
      これはマリカがやって・・・くれたんだよな・・・。)」
マリカ  「隊長、どうしたの?」
ジスト  「・・・ま、いっか。」

終わり