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Last-modified: 2011-06-04 (土) 12:33:43

布石壊しと歌姫

午後6時・・・アイク帰宅
アイク   「ただいま」
ミカヤ   「あ、おかえr・・・」
ミカヤは絶句した。
理由?彼の背中を見れば分かる。
ミカヤの目の前にいるのは、白い翼の生えたアイクだったからだ。
ミカヤ   「・・・」
アイク   「? 姉さん?」
 ッキャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?
マルス   「な、なに?どうし・・・うわぁ!?」
リーフ   「なに?どうしたのマルス兄・・・おおう!?」
ロイ    「どうしたの二人とも・・・わああ!?」
ヘクトル  「うっせーな何を・・・兄貴ィ!?」
エリンシア 「まぁ、一体どう・・・アイク!?」
リン    「姉さんまで何を騒いで・・・へ!?」
 ッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?

アイク   「何を騒いでるんだ?」
ヘクトル  「いや兄貴背中ァァァ!!」
ロイ    「白い翼生えてるよォォォ!!」
エリンシア 「ああ!とうとうアイクが天に召されましたわぁぁぁ!」(泣)
アイク   「何を言ってるんだ?」
バタンッ
アイクはドアを閉めた。
その時、アイクはマルス達に背中を向けて閉めたので、羽が丸見え・・・というより、担いでる人が丸見えだ。
リン    「あ、あれ?」
マルス   「そ、その背中の人は?」
アイク   「背中?・・・む!」
リアーネ  「ZZZ・・・ZZZ・・・」
アイク   「いかん・・・リアーネを背負ったまま連れて来てしまったようだ・・・」
ヘクトル  「なんで気付かねぇんだ!?」
ロイ    「軽いって事を差し引いても気付かないのはおかしい・・・!」
エリンシア 「ああ、びっくりしましたわ・・・」
リン    「いや、それ以前になんで背負って来ちゃったの?」
アイク   「今日、セリノスの森で神殿の補強を一人でしていた時の事だ・・・」

~回想シーン~
アイク   「ふぅ・・・やはり、一人だと手間が掛かるな」
ティバーン 「よぉ、アイク!調子はどうだ?」
リアーネ  「アイ、ク・・・どう・・・?」
アイク   「ティバーンにリアーネ・・・ああ、今日は一人だから時間が掛かりそうだが、今日中には終わりそうだ」
ティバーン 「そうか。なんか手伝う事はあるか?」
アイク   「いや、今のところ問題無い」
リアーネ  「お菓、子・・・い、しょ・・・食べ、よ?」
アイク   「む、ありがたい」
ティバーン 「んじゃ、俺も1つ・・・」
リアーネ  「だ、め。これ・・・アイ、ク・・・の。ティバーン・・・の、これ」
ティバーン 「ちぇ、ダメか」
アイク   「ティバーンの菓子より大きいな」
リアーネ  「この、お菓、子、オ、スカーさんに・・・なら・・・た、の」
アイク   「オスカーにか?わざわざありがとう」
リアーネ  「ふふ・・・」
ティバーン (そういえばリアーネも一応アイクとフラグ立ってるんだったな・・・)
アイク   「さて、作業を再開しようか」
リアーネ  「わ、たしも、お手、伝い、する!」
アイク   「手伝い・・・といってもな・・・そこの木槌くれるか?」
リアーネ  「うんっ・・・しょ・・・!」
アイク   「・・・」
ティバーン 「・・・」
リアーネ  「は・・・い・・・ど・・・ぞ・・・!」
アイク   「あ、ああ・・・」
ティバーン 「・・・」
アイク   「・・・リアーネ」
リアーネ  「は、い?」
アイク   「止めておいた方がいいと思うぞ」
ティバーン 「アイクに賛成だ」
リアーネ  「や、だ!お手、伝い・・・す、る!」
アイク   「・・・リュシオンはどうした?あいつが居れば説得できるんだが・・・」
ティバーン 「ああ、生憎風邪気味だったからな・・・あの状態で外に出したらどうなるか分かったもんじゃねぇから置いてきた」
アイク   「・・・」
ティバーン 「リアーネ、お前に力仕事は無理だ」
リアーネ  「無理、じゃ、ない・・・出来る事、きっと、ある・・・!」
アイク   「・・・といってもな・・・木槌でギリギリ持てるくらいじゃ金槌も石畳も持てない・・・」
ティバーン 「なんかリアーネでも出来そうな事ねぇか?」
アイク   「う~む・・・む、そうだ」
アイク   「木槌を貸してくれ」
リアーネ  「は、い」
ティバーン 「・・・これは・・・」
アイクは、リアーネをおんぶして石畳をはめ、リアーネから木槌を受け取り、石畳をコンコンと叩いて微調整している。
それが終われば木槌をリアーネに渡し、石畳をはめ、またリアーネから受け取り、石畳を叩く・・・。
周りから見れば至極効率の悪い方法である。
ティバーン 「アイク・・・これ、お前が自分で木槌を持ってやったほうが良いんじゃ・・・?」
アイク   「仕方ないだろう?ここまで手伝うと言ってくれてるのに断るのも悪い。多少の効率の悪さには目を瞑るさ」
ティバーン 「ん~・・・まぁ俺としてはありがたいがな」
~回想終了~

アイク   「・・・というわけで、背負っているのを忘れて帰ってきてしまったというワケだ」
ヘクトル  「マジか・・・兄貴の背中には神経が通ってないのか?」
ロイ    「というか周りの目を気にしてないアイク兄さんも凄い・・・」
アイク   「周り・・・そういえば、レテと会ったが全速力かつ涙を流しながら走り去って行ったな・・・」
マルス   (リアーネさんを背負うアイク兄さんを見たからかな?それともアイク兄さんに翼が生えた様に見えたからかな?)
リーフ   「でもホントに軽いんだね。邪魔にならなかったの?」
ミカヤ   「そりゃそうでしょ、当の本人が背負ってるのを忘れてるくらいだもん」
エリンシア 「幸せそうな寝顔ですね」
リアーネ  「ZZZ・・・ZZZ・・・」
アイク   「なんにしても、一度戻らなければ・・・」
リアーネ  「ムニャ・・・ふああ・・・」
ヘクトル  「!」
マルス   「起きたね」
リアーネ  「・・・」ボー・・・
アイク   「おい、しっかりしろ」
リアーネ  「ア、イク・・・?・・・ここ、どこ・・・?」
アイク   「俺の家だ」
リアーネ  「い、え?・・・なん、で?」
アイク   「なんでって・・・あんたが寝たからな」
ミカヤ   「違うでしょ。あんたが背負ってるの忘れてたんでしょ」
リアーネ  「・・・」
ヘクトル  「初めて間近で見たけど可愛いな」
リアーネ  「!」
バゴンッ
ヘクトル  「いでぇ!」
リン    「あんたね!いきなり何言ってんのよ!」
ギリギリギリギリ
ヘクトル  「だばばばばばば!!チョークスリーパーはやめてッ!」
リン    「しかもフロリーナという子がいながらアンタって人は・・・!」
ヘクトル  「な、なんであいつの名前が出てくんだよ!」
リアーネ  「・・・アイ、ク・・・怖い・・・」
ギュウッ(←アイクにしがみつく)
アイク   「やめろ二人とも。リアーネが怖がってるぞ」
ミカヤ   「そうよ。一応お客さんなんだから」
アイク   「リアーネも、それくらいで怖がっていては生きて行けんぞ?」
リアーネ  「・・・う、ん・・・」
マルス   「まぁ無理もないでしょ。鷺の人達は負の気に敏感だし」
リーフ   「じゃあ僕達の家は負の溜まり場だね。リン姉さんとヘクトル兄さんはああだし」
KINSINハユルサンゾー!! シグルドニイサンティルフィングハヤメテー!! ウヒヒ、蝶サイコー!! ニイサンワライカタカワッテルーッ!
リーフ   「2階はもはや惨劇だし」
ズドボォン!
リーフ   「流れ弾(?)キター!この人でなしー!」
ヒュルルルル
ドォン!
ロイ    「・・・リーフ兄さんもああだしね」
マルス   「う~ん、改めてみると酷い有様だね」
ロイ    「何を今更」
リアーネ  「・・・」
アイク   「どうした、リアーネ?顔色が悪くなってきたぞ?」
リアーネ  「だい、じょぶ・・・です」
エリンシア 「本当に大丈夫ですの?」
マルス   「いけない、そろそろ限界かな」

リン    「でもリアーネさん、よく落ちなかったね」
アイク   「ああ、作業中にリアーネが落ちないように縛っておいたからな(今は解いてあるが)」
リーフ   ポタポタ・・・
マルス   「リーフ・・・」
リーフ   「すみません・・・」
ロイ    「なんでこういうのには敏感なんだろ・・・?」
リーフ   「うっ・・・敏感と聞いて更に・・・!」ボタタッ
マルス   「ダメだコリャ」
エリンシア 「リアーネちゃん、よく眠れましたか?」
ヘクトル  「昼に寝ると夜眠くなるから辛いぜ・・・」
アイク   「そうか?」
ヘクトル  「いや兄貴に言ってない」
リアーネ  「アイク、の・・・背中、暖か、く・・・て、広、く・・・て、寝心地良か、た・・・です」
アイク   「? そうか?」
エリンシア 「で、では私も・・・」ドキドキ
リーフ   「やめてよ!それでドバッチリ食らうの僕なんだから!」
ミカヤ   「うっ・・・」
ロイ    「どうしたの?ミカヤ姉さん」
マルス   「・・・このタイミングで姉さんが気絶・・・嫌な予感」
ミカヤ?  「・・・アイクの背中に乗れると聞いてやってきました」
マルス   「負の塊キタァー!」
ロイ    「まるで狙ってたかのような登場!」
リアーネ  「ううっ・・・!」
マルス   「あ、リアーネさん!?」
バサッ
バササササァ
アイク   「リアーネ!?」
エリンシア 「リアーネちゃん!?」
マルス   「ほら!変態奇邪女神が来るからリアーネさん行っちゃったよ!」
ユンヌ   ∑「奇邪女神って!?」
アイク   「とにかく外も暗い・・・探すぞ」
マルス   「それ!」つ【メダリオン】
ユンヌ   「出番コレだけ!?押し入れイヤァア~アア~!!」シュポンッ
ロイ    「ホントユンヌさん来るとハチャメチャになるよね・・・ただでさえハチャメチャなのに・・・」
マルス   「さすがは混沌だね。無秩序だよね」
アイク   「グダグダ言ってないで探すぞ!」
マルス・ロイ「はい!」
~一時間後~
アイク   「どうだ?いたか?」
ヘクトル  「いや、いねぇな」
リン    「リアーネさんの匂いの付いた何かがあると良いんだけど・・・」
マルス   「姉さんってホント野生化」ガシッ グンッ「バァァァァァァァァァ!!?」
ズドムッ!
ヘクトル  「ば、バックドロップ・・・」
エリンシア 「マルスちゃんの頭が地面にメリ込んでいますわ・・・」
ミカヤ   (リンってプロレスのビデオか本でも持ってるのかしら・・・?)
リーフ   「おーい!リアーネさん居たよー!」
ヘクトル  「見つかったか」
アイク   「行こう」
ダダッ

~紋章公園~
ロイ    「大丈夫ですから、降りて来てください」
リアーネ  「・・・」
ロイ    「ほら、えっと・・・ユンヌさんも居ませんし」
リアーネ  「・・・」
ロイ    「困ったな・・・」
リーフ   「呼んできたよー!」
ロイ    「あ、リーフ兄さん達」
ミカヤ   「あ、ロイ。リアーネさんはどこ?」
ロイ    「あそこ、木の上」
エリンシア 「あらま」
ヘクトル  「結構高い所に・・・」
ヘクトル達は見上げるほど大きな木を眺めた。
そこから大木の中間辺りの枝にリアーネは止まっていた。
ヘクトル  「お~い、誰か、ヴォルフバイルでもアルマーズでもいいから斧を」バキャ!「ぐお!?」
リン    「またアンタはとんでもないことを!」
グギギギギギギギギギ
ヘクトル  「いべばばばばばばばばば!コブラツイストもやめろッ!」
ロイ    「やめなってば、リアーネさん余計降りてこなくなっちゃうよ」
リン    「ハッ、いけないいけない・・・」
アイク   「すまん、少し遅れた」
ロイ    「あ、アイク兄さん」
アイク   「ム・・・結構高い所に登ったものだな・・・華奢な体だと思っていたが、天晴れだ」
リン    「いや飛んであそこに行ったからね?」
ロイ    「なんて解釈の仕方だろう・・・」
アイク   「お~い、リアーネ!」
リアーネ  「!」
アイク   「降りてきてくれ!皆心配してる!」
アイクは両手をリアーネの方に突き出した。
リアーネはそれをジッと見つめている。
リアーネ  「・・・」
バサッ
フワッ
ロイ    「わぁ、アイク兄さん凄い」
リーフ   「ロイが話し掛けても知らん振りだったのに・・・」
アイク   「よし、と」
リアーネはアイクの両腕に自分を預けた。
アイク   「・・・」
リアーネ  「・・・?」
アイク   「・・・ふ」
リアーネ  「!」
アイク   「やはり、あんたは誰よりも軽いな」(微笑み)
リアーネ  「//////」カァァ
バサァッ
リアーネはアイクの腕から離れ、空高く飛び去って行った。
アイクはリアーネの顔が赤くなったのに気付いていない。

アイク   「む?」
ロイ    「あ、行っちゃった」
アイク   「・・・俺、何かしたか?」
ロイ    「さぁ・・・?」
一同    (天然・・・ここの所はソックリだな・・・)
アイク   「仕方ない、追い駆けるぞ」
ロイ    「うん」
ヘクトル  「あ~、ストップストップ」
リン    「ほら、リアーネさんの去った方角をみてえ。セリノスの森に行くわ。きっと帰るのよ」
アイク   「しかし夜道は危険だ」
リン    「いや道無いし」
エリンシア 「リアーネさんの事は私がティバーンさんに知らせておきますわ」
アイク   「・・・む・・・」
エリンシア 「さぁさぁ、帰って御飯にしましょう」
アイク   「晩飯か・・・そういえば忘れてたな」
ロイ    「あ、僕も」
ヘクトル  「そうだったな・・・腹減ったぁ~」
兄弟家一同は、速やかに家に帰っていった。
家の中では、シグルド等が腹を空かせてテーブルの上に突っ伏していた。
~セリノスの森上空~
リアーネ  「///?/// ///?///」
リアーネは、自分の感情がどのような物か良く分からなかった。
ただ、体が熱い・・・それが確かな感覚だ。
~セリノスの神殿内~
リュシオン 「リアーネ・・・ああ、どうしよう、やはり迎えに行った方が良いのだろうか・・・」
ティバーン 「落ちつけよ、アイクならそこら辺の輩に絡まれてもリアーネを護れる」
リュシオン 「しかし・・・ああ、ますます不安に・・・」
ネサラ   「!」ピキーン
リュシオン 「どうした?ネサラ」
ネサラ   「・・・今、超強力なライバルが出現した気がする・・・」
リュシオン 「??」
リアーネがアイクの嫁候補になった!
ネサラにライバルが出現した!