1
ここは紋章町トラキア地区の山の中の砦、一人のウォーリアがTVを見ていた。
ダグダ「……ふむ……最近町中ではガチムチが人気なのか……
よし! 山を降りるぞ野郎ども!
ガチムチが初めて日の目を見たトラキアの底力見せたるんじゃー!」
手下一同「へい!親分!」
親分の号令の下ガチムチな山賊たちが大集合!ダグダを先頭に山を駆け下りていった。
タニア「おーい親父!今日の晩飯なに作る?・・・て行っちまった。なんだTV見てたのか。
あ、これバアトルズブートキャンプじゃん。またなんか影響受けたな。脳まで筋肉なんだからまったく」
ぼやくタニア。TVにはバアトルの躍動する筋肉がアップで写っている。
タニア「ま、いーや どの道夕飯の買い物行かなきゃなんないし、上手くすりゃ麓で行き会うかもしんないし」
財布を持って出かけるタニア、脳筋のムサ男集団にあって家事は大抵彼女とマーティの仕事である。
この日常の何気ない一コマが紋章町を混乱とカオスに叩き込む事になるとは……
2
駅前の商店街、茶色の髪の少年が自販機の釣銭出口をチェックして回っている。
道行く人もいつもの事なので気にしない。
リーフ「ちぇっ、やっぱ世間は不景気だね。この一月で3ゴールドしか出なかったよ。
なにかいい儲け話はないかなー・・・ん?」
ドドドドドド!!!!!
土煙を立ててガチムチ男たちが走ってくる!
リーフ「ヤバッ!猛烈に嫌な予感がしてきたのう!こういう時は逃げるに限る!」
ガチムチを回避しようと横道に入るリーフ。だが彼がなにかすると大抵裏目にでるのである。
ワレス「ガハハハハ!なんだリーフではないか!」
リーフ「げっ!ワレスさん!?」
そこにはランニング中のワレスがいた。
ワレス「ちょうどいい、ワシが久々に鍛えてやろう!遠慮はいらん!」
リーフ「ちょ・・・僕はこの後都合が!」
そんな事を言っても聞くワレスではない。
ワレス「ムッ!あの男たち!さてはマラソン大会か!
よし!ワシらも飛び入りで参加するぞ!」
リーフ「僕に拒否権はナシですか!?イヤーーーッ!!!この人でなしーーーーーー!!!」
3
ダグダ「この辺でいいだろう。よーし!ぜんたーい止まれ!」
親分の号令の下、一斉に停止する手下たち。
この時間帯は人通りも多く、シビリアンたちが怪訝な目でダグダ達を見ている。
ダグダ「さあ、日頃鍛えた筋肉を、世間に見せびらかしてやるんじゃぁぁぁぁぁ!!!!」
ふんどし一丁になって力こぶを作るダグダ、縦社会の山賊では親分の命令は絶対である。
いやいやながらもふんどし一丁になってマッスルポーズをとる山賊たち。
ダグダ(フフフ……ここで目立って世間の人気者になればエーヴェルもワシを見直すはず!
娘よぉぉぉぉ!!!新しいお母さんを連れてかえるぞぉぉぉぉぉ!)
たちまち付近は数十人のガチムチ男の筋肉世界となってしまった。
何事かと野次馬が集まり人垣ができていく。
ワレス「男の魂が共感する!なにしとるリーフよ!ワシらも脱ぐぞ!」
リーフ「なんですかそりゃー!ちょっ!やめて!脱がさないで!」
ブリーフ一枚に剥かれてしまうリーフ。ガチムチに紛れて一人貧弱な彼は一際人目を引く。
山賊A「むん!」へこむ腹筋!
山賊B「ハアッ!」もりあがる力こぶ!
初めは嫌がっていた手下たちも何となく場の雰囲気に乗ってしまう。
4
バアトル「ん?何の騒ぎじゃ?おおっこれは!……ワシも負けておれん!」
ローズ「なんかいけるよマギー」
マギー「そうだねローズ」
サジマジバーツ「セットにするなーーー!」
ゴンザレス「ポ……ポーズはこうか?」
ボーレ「腹筋の硬さは豆腐じゃない!……はずだ」
スクリミル「ベオクには負けんぞ!」
カイネギス「まだまだ若い者には負けん!」
ヨハルヴァ「ラクチェー!俺を見てくれーーー!!!」
キサ「アタシのグラマラスな肉体にみーんな釘付けね!」
ビラク「ウホッ!」
ロシェ「ビラク自重」
アイク「どうして俺の前に立った……ム?リーフお前もいたのか?」
リーフ「僕はもうね……駄目かもわからんね……」
ガチムチのはざまで押しつぶされそうになっているリーフ。
汗むさく暑苦しい地獄のようなありさまである。
???「なんじゃぁぁぁっこりゃぁぁぁぁ!!!」
その声に振り向くリーフとアイク。そこにはタニアの姿があった。
タニア「お……親父……なにやってんだ!」
ダグダは手下達が4人ががりで組み体操してつくった筋肉櫓の上でポーズをとっている。
ガチムチに慣れてるタニアもさすがにドン引きである。
ダグダ「娘よ!もうすぐ新しいお母さんを連れて変えるぞ!弟と妹どっちがほしい!ガハハハハ!!」
ゴメス(もうやだこの色ボケジジイ……)
タニア「……こんなだからエーヴェルさん振り向かないんだよ……」
頭を抱えるタニア。ちなみに買い物の荷物もちについてきたマーティは
ふんどし一丁になって筋肉の渦に飛び込んでいった。
5
リーフ「おーいタニア……助けてくれよう……」
タニア「なんだリーフもいたのか……ほらどきなお前ら」
山賊「へい!お嬢!」
ようやっと脱出するリーフ。
リーフ「それにしてもあいかわらず巨乳だなぁ…うは、たまらん!でも年下なんだよなぁ……ロリっぽいし
でもあの乳は……ハァハァ」
(助かったよタニア、ありがとう)
タニア「……っ!」
真っ赤になってリーフに蹴りをいれるタニア。その時リーフは何者かにレスキューで連れ去られるのだった!
リーフ「いかんいかん、つい言葉と思考が逆に……ってここは」
サ
テリミ
ナ
ミランダ「お仕置きの」
ナンナ「時間です」
サラ つ藁人形
ティニー(リーフ様総受けガチムチ攻めハァハァ)
リーフ「アー!」
6
?????「うひょーーー!ガチムチ!筋肉祭り!たまりませんわぁぁぁぁ!うは!鼻血が!!」
???「混沌キター!アイクハァハァ!でも私ら名前を隠すの、意味あるのかしらね?」
マルス「やっぱり姉さん達ですか」
つメダリオン
ユンヌ「イヤァァァ押入れイヤァァァ!」
エリンシア「ああっマルスちゃんなんて事を!」
マルス「いやね、ガチムチが集合し始めたあたりから、この落ちは読めたと思うんですよね。
それに姉さんこのままじゃ出血多量で倒れそうだし」
エリンシア「鼻血ごときで私の筋☆肉☆愛はとまりませんわぁぁぁ!」
マルス「鼻血も止まりませんけどね」
こうして紋章町の筋肉騒動は収まった。FETVが特番を組み、ダグダは首謀者として
TV出演を果たしたのだがブリ……エーヴェルは旅に出ていてこの事を知ることはなかったのである。
ダグダ「なんってことだぁぁぁぁ!」
タニア「……知られなくてすんでよかったと思うけどね……」
終わり
いやね、タニアって山賊たちからすればお嬢だよね。
山賊「へい!お嬢!」て妄想してたらこんなネタになってもうた。
でも反省はしない。