19-94

Last-modified: 2011-06-05 (日) 16:21:58

真のあいくとは何なのか。
それを究明するべく我が工務店の総力を結集して7人の偽あいくを作り上げた。
ドット単位でアイクと寸分違わない精巧な見た目、見てるだけで脳が桃色になっていく渋さ、そして
「「「「「「「腹が減った。肉をよこせ」」」」」」」
早速しっこくに群がってつんつんと唇で牽制を始める食欲。
完璧である。
この完璧さをもって尚真似できない要素こそが真のアイクたる条件と言えるだろう。
早速ゲストのアイクさんにお越しいただきました。
幸せそうに泣くしっこくの鎧を7人の偽あいくがぺろぺろ味見しているのを見て目をまんまるにするアイクの大将。
「くそ、腹が減った」
それは味見風景に食欲を催しただけです。
いまいち状況が掴めないようで、ポケットから出したユンヌの塊をもはもはと食べている。
すると偽あいく達もポケットから思い思いの肉を出してかぶりつき始めた。
単位で言うと8愛苦の状況にエリンシアと女性陣は興奮して床・壁・天井をごろごろ転がっている。
ううむ偽も真も等しくかっこいい。
ゲストアイクもしっこくのチキ味ガントレット味見会にててててっと混じったのでもう見た目では判別がつかない。
少し早いが切り札の古のかりゆぅぅぅぅぅぅぅぅに合図を送る。
隣の建物の屋上で待機していた古のかりゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅがやや怪訝そうな表情で達に手を振る。
カリユとカリユとカリユとカリユとカリユとカリユとカリユとカリユは一斉にぱっと顔を上げると
満面の笑み×8とラグネルを装備して古のかりゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅへのラブコール(ラグネル間接攻撃)を開始した。
8条の青い怪光線が古のかりゆぅぅぅぅぅぅぅぅに突き刺さり、屋上に大爆発を巻き起こした。
共鳴することで物質に影響を与えるほどのラグネル衝撃は、周囲に「俺に肉をよこせ」と
アイクの声で、確かな音としてメッセージの内容を無差別に撒き散らすほど強力なものだった。
気恥ずかしかったのか、アイク達は顔をくしゃっとさせて赤面しながらお互いの背中をバンバン叩いている。
爆発跡から出てきた古のかりゆぅぅぅぅぅぅぅぅに突撃し捕食を開始。
逃げ出した古のかりゆぅぅぅぅぅぅぅぅは窓をぶち破って工務店に侵入するとアイク一人一人に丁寧に頭突きして帰った。
困った。目の前で腹を押さえてよだれをためているアイク達はどれも本物に見える。
キルロイさんは既にさじを投げて超失踪している。うだつの上がらない神医だ。

マーシャを前に立たせても「今日も頑張っているなマーシャ」と同じ反応で頭をなでなでする。
8回頭をなでられたマーシャはストレスでグレて金髪になったが、イチゴ牛乳をかけるとマカロフ色に戻った。
鼻のいいレテをアイク地帯に放り込むと、濃厚すぎるガチムチアイクの香りに「うぎゅー」と呻いて
ぽふんと煙に包まれたかと思うとアイクに変わっていた。
これはいけない。まさかアイクが伝染するものだったとは。
9人に増えたアイクは古のかりゆぅぅぅぅぅぅぅぅによる破壊跡をてきぱきと手際よく片付けると、
セネリオに命令してミストの馬を10頭に増やしてのんびりと捕食を始めた。
噴火で焼いたりサナキのレクスフレイムで焼いたりユンヌに裁かせたり大天空で細切れにしたりそのまま生で食べたり血抜きして刺身にしたり。
とても猟奇的な光景だが、どれも普段修行をしているときにしていることなので真贋の判断材料たりえない。
「「「「「「「「「もっと肉をよこせ」」」」」」」」」
ナインアイクが同時にNGワードを吐いた。
ただでさえ馬を肉にされて切れているミストとチキに被害が行くかもしれないと思ったエフラムによるツープラトンキック。
まぁアイクにとっては威力はないのだが「うおわぁ!」だの「これはいい修行になる」だのイレース「お腹……空きました……」あれ何か変なの混ざったぞまあいいかだののんびり騒いでいる。
そこで出前を頼んでおいた山盛りのユンヌを差し入れすると、計11人のガチムチとつるぺたの紫色はぱああっと顔を輝かせた。
みんなガチムチでみんなイレースの新種なので大乱闘が起こり、仲良く均等になどありえず、殴り合い蹴りあいながらユンヌをもはもはする。
この猟奇的な光景を見て分かった。
あいくに真も偽もないのだと。
アイクである以上はみんなガチムチで男前で渋い声な店長なのだ。
お腹の膨れたアイク達は寝てしまったイレースを抱っこして兄弟家に帰っていった。
満足感に浸っているとミカヤが廊下からひょいと顔と覗かせた。
「ねぇ、予備の偽アイクが一人こっちに逃げてきたと思うんだけど」
ふーむ。ゲストも偽アイクとは一本取られた。

その日仕事を終えて帰宅した真アイクは、自分のベッドで眠る8偽アイク・1元レテアイク・1イレースに驚くことなく、
毛布がないので仕方なくイレースの服をはぎ取って布団にして寝た。
あいくぅぅぅぅぅぅぅぅぅ