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Last-modified: 2007-06-15 (金) 22:44:42

体格・・・もしくは体質

 

騒がしくも平和な主人公家。今日はセリスの友達たちが遊びに来ています。

ラナオウ「わぁ、セリス様ってこんな小さな頃から素敵だったんですね」
スカサハ「・・・同感だけど、どこから見ても女の子にしか見えないのは・・・色々問題あるだろう」
ユリア「そんな事無いわ。セリス様はいつ、どんな時も素敵です。問題なんてありませんわ」

ちなみに竜と羊の間には、セリスだけが気付かない歪んだ空間となっていたりします。

レスター(くっ、このままではこっちが参ってしまう・・・何とか話の方向性を変えないと・・・)
スカサハ(同感だ、だがどうする?・・・おや?)「セリス様、この一緒に写真に写っている方はどなたですか?」

スカサハが指差したのは、可憐な青髪の美少女の隣に立つ精悍な少年の姿。
雰囲気的に主人公家の一員だとは思うのですが、セリスの友人達が知る中で該当する兄弟は居ません。

ラクチェ「青い髪はセリス様と同じですね。顔立ちは・・・マルス様を精悍にした感じですね」
ラナオウ(見ただけで判る・・・この少年、只者じゃないわ。私に勝ちを確信させないなんて)
ユリア「あら?でもこの剣には見覚えが・・・いえ、まさかそんなはずはありません。あの方とは違いすぎます」
セリス「あ、ユリアは判る?それ、アイク兄さんだよ」

一瞬の空白の時間。直後に響いた驚きの叫びは、遠くマケドニアの飛竜の谷まで響いたと言います。

レスター「あ、あのアイクさんが!?いや、確かに顔立ちはそうだけど、別人過ぎる!」
スカサハ「なにより、この体つきは在り得ません!確かに筋肉はついていますけど、この細身の身体がどうやってあんな身体に!?」

無理もありません。
誰しもそう思うでしょう。
口々に今と過去の違い過ぎる体格を考察し始める友人達。

ラクチェ「昔はまだ精悍な美少年と言えたのに、今ではあんな・・・はっ!」

突如、ラクチェが顔色を蒼白にしてセリスを見やります。考えてはいけない想像をしてしまったのでしょう。

ラクチェ(・・・アイク様と同じ兄弟と言う事は、もしかしてセリス様も同じように?)

奇しくも、友人達はほぼ同じタイミングでその考えに至ってしまったようです。
一瞬で重すぎる空気に・・・こんな空気、お通夜でも中々お目にかかれません。

ラナオウ「セリス様ぁ・・・あ、アイク様みたいになるのは・・・なるのは・・・」

そのあまりな未来像に、なんとあのラナオウまで涙目です。
ですがセリス自身は気にした様子も在りません。

セリス「僕がアイク兄さんみたいな?・・・多分無理だと思うよ。体質が違うみたいだから。僕はどちらかと言うと、ジグルト兄さんみたいな体質なんだ。

その言葉に、一同胸をなでおろします。
ジグルトの体格・・・背は高いけど、手足のすらりと伸びた均整の取れたそれならば、セリスの未来の姿として許容できるレベルです。

ユリア(セリス様をもう少し精悍な印象にして、あの身体にすると・・・まぁ、なんて素敵な・・・)
ラナオウ(今の可愛らしいセリス様もいいけど・・・ジグルト様くらいの逞しさで私を包んでくれるのも・・・イイ!凄くイイわ、それ!)
ラクチェ(・・・ヨハヨハとは比べ物にならないくらい素敵よね、それ・・・あいつらそろそろ振ろうかな)

むしろ素晴らしく好印象のようです。

セリス「あ、でもジグルト兄さんは、親戚のパイロン叔父さんの体質に似てるって言われてるらしいから、僕もそうかもね」

もっとも、指差された当の人物・・・立派な髭のパイロン叔父さんを目の当たりにして、一同は更なるカオスに陥るのでした。

おわり