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Last-modified: 2011-05-30 (月) 22:28:58

フレッドVSAKJ改めイリオスVSAKJ

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オルエン「それで今度は、フリージ製の雷の魔道書のCMをお願いしたいんです」
シャナム「はは~オルエン様の依頼とあれば!…時に制作費の方は?」
オルエン「予算はこのくらいで…」

…やっぱフリージってのは金あんだなぁ…社長が卑屈になるのもしょうがねえか
俺も「釣りはチップだ、とっておきたまえ」とか言ってみてえぜ…

セーラ「こ~ら平民!またなんか非現実的な妄想をしてたでしょ!」
イリオス「平民言うな!」
セーラ「ケッ!ど~せ玉の輿とか狙ってんでしょ!無理無理、夢見んのはやめなって!
    あんたじゃせいぜい貴族の奴隷か下僕がいいところよ!」
イリオス「バーロー!んなもん狙ってねぇ!大体ヤツの世間知らずっぷりは
     ここしばらくでわかっただろ!んな騙すみてぇな真似できるか!」
セーラ「騙す以前にあんたじゃ相手にされっこないって言ってんの!
    ちょっと声かけてもらったからって、自分がモテ男くんだって勘違いしてんじゃなーい?
    このエロゲオタ!夢見るのは2次元までにしよーね!」
ドロシー「セーラさん言いすぎですよ、誰だって夢を見る権利はあるんです」
イリオス「……その言葉のほうがキツイんですけど……」

ユアン「……」
イリオス「オイコラ何してんだ」
ユアン「やだなあ、ただカメラの手入れをしてるだけさ」
イリオス「あのなぁ…アイツは一応俺の高校の同級生なんだよ!
     お前のパンチラ盗撮見逃したら目覚め悪ぃだろが!」
ユアン「チッ!」

疲れる…くそ…いつもならフレッドの野郎が妨害するのに…いればいたでウザいが、
いなけりゃいないで腹立たしい…なんで俺が野郎の代わりに盗撮阻止せにゃならんのだ!

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シャナム「じゃあ来週中にはお電話しますので…」
オルエン「ええ、お願いします」

社長とオルエンの打ち合わせが終わったようだ。
イリオス「…っといけねえ、そろそろ夕方のニュースの時間だ」
生放送だからな…そろそろ準備しねえと…
オルエン「あらイリオス、これから放送?」
イリオス「ああ」
オルエン「邪魔はしないから、見学していいかしら?」
俺は社長の方を見る。
シャナム「もちろん構いませんとも、是非ごゆっくりしていって下さい」
ま、こう言うと思ったぜ。

つーわけで、俺たちはニュース放送をはじめた。
オルエンの奴、やっぱ珍しいんだろ。キョロキョロしてら。

順に本日のニュースを流していく。

ドロシー「本日、午後2時頃、バレンシア地区で強い地震が発生しました。
     震源地はドーマの祭壇、ドーマ神が寝ぼけてメガクエイクを唱えた事が原因です。
     バレンシアではリゲルを中心に、津波や土砂崩れに注意を呼びかけています」
セーラ「とんでもなく迷惑な神様ねぇ」
ドロシー「まあ…否定できませんね、ドーマ神より謝罪のコメントが出ています」
ドーマ『人間たちには済まないことをした。住居等に被害があった場合はドーマ教団まで申告してほしい。
    私の触手で補修させてもらう』

よし、本日の事件はこんなもんだな…次はスポーツニュースか…

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シャナム「わ!なにをする!部外者が勝手に入っては…」
プリシラ「エルファイアー!」
シャナム「ギャー!」
プリシラ「KINSHINを阻止する輩は許しません!」

な、なんだ!?本番中だぞ!乱入するんじゃねぇ!
プリシラ「オルエンさん!ようやく会えました!」
オルエン「え!?私ですか!?」
プリシラ「はい!貴方を同志としてお誘いにきたのです!」

なんだかわからねぇがこのままじゃ放送ができねぇだろが!
いまはTV画面に『しばらくおまちください』のメッセージを写してる。
イリオス「おい!なんだか知らねぇが出てけ!」
プリシラ「知らないなら教えてあげます!私はAKJのプリシラ!
     オルエンさんをAKJに勧誘に来たのです!」
オルエン「え!?AKJはフレッドから悪徳商法だと聞いています。
     そういう会に入るわけには…」
プリシラ「それは真っ赤な嘘、誤解です。まずは私の話を聞いてください」
イリオス「俺を無視するな!とにかくスタジオから出てくれ!」
俺はオルエンとプリシラの手を掴んでスタジオを出る。
ユアン1人にカメラもなんもかんも任せちまう事になるが、これ以上放送を遅らせられん!

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つかAKJか…以前取材にいったことがあるな…
ラケシス会長がカメラに向かって、議会に出してる法案の支持を訴えてたっけ…
プリシラ「オルエンさん!貴女はお兄様の事がお好きですか!」
オルエン「え?…ええ、尊敬しています」
プリシラ「AKJは兄を愛する淑女達の団体なのです!是非AKJに入って、
     兄妹愛の素晴らしさを共に広めましょう!」

大体読めてきたぞ…たぶんフレッドの野郎がいないすきに勧誘しようってわけか…
フレッドの野郎、こういう勧誘は妨害してそうだもんな…
「お嬢様をKINSHINの道に行かせるわけにはいかん!」とか言ってそうだ…

プリシラ「兄妹はKINSHINするのがあるべき姿なのです!」
オルエン「ええと、KINSHINってなんでしょうか?」
プリシラ「じっくり教えてあげます!」

待て待て待て!なんかヤバイ方向に話がいってるぞ!?
こんな純粋培養のお嬢様が、そんな教育受けたらえらいことになるだろうが!?
俺は邪魔することにした。

イリオス「あー悪いが、コイツは今仕事の用事でここにきてんだ、そういう用事ならまた今度にしてくれるか?」
プリシラ「なんですか貴方は?」
オルエン「彼は私のお友達です」
プリシラ「……」
…なんだコイツ?
俺の顔をじろじろ見やがって…

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プリシラ「さては貴方はオルエンさんに気がありますね!」
イリオス「なっ!?なにほざきやがる!」
この馬鹿!本人目の前でなんちゅーこと言い出しやがる!?
プリシラ「おだまりなさい!でなければ人の兄妹愛を邪魔するなんて非道な真似はできないはず!
     貴方に妹はいないのですか!」
イリオス「そんなもんおらん!」
オルエン「イリオス一人っ子だもんね」
プリシラ「妹のいない貴方に兄の資格はありません!」
イリオス「いや、そりゃそうだけどよ…」
オルエン「???」

ああもう!このガキなにほざいてやがる!わけわかんなくなってきたぞ!
オルエンのヤツも状況についていけてねぇ。そりゃそうだよな、俺だってついていけねぇ。

プリシラ「KINSHINを阻止する輩は滅びなさい!」
つ エルファイアー
フレッド「うわっ!?あぶねぇ!」
オルエン「きゃっ!プリシラさん、こんなところで魔法はいけません!」
プリシラ「オルエンさん!貴方はこの平民に騙されているんです!すぐに退治して、
     お兄様との仲を取り持ってあげますからね!」
オルエン「え!?イリオスは私を騙したりなんか…」
プリシラ「可哀想に…自分が騙されてる事にも気付いていないなんて…
     この邪魔者を退治したら、ゆっくり兄妹の素晴らしさを教えてあげますからね…」

なんかむかっぱらが立ってきた…なんでここまで言われりゃならんのだ!
この毒電波め!

イリオス「くそったれが!退治できるもんならやってみやがれ!」

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プリシラ「食らいなさい!」
つ フィンブル
イリオス「ぎえー、冷たい!」
コイツ、なんて魔力だ!?やべぇここは!
イリオス「太陽発動!食らいやがれ!トロン!」
プリシラ「きゃぁ!酷い…兄様以外の人が、私のHPを吸うなんて許せない!」
イリオス「無茶苦茶ゆーな!」

げっ!?コイツスリープの杖を取り出しやがった!
プリシラ「これで眠らせて、じっくりと八つ裂きにしてあげます!」
じょ…冗談じゃねぇ!?こいつの目は本気だ!
イリオス「三十六計逃げるにしかずだ!いくぞオルエン!」
オルエン「え!?うん!」
俺はオルエンの手を取ると、全速力でスリープの範囲外に逃走する。
プリシラ「あっ待ちなさい!」
イリオス「待てといわれて待つ奴がいるか!」

その時、兄弟家のシグルドが現れた!この人も神出鬼没だよな…仕事してるんだろうか…

シグルド「ここは任せていきなさい!」
イリオス「ありがてぇ!」
プリシラ「一度ならず二度までも!この前言い忘れた呪いを受けなさい!万年係長!」
シグルド「君らがKINSHINしなければ、昇進試験の勉強時間がとれるんだい!」

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はぁ…なんとか逃げ切った…くそ…考えてみれば、なんで俺こんなことしてんだ?
ツイてねぇ…AKJに命を狙われる身になっちまった…
でもよ…そりゃオルエンの奴に関わってるとロクな目にあわねぇが、さっきのはほっとくわけにもいかねぇわな。

オルエン「嬉しい、イリオス私を守ってくれたのね…」
イリオス「へ?いや、まあそういうことになんのか?」

ちょ、ちょっと待て!?なぜ頬を染めて俺を見上げる!?
ななな、なんだこの空気は!?

セーラ「これは吊り橋効果ってやつね、危険を共にした男女が
    一時的な緊張状態による興奮が理由で恋愛感情を持つってやつよ。
    ま、脳の錯覚の一種で落ち着くとすぐ冷めるもんよ。
    夢見たら泣くはめになるわよ、平民」
イリオス「うわぁ!?なんでお前がいる!?」

セーラだけじゃねぇ!?社長もドロシーもユアンも、俺たちを撮影してやがる!?
シャナム「臨時ニュースでな、FETV局で乱闘騒ぎの生放送というわけだ」
ユアン「さっきプリシラが逃走したからね、今度はこっちを撮ってるわけさ」
イリオス「だぁ!あっちいけお前ら!」
オルエン「まあ、皆さん!私達を祝福してくださるのね!」
イリオス「お前は空気読め!ってうぁ!?」
その時俺の頬に柔らかい感触が…//////
のわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
童貞野郎になんてことしやがる!?

ドロシー「わぁ…」
セーラ「あーあ、舞い上がっちゃって、どうせ惨めな結果になるのに…」

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~シュターゼ家のTVの前~

フレッド「(´;ω;`)」
ラインハルト「おお、オルエンも大胆だなぁ、はっはっは」

それからしばらくして…

ガラッ!

オルエン「イリオス、今日はバーハラにお買い物にいきましょう!」
イリオス「うわぁ!いきなり入ってくんなよ!つか俺は新作のドラクエを…」
オルエン「いいからいいから!行こ!」
イリオス「ちょっ、引っ張るな!わかった、いくから!」

吊り橋効果だか何だかわからねぇが、コイツは前にもまして俺にかまってくるようになった。
あ、あくまでも遊び仲間だぞ!それ以上の進展はないからな!チキン言うな!
大体、年齢=彼女いない暦の俺にそんな甲斐性はねぇ!

つうかコイツ買い物派手なんだよな…まあ、お嬢様だしよ…
今日は大量の荷物持ちする羽目になんだろうな…

そんなことを考えながら、俺はオルエンと玄関を出たのだった。

終わり