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Last-modified: 2011-05-30 (月) 22:31:30

昔いまし今いましオマケ
カナス先生の研究日誌より抜粋

ミカヤさんの地下室に置いてあった古い亀の甲骨は、
本人いわく、昔占いに使った物だという。
火で焼いてその亀裂の入り具合で、その年の政治の方針を定めたらしい。
「あのころは占い師って結構偉かったのよ、
 王様に意見を聞かれる事もしょっちゅうだったわ、
 …ん?彫られている文字?今のものとは違うでしょ?
 この頃、賢い人が記録をつけるのに考えたのよ。
 それまで文字なんてなかったから随分便利になったものよ」
すばらしい!この地下室は歴史の宝庫だ!
ふと私は隅に置かれた壁画に目がいった。
洞窟の壁を切り取って運び出したようで、壁画には裸の男たちが
石槍を持って獣を追い回してる。隅で獣の肉を料理してる女性はミカヤさんだろうか。
「ああ、それね、皆でマンモスを捕った記念よ、マンモスって今の若い人は見たことないよね、
 象さんのご先祖なんだけど、今はいなくなっちゃったから…」
そういってミカヤさんは昔を懐かしむような目をしていた。
「っといけない!?私そろそろ用事があるのよ!」
(やべえ!年がバレる)
「ああ、これはつい長居をしてしまいました。今日はどうもありがとうございました!」
近い内に再訪してまた色々お話を伺いたいものだ。
この事を学問仲間のパントさんに話したらとても羨ましがっていた。
今度伺う時はパントさんを誘ってみよう。

終わり