20-305

Last-modified: 2011-05-31 (火) 03:01:53

305 :LOST MAN:2009/08/17(月) 16:11:36 ID:AuRERuT2
 番外章 “理論”
 
グレイル   「うむ・・・うむ、そうか。分かった。出来る限りの事はつくそう。ああ・・・それじゃ、また後でな」
ガチャン
ティアマト  「誰から電話だったの?」
グレイル   「マーシャからだ」
オスカー   「なんて言ってました?」
グレイル   「マカロフが記憶喪失になったそうだ」
ヨファ    「ええ!!?」
セネリオ   「アイクの次はマカロフですか!?」
ガトリー   「こ、これはこれでレアな体験ッスね」
シノン    「面倒事が増えただけだ」
ミスト    「それで、マーシャちゃん来るって?」
シノン    「来るわけねぇだろ」
グレイル   「来るらしい」
シノン    「来るのかよ!!アイクもそうだがなんで病院に行かねぇんだ!!?」
グレイル   「とにかく、そろそろ来るらしいから出迎えてやってくれ。ガトリー、シノン」
シノン    「俺もかよ!?」
 
~グレイル工務店玄関~
 
シノン    「ったく・・・なんで俺が・・・」
ガトリー   「でも記憶喪失ってどんなんスかね?頭が真っ白になるって、想像は出来るけど具体的にはどんなッスかね?」
シノン    「バカバカしい。記憶が無くなるわけねぇだろ」
ガトリー   「へ?」
シノン    「記憶ってのァ、過去そのものだ。過去が無くなるわけねぇだろ」
ガトリー   「なるほど~・・・シノンさんカッコイイッス!」

306 :LOST MAN:2009/08/17(月) 16:12:52 ID:AuRERuT2
シノン    「・・・俺達人間がどんだけ進歩しようと、どれだけ人の道を外れようとも、“真実”にゃ届かねぇ。
・・・いや、俺達風情が“全ての真実”を知ろうとする事なんざ不可能なのかもしれねぇ・・・なんにも知らねぇ俺達が作るものは・・・なんてこたァねぇ、形だけの物体だ」
ガトリー   「?」
シノン    「俺達はその“形だけの物体”を背負って生きてる。知らねぇ部分は解読して、書き換える。そうやって歳食って、未知の部分を残したままあの世行きだ。
それを後悔っつーなら、“全ての真実”を知れねぇ俺達は後悔の塊かも知れねぇな」
ガトリー   「??」
シノン    「解読された部分は姿を現し、形になり、彩る。それは“記憶”と言う名の“創造物”」
ガトリー   「待って待って待って待って待って待って待って」
シノン    「あん?」
ガトリー   「カッコイイって思ったには思ったんスけど、途中で意味がわからなくなってきたんス」
シノン    「・・・そうだな、ちと暗い話しになってきちまったな」
ガトリー   「あっと、話してる間に来たみたいですよ、あの二人」
シノン    「おう、そうか・・・一言お見舞いしてやるか」
ガトリー   「はい?」
シノン    「『テメェが来る所はここじゃねぇ、病院だ』っつって追い返すんだ」
ガトリー   「いいんスか?そんな事して・・・」
シノン    「あのな、ヤツ特有の結界なんぞが張られた空間で仕事なんざできるか。団長にゃ俺が話しをつけとく。なに、相手は記憶喪失者だ、丸め込むのも容易いぜ」
ガトリー   「そりゃそうかもしんねーッスけど・・・」
シノン    「よし、来た来た・・・おいマカロフ!」
マーシャ   「まてコラバカ兄がァァァ!!」
マカロフ   「オゥノー!ヤメテクダサ~イ!ワタシハハタラクノイヤデ~ス!」
二人     ∑(本質変わってねぇ!!)
シノン    「いや寧ろ外国人口調になったからか妙に吹っ切れた感じすんぞ!?」
マカロフ   「ワォ!ソコノオフタリサ~ン!ナイスタイミングデ~ス!カクマッテク~ダサ~イ!」
ガトリー   「行動パターンまで一緒ッスよ!?」
マーシャ   「逃がすかバカ兄ィィィ!!」
ズドドドドドドドドドドドドドド・・・
ガタァン
ズドォン
バカァン
バリィン うわっ馬キター!
ババァン 今度は天馬キター!
ズドッ
バキャッ
シノン    「・・・」(嵐汗)
ガトリー   「・・・」(滝汗)
 
シノンの言っていた『記憶は無くならない』という理論に、一理あると感じたガトリーなのだった。
 
 
 TO BE CONTINUED