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Last-modified: 2011-05-31 (火) 03:21:29

436 :セリカVSエフラム:2009/08/30(日) 16:10:56 ID:YDGMoeNm
セリカ  「エフラム兄さん!」
エフラム 「……? なんだ、セリカ。お前が俺に話なんて、珍しいな」
セリカ  「ねえエフラム兄さん、物は相談なんだけれど」
エフラム 「なにか?」
セリカ  「ミラ教に入信してもらえないかしら?」
エフラム 「……あのなセリカ。お前がそういった活動に熱心なのは結構なことだと思うが、
       家族相手に宗教勧誘はいろんな意味で問題があるからやめておけ。
       そもそもにして、俺の信仰は槍の道一本だ。神様などに現を抜かしている暇はない」
セリカ  「フフフ……そう言うだろうと思って、兄さん好みのとっておきの品を用意してきたのよ!」
エフラム 「なんだ? レア物の槍でも……というか物で釣るのは宗教家としてどうなんだお前」
セリカ  「いいのいいの、きっかけはどうあれ入信さえしてもらえば、あとは教会の地下室で一週間ほどかけて、
      正しい信仰についてみっちりとせんのゲフンゲフン」
エフラム 「……お前の宗教活動とやらに関して後でじっくりと聞かせてもらう必要がありそうだな」
セリカ  「まあまあ。ともかく、見てちょうだいよ! これを見たら、一発でミラ教に入信してみたくなること間違いなしよ!」
エフラム 「……まあ、そこまで言うなら」

 エフラムがセリカに差し出された包みを渋々開いてみると、そこには可愛らしい少女を象ったと思しき石像が一体。

エフラム 「……これはなんだ?」
セリカ  「フフフ……これぞ対エフラム兄さん用にミラ教会彫刻部が総力を結集して作り上げたアイテム。その名も……!」

 ぐっ、と拳を握りながら、

セリカ  「女神ミラ像(ロリver)よ!」
エフラム 「お前は俺をなんだと思ってるんだ!?」
セリカ  「落ち着いてエフラム兄さん。わたしもそれだけじゃダメだと思ってたのよ」
エフラム 「それだけじゃ、と言うよりも、そもそも根本的に間違っているがな……!」
セリカ  「その石像、背中にスイッチがついているでしょう?」
エフラム 「……これか?」
セリカ  「ええ。押してみて」
エフラム 「……」

 エフラムが顔をしかめながらもスイッチを押しこむと、

ロリ声  『……お、お兄ちゃん、大好き……』
セリカ  「どうよ!」
エフラム 「俺にどんな反応を求めてるんだお前は!?」
セリカ  「あ、あら? お気に召さない?」
エフラム 「当たり前だろうが!」
セリカ  「そんなあ。折角ミラ様にお願いしてロリボイス吹きこんでもらったのに」
エフラム 「今のミラ神の声か! 道理でやたらと恥ずかしそうだと思ったら……!」
セリカ  「フフ……その恥じらいがエフラム兄さんのハートにクリティカルヒット!」
エフラム 「するか馬鹿! と言うか自分の神にそんなことさせるお前の信仰が疑わしいわ!」
セリカ  「まあ失礼ね、わたしは心の底からミラ様を信じているわ!」
エフラム 「……こんなことしておきながらもそんな真っ直ぐな目で言い切れるのは確かに凄いが……」

 エフラムはため息を吐きながら、女神ミラ像(ロリver)をセリカに押し返す。

エフラム 「ともかく、こんなものはいらんしミラ教に入信もしない。あと重ね重ね言うが、家族に対して宗教勧誘は止めるように。以上」
セリカ  「あ、待ってエフラム兄さん! ……こんなに可愛いロリ女神像なのに。うーん……なにが悪かったのかしら……?」

 首を傾げながら悩んでいたセリカは、やがて何か思いついたように「あ、そっか!」と顔を輝かせた。

セリカ  「竜の翼生やして槍持たせればいいのね!」
エフラム 「違うわ!」