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Last-modified: 2011-05-31 (火) 03:22:09

アルム  「はぁ……」
エリンシア「あらどうしたの、アルムちゃん。ため息なんか吐いちゃって」
アルム  「ああ、エリンシア姉さん。いや、ちょっとね」
エリンシア「悩み事?」
アルム  「んー……まあ。情けない悩み事だけど」
エリンシア「悩みは人それぞれ。情けない悩みなんてあるはずがないわ。もしよかったら話してくださらない?」
アルム  「うん。いや、なんていうかこう……僕って目立たないなあ、と思って」
エリンシア「あらあら。人より目立ちたいなんて、アルムちゃんもやっぱり男の子ね」
アルム  「いや、別にそこまでじゃないんだけど。やっぱり周りが凄い目立つと、同じ兄弟としては劣等感を感じるというかね」
エリンシア「そう……でもねアルムちゃん、目立つっていいことばかりじゃないのよ?
       たとえば、今まで王位継承とは何の関係もなく帝王学なんか欠片も学んでこなかったような女の子が、
       戦乱のドサクサで最後の王位継承者になっちゃった挙句女王として祭り上げられたかと思えば
       ちょっとした失策やなんかを家臣たちにネチネチネチネチ突かれたり……」
アルム  「ね、姉さん? なんか、嫌に実感篭ってるような……?」
エリンシア「気のせいよ、気のせい。ともかく、目立たない方がいいということも世の中には往々にしてあるものよ。
       もっとも、アルムちゃんの場合、格別目立つ必要を感じないというのもあるけれど」
アルム  「え、どういうこと?」
エリンシア「フフ……だって、アルムちゃんには、どんなときでも必ずアルムちゃんだけを見つめてくれる女の子がいるじゃない?」
アルム  「!! そ、そうか、そうだった……僕は大切なことを忘れていた!
       よーし、これからもセリカのために頑張るぞーっ!」
エリンシア「あらあら。元気になって良かったわ。……あとでシグルドお兄様に怒られそうですけど」