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Last-modified: 2011-05-30 (月) 22:00:59

サザ「俺はサザ。昔は盗賊をやっていたが・・・今はネヴァサ大学の学長で専門は政治学だ。
漆黒の騎士の言葉が俺を盗賊から学者に変えた。ミカヤ一家と比べたら俺はただの平民だ。
だが、これ以上ミカヤに迷惑をかけたくないから学者となった・・・。

戦争は変わった。普通はある日突然起きるようなものではない。
嫌悪、憎悪、妬み、不満、不信、すれ違い・・・それが積もりに積もって、
誰かがそれに気づき行動を起こしたとき、自らの重みに耐えることができず、崩れていく。
そのペオクの歴史という名の大地が崩壊していく現実を、誰もが目を背けずにはいられなかった。

戦争は変わった。もはや、国家や思想のためではない。利益や民族のためでもない。
命を消費する戦争は、合理的な痛みのないビジネスへと変貌した。
・・・そう、大国は兵士や武器を輸出しすぎたのだ。
そして、何よりも輸出してはならないもの・・・負の遺産を世界中に無償提供してしまった。」
ミカヤ「私たちに政治を変えることができるの?」
サザ「デインが再び同じ過ちを繰り返さぬよう、教育を貴族だけでなく平民にも受けられるようにした。
そして、将来的にはデインは共和制の国家となるだろう・・・いや、そうならなければならない。」
ミカヤ「でも、王を決めるなら血筋よりも力のほうがいいんでしょう?」
サザ「ラグズの場合は・・・な。だが、ペオクは知恵の民族。アシュナード王のような人間が現れないようにするために、
国民の民意を高める必要がある。そのために必要なものは4つ。自由、法律、教育、経済だ。
経済はミカヤが頑張ればできるはずだ。法律は特別顧問としてナーシルにデイン王国憲法制定の中心メンバーとなってもらっている。
自由については、『自由は、置物のようにそこに「ある」のではなく、現実の行使によってだけ守られる。いいかえれば、
日々自由になろうと「する」ことによって、はじめて自由でありうるということなのです。』という名言を遠い国のどこかの
政治学者が残していた。俺も自由とはそういうものであると信じる。」
ミカヤ「サザ・・・!」
兄弟も何もない政治ネタだが、後悔していない。