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Last-modified: 2011-06-01 (水) 02:40:44

100 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~17:2009/09/24(木) 18:22:17 ID:IFBqAd1a
その頃、セリスとユリウス達は・・・・・・
セリス「ねえねえユリウス!次はどこにいく?」
ユリウス「ちょ、ちょっと待て。ってかあんまりくっつくなって!!」
片手に綿菓子を持つセリス
そして片方の手をセリスに組まれているユリウス
セリスが女物の着物を着ていることも手伝って、どうみてもカップルにしか見えない
周りの男女の羨望の視線をよそに、ユリウス本人は背後からの殺気に気が気ではなかった

ユリア(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)
ラナ(ブチブチブチブチブチ)

ユリウス「お、おいセリス・・・・・・少し離れてくれ」
身の危険を感じたユリウスが一旦離れるようにセリスに要求する
いつもならばここで離れずに一悶着あるのだが・・・・・・

セリス「うん、分かった」
ユリウス「・・・・・・・へ?」

あまりにあっさりとユリウスから離れるセイス
予想外の事態に拍子抜けしたユリウス
しかし、背後からの殺気に我に帰る

ユリウス「ま、待て!!あれは不可抗力で」

ユリア「問答無用」
ラナ「阿鼻叫喚」

ユリウス「アーーーーーーーッ!!」

ユリウスは女性2人に  アーーーーーーーッ!!  された

101 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~18:2009/09/24(木) 18:22:58 ID:IFBqAd1a
ユリウス「く、くそ・・・・・・あの二人、少しは限度ってものを・・・・・・」
セリス「・・・・・・クスクス」
ユリウス「・・・!?」
一瞬、ユリウスは我が目を疑った
あのセリスが、普段は見せないような黒い笑みを浮かべてこちらを見ているのを

セリス「あれ?どうしたのユリウス?」
しかし、一瞬の内に普段どおりの純粋無垢な笑顔を浮かべるセリス
ユリウス「あ、ああ・・・・・・いやなんでもねぇ」
きっと見間違いだろう、と自らを納得させたユリウス

その時

セリス「ねえユリウス、これ食べない?」つ 林檎飴
どうやら、ユリウスが折檻されていた時に買っていたようだ
ユリウス「俺はあまり甘いものは・・・・・・い、いや、やっぱもらうわ」
背後からの無言のプレッシャーに、意見を180度転換するユリウス

ユリウス「ほら、よこしな」
セリス「はい、あーん」

ヒュバッ!

凄まじい勢いで、紅い彗星がユリウスの喉に殺到する!!

ユリウス「モガッ!?」
当然の如く喉に詰まらせるユリウス

ユリウス「ゲ、ゲホッ・・・・・・。セリス・・・・テメェ・・・・・」
セリス「ご、ごめん!!大丈夫、ユリウス!?」

102 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~19:2009/09/24(木) 18:24:49 ID:IFBqAd1a
ヒュバッ!

ドンッ!
ユリウス「ぐはっ!」

ユリア「いえいえセリス様、今のはお兄様が120%悪いですわ」
ラナ「そうですよ!セリス様はお怪我はありませんか?」

地面に這いつくばって咳き込むユリウスをよそにセリスを心配する2人

ユリウス(くそ・・・・・・セリスの奴・・・・・・!?)
セリス「・・・・・・ニヤリ」

今度は明らかにユリウスに向けて邪悪な笑みを向けるセリス
しかも、女性2人には見えない角度から

ユリウス(何だ・・・・・・こいつ、こんな事する奴じゃ・・・・・・)
頭の中を駆け巡る疑問、否定、あらゆる可能性・・・・・・

そしてそこから導き出したのは、信じ難い結論であった
彼が出した結論とは・・・・・・

ユリウス「・・・・・・!てめぇ・・・・・・誰だっ!セリスを何処にやった!!」
自分でも意外なほどの怒りを感じながら、自らの結論を言い放つユリウス

103 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~20:2009/09/24(木) 18:26:31 ID:IFBqAd1a
セリス「え・・・?どうしたのユリウス、突然・・・・・・」

キョトン、とした顔のセリス
ユリア「まあお兄様!お兄様と言えど今の発言は許せませんわ!
    こんなにも愛くるしいセリス様が偽者だなんて・・・・・・・」

ユリウス「ユリア・・・・・・悪いが少し黙っててくれ」
ユリア「!・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」

普段めったに見ない兄の真剣な表情に、黙り込むユリア

ユリウス「おいセリス・・・・・・・ちょっとこい」
セリス「え?何を・・・・・・・」

ユリウス「いいからとっととこっちにこい!」
セリス「うわっ!引っ張らないでよ・・・・・・じゃあちょっといってくるね」

セリス?を引っ張っていくユリウスと、それを見送る2人

ラナ「ちょっと!あんな男とセリス様を2人っきりにして、もしなにかあったら・・・・・・・!」

ユリア「・・・・・・大丈夫です。私の・・・・・・お兄様ですから」

きっぱりと言い切ったユリア。
しかし・・・・・・

ユリア「・・・でも、やっぱり不安なので追いかけるとしましょうか」

104 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~21:2009/09/24(木) 18:29:24 ID:IFBqAd1a
少し離れた所までセリスと引っ張ってきたユリウス
途中色々な奴らに絡まれたが、それは省略するとしよう

―――会場端

ユリウス「おい、いいかげん白状しろ。テメェは何者だ」
セリス「ユリウス・・・・・・・本当にどうs」
ユリウス「いい加減セリスの真似事はやめろ!!」
セリス「!!・・・・・・ユリウス」
沈んだ表情をするセリス
それは、普段のセリスが見せる物とまったく同じであった

ユリウス「ッ・・・・・・。おい、セリス」
セリス「・・・・・・・・・」
ユリウス「・・・・・・悪かったな。こっちがどうにかしてたみたいだ」
セリス「・・・・・・本当?よかったー!どうしちゃったのかと思ったよ、うん」
ユリウス(・・・・・・さっきのが見間違いとも思えないが、今のセリスが偽者とも思えねえ。
     とりあえず、ユリア達から離れて様子を見るか)

セリス「じゃ、早くさっきの所に戻ろう。きっとユリア達、待ちくたびれてるよ」
ユリウス「あー、俺達は別行動しねーか?あいつらはあいつらで楽しんでると思うしな」
セリス「そうだね!じゃ、早く行こう!!」
ユリウス「・・・・・・だから、腕は組むなってーの!」

106 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~22:2009/09/24(木) 19:21:54 ID:IFBqAd1a
―――花火大会会場

ワイワイガヤガヤホホホーナニヲスルキサマーヨイデハナイカヨイデハナイカアーレーウワーナニヲスルダーコノヒトデー

セリス「ねえユリウス。ここに寄っても良い?」
ユリウス「・・・・・・あ?どこだよ・・・・・・」

金魚すくい

ユリウス「・・・・・・好きにしろよ。俺は横で見てっから」
セリス「うん。すいませーん、一回やりまーす」

ラガルト「おう、いらっしゃい。一回200Gだ」

セリス「よーし、やるぞー!」

ユリウス(普段の行動パターンはどう見ても普段のあいつだ。
     どういうことだ?幻の類って事も・・・・・・
     ああ、くそ、チェイニーがいればな・・・・・・)

横で考えるユリウスと、金魚すくいに集中するセリス
そして背後から覗いているユリアとラナ

107 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~23:2009/09/24(木) 19:22:49 ID:IFBqAd1a
と、その時

リーフ「・・・ん?セリス、なにやって・・・・・・ああ、金魚すくいか」
偶然通りがかった様子のリーフが声を掛ける

セリス「ごめん、ちょっと今集中してるから。・・・・・・(集中」

リーフ「はいはい・・・・・・。あっ、ラガルトさん、お久しぶりです」
ラガルト「おう。表じゃあんまり会わねえからな」
リーフ「・・・・・・その話は、家族の前では厳禁でお願いします」
ラガルト「おっと、そうだったな。次から気をつけるぜ」

小声で話し始めるリーフとラガルト
この2人、実は義賊関係で面識があったりする
もちろん家族には内緒だが

リーフ「しかし・・・・・・」
と言って周囲を見渡すリーフ
リーフ「手伝ってくれる人とかいないんですか?牙関係とかで・・・・・・」

ラガルト「ああ、ロイド達はニノの引率。ウハイはこーゆうのは苦手。
     ウルスラはさっきまでいたんだがな・・・・・・」

リーフ「ああ、あのナイスバディのお姉さんか・・・・・・何か問題でも?」

ラガルト「実はな・・・・・・・」
と、笑いを堪えた顔で話し始めるラガルト

108 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~24:2009/09/24(木) 19:23:38 ID:IFBqAd1a
ラガルト「さっき、水槽に金魚を入れてもらってたんだが・・・・・・
     ちょうどあっちの方が光ったと思ったら凄まじい衝撃があってな・・・・・・。
     ん?どうした?」
リーフ(どう考えてもさっきのry)「いえ何でも。それで?」

ラガルト「ウルスラのやつ、水槽の方に転んでな・・・・・・。
     しかも慌てて立ち上がったら、着物着てたから透けてる上に服の中で金魚が暴れて」

   ブバァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!

思わず想像し、水槽に鼻血をぶちまけるリーフ
ラガルト「おいおい、水槽に出すな。金魚が見えにくくなるだろーが」

リーフ「突っ込み所そこなんだ!?ってか僕は金魚になりたい・・・・・・」

ここで普段ならば4人娘が襲ってきて水槽に放り込まれたりするのだが・・・・・・

リーフ「・・・・・・?あれ?」
ラガルト「どうした?不思議そうな顔して」
リーフ「い、いや・・・・・・正直物足りないというかなんというか」
ラガルト(重症だな・・・・・・)

リーフ「う~ん、何か気になるけど・・・・・・・まあいいか。
    ところで、何で出店なんかやってるんですか?」

ラガルト「・・・・・・義賊ってのは儲からねぇからな。
     こうやって少しでも組織の足しに・・・・・・なんて思って、な」

109 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~25:2009/09/24(木) 19:24:36 ID:IFBqAd1a
リーフ「ラガルトさん・・・・・・」

しばし、辺りがしみじみとした良いムードに包まれる・・・・・・

セリス「あーーっ!また破けちゃった!!」
ユリウス「お前まだやってたのか・・・・・・紅い水の水槽で」

未だに金魚すくいに挑戦していたセリス
しかし、その努力はあまり実ってはいないようである

ユリウス「じゃ、俺も一回やってみるか(考えても結論がでねーし」

ラガルト「ほい。一回300Gだ」つ 網

ユリウス「よし・・・・・・ん?・・・・・・・おい、おっさん」

ラガルト「なんだ?大声出して」

ユリウス「この網・・・・・・水に着けた瞬間破けたぞ」

ラガルト「あー、そりゃはずれだ。3分の2の確立で出る」

ユリウス「外れる確立の方が高ぇだろーが!」

110 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~26:2009/09/24(木) 19:31:58 ID:IFBqAd1a
リーフ「ラガルトさん・・・・・・どうしたんですか?」
ラガルト「・・・・・・大人ってのは、汚ぇのさ」
リーフ「ラガルトさんは、そんなことする人じゃなかったはずでしょう!
    そりゃ多少セコいし、能力は大したこと無いけど!!」
ユリウス(さり気なくひどい事言ってるな)
    
ラガルト「・・・・・・だから、言ったろ。
     まともな手段じゃ儲からねえから、
     くだらねえ小細工するのさ」

ユリウス「くだらないってレベルじゃねーぞ・・・・・・」
セリス「もう、ユリウス。あまりラガルトおじさんを責めちゃ駄目だよ」
ユリウス(こいつもこいつでいつも通りだしなぁ・・・・・・)

セリス「ほら、次はあれにいこう?」
ユリウス「あれって、どれだよ・・・・・・・ってだから引っ張るなっての!」

傍から見たらどう見てもカップルにしか見えない2人は、そのまま人ごみに消えた
残った2人は・・・・・・

ラガルト「・・・・・・しかし。だからってこんな事していい訳じゃねぇよな。
     あいつらに顔向けできないぜ・・・・・・」
リーフ「それでこそ、いつものラガルトさんですよ!」
ラガルト「俺は金を返しにいってくる。じゃあな、リーフ」
リーフ「また今度仕事が入ったらよろしくおねがいします、ラガルトさん」
ラガルト「ああ、こっちこそよろしく頼む」

111 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~27:2009/09/24(木) 19:33:50 ID:IFBqAd1a
リーフ「・・・・・・さてと」

裏通りの方へ足を向けるリーフ
そこにいたのは、マルス

マルス「やあ、すまないねリーフ。変な真似をさせて」
リーフ「ううん、それは良いけど」
マルス「・・・・・・やっぱりかい?」
リーフ「・・・・・・うん。兄さんの言った通りだった
    それにラガルトさんもなんだか変だったし」

マルス「どうやら、この周囲一体で何か精神汚染のようなものがあるみたいだね。
    セリスは一旦会場の中心から離れたから元に戻ったって所かな」
リーフ「突然KINSHINカップルも増えてたしね・・・・・・。
    いくらAKJがあっても、ここまでオープン人達は数える程しかいなかった筈」
マルス(それに、さっきのロイも、どこかおかしかった。
    こんなことをする犯人は・・・・・・1人しかいないね)

リーフ「でも、僕らはなんで無事なの?」
マルス「・・・・・・他の人達は分からないけど、僕の場合はこれのおかげだよ」

懐から白い包みを取り出すマルス

リーフ「ん?それって確か・・・・・・じゃあ、今回の犯人は・・・・・・!」

マルスが取り出した包み
それはメダリオンだった

続く