21-178

Last-modified: 2011-06-01 (水) 22:36:16

エフラム「? 何をしているんだ、リーフ。」
リーフ「んー? うん、また優秀な戦友がいなくなっちゃったから、お墓をね。」
エフラム「……そうか、お前にそこまでやらせるとは、さぞ優秀な戦士だったのだろうな。」
リーフ「なんかひっかかるなあ……まあいいけど。」
エフラム「それで、どのような戦士だったんだ?」
リーフ「彼はとても切れ者でだった。ある話に隠されていた秘密をたった一人で掘り出したんだ。
    ……正直、この道を極めたと思ってた僕でも、あの発想は浮かばなかった。」
エフラム「つまり、知能戦に特化した男だったのか。」
リーフ「うん。……結局、その知能が仇となった訳だけどね。」
エフラム「どういう事だ?」
リーフ「その話に隠されていた物は、地雷だったんだ。一度気づけば爆発する、そんな代物。
    彼はその優れた能力故にそれを見つけ、それを掘り起こした。
    でも、それが地雷だとは気づかなかった。……いや、気づいてしまったから、それは地雷となった。
    その結果がこれ。」
エフラム「………………」
リーフ「彼が見つけてくれなければ、僕たちはその隠された意味に気づく事無くただ笑っていただけだった。
    何も知らないまま、ただ笑っていただけ。……気づかなければ、笑っていられたんだ。」
エフラム「……その『彼』とやらは真の戦士になったのだろう。」
リーフ「え?」
エフラム「その『地雷』とは何なのか、お前が何の道を極めたのか……いや、極めているのかも俺は知らん。
     だが、俺にも分かる事がある。『彼』は倒れた事を後悔していない。
     誇りに思っているはずだ。」
リーフ「……なんでさ。」
エフラム「お前の極める道というのは、ただ見える物だけを見ていれば極められる物なのか?」
リーフ「っ」
エフラム「見える物だけを見て進み、極めた道など偽りに過ぎない。
     見えぬ物を見出し、その結果倒れたとしても……真に道を極めたいと思う者ならば後悔等しないだろう。
     『彼』とお前は偽りの道を進もうとしていたのか?」
リーフ「…………違う、そんなわけない。」
エフラム「ならば――――」
リーフ「――――僕も、彼を誇りに思えって?
    ……そうだよね、彼も本望だったはずだよね。」
エフラム「……ああ、それで良い。」
リーフ「ありがとう、エフラム兄さん。元気が出たよ。」
エフラム「そうか。なら俺は行く……墓、頑張るのはいいが、いい加減にこれを使え」つ ティッシュ
リーフ「あ、うんありがと(鼻にティッシュを詰める)(ティッシュが紅く染まる)」

リーフ「これでよしっと」

リーフは盛った土の上に、>>173と書かれた十字型の木板を突き立てひとりごちる。
半歩下がりしばらく満足げにうなずいた後、一言だけ呟いた。

「お前天才だな」

四人娘「「誰が天才ですって?」」
                         コノヒトデナシー