643 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~87:2009/11/05(木) 22:36:30 ID:9ZQuJjdB
―――会場中央部・邪神の足元
アイク「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
無言
微動だにせず、ただひたすらに無言で気を練り続ける
彼の周囲のみが、周囲の喧騒とは対照的な静けさに包まれる
しかしその溢れ出る威圧感のせいか、誰一人彼の妨害をする者はいない
否、妨害出来る者は誰一人いないと言った方が正しい
と、その時
アイク「はあぁぁぁ・・・・・・・・・・・・!!!」
目視できそうな程濃密に高まる闘気
そしてアイクは、ラグネルを大きく振りかぶって・・・・・・・・
天空へと、投げ上げた
644 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~88:2009/11/05(木) 22:38:09 ID:9ZQuJjdB
その頃マルス達は・・・・・・・
タンッ
ヘクトル「おっしゃーー!ツモッ!!」
リーフ「アーーーーーッ!!!」
ロイ「ピザトル兄さんのくせに・・・・・・・・・ハネ満だと・・・・・・!?」
・・・・・・麻雀に興じていた
リーフ(ふふふ・・・・・・来た!!ついに僕の時代が!)
「喰らえ!!ダブルリーチ!!」
マルス「・・・・・・あ、それロンね」
リーフ「グハッコノヒトデナシー!!!」
ヘクトル「ゲッ!!しかも役満かよ・・・・・・」
ロイ「う~ん、こんなことしている場合じゃないと思うなぁ・・・・・・」
もっともな事を言っているようだが、今現在一位のロイが言っても説得力がない
マルス「まぁまぁ、ただ待っているのも退屈なことだしさ。
それに、アイク兄さんの事なら大丈夫だと思うよ」
ロイ「いや、勝敗の心配はしてないよ?
なんたってあのアイク兄さんだから
でもさ・・・・・・」
645 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~89:2009/11/05(木) 22:39:29 ID:9ZQuJjdB
一旦そこで言葉を濁し・・・・・・
根本的な問題を口にする
ロイ「どうやってあそこ(上空)までいくの?
スマブラ仕込の空中ジャンプでも論外だし、
鳥翼族の人達はこの手のイベントには来てないし・・・・・・」
ロイの言うとおり、鳥翼族のラグズ達は、基本的に夜間活動には参加しない
夜はあの千里眼のヤナフでも目がほぼ利かなくなるからだ
・・・・・・ついでに昔はベニグオン商社と問題もあったそうだが、今は良好な関係らしいので、
ベニグオン社主催だから、というのは理由ではない事をここに記しておく
マルス「ああ、そうさ。
・・・・・・だからアイク兄さんをいかせたのさ」
ロイ「え?それってどういう」
リーフ「キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!!!ツモッ!ツモッ!ツモォーーーーー!!」
ロイの問いかけは、リーフの歓声にかき消される
マルス「あ、それチョンボ」
リーフ「え・・・・・・(´・ω・`)」
ロイ「リーフ兄さん、イ㌔」
646 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~90:2009/11/05(木) 22:43:04 ID:9ZQuJjdB
―――アイク視点
数十分もの間、気合を溜め続けたアイク
そして今、空中へと神剣ラグネルを投げ上げた
アイク「天↑!!!」
普段から使っている奥義、天空・・・・・・
そのモーションへと入る
剣を投げ、宙で掴み、振り下ろす
しかし、今この時のこの技は、天空とは似て非なるものだった
剣を投げ、宙で掴む所まではまったく同じモーション
そして掴んだのち、空で体勢を整え・・・・・・
アイク「はあああっ!!!」
そして・・・・・・・・・・
そして・・・・・・・
そして・・・・
647 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~91:2009/11/05(木) 22:45:31 ID:9ZQuJjdB
―――リーフ視点
リーフ(くぅ・・・・・・!!
なんで僕だけこう何回も直撃を喰らうんだ・・・・・・!!
もしかして・・・・・イカサマとか・・・・・・・
不振な物が無いかチェックしないとな・・・・・・)←現在-120000点 失った血液:2500ml
周囲をキョロキョロと見回すリーフ
傍から見るとリーフのほうがイカサマをしようとしているようにしか見えないのだが・・・・・・
当の本人は探索に必死でそれに気がつかない
リーフ(後ろは・・・・何も無し、と。
後は・・・・・上の方・・・・・・!!!!????くぁwせdrftgyふじこlp)
上を見上げた途端に固まるリーフ
そのまま動かないので流石に周りが心配して声を掛け始める
ヘクトル「おい、どうした?負けすぎておかしくなったか?」
ロイ「リーフ兄さん、僕の点数半分あげるから・・・・・・」
リーフ「う・・・・・ぁ・・・・・・・」
喉元から微かに声が絞り出される
マルス「ん?何だって?」
リーフ「う、上・・・・・・」
そう言いながら指差した先には・・・・・・
648 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~92:2009/11/05(木) 22:46:11 ID:9ZQuJjdB
↑には・・・・・・当たり前のようにユンヌの居場所が光り輝いているだけであった
ヘクトル「別段変わった様子はねーけど・・・・・・」
ロイ「あ、っていうかもう結構経つのにアイク兄さん何処いったんだろ・・・・・・」
マルス「ん?」
と、ここでマルスが何かに気付いた様子
リーフと同じように、ひたすら上を見たまま動かない
ロイ「どうしたの?マルス兄さん」
ヘクトル「上に何かいたのか?」
マルス「いや・・・・・・邪神の下の方で何かが動いているような・・・・・・
いや何かっていうかアイク兄さんのような・・・・・・・」
ロイ「ははは、まさかそんな馬鹿、な・・・・・・」
ヘクトル「どうした?何を固まっ、て・・・・・・」
つられて上を見た2人も、そのまま静止する
その視線の先には・・・・・・
649 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~93:2009/11/05(木) 22:52:09 ID:9ZQuJjdB
アイク「天↑!!天↑!!天↑!!天↑!!天↑!!天↑!!」
天↑空↓の天↑部分のみを連発し続け、ユンヌの元へ向かうアイク
アイクをよく知るロイ達にとっても
まったく理解出来ない映像を見せられている気分だろう
流石はアイク。物理法則など何処吹く風といった所か
ロイ「なんていうか・・・・・・改めてアイク兄さんの凄さを知った気がする」
ヘクトル「ああ・・・・・・いくら精進しても、兄貴には勝てねぇ気がする・・・・・・」
マルス(話には聞いていたけど、想像以上だね。
これがアイク兄さんの秘奥義・・・・・・“昇天”ッ!!)
昇天とは!?
グレイル「通常の天空には跳躍力と空で剣を掴める程度の反射神経、更には
空中での体勢維持能力があれば問題はない。
しかし、この秘奥義“昇天”にはそれ以上のボディバランス
―例えば全速力の天馬の馬上で片足立ち出来る程の―に加えて
短い滞空時間の合間に剣を投げ上げる上半身、その後空気を蹴り
剣の所まで飛び上がる為の下半身の筋力。
これらがそろって初めて出来る技が、これすなわち“昇天”である。
そうそう昇天と言えば言い忘れていたが本来の所この技は
(省略されました・・全てを読みたい人は諦めてください)
650 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~94:2009/11/05(木) 22:53:57 ID:9ZQuJjdB
―――上空
彼女は、いた
神々しい光の中心に、ただ一心に集中しきった様子で
ユンヌ「ふぅ・・・・・・いい感じだわ。
あと数分すれば第二波が撃てそうね。
今度のはさっきのように甘くはないわよ・・・・・・!!!」
底知れぬ野望を胸に抱きながら、静かに彼女の世界は広がっていく
・・・・・・しかし、数分待たずにこの静寂は破られることになる
「・・・・・・!↑!!・・・・・・↑ッ!・・・・・・・」
ユンヌ「ん・・・・・なにか騒がしいわね・・・・・・・」
声の出所を確かめようとして思い出す
ここは地上から1kmも離れた上空。易々と来れる者はいない筈だ
そら耳か・・・・・・と思ったのも束の間
「・・・・・・天↑!!天↑!!天↑!!・・・・・・・」
明らかに先程よりも声が大きくなっている
651 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~95:2009/11/05(木) 23:11:24 ID:9ZQuJjdB
思わず下を見たユンヌの視界に飛び込んできたのは
ユンヌ「アイク!?」
アイク「天↑!!天↑!!天↑ッ!!っはぁっ!」
そしてユンヌと同じ高さで剣を回転させながら高度を維持している
回転切りによる人間プロペラの要領だと思ってくれれば分かりやすい
・・・・・・もはや人間かどうか疑わしい所業である
ユンヌ「そう・・・・・・流石はアイク・・・・・・私が目をつけただけのことはあるわ。
でも、今日の私をいつもの私と思わない方が」
アイク「何故、俺の前に立った」
・・・・・・自分から来たのはアイクの方なのだが、そこをつっこんではいけない
アイク「いくぞ・・・・・・!!!はあっ!!!」
ガキィンッ!!
ユンヌのオーラに神剣が叩きつけられる
ヒビ、とまではいかないが、明らかに光が弱くなる
ユンヌ「くぅっ!!・・・・・・ふ、ふふ・・・・・・問答無用、って訳ね・・・・・・!!
いいわ、かかって来なさい!!全部受け止めてあg(ry」
アイク「空↓ッ!!」
そして
刻は、動き出す
652 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~96:2009/11/05(木) 23:12:13 ID:9ZQuJjdB
マルス達は、ただ漠然と上空を見ていた
ヘクトル「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『アイク兄貴が重力を無視してユンヌの所までたどり着いたと思ったら いつのまにかユンヌを地上に叩き落していた』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれもアイク兄貴が何をしたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
「大↑天→空↓」だとか「に、肉・・・・・・かゆうま」だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの 片鱗を味わったぜ…」
リーフ「まあ確かにさ・・・・・・あれだけ天↑したなら空↓もしなきゃおかしいけどさ・・・・・・」
マルス(話には聞いていたけど、想像以上だね。
これがアイク兄さんの秘奥義・・・・・・“断空”ッ!!)
断空とは!?
グレイル「ん?なんかデジャv・・・・・・ゲフンゲフン!
うおっほん!!断空とは、先ほどの昇天と対を成す技であり
(省略されました・・全てを読みたい人はry)
ロイ「・・・・・・あっちの方に落ちる!」
653 :花火大会~夜空に舞う天↑空↓~97:2009/11/05(木) 23:13:32 ID:9ZQuJjdB
アイク「空↓!!空↓!!空↓!!喰う↓!!食う↓!!KUU↓!!」
ユンヌ(くぅっ!!さすがアイク&神剣ラグネル・・・・・・)
ピキ、ピキ・・・・・・バクバクムシャムシャ・・・・・・
ユンヌに空↓を叩き込み続けるアイク
ユンヌも初めはオーラを放出して防いでいたが、それにも限界が来ていた
光球にもひびが入り、眼前に地上が近づきつつあった
ユンヌ(ふ、ふふふ・・・・・・
やっぱり、ね。やっぱり、所詮私は・・・・・・)
ピシッ
アイク「空ッ!!!」
パリィンッ!!!
そして、アイクが大地に降り立ったその時・・・・・・
負の女神の護りは、破壊された
地面に投げ出されるユンヌと、荒い息を吐き続けながら、なおも立っているアイク
・・・・・・戦場では最後に立っている方が勝ちとなる
今ここに、勝負は決した
続く