~夕暮れの紋章町路地~
アイク「……いい修行だった…ん、あれは姉さんか」
ミカヤ「キェェェェェェイ!…………ユンヌの神のお告げではあなたの金運は60点、
近々臨時収入が入りますが安定した収入は程遠い、
いいのいいの!入るときはドーンと、駄目な時は駄目!
安定志向なんて混沌の大敵よ!
恋愛運0点!
アタシがアイクにフラグ折られとるのに、なんで他人の恋愛に高得点つけにゃならんのじゃい!ペッ!
出世運5点!
下っ端だっていいじゃないの、レールに乗ったら人生おしまいよ?
上なんて責任がんじがらめ、なーんもいいことなんてないわ!
こんなんでました」
サラリーマン「……決めた! 脱サラしよう!ありがとうございました!」
アイク「姉さん、今日はここで仕事してるのか」
ミカヤ「あらアイク、今帰り?」
アイク「ああ、今日は毒の沼にいってきた」
ミカヤ「あんまり無茶しちゃ駄目よ?……………ふおっ!?…ユンヌの拾い食いのせいで…」
アイク「どうした姉さん?」
ミカヤ「なんでもないわっ! ちょ……ちょっとだけ店番しててっ」
アイク「ねえさ……いってしまったか…とりあえず座ってればいいのか?」
就職浪人「占いか…ちょっとお願いします」
アイク「ああ、なんだ? 話してみろ」
就職浪人「俺は自分が何をしたいのかわからないんです…自分がどういう人間なのか…
それで自分探しの旅に出ようと思ってるんです…
そうしたら目標ややりたいことが見つかると思って…」
アイク「自分探しだと?お前はそこにいるだろうが!」
就職浪人「!!!!!!…………そ、そうだった…俺は逃げていた…どこに行ったって俺は俺なんだ…
甘えないで頑張って仕事を探します! ありがとう、お代はここにおいときます!」
アイク「ああ……まだ占ってない気がするが行ってしまったな…この球を撫でればいいのか?
よくわからん」
営業マン「…ちょっと話を聞いてほしいんですが…」
アイク「うむ」
営業マン「俺はセールス関係の仕事をしてます。
上手くいってて出世コースですが…ライバル会社にいる親友は、実績があがらずクビになりそうです…
最近のリサーチで狙い目の顧客がいるんですが…ソイツに連絡とって譲ってやるべきでしょうか…
会社にバレたら敵に塩を送るとは!…なんて言われて問題になりそうで……」
アイク「半端な事をするな! どうせ塩をおくるなら、米もおかずもドーンとおくれ!!」
営業マン「……そ、そうだった…こんな時に助けてやらないでなんの親友だ!
ありがとう吹っ切れました!」
アイク「あ…おい!………行ってしまったな…塩だけでは腹は満たされんと言うつもりだったのだが」
ミカヤ「は~~~やっと落ち着いた…」
アイク「…ねえさんは難しい仕事をしてるんだな」
ミカヤ「?……なにかあったの?」
アイク「いや、それじゃ先に帰っている」
ミカヤ「晩ご飯には間に合うように帰るわ………ってあら、お代が?
もし、お客さんが来たらちょっと待っててもらうように言ってくれればよかったのに…
でも、どんな占いをしたのかしらね?」
おわっときます