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Last-modified: 2011-06-05 (日) 13:28:06

435 :助けて!名無しさん!:2009/12/24(木) 13:24:03 ID:2uRaQe+Q
クリスマス風景を楽しみながらリンは街中を歩いていた。
今日は今のところマルスの悪戯もなく、家族へのプレゼント購入も順調に進みそうだ。

色々と店を見て回っていると、ポンと肩に手がかけられた。

アイク「リン、少し時間はあるか?」

振り向くと、そこにはアイクがいた。
その目は何時もより真剣で、まっすぐにリンの瞳をみつめている。

リン「少しならあるけれど、どうしたのアイク兄さん?」
アイク「重要な話があるんだ、聞いてくれ。」
リン「えっ……。」

ちょっと街中でいきなり何を……まさか、愛の告白!?いやいやアイク兄さんに
限ってそんなことは……。でも、このまなざしまさか!
リンは辺りの確認をした。シグルド兄さんの気配はないようだ。
KINSINレーダーにはアイク兄さんは反応していない。
いったい、何の話なんだろう…。リンは、黙ってアイクに頷く。

アイクは一呼吸おいて言った。

アイク「分身のやり方を教えてくれないか!」

リン「ちょ…、兄さんいきなり過ぎ!?分身って何に使うのよ。
   ただでさえ今でも最強なのにこれ以上強くなったら手に負えないじゃない!」
アイク「だが、さっきしっこくと約束をしてしまったんだ。
    リン、頼む。これはリンにしか(身内では)頼めないことなんだ。」

両肩をがしっとつかみ、アイクはまた熱い視線でリンをみつめる。
こんな様子を続けていると、カップルが何をいちゃついているんだと
受け取られかねない。

リン「アイク兄さん、わかったわ。でも、プレゼントの代わりにさせてもらいますからね。」
アイク「ありがたい!それじゃあ、さっそく広場に向かうぞ!」

436 :助けて!名無しさん!:2009/12/24(木) 13:25:01 ID:2uRaQe+Q
アイクはリンの手を取ると、広場まで障害物など無きがごとく直進していった。
カップルたちの間を自然と抜けていくさまは、まさにフラグクラッシャーである。
リン(ほんとごめん、街のカップルのみなさんたち……)

広場に着くと、アイクは早速準備運動を始めている。

リン「アイク兄さん、ちょっと聞いてほしいんだけど、まず兄さんはパワー重視型だから
   その部分を意識してスピード重視の動きに変えていかないと分身は難しいと思うの。
   まず、私が手本で分身してみるから、ちょっと手で捕まえてみてくれない?」
アイク「スピード重視か……まあ、やってみよう。」

リンは大地をケリ、アイクの周りに無数の影となる。
アイクは目で一つ一つのリンを正確にとらえ、そのうちの一つに手を伸ばす。
だが、その手はリンを掴めず空を貫いた。

アイク「くっ、速いな!」
リン「アイク兄さん、食事の時を思い出して。複数のおかずを取るようなイメージで
   像全体を捕まえるような感じでやってみて。」
アイク「わかった!ビーフ…ポーク…チキン…マトン!よし、見えた!」

アイクは無数の手をリンへと伸ばす。
その一つ一つがリンの腕を掴んでいく。
そして、その像達は一つへとまとまってゆきリンはにっこりとほほ笑む。

リン「そうそう、その感じを体全体で行うのよ、兄さん。」
アイク「なるほど、今の感じか……。よし、もう一度頼めるか?」
リン「はいはい。じゃあ、行くわよ。」

リンは再び分身を始める。リンは先ほどより速く多くの分身を行ってアイクを試すことにした。
アイクは目を高速に動かしながら像を追っている。
リン(さすがのアイク兄さんでも、全力の分身はまだつかまえられないわよね……
   って、え!?)
アイク「ふんっ!」

リンの目の前にいたはずのアイクは跳躍をしたかと思うと、それぞれのリンの目の前に
いつの間にか立っている、そしてそれぞれのアイクはリンの全身を捕まえた。
リンは驚いて言葉がでない、修行に修業を重ねてできるようになった分身がいとも
簡単にアイクに習得されてしまったことと……はたから見たら、広場のど真ん中で
抱きしめられている(ようにみえる)ようなこの状態をどうしようと混乱しているからだ。

リン「アイク兄さん……離して……。」
アイク「ありがとう!リン!これもリンのおかげだ!」

アイクは、リンから離れると大きな声で礼をいう。
その目に相変わらず邪気はない。

リン(これだから、兄さんは…。)

リン「もう、習得できたなら、私はプレゼントの買い物が残ってますからいきますからね!
   恥ずかしいとか、混乱したとか、そういうわけじゃないんだから!」

恥ずかしさを抑えるように、リンは走り去っていった。

そして、その日の夜、分身の技はクリスマスの料理を物凄いすいー度で食べつくす
アイクの姿として活躍するのであった。

437 :助けて!名無しさん!:2009/12/24(木) 13:27:06 ID:2uRaQe+Q

436

そして、その日の夜、分身の技はクリスマスの料理を物凄いすいー度で食べつくす

アイクの姿として活躍するのであった。

そして、その日の夜、分身の技はクリスマスの料理を物凄い「スピード」で食べつくす

でした・・・。

勢いで書いた、後悔はしていないが、公開した。