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Last-modified: 2012-08-27 (月) 21:18:39

268 :幼女の旗の下に:2010/04/06(火) 15:01:28 ID:1VtW9OUY

フリーダム&クレイジーな人々が絶えず混乱を巻き起こすカオスに包まれし紋章町。
それは政界もなんら変わりない。
大半が上級貴族によって運営される政界も政争にあけくれ、ひんぱんに交代する政権…
そのたびの選挙…
およそ安定することの無い混沌とした様相を呈してした。

そのような政治情勢においては強力な指導力をもった強い政治家が期待されるものである。
この物語は紋章町政界に彗星のごとく現れた一人の男の記録である…

物語は町の一角…マギ・ヴァル地区の路上からはじまる。
何やら騒がしい…野次馬が警察の捕り物を見物している。

ゲイル  「またんかーーーーっ!!!!!!」
エフラム 「馬鹿者!だから俺は犯罪者ではないと言ってるだろうが!」
ゲイル  「ロリコンは犯罪なんだ!神妙に縛につけ!」
エフラム 「だから冤罪だ!あくまで俺は幼女を守っているだけだ!」

躍起になった警官がドラゴンに乗って一人の男を追い回している。
エフラム 「おのれ誤解で逮捕されてたまるか、くらえ!」
ヒュッ!
ゲイル  「手槍!?おっと危ない…手向かいするか!公務執行妨害もプラスだ!」

だがゲイルが手槍をかわしている隙にエフラムは下水道に逃げ込んでしまった。
ゲイル  「くそっ…毎回逃げ足のはやいやつめ……」
悔しそうに歯噛みしたゲイルだが、こうなると身柄の確保は難しい……

269 :幼女の旗の下に:2010/04/06(火) 15:02:33 ID:1VtW9OUY

薄暗い下水道を歩きながらエフラムは怒りに身を震わせた。
エフラム 「くっ…わからずやどもめ!幼女をロリコンから守るべき警官が、幼女を守る者を捕らえようとしてどうする!
      こんなことでは幼女を守れぬ……」
不安が胸をよぎる…
もとより彼は自分の身近な幼女は全力で守る決心を持っている。
ミルラ、チキ、ファ……それとちょっと困ったさんだがサラも守るべき愛らしい幼女だ。
だが…広大な紋章町には何万人という幼女がいる…
当然だが全員を一人で守ることなど不可能である。
警察が幼女を守る男を追いまわすようではロリコン犯罪者の好き勝手を許すのではないだろうか。

エフラム 「いかん!このままではいかん!未来を担うべき幼女を守るのは俺たち男の責務だ!
      なにか…なにか手は無いものか……まてよ…それならいっそ警官になって警察の力をもって幼女を守るべきか?」
さしあたっていつまでも下水にいるわけにもいかない。
頭上のマンホールから外に出る。

AKJ会員A「きゃあ何者!?」
AKJ会員B「反対派のカチコミね!」
マンホールから顔を出したエフラムは女性たちに取り囲まれ、たちまち剣や槍をつきつけられる。
周囲を囲む少女たちの表情からは警戒心が滲み出ている。

エフラム 「いや…突然こんなところから出てきたら怪しく思うだろうが…
      とりあえずお前らの敵じゃないんだ。武器を下ろしてくれないか?」
慎重に言葉を選びながら周囲を確認する。
ここは公園…大勢のAKJ会員が集まっている。
なにやら旗やプラカードを持っている者も多い、なにかの集会かデモだろうか?

ラケシス 「みんな下がりなさい、この人は会員エイリークのお兄様よ」
AKJ会員「はい、失礼しました」
会長の一言で囲みが解かれる。
ラケシスは「AKJ代表候補ラケシス」と書かれたタスキを身に着けていた。
エフラム 「なにやら集まりの邪魔をしてしまったようだ。すまないな」
ラケシス 「いいえ、妹を愛する兄ならいつでも歓迎するわ」
エフラム 「ところでこれはなんの集まりなのだ?」
ラケシス 「いいことを聞いてくれたわ!今度紋章町議会の総選挙があるのよ。
      そこで現職議員の私が再度立候補したってわけ。
      今回我がAKJは議会の過半数の獲得を狙ってなんと289人もの立候補者を擁立してるわ!
      是非とも清き一票をお願いするわね!」

270 :幼女の旗の下に:2010/04/06(火) 15:03:25 ID:1VtW9OUY

なるほど、選挙運動か……
プラカードには『今度こそ兄妹恋愛支援法案の成立を断固達成!』と書かれている。
そういえばいつだかラケシスがその法案を議会に提出して否決されたとシグルドが話していた。
ならば議席の大半をAKJ会員がとれば、おのずと法案は成立するというわけだ。
エフラム 「まてよ…」
その瞬間である…エフラムの脳裏に天啓が閃いた!
エフラム 「そうか…その手があった!ありがとうおかげで俺のなすべきことが見えた!」
ラケシス 「え?…ええ、よくわからないけどどういたしまして…是非AKJの擁立候補に投票してね」

困惑するラケシスに一方的に礼を言うと、全速力を持ってエフラムは帰宅する。
まずは情報収集だ。

兄弟家の居間でマルスは新聞を読んでいた。
マルス  「ふんふん…今度の選挙は現職議員はほとんど立候補…と。
      なりゆきによってはまた首相がかわるかな?」
エフラム 「おおいいところにいたマルス!お前に聞きたいことがある!」
マルス  「へ、なんです?」
エフラム 「どうやったら首相になれるか教えてくれ!」
マルス  「………は?」
エフラム 「何度も言わすな、首相のなり方を聞いているんだ!」
マルス  「ええと……順を追って話してくれませんかね?」
エフラム 「うむ、俺はいつものようにミルラを散歩に連れていたんだが、誤解されて警察に追われるはめになったのだ。
      なんとか振り切ったが…警察がこんな体たらくではロリコンの好き勝手を許しかねないと思ってな。
      ならば俺がトップに立って警察を動かして紋章町の全幼女を守ろうと思ったのだ」
マルス  「それなら警察官になればいいでしょ、なんだって首相なんですか?」
エフラム 「うむ、それも考えた…だが公務員の上には政治家がいて色々指示をするだろ?
      そうなると、俺が警察のトップに立っても上役に反対されたら幼女は守れん…
      ならば政治家のトップになればいいと思ったのだ、だから首相のなりかたを教えてくれ!」

271 :幼女の旗の下に:2010/04/06(火) 15:04:06 ID:1VtW9OUY

マルス  「念のために聞きますけど、紋章町の政治体制についてはわかってますよね?」
エフラム 「まったくわからん、だが首相になる以上知らんではすまんな。ついでだ教えてくれ」
マルス  「政治経済の授業で習ったはずなんですがね…まあいいか…
      先に断っておきますけど、冒頭でも言ったとおりこれから説明する内容はこのネタ独自の設定ですので
      悪しからずご了承ください」
エフラム 「なんの話だ?」
マルス  「最近メタな話をしてなかった気がしまして…いえ、こっちの話ですよ。
      それじゃ説明します。まず議会…紋章町の立法を司る機関ですね。
      議席の定数は355席、大半が貴族です。貴族達は主に地区ごとに政党を組んでいます。
      現在一番大きな政党はベグニオン元老党ですね。それでも102席です。
      法案を通すには過半数の賛同が必要なため、現在の体制では極めて新法は成立しにくいんです」
エフラム 「なぜだ?違う党の連中が出したものでも、よいと思ったら賛成すればいいだろう」
マルス  「ま、いろいろあるんですよ。次に行政…これは首相が長となります。
      紋章町は形上大統領を置いていますが議院内閣制をとっており、
      行政の長は首相になります。大統領が指名した人物が首相になって組閣…ああ、つまり
      各部門の長を決めて政治をします。警察の長は内務省になりますね。ちなみにゼフィール署長は制服組のトップです」
エフラム 「すると大統領の方が上なのか?」
マルス  「否定はしませんが、首相は大抵は議会の第1党の幹部から選ばれますからね。
      大統領も強力な政党の声は無視できないわけです。
      それに大統領は紋章町元首としての儀礼的な役割です。ちなみに任期は4年。この間選挙で決まったばかりですから、
      当分は変わりませんよ」
エフラム 「ではやはり首相を狙うしかないな。つまり大統領が俺を指名すればいいわけだ」
マルス  「まぁそうなんですけど…それだけ政界で強い力を持たないと指名されませんよ?
      どっかの政党に入るなりして頭角を現さないと…」
エフラム 「それならもう考えてある!志高き同胞が集う新たなる政党だ!」
マルス  「なんとなく想像はつきますが…」

272 :幼女の旗の下に:2010/04/06(火) 15:08:27 ID:1VtW9OUY

数日後……ささやかな新党が結成された……
「鉄血幼女守護同盟」
その第1回会合がエフラムの自室で開かれた。
初代メンバーは下記の面々である。
本業と共に記載する。

高校生、エフラム 傭兵、 オグマ 道場主、シャナン 高校生、ターナ
黒い牙、ロイド 黒い牙、ライナス 黒い牙、ジャファル

エフラム 「狭い部屋ですまんが座ってくれ」
ロイド  「ああ、しかし思い切ったことを考えたものだな」
エフラム 「お前たちもロリコンと誤解されて警察に追いかけられたことは1度や2度ではあるまい?」
ライナス 「おうよ!」
オグマ  「ユミナと一緒にいるとしょっちゅう職質されるな」
ターナ  (私はないんだけど…)
エフラム 「世の中こんなていたらくでは本物のロリコンから幼女を守ることはできん、
      それゆえ俺たちの力で世の中を変えようと思うのだ。
      そのための新党だ」
ターナ  「それはいいんだけど…鉄血幼女守護同盟ってこのネーミングはなに?」
エフラム 「よく聞いてくれた!鉄は槍を表している。血は勇士が流した血、
      すなわち槍を取り血を流して幼女を守ろうというわけだ!」
ターナ  (ものすんごく極右政党っぽい名前よね…幼女のところで脱力するけど)
オグマ  「まあいいんじゃないか?それで今回の会合の議題はなんだ?」
エフラム 「もちろん次の議会選挙に打ってでる!俺たちの主張を世の中に広めるのだ!
      その選挙に受かるための手段を相談したい」
ターナ  「ちょ…ちょっと待ってよ!つまり私たち全員で選挙にでるの?」
エフラム 「マルスに聞いたら議席は多いほうがいいというんでな。俺一人よりもここにいる7人のほうがいいだろう?」
ターナ  「あのねぇ…私もお父様が議員だから知ってるけど…選挙ってすんごくお金がかかるのよ?
      選挙運動したり、宣伝、人を雇ったり…7人分の運動費用をどこから捻出するのよ?」
シャナン 「それに政党といってもまだ何も決めてないしな。まずは党首をきめたらどうだ?
      言いだしっぺのエフラムでいいと思うが」
ロイド  「そうだな」
ジャファル「……異議なし」
エフラム 「もとよりそのつもりだ、では本日より俺が党首を務める」
シャナン 「それでは選挙資金の話だが…とりあえず私は収入があるから幾らかは出せる…があまり期待せんでくれ」
オグマ  「というかここにいる面々で余裕がありそうなのはターナ嬢だけだと思うが…」
ターナ  「無理言わないで…というかお父様が対立候補の選挙運動に援助してくれるはずないでしょ…」
ライナス 「まず資金繰りから考えねぇとな…黒い牙の財布もソーニャが握っちまってるし」
シャナン 「こういうのはどうだ?会費を募ってビアホールで集会をするのだ。
      そこで演説などを打って支持者を集めつつ資金もゲットする。ついでに党員も増やせればいいな」
ターナ  「それよりも機関紙を作ったらどうかしら?初めのうちは壁新聞や号外みたいな感じになると思うけど、
      そこで主張を広めるのよ。購読形式にできればお金の足しにもなるしね」
ライナス 「ちくしょう…細かいこと考えるのは苦手だ…そもそも悪いのは俺たちをロリコンと誤認する警察じゃねぇか。
      黒い牙の若い連中を集めて警察の連中を叩きのめすってのはどうだ?」
オグマ  「無茶いうな…相手にはゼフィール署長がいるんだぞ」

エフラム「ううむ、そうだな…」

1 シャナン案を採用 飲み会で親睦を深めつつ仲間を増やそう
2 ターナ案を採用  我々の声を世間に広めよう
3 ライナス案を採用 非合法路線突入、警察を退治してやる!

続く