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Last-modified: 2012-08-27 (月) 21:19:50

276 :幼女の旗の下に:2010/04/08(木) 18:34:57 ID:VSsFRRfT

選択 2 ターナ案を採用  我々の声を世間に広めよう

エフラム 「よしターナの案で行こう。まずは世の中に俺たちの考えを知ってもらうことだ」
オグマ  「そうだな、そうすれば我々がロリコンなどという誤解も解けるだろう」
ターナ  (提案しといてなんだけど解けるかしらね…むしろダメ押しになりそうな…
      上手く編集しないと…)
ロイド  「それでどうやって読んでもらうんだ?」
ターナ  「あんまりお金もないし、ガリ版で配るしかないわね。
      ティッシュだってなかなか受け取ってもらえない世の中だし、
      受け取ってもらえてもすぐ捨てられそうだけど中には読んでくれる人もいるでしょ」
ライナス 「数撃ちゃ当たるってわけだな」
シャナン 「では具体的な内容を話し合おう、機関紙の名前だがどうする?」
ジャファル「………今日のニノ」
ターナ  「ジョークよね?それはジョークよね?
      そもそも日刊なんて無理でしょ…最初は隔週くらいがいいんじゃない?
      みんな本業もあるんだし」
エフラム 「最もだな、それと機関紙の名だが…幼女愛護新聞というのはどうだ?
      幼女に対する慈愛と守護の精神があっていいと思うが」
オグマ  「うむ、いいな」
ロイド  「さすがエフラムはいいことを言う」
ターナ  (つ…突っ込みそびれた…あっというまに場はそのネーミングGJ!な空気…
      ここで反対したらKYよね……)

数日後……

ターナ  「で…できた…こんなペラペラな号外でも素人が作ろうと思うと大変なものね…」
エフラム 「素晴らしい…これで世の中を啓発するのだ!」
ライナス 「じゃあさっそく皆で駅前で配ってこようぜ!」

鉄血幼女守護同盟の第一歩はこうして始まったのである。

マルス  「兄さんご飯ですよ……って出かけたのか。最近ロリコン連中となんかやってたみたいだけど…
      ん…なんだこれ?」
エフラムの部屋を覗いたマルスは机の上の原稿に視線を落とした。
そこには機関紙の原版が置き忘れてあったのだ。
マルス  「幼女愛護新聞……なに考えてるんでしょうねあの兄さんは……」
呆れて溜息をつきながらも記事に目を通していく。
マルス  「党首の言葉……このたび新党を立ち上げるにあたって我々の主張を広く世の中に広めるべく機関紙を発行することに致しました…
      幼女がどうのこうのうんたらかたら………ま、いつもの兄さんのウザい戯言か」

軽く目を通していく。薄っぺらいガリ版の号外だが、幼女への愛に満ち溢れていた。
マルス  「我々の活動紹介……○月×日、いつものように通学路の信号機で旗振りを行う…
      未来を担う幼女たちを交通事故から守るため、我々は交代で活動を……
      幼女たちは元気よく挨拶して……ふんふん、何気に読者の好感度をUPしようとしてるね。
      エフラム兄さんじゃ気のまわらなそうな部分だ」
多分ロリコン仲間の誰かが書いた文章だろう。
続けて今週の幼女のコーナーを目に留める。
マルス  「あ、写真入なんだ。なになに……今週の幼女はアカネイア地区在住のユミナ嬢…
      ちょっと強気で勝気なところが愛らしいレスキュー娘…
      元気に小学校へ通う姿を暖かく見守りながらオグマは語る…
      このような幼女を守るためなら命すら惜しくない……
      記者はオグマの男気と慈愛に思わず感涙してしまった……
      あの連中の語る幼女の守り手とロリコンの違いがわからないなぁ……」

277 :幼女の旗の下に:2010/04/08(木) 18:35:37 ID:VSsFRRfT

薄い号外なので記事自体は多くない。
最後の記事は選挙公約だ。
マルス  「我々は現在の政治を正し、幼女が過ごしやすい町を作るため政権をとった暁には以下の政策を……」

1、小児医療の充実を図る。病院資金の援助、保険の充実による医療費自己負担の軽減、小児科医の育成を強化する。
2、幼稚園、小学校に対し特別補助金を出し、教育の充実を図る。
  なお幼女の健全な体を育む体育を奨励するためブルマを復活させる。
マルス  「………2を盛り込んだのがあの連中のうちの誰なのか突っ込みたいね……」

3、幼女のいる家庭への育児費用の援助…とりわけ低所得層、母子家庭への援助を重視する。
4、ロリコン犯罪の撲滅を図る。なお幼女を守る者とロリコンの区別をきっちりつけるため、
  警察には特別研修を行い誤認逮捕の発生を防ぐ。
マルス「…誤認…かな? むしろ逮捕されてもしょうがないと思うけどね」

5、ロリコン犯罪者は死刑、幼女を虐待する者も死刑。
マルス「この部分には連中の激しい怒りを感じるね。自分たちがロリコンだとは思ってないんだろうなぁ」

そのころ駅前ではエフラムが大きなくしゃみをしていた。
ロイド  「風邪か?」
エフラム 「いや…誰か俺をロリコン扱いしたような感じだ…許せん」
オグマ  「やっぱりなかなか受け取ってもらえんな」
ジャファル「………」
ターナ  「そう簡単にはいかないわねー」
青年A  「一部ください」
ターナ  「ありがとう、じっくり読んでみてね!」
青年A  「ゆ…ゆみなたんハァハァ……」
ターナ  「…………」
ライナス 「…ありゃどうみても…」
ロイド  「ああ…ターナのスタイルに視線すら向けないしな…まぁ我々もだが…」
エフラム 「貴様!幼女を邪な目で見るとはロリコンだな!成敗してくれる!」
青年A  「うぎゃあーっ!?」
ターナ  「ストーップ!例えロリコンでも犯罪はしてないわ!
      ロリコンにも投票権はあるのよ!」
エフラム 「くっ…そうだった…いいか、幼女に手を出したら許さんぞ!
      ロリコンの大罪を注ぐためにも俺たちに投票し…」
ターナ  「えいっ!」
エフラム 「もがもが…」

ターナがエフラムの口を塞いでいる間にロリコン男は逃げていった…
エフラム 「ぷは……何をする!」
ターナ  「いい?投票を強要するのは選挙法違反なのよ?
      人目につくところでの言動には気をつけないと」
エフラム 「うむむ…むずかしいもんだな」
ターナ  (…ってかなんで私も本気で活動してるのかしらね…)

278 :幼女の旗の下に:2010/04/08(木) 18:36:19 ID:VSsFRRfT

そんなこんなで刷った分を配り終えるころには日が暮れていた……
エフラム 「どうにか無くなったな。くばった中から1人でも2人でも我らに関心を寄せてくれればよいのだがな」
シャナン 「もっと資金があればなぁ…次は広告スペースでも作ってスポンサーを探してみるか?」
オグマ  「今日のを見てて思ったんだが…もしかして俺たちに投票しそうなのはロリコンくらいなのではあるまいか?」
エフラム 「なぜそうなる? むしろ俺たちはロリコン犯罪を撲滅しようというのだぞ?」
ターナ  「うーん…ロリコン趣味でもみんながみんな犯罪を犯すわけでもないでしょうし…
      特にシャナンさんがゴリ押しして入れた選挙公約の2番はロリコンに支持される条文よね…」
シャナン 「ち…違う…私はただ少女たちがスポーツを通して健康な肉体と精神を育むためによかれと思ってだな…  
      決してブルセラ趣味ではない!」
ターナ  「……はいはい……」

鉄血幼女守護同盟の面々は、次回へ向けての改善点や今後の定期購読形式への移行…スポンサー探し…
さまざまな問題点を語り合いながら、ちょうど見かけた焼肉店へ突入。
アルコールの勢いで現在の警察や政治への不満を語りまくった。
なお学生の2人はウーロン茶である。お酒は20歳になってから!

シャナン 「うぃっく…らからなんろも言うが、ラクチェのような元気少女のブルマがろれらけまぶひいか、
      教師たちわわかっておらん!ブルマを廃止して体育を衰退させようらなんて…
      私が文部省長官になったら教育改革をだな…」
エフラム 「うむ、健康のためにも体育は大事だ。俺が首相になって組閣した暁にはシャナンを入閣させるぞ」
ターナ  (議員にだってなれるか怪しい…というか多分無理なのに、なんでこんなに自信満々なのかしら…)
オグマ  「労働問題も考えないとな…今の不況で収入が減って夫婦共働きが増えている。
      幼女が家で一人でお留守番…なんてロリコン犯罪者に狙われかねん。警察の強化もそうだが、
      育児休暇や経済政策で労働時間の短縮を図って、親が幼女と一緒にいれる時間をつくれるようにせねば」
ロイド  「他の政党は支持者からの寄付金や支援を受けていると聞くぞ。
      とりわけベグニオン元老党は資本家や大企業から強力なバックアップを受けているらしい。
      そういうシンパが我々にも欲しいものだな」
ターナ  「実際7人じゃどうしようもないもんねぇ…」
エフラム 「ロイドの言葉ももっともだが、今の時点ではどうにもならん。
      まぁまずは機関紙を強化したいな。金が無いのはわかってる。広告スペースを設けるというのはいい案だが、
      大企業にいきなりいっても相手にされまい。だから格安の価格で商店街に話を持ちかけてみよう。
      あのあたりはエリンシア姉さんの知り合いも多いしな」
ジャファル「…………ビール………」
ライナス 「役割分担も決めてかねぇとな。ぶっちゃけ俺らの中でまともな文章力持ってるのターナだけだし、
      機関紙の編集長にはターナがいいんじゃね?元々ターナの提案だし」
ターナ  (うは…提案しなきゃよかったかも)
エフラム 「たしかにそうだな。それじゃ俺は明日にでも商店街を回ってみるから編集長はターナに一任したい」
ターナ  「わ…わかったわよぅ……そのついでに選挙の応援もお願いしてくるのよ」
エフラム 「うむ、任せろ」
オグマ  「商店街は経済政策に関心を示すだろうな…我々の政策に関心を持つかな?」
エフラム 「政権をとったら幼女の事だけとはいかんだろうな。責任ある身として他のこともやらねばなるまい」

279 :幼女の旗の下に:2010/04/08(木) 18:37:02 ID:VSsFRRfT

エフラム 「それと党の会計はシャナンに頼みたい。今のところシャナンが一番党費を出してるからな。
      資金の管理を頼む」
シャナン 「うむまきゃせりょ……あひらのみへのてふだひで…銭勘定はやってゆからな…」
ターナ  「ちょっと飲みすぎよ…もう」
オグマ  「ま、7人しかいない党であまり役付を多くしても仕方ない。党員が増えたら考えなきゃならんだろうが、
      現状はこれでいいと思うが?」
ジャファル「……異議なし…」
ロイド  「そうだな」
ライナス 「俺が平なのがちょっと気に食わねぇが…ま、いいだろ」
ターナ  (なんでこの人たちは党員や支持者が増えると信じて疑ってないのかしら…
      このままマイナー団体で終わると思うんだけど…)

党員たちが語り合っているころ……

ここテリウス地区…シエネ街1番地……
豪奢を極めた建物にはベグニオン元老党の幹部たちが集まっていた。
贅の限りをつくした部屋に党首ルカンが歩みいると、幹部たちは一礼して出迎える。
ルカン  「参謀、票の読みはどうか?」
選挙参謀 「はい、各企業、団体に動員をかけております。ブルジョワ層の支持は揺るぎありません」
ルカン  「うむ、その分奴らには甘い汁を吸わせてやらねばなるまいな、富裕層向けの税…相続税や
      法人税の減税政策を打ち出さねばな」
ヘッツェル「財務長官に話を通しておきます」
ルカン  「こたびの選挙で我が党が引き続き第1党となれば、ヘッツェル殿の首相職も続投となろう。
      大統領にはワシから言っておくゆえよろしく頼むぞ」
ヘッツェル「そ…それはもう……」
オリヴァー(ヘッツェル殿を使うことで自らは政権の矢面に出ず、万一失政があらば彼を辞任させるだけですます…
      誠にルカン殿のやりようには美が見受けられぬ)
バルテロメ「そういえば他の政党はどうなのです?
      カルチノ共産党が労働争議を煽って貧乏人どもの支持を集めているようですが」
選挙参謀 「問題ありません、企業側より圧力をかけさせています。
      それよりも第2党のバーハラ党がグランベル社やフリージ…ドズル関連企業と接触を強めています。
      支持基盤の切り崩しのため、党内のスキャンダルを洗っております」
ルカン  「うむ、バーハラさえおさえれば他の政党は恐れるに足りん。
      ごろつきどもを雇って集会の妨害も忘れるなよ」
選挙参謀 「はい、口の堅い者に金を握らせておきます。
      それとナーシェン様とコネクションを作りましたので警察の捜査も徹底しますまい」
ヌミダ  「そういえばあの小うるさい小娘の党はどうなのだ?
      今回はかなりの人数を立候補させておるが」
選挙参謀 「AKJにつきましては…いささか特殊な連中ではありますが…やつらの主張はAKJの中のみのものです。
      会長ほか数名は家のバックアップで選挙をとおすでしょうが、多く見積もっても20席というところかと…」
バルテロメ「やはり問題はバーハラでしょうな。やつらさえ叩き潰せれば、私たちが過半数を獲得できるというもの…
      クスクスクス………」
選挙参謀 「あ、それと1点だけお耳に入れておきたいことが…些細なことではありますが、小政党が新規に立ち上げられ、
      議会選挙に候補を登録しました」
ルカン  「何者か?」
選挙参謀 「鉄血幼女守護同盟なるもので…党員は7名のみ…党首はエフラムという庶民の青二才…とるに足りぬものですが
      一応ご報告しようかと…」
オリヴァー(…む?…たしかその名は軽やかなバイオリンの音を紡ぎだす小鳥の兄ではなかったか?)
ルカン  「わけのわからん党名だな…捨て置け、どれほどのこともできまい」
オリヴァー「話もまとまったようですな。それでは私はこれにて失礼いたす」
ルカン  「ん?…そう急がずともよかろうに、これから一席設けてあるのだがな」
オリヴァー「失礼ですが私にとって美を探究する時間は何よりも貴重なものでしてな。
      それではごきげんよう…」

優雅に一礼するとオリヴァーは席を立ち歩み去った。

280 :幼女の旗の下に:2010/04/08(木) 18:37:59 ID:VSsFRRfT

10

夜が更けていく……
鉄血幼女守護同盟の面々は、商店街のどこにスポンサードを頼もうかと知恵を絞りあっていた。
今現在の紙面の割合を話し合った結果、
さしあたって1件分の広告スペースしか確保できないとの結論に達したため、スポンサー選びは慎重に考えねばならない。
紙面が増やせればもう少し増やせるだろうが……金の無い身の悲しさだ。
エフラムは商店街の各店舗や、兄が勤めるグレイル工務店を思い浮かべる。
広告料金はかなり低く設定したのでおそらくはどこも広告を出してくれるだろうが…
そこからそれぞれの店舗にシンパを得て協力を求めたいところだ。

オグマ 「建築業界は昔から公共事業とセットだからな。選挙には関心が深いはずだ。
     動員できれば力になるぞ。俺はグレイル工務店を押したい。そこから知り合いの同業者にも話を広げたいな」
シャナン「ボーレの豆腐屋がいいんじゃないか?
     スーパーなどにも豆腐を卸してるらしいし、商店街にも顔が聞くだろう。
     小売業者の声を代弁する…幼女が母のお使いで訪れる商店街を守ることも我々の目的と合致する」
ロイド 「少しずれた話かもしれんが、プラハの焼き鳥屋の焼き鳥は美味かった……
     広告を見て出向いた客が満足すれば我々の機関紙に対する信用も増すと思うのだが」
ジャファル「………グローメルの電気店……これからはITの時代らしい…仲良くなればネットで選挙の宣伝をする…
      ホームページの立ち上げ方とかのやり方を教えてくれると思うが…」
ライナス 「カリルの酒場もいいんじゃねぇか?
      聞けばたまに小政党の政治家も来るらしいしな。客の情報だから口は堅いだろうけど、
      上手くすりゃ他の党の情報が手に入るかもしんねぇぞ?
      ま、党首のエフラムが決めてくれ」

エフラム 「ううむ…そうだな…」

1 オグマ案を採用   グレイル工務店と話をするぞ!公共事業は労働者の雇用を守る上でも大事だ。
2 シャナン案を採用  豆腐は美味い!小規模経営者を応援しよう。
3 ロイド案を採用    アイクも大好き肉を食おう。
4 ジャファル案を採用 世の中は情報化社会、ネットを制して支持者を増やそう!
5 ライナス案を採用   敵を知れば100戦危うからず!他の政党のことを調べよう。

続く