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Last-modified: 2012-08-27 (月) 21:25:40

317 :幼女の旗の下に:2010/04/11(日) 03:20:54 ID:TV7dBRfi

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選択 1 オグマ案を採用 グレイル工務店と話をするぞ!公共事業は労働者の雇用を守る上でも大事だ。

エフラム 「グレイル工務店がいいだろうな。兄上もいるから話を通しやすいだろう。
      それに政権獲得後の公共事業についてはすでに案があるんだ。
      その話をすればきっと協力してくれる」
オグマ  「よし、それじゃあ決まりだな」

こうしてエフラム達はグレイル工務店にコンタクトを取ることとした。
翌朝の朝一で工務店の扉を叩いたのはエフラムとオグマである。
それぞれ本業があるからあまり休むわけにもいかないし、あまり大勢で訪ねても仕方ない。

セネリオ 「はい、どちらさまですか?」
エフラム 「ぶしつけな訪問で申し訳ない。我々は政治政党、鉄血幼女守護同盟の者だ。
      店主にお取次ぎ願いたい」
セネリオ 「……どのようなご用件で?」
オグマ  (明らかにうさんくさそうな顔をしてるな…)
エフラム 「我々の機関紙に広告を出していただけないかと思ってな。
      それと選挙への協力をお願いにきた」
セネリオ 「どうぞ、こちらにおかけになってお待ちください」

事務所の一角の来客用の席に案内される。
手狭な事務所は雑多な雰囲気に包まれている。
あまり人の姿は見えないが現場に出ているのだろうか。

アイク  「ん…? なんだエフラム、なにか用事か?
      弁当なら忘れずに持ってきたぞ?」
エフラム 「いや…兄上に弁当を届けにきたわけではない。
      店主に選挙の協力を願いにきたのだ」
アイク  「ああ…最近お前が色々やってるヤツか」
グレイル 「待たせたなお客人、俺が店主のグレイルだ」

向かいの席に腰を下ろした男はグレイル。この工務店の主だ。
さっそく用件に入る。

318 :幼女の旗の下に:2010/04/11(日) 03:21:43 ID:TV7dBRfi

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グレイル 「……ん、話はわかった。まあ大した額ではないし、そのくらいなら是非広告を出させてもらいたい」
その言葉にエフラムもオグマも胸のうちが明るくなる。
幾分かでも資金の当てがついたのは明るい材料だ。
グレイル 「だが肝心なのはここからだ…あんたがたが仮に政権をとったとしてだ…
      何をするつもりなんだ?」
エフラム 「幼女を守る…それは幼女の生活を守ることも含むと心得ております。
      幼女の親が失業して幼女が困窮することのなきよう、我々は様々な事業を考えております」
グレイル 「工務店に協力を頼むんだ。ま、公共事業の話になるのは当然だな。
      何を作るつもりなんだ?」
エフラム 「いくつか考えはありますが…一番の目玉は紋章町の全住人に幼女愛護の精神を喚起するため…
      全長100Mの巨大幼女像をワーレン港湾地区に建設するつもりでおります。
      船で紋章町を訪れる旅人も、わが町が幼女への慈愛に溢れた町であると知ることでしょう」
グレイル 「………実現すれば大工事だな……幼女というのがちょっと気になるが」
セネリオ 「酷い有様です」
アイク  「…大きな仕事…いいじゃないか親父、男は大きな事をするべきだ」
グレイル 「実現すればと言っただろうが…ま、そりゃ願ってもない話だが…
      政権を取る見込みはあるのか?
      あんたの党は初めて聞く名前なんだがな」
エフラム 「無論簡単にいくとは思っておりません。ですが全力をもってやりぬく所存」
オグマ  「この際だからざっくばらんに申し上げる。うちのような小政党は大企業には相手にされない。
      失礼だが…おたくのように小さな会社もしかり…大政党の政権の事業の入札に呼ばれたりはしないでしょう。
      先物買いと思っていただきたい。将来的に我々が勢力を大きくした際には我々は必ずご恩返しをします」
グレイル 「セネリオ…意見を言ってみろ」
セネリオ 「……我々の協力というものが運動員の貸し出しや投票の呼びかけ…と理解して話を進めますが…
      こういってはなんですがデメリットが多いように思われます。
      我々もヒマではありません。この忙しい時期に社員を貸し出す…それも支持基盤ももたない小政党に…
      選挙に受かる見込みも見当たりませんし僕は賛成できません」
グレイル 「うちの軍師はこう言ってる」
エフラム 「お言葉はもっともです。無論俺は全力をもって選挙に受かるつもりでおりますが、戦いは相手あってのこと。
      敗れる可能性も否定しません。だが、男の夢…目標というものは1年や2年でたやすく達成できるものではない。
      俺は一生を幼女が平和に暮らせる町作りに捧げるつもりです。
      たとえ敗れても何度だって挑んでみせます。俺の気持ちはきっと有権者たちに伝わる!
      そう確信しています!」
アイク  「………男たるもの一生をかけてやり抜くことを一つは持つべきだ…よくいった。
      俺からも頼む」
エフラム 「兄上…」
グレイル 「………今時の若造にしちゃいい根性だ。
      あんた方がやる事業の入札には必ずうちを呼んでくれ。そいつが条件ってことでかまわん」
セネリオ 「店長!」
グレイル 「何も言うな。男が男の一生の目標のための頼みを受けるんだ。断れば男が廃る」
エフラム 「店主…ありがとうございます!」
オグマ  「ありがとうございます!」
アイク  「俺には難しいことはわからんが…決めたことだ、石にかじりついてでもやりぬけ。
      協力は惜しまんぞ」
エフラム 「ありがとう兄上…」

こうして鉄血幼女守護同盟とグレイル工務店は手を取り合った。
それから数日…兄弟家の庭に、小さいながらも政党事務所が完成した。
工務店が廃材を利用して安く仕上げてくれたのである。

319 :幼女の旗の下に:2010/04/11(日) 03:22:35 ID:TV7dBRfi

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扉を潜り…エフラムは部屋を見渡す。
狭い事務所ではあるが……
エフラム 「ここが俺たちの城だ…ここより俺たちの戦いが続くのだ…」
ロイド  「凄いな…いよいよって感じだ」
シャナン 「うむ、随分安くついたぞ。他に頼めば正直予算オーバーになるところだった」
ターナ  「後はもっと設備を充実させたいわねー。ファックスやコピー機も入れられない?」
シャナン 「無理ゆうな…格安ですんだとはいえそれでも予算ギリギリだったんだぞ…
      収入の大半を党費に出してる私の身にもなってくれ…」
エフラム 「よし、ターナはさっそく工務店の広告を作ってくれ。次の号には載せられるようにな。
      これがスポンサーの契約書だ」
ターナ  「了解、任せといて」
ライナス 「街頭演説や集会には人を貸してくれるそうじゃねぇか。いよいよ本格的に活動できるな!」
オグマ  「少数とは言え運動員も得た。ここは演説集会を打ってみないか?
      少数でも支持者や党員を増やしたい」
エフラム 「うむ、選挙の期日も近づきつつあるしな。さっそくとりかかろう!
      場所は…タダで使える近所の公園でかまわん、ガリ版で案内のチラシを刷りまくれ!」
ライナス 「おうよ任せろ!」
ターナ  「ああ…コピー機があれば……ねぇシャナンさん?」
シャナン 「だから金がないのだ…そんなにいうならコンビニで自腹切ってコピーしてくれ…」
オグマ  「選挙関連の集会は役所に3日前までに届けを出さねばならん、ちょっと行ってくる」
エフラム 「すまん、頼む」

数時間後……

ターナ  「これだけ刷れば…ああ疲れた…」
エフラム 「よし、さっそく手分けして片っ端から住宅街を回ろう。ポストに入れまくるのだ!」
シャナン 「こういう時、運動員の人数が物をいうよな…我々は駅前で通行人に配ってくる」

鉄血幼女守護同盟の面々は足を棒にして紋章町を歩き回り、チラシを配ってまわった…

そして当日…

320 :幼女の旗の下に:2010/04/11(日) 03:23:25 ID:TV7dBRfi

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緑なす公園……そのひときわひらけた場所に、エフラムたちは集まった。
木箱の上に仁王立ちしたエフラムの表情は、まさに合戦に赴く侍のような厳しさだ。
その手にはマイクが握られている。
運動員のグレイル工務店の面々も姿を見せている。

エフラム 「……後30分で開始の時間だが…誰も来ないな…俺の予想では100人は集まると思ったんだが…」
ターナ  (ま、今時チラシ一枚で来てくれる人なんてなかなかいないわよね…スーパーの特売チラシの方が集客力あるわ…)
ライナス 「き…きっとみんな駆け込みなんだぜ!」
シャナン 「そうだ、そうに決まっている!」
アイク  「なあ、俺はこういうことに疎いんだが…何を手伝えばいいんだ?」
ターナ  「会場の整理とか…そういうことを手伝ってもらおうと思ったんだけど…なんだかこの調子じゃ私たちだけでも間に合いそう…」
ワユ   「うーん、このままお客さんいないのも寂しいねー。
      ちょっと呼び込みしてみない?」
ガトリー 「いい事いうねワユちゃーん」
アイク  「そうだな、俺たちは公園の入り口で人を集めてみよう」
エフラム 「すまない兄上、よろしく頼む」

こうして工務店の面々の呼び込みが始まった。
ワユ   「さーさー寄ってらっしゃい見てらっしゃい♪一世一代空前絶後の…なんだっけ?」
セネリオ 「……縁日の大道芸じゃないんですから…あーあー…これより鉄血幼女守護同盟の演説会を開催いたしますので、
      みなさま是非ともおいでください、私たちの力で紋章町の政治をよりよいものにしましょう!
      恥ずかしいですねこの名前…」
アイク  「俺の弟がみんなに話を聞いてほしいそうだ、よければ聞いてやってくれ」

この濃い連中が大きな声で呼び込みをしているととにかく人目につく。
ポツポツと人が集まってきた。
ご隠居A 「なんじゃ?なにかのイベントかの?」
元会社員A「どうせ毎日会社に行ってるフリしてるだけだし…ヒマだから見てってみるか…」
主婦A  「あら奥様、あそこにいるのってアイクさんじゃありません?」
主婦B  「エリンシアさんが言ってましたわね、まーいい男だこと♪」
ニートA 「わゆ~んぼいん…ハァハァ…」

まぁ…ヒマそうな連中が集まってきた。

321 :幼女の旗の下に:2010/04/11(日) 03:24:09 ID:TV7dBRfi

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ジャファル「…時間だ…13人か…平日の日中だしやむをえないか…」
エフラム 「たとえ1人でも聞いてくれる人がいる限りやるぞ」

さっそく演説会が始まる。

エフラム 「お集まりの諸君!自分は鉄血幼女守護同盟の党首エフラムであります!
      このたび皆様に私の政治目標、理想を知っていただくべくこの集会を開催しました!
      現在の紋章町政府は幼女を守る事に全力を尽くしてきたといえるでしょうか?」
主婦A  「そういえば1週間前にマギ・ヴァル地区でロリコンが警察に追われてたそうですわよ?
      まだ捕まってないんですって…」
主婦B  「ま~怖い、うちの娘も気をつけなきゃ…これは警察と政府の怠慢ですわね」
ターナ  (たしかそれってエフラムがゲイルさんに追っかけられた話よね…結果的に現政権の批判になったけど)
エフラム 「~~であるからして、現在の警察は真剣に治安維持に努めているとはいえない!
      幼女が安心して暮らせる街づくりは我々大人の責務でありうんたらかたら……(中略)……
      すなわち幼女主義こそが未来への架け橋であり…(30分経過)…次世代の母となるべき幼女なくして人類はありえないのです!
      これは真理であり……」
ターナ  (いつもは無口なのに幼女の事となるとよくこれほどしゃべれるわね…あ、エフラム凄い汗かいてる…
      えらく力を込めてしゃべってるのね…相手に通じるかどうかはともかくだけど…)
エフラム 「幼女を守り抜くことこそが我ら大人の義務であり、使命であります!
      紋章町の全幼女のため、みなさまのご支援をお願いします!」
ターナ  (つ…つかれた…2時間もぶっとおしでしゃべれるなんて…)
オグマ  「か…感動した…」
ライナス 「ちくしょう…どうして目から涙がとまらねぇんだ…」
シャナン 「そうだ…これこそが今の紋章町に必要なんだ…」
ターナ  (つ…突っ込みたいけど…この空気じゃなにもいえな…)
ワユ   「難しいことはわかんないけどさ、要するに幼女大好きってことだよね?
      それってロリコン?」
ターナ  「ちょ……っ」
エフラム 「ち…違う!我々はロリコンではなくてだな!」
ワユ   「あ、違うんだゴメン、細かいことは気にしない♪気にしない♪」

ご隠居A 「なんじゃ…結局ロリコンの戯言かの…」
主婦A  「まーいやですわね」
主婦B  「帰りましょ奥様」

ターナ  「ああっ全部台無しに!?」
ライナス 「なんてこったぁ!?」
ワユ   「ごめんごめん♪ ま、なんとかなるってさ、ポジティブが一番だよ♪」
アイク  「男として諦めてはいかんぞ」

322 :幼女の旗の下に:2010/04/11(日) 03:24:52 ID:TV7dBRfi

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このように初めからうまくいったわけではない。
失敗も多かった…だがめげずにエフラムたちは工務店の面々の熱心な協力で短期間で集会を行いまくった。
多い日では1日三回も各地の会場を回って集会を行った日もあったくらいだ。
そのたびにエフラムは少数の聴衆に熱弁を振るった。
回数を重ねるごとに少しづつ支持者も現れはじめ……

カナス  「なんだか…あなたの演説を聞いていたらニノにもっと勉強を教えてあげたくなりましたよ。
      よろしければ党の末席に加えていただきたい」
ディーク 「俺も入党させてくれ!少女を守りたい気持ちは一緒だ!」
バヌトゥ 「チキのため、この町の政権を正していただきたい…ワシはあなたに投票させていただきますぞ」

鉄血幼女守護同盟は党員を20名に拡大し、少数ではあるが支持者を得た。
エフラムは目標に向けて充実した忙しい日々をすごしていたのである。
そんなある日のこと……

ターナ  「エフラム、弟さんが来てるわよ」
マルス  「こんにちは兄さん」
エフラム 「なんだ、事務所のほうに来るとは珍しいな…何か用か?」
マルス  「ええ…最近兄さん忙しくしてますから、ここじゃないとつかまらないと思いましてね。
      家に帰るのも遅くなってますし」
エフラム 「今が一番忙しい時期だからな。家族には心配をかけてすまん」
マルス  「いえいえ、それより調子いいみたいですね?
      支持者も少しずつ増えてるそうじゃないですか」
エフラム 「グレイル工務店のみんなのおかげだ、彼らの協力がなければ集会に人を呼べなかっただろうからな。
      それで何の用だ?」
マルス  「単刀直入にいいます。僕を選挙参謀として使ってみませんか?」
エフラム 「なに?」
マルス  「自分でいうのもなんですが…僕はこういったことに頭が回ります。
      兄さんの選挙に役立つ献策をできると思いますよ?」
エフラム 「…いったい急にどうしたというのだ?」
マルス  「この際包み隠さずぶっちゃけますよ。
      今の兄さんたちはあくまで小政党にすぎませんが…その力が大きくなればいずれ政財界との繋がりが出来てきます。
      その可能性は出てきたと思いますので…
      そのあたりにコネをつくりたいんですよ、僕は兄さんのために頭脳を提供する。
      替わりに僕がコネをつくる足がかりになってもらう…利害の一致ってわけです。
      お役に立ちますよ?」
エフラム 「むぅ……」
     (確かにマルスは頭脳に優れる…古来名将の傍には名軍師があるものだし、登用すれば役に立つだろう…
      だが…やつは我々と違い幼女への慈愛ゆえ運動に身を捧げるつもりはあるまい…
      党の精神を考えると、そういった者を入党させてよいものか…)

1 マルスを登用する  マルスは役に立つ、その頭脳を我が党の躍進に活かしてもらいたい!
2 マルスを登用しない チキよりもシーダを選ぶ者に用なし! 即刻消え失せい!