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Last-modified: 2012-08-27 (月) 21:31:38

361 :幼女の旗の下に:2010/04/17(土) 04:16:46 ID:rptEieNd

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2 2人で逮捕される   不本意だが…幼女政権のため…2人で協力して獄中生活を切り抜けよう!

ベルン署の一室…
部下からの報告を受けて男は唇を吊り上げた。
ナーシェン 「容疑者の護送ご苦労…それではこの事件は私が直接捜査の指揮をとろう」
ツァイス  「容疑者はただのロリコンですよ? なにも警視自らでなくとも…」
ナーシェン 「くくくっ…これは特別な事件なのだよ? いいからこれ以降は私に任せたまえ。
       ツァイス君には後ほど別の事件を担当してもらおう」

そこまで上司に言われると下がらざるを得ない。
部屋を出たツァイスは喫煙所でゲイルを見かけると今回の一件に疑問を述べた。
ツァイス  「なんだか釈然としませんね…普段ならこんな小さな事件には関心をしめさないのに…」
ゲイル   「それがそうでもないんだよ」
ツァイス  「え?」
ゲイル   「少し前ならただのロリコン事件さ…だがいまや容疑者は小さいとはいえ政党の党首だ」
ツァイス  「…あの噂…ナーシェン警視がどっかのデカイ政党とつながってるってのは…」
ゲイル   「証拠はないがな。俺は事実だと思ってるよ」

党首エフラムの逮捕…その一報は鉄血幼女守護同盟に激震をもたらした。
事務所では党員たちがてんやわんやの大騒ぎだ。
ライナス 「離せっ離しやがれっ!エフラムを助けにいくんだ!」
ロイド  「冷静になれバカ野郎! 今おまえがカチこんだら、それだけで党首の立場を悪くすんだよ!」
ライナス 「じゃあ兄貴は平気だってのかよ!? エフラムが幼女に犯罪をするはずがねえだろうが!
      絶対にハメられたんだ!」
シャナン 「くそ…いったいフレリア家で何がおこったんだ…ターナまで逮捕されるなんて…」
ジャファル「警察無線を傍受した…フレリアから通報があって警官隊が出動…エフラムとターナを拘束した…
      罪状はサラにロリコン犯罪をしでかした疑い…」
オグマ  「ばかな…ありえん……いつも迫られていただけだというのに…」
シャナン 「傍からみたらロリコンに見えたやもしれんが…誤解を解くどころか通報までされてしまうなんて」
バヌトゥ 「むうう…」
カナス  「お…落ち着きましょうみなさん…今、わたしたちにできることは党首の無実を信じて活動に専念することです…」
サラ   「あら予想はしてたけど大騒ぎね?」
ディーク 「サラ!? いったいフレリア家で何が起こったんだ?」
ライナス 「そうだ!一部始終を話してくれ!」
サラ   「ちょっと…そんなに肩を掴んだら痛いわよ」
ライナス 「あ…わりぃ」
サラ   「最初に言っておくけど勿論これは冤罪よ。兄様とターナは反幼女主義者の策略によって無実の罪で逮捕されたわ」
オグマ  「やはりそうか!?」
シャナン 「おのれ…どこのどいつだか知らんが卑劣な真似を…」
サラ   (実際にはそんな策略ないんだけどね)
カナス  「だけど被害者は君なんだよね? 冤罪なら君がそう証言してくれればすむことじゃないのかい?」
サラ   「子供の証言は信用できないって。お巡りさんたちは私が兄様に嘘の証言を強要されたと思い込んでるみたい」
ライナス 「くそったれ! やっぱりポリ公なんぞ信用できねぇ!」
ディーク 「そうだ! ベルン署に乗り込んで力づくでも党首を救い出すんだ!」
強硬論が場の主流を占めていく。
誰もが怒りに身を震わせ、中には武器に手をかけようという者すらいる。

362 :幼女の旗の下に:2010/04/17(土) 04:17:56 ID:rptEieNd

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そんな中、サラは一歩進み出ると懐から一通の手紙を取り出した。
シャナン 「それは?」
サラ   「兄様からみんなへの伝言よ。読むわね?」
オグマ  「あ…ああ、頼む」
たちまち場の空気は静まり返る。重苦しい沈黙の中、だれもがサラに注目した。

サラ   『突然のことでみな驚いていることと思う。俺自身いまだ己の身に何が起きているか把握していない。
      しかれども俺の幼女への愛は天地神明に誓って真実である。
      この俺が愛らしい幼女サラ相手に邪欲のままに犯罪を犯すなどと、卑劣極まりない反幼女主義者の嘘偽りにすぎぬ。
      我が同志たちはこの事態に動揺することなく、整然と秩序を保て。
      幼女主義政権を打ち立てるための革命は未だ途上であり、諸君が乱を起こせばその希望は費えさることとなる。
      この事態を乗り越えるためオグマを党首代行に任じ、賢き幼女サラを参謀とせよ。
      サラの言葉を俺の言葉と思い、よくその言葉に従って今後の活動を進めてほしい。
      俺の身は獄中にあれども、我が幼女愛の魂はみなと共にあり。
      幼女万歳!鉄血幼女守護同盟万歳!』

ロイド  「う…ううっ…エフラム…」
ライナス 「うおおおおおおおおおん!!!!!」
シャナン 「必ず…必ず、お前が帰ってくるまで我々がこの党を守り抜いてみせる…」
オグマ  「エフラム…そこまで俺を買ってくれたのか…う……うう…っ…任せろ…」
ディーク 「そうだ! 俺たちの幼女魂は一つなんだ!」
オグマ  「よし、俺たちはエフラムとターナの無罪を世間に訴えるとともに選挙戦を全力で戦いぬく!
      これより党首の言葉に従いこの俺が党首を代行し、サラを参謀とする!
      異論は無いな!」
一同   「おう!」
サラ   (…ま、私が書いた手紙なんだけどね。兄様はこういうこと気が利かないから…
      さあ、面白い時代が来たわ…)

363 :幼女の旗の下に:2010/04/17(土) 04:18:44 ID:rptEieNd

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この事件を担当するナーシェン警視が最初に行ったことは、その日のうちに拘束した容疑者に会うことでも、
通報者や被害者に事情を聴取することでもなかった。
彼は捜査の指揮を引き継ぐとその場をフレアーに任せ、自身はとある要人宅へと赴いた。

バルテロメ 「これはナーシェン殿、何用ですかな?」
ナーシェン 「いえ、一言お伝えしたいことがございましてね」
バルテロメ 「ほほう?」
ナーシェン 「小党とはいえあなた方の敵を捕らえました…エフラムという男です」
バルテロメ 「ああ…ルカン殿は捨て置けと仰せでしたが…」
ナーシェン 「しかし念には念をいれるべきではありませんかな?
       なお犯行についてはロリコン…現在捜査中ですが必ず有罪にしてご覧にいれます」
バルテロメ 「ま、いいでしょう。そういうことでしたらお礼はします。
       …次はそのような小物ではなく、より大きな獲物を釣ってもらいたいものですね?」
ナーシェン 「くくっ…バーハラ保守党はなかなかガードが強固でして…ですが工作はしておりますゆえ…」
バルテロメ 「頼りにしていますよナーシェン殿。バーハラ党潰しに成功したら署長の座はあなたのものです」
ナーシェン 「ええ、よしなに…くっくっく…」

図らずもサラの嘘は現実となりつつあったのだ…

すっかり夜も更けて…兄弟家の面々は未だエフラムの逮捕を知らず、居間でまったりしていた。
ロイ   「エフラム兄さん遅いね~」
シグルド 「政治活動が忙しいのだろう」
マルス  「まったくですね。どれ、ニュースでも見ましょうか。選挙の話題が出ると思いますよ。ポチッとな」

ドロシー 『それでは次のニュースです。
      先ほど新党…鉄血幼女守護同盟の党首エフラム氏がロリコン犯罪で逮捕されたとのニュースが入りました」
シグルド 「ブハーーーーーーーーッ!?」
ミカヤ  「ああっ…私の教育がいたらなかったのね…25スレかかってもエフラムを更生させられなかった…」
エイリーク「兄上…とうとう……」
エリウッド「あばばばばばばばばばばばばばば…」
セーラ  『護送される犯人が手錠の上に布を被せるのってなんか意味あるのかしら?
      珍しいもんなんだから見せてくれたっていいのに』
ドロシー 『せ、セーラさん! 今の時点では有罪は確定してないんですよ!?
      犯人じゃなくて容疑者です!』
セーラ  『ふーんそーだっけ? でもこのエフラムってロリコンで有名な…』

ブツッ……

ロイ   「き…消えちゃった…」
マルス  「あ、ついたよ…なになに…ただいま放送上不適切な表現があったことをお詫びします…」
セリス  「…エフラム兄さんが犯罪なんかするはずがないよ。きっとなにかの間違いだよ!」
マルス  「でも12歳以下の相手とは合意での行為でも犯罪なんだよ?」
リーフ  「…合意の上での行為…ブバァアアアアアアアアア!」
アイク  「よく事情がわからんがエフラムが捕らえられたわけだな? ならば助けに…」
エリウッド「力ずくは駄目だよ…そんなことをしたら無罪だって脱走と公務執行妨害で有罪になってしまう…
      明日ベルン署に行ってまずはエフラムと面会してみようよ」

結局はそれが一番現実的だろう…明日、兄弟の年長者がベルン署を訪ねることとなった。

364 :幼女の旗の下に:2010/04/17(土) 04:19:38 ID:rptEieNd

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グレイル工務店の自宅部分でグレイルは社員から電話を受けていた。
セネリオ 『店主!今のTVを見ましたか!?』
グレイル 「おう」
セネリオ 『こうなった以上、あの党への協力は打ち切るべきです!
      党首が犯罪者となった今、彼らが政権につくことはありえません!』
グレイル 「そういうことじゃあないんだ。俺は一度やつに協力を約束した。
      だったら今更掌をかえすわけにはいかん」
セネリオ 『しかし、貸し出す人手だって決して余裕があるわけじゃ…』
グレイル 「一度やるといった以上一蓮托生だ。相手が苦しい立場になったからってハイさよならってわけにはいかん。
      男ならホイホイ自分の立場を変えるもんじゃねぇ」
セネリオ 『そこまで言うなら僕からは何も言いません…失礼します』

各人各様の思惑を秘めて夜は更けていく…
拘置所の闇の中、エフラムとターナは鉄格子ごしに話をしていた。
ターナ  「なるほど…サラがそんなことを…」
エフラム 「ああ、だから俺はそれに賭けようと思う。それがなんなのかはわからんが、
      幼女のためなら俺は命すら惜しくはない」
ターナ  「ふーん…でもさ、大丈夫なの? このままじゃ私たち犯罪者よ?」
エフラム 「たとえ一時の不名誉を受けようとも、幼女のための紋章町を作れるなら俺に悔いはない」
ターナ  「いや…私はよくな…」
エフラム 「だからどうか協力してくれ。いずれ必ずターナがロリコンではなく真の幼女守護者である名誉は回復する。
      約束する」
ターナ  (やっぱりエフラムのロリコンと守護者の線引きがわからないけど…うう…)
     「もーここまできたらヤケよ!なんでも協力するわ!」
エフラム 「すまん…」

翌朝…拘置所は面会者を迎えていた。
規則上一度の面会は1人と決まっている。
エフラムに会いに来たのは面会を最も強く望んだアイクであった。
アイク  「エフラム…お前が悪い奴じゃないことを俺はよく知っている」
エフラム 「自分は信念を持って獄に下りました。男たる者、世間に誹りを受けようとも大儀に生きるため…
      これも俺の戦いなのです。みなに心配をかけたことは申し訳ありませんが、必ず俺の無罪は証明されます」
アイク  「その気になれば警官を倒して逃れられたはずのお前がおとなしく捕まったと聞いた。
      考えがあってのことだろう。大の男が決めたことなら俺は何も言わん。
      姉さんや弟たちには心配ないと伝えておく…それと…差し入れの肉だ…」
エフラム 「兄上…ありがとうございます」

それから数日…異例の速さで裁判が執り行われた…
身に覚えのない証拠品が次々と提示され、エフラムとターナの有罪は確定。
上告すら認められず2人はカントゥス刑務所へと身柄を送られることとなる…それは奇しくも選挙結果の発表と同時だった…

365 :幼女の旗の下に:2010/04/17(土) 04:20:40 ID:rptEieNd

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事務所に集まった鉄血幼女守護同盟の面々は重苦しい沈黙に包まれていた…
エフラムの手紙で大いに士気を高めた彼らは、以前以上の鉄の団結を持って選挙戦を戦い、
党首逮捕のイメージダウンを物ともせずに、なんと初選挙にもかかわらず2名の当選を出していた。
オグマとロイドである。普通に考えれば弱小新党としては異例のことである。
だが…エフラム達の無罪を得ることができず、とても喜ぶ気にはなれなかった…
ライナス 「くそ…本当ならここでエフラムの当選を祝ってるはずだったんだ…」
オグマ  「……エフラムとターナの減刑嘆願と名誉回復の主張は続ける。
      ……今はあいつらの分まで俺たちが戦うんだ」
シャナン 「そうとも!…ん、どうしたサラ?」

サラ   (これも兄様がこの道を選択したからその敵と相対することになった…そう考えるべきね。
      それにしても被害者が犯行を否定したのに強引な手を使うものね…
      捕らえたイメージは…留置所じゃないのかしら?…刑務所…ってことね、監獄の奥底に重大な…)
シャナン 「サラ?」
サラ   「…ちょっと考えごとしてただけよ…それより災い転じて福としましょ?」
オグマ  「む?」
サラ   「兄様が無実で逮捕された証拠を掴んで警察と現政府を批判するの。
      私はマスコミの前で兄様の無実を訴えるわ。可憐な私が涙をこぼして訴えればバカなマスコミと民衆はこっちの味方よ。
      ドサクサに紛れて支持者を増やしましょう」
ライナス 「ちょ…ちょっとまて! この件を政治利用するのか?」
サラ   「大事なことは一つよ? 無罪の人間が有罪にされたってことよ。
      これは使える、あることないこと言いふらして与党や政権にダメージを与えるのよ。
      たとえば現政権が私たちの党を弾圧するために仕組んだ…とかね?」
ジャファル「おそらくエフラムの裁判に使われた証拠品も捏造…尻尾をつかめればその手はいける」
サラ   「目には目を…捏造やニセ証言でも信憑性のあるものを作ればいいわ。
      あとはガセをばらまくとかね」
ロイド  「こわいこというな…」
サラ   「プロパガンダは重要よ? 特に私のような可憐な少女と政府の小汚い中年…どっちが画面に映えるかもね」
ライナス 「いいのか? それは反幼女主義者と同じ手口な気がすんだが…」
サラ   「酷い…私は党のために考えてるのに…(うるっ)」
ライナス (ドキッ!?)
ロイド  (か…可愛い…)
シャナン 「思ったんだが…エフラムを慕ってたミルラ…あの娘の協力を得てAKJに助力を求めるってのはどうだ?
      ノディオンをはじめ、有力貴族がいくつか参加してるらしいじゃないか」
サラ   「反対、他の政党に貸しをつくることになるわ。こちらが弱ってるところに支援を受けるのは下策よ。
      他に弱みを見せないためにも攻めの姿勢で批判しまくる…それが現在とるべきスタンスだと思うわね」
ライナス 「考えてみりゃエフラムがサラの意見を重視せよって言ってたもんな…」
ロイド  「確かに…」
サラ   「それでも代行はオグマよ? さ、考えを述べて…」

オグマ  (どうする…?
      サラの意思は党首エフラムの意思だし…その意見も理にかなっている…宣伝は重要だし…
      AKJと組むのもありだとは思うが…我らの幼女主義と彼女らの近親主義…果たして相容れるだろうか?
      例えば我が党員のシャナンとラクチェの組み合わせは否定されてしまうが…スカラクが正しいって言うだろうからな…)

1 サラ案を採用する   宣伝戦は重要だ!マスコミと民衆を味方につけ、現政権を叩きまくる!
2 シャナン案を採用する AKJと手を取り合って協力を求めるぞ!思想の違いはなんとかする!

続く