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Last-modified: 2012-08-27 (月) 21:46:12

445 :幼女の旗の下に:2010/04/28(水) 17:26:03 ID:hUK7CS6o

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4 幼女を思う    みんな……それと俺はロリコンではない

エフラム 「…皆元気でやっているか?……サラ…風邪は引いていないか…?
      ミルラ…お姉ちゃんなんだからチキやファの面倒をよく見てやってくれ…頼むぞ…」

この胸に切なさが募る。これが寂しいということだろう。
エフラム 「…精神修行はしっかりやってきたつもりだが…俺も修行が足りんな…
      幼女を愛でる…守る…俺は常に幼女に何かを与える立場たれと思ってきたが、
      俺の保護欲や父性愛も幼女によって満たされていたのかもしれん…幼女…」
なぜだろう。幼女のことを思い起こすと安らぎ…心に優しい気持ちが満ちてくる。
言葉に言い表すのは難しいが…
眺めていた天井のシミがどことなく幼女に見えなくもない。
エフラム 「あのおさげはミルラか? その横のちっちゃいのはファに見えるな…一生懸命手を握ってる。
      そうだ、仲良くな…」

思わず言葉が漏れていたことにエフラムは気付いていない。
同室の悪党たちはドン引きしたのだった…
犯罪者A 「な…なんだアイツ…天井を眺めてブツブツ言ってるぞ?」
犯罪者B 「ここにゃあ性犯罪者も収容されてるけどよ…そん中でもレベル高そうな野郎だ…」
犯罪者C 「ロリコン怖えわ」
エフラム 「おいまて貴様」
犯罪者C 「うわっ!? 聞いてたのか!?」
エフラム 「ロリコン扱いはよく聞こえる。いいか、俺はロリコンではない。これは幼女への慈愛であり
      幼きものを守る信念だ」

その後はエフラムの幼女語りが3時間にわたって続いたのだった…

446 :幼女の旗の下に:2010/04/28(水) 17:26:47 ID:hUK7CS6o

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さて、当の幼女たちはどうしていたのだろうか?
ここ鉄血幼女守護同盟事務所の一室には幼女たちが集まっていた。
サラ  「まずはお集まりいただきありがとうね」

サラが一言挨拶を述べて一礼する。部屋にいるのは下記の面々である。
マンフロイの孫娘、小学生サラ 竜王家の孫娘、小学生ミルラ、チキ、幼稚園児ファ、
中学生アメリア 黒い牙の首領の娘、中学生ニノ グルニア家の令嬢、小学生ユミナ、

ユミナ  「オグマに頼まれて来てみたけれど…一体なんなの?」
ミルラ  「お兄ちゃん…オグマさんのお友達が捕まったのです。それをどうやって助けるために集まったのです」
チキ   「助けるー!」
ファ   「ファもー!」
サラ   「そういう事、今AKJでも調査を進めているそうだけど、私たちにも出来ることがあると思ってね。
      兄様の釈放を求める署名運動をしようと思うのよ」
ニノ   「あたしはエフラムさんって知らないんだけどなぁ…でもジャファルのお願いなら頑張るよ!」
ユミナ  「私のレスキューで助けたんじゃだめなの?」
サラ   「収容所は天井付MAPなのよ、それに脱獄になってしまうわ」

幼女がこれだけ集まると騒がしい。
隣室にまで声が響いてくる。
隣の部屋で仕事中のオグマは穏やかな瞳を扉に向けた。
オグマ  「ふふふ、やはり幼女は元気が一番だな」
ロイド  「まったくだ。しかしサラはなんだって幼女だけを集めたんだろうな?」

そう…この集まりはサラの企画だ。オグマたちも知り合いの幼女を出来るだけ呼んでほしいと言ってきた。
オグマ  「わからん…だがサラの言葉はエフラムの言葉だ。何か考えがあるのかもしれんな」
カナス  「そうですねぇ…あの娘は賢い娘ですから…」
ライナス 「そういやシャナン、あんたを慕う幼女…というより少女は呼ばなかったのか?」
シャナン 「うむ、中学校低学年が上限とサラに言われてな」
オグマ  「シャナンを慕う娘は年長の娘が多いからな」
ディーク 「俺はそのくらいの娘が好きだぜ!」
カナス  (確かラクチェたちって15~6くらいですよね…この人たちの中では年長に分類されるんですねぇ…)

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その後サラはオグマの引率を断り、幼女達だけで駅前通りまで繰り出した。
サラ   「それじゃあさっき説明したとおり署名は各自渡したノートに書いてもらって」
ユミナ  「それはいいんだけど…この箱なに?」
サラ   「ああ、それは募金箱よ。…まぁ兄様救出資金とでも思ってもらえばいいわ。
      500G以上いれた人には握手、1000G以上なら笑顔でお兄ちゃん…と呼んであげてね」
ニノ   「うん、頑張るよ!」
ユミナ  「なんかよくわからないけど…もうオグマったら! この私にこんな面倒な仕事をさせるなんていい度胸だわ!
      後でいっぱいコキつかってあげるんだからね!」
サラ   「あ、ユミナは別のセリフね。台本あるからこの通りにやって」
ユミナ  「どれ…なになに…虫けらをみるような目で『何よ!平民のクセに生意気だわ!』…こんなこと言っちゃっていいの?」
サラ   「いいのいいの。そういう需要があるんだから」
ユミナ  「?」
ミルラ  「それにしてもたくさん人がいるです。なんだかもう並んでるんですけど…きっとみんなお兄ちゃんを助けたいですね」
チキ   「助けるー」
ファ   「ファもー」
アメリア 「なんか…気のせいかもしれないけど…男の人ばっかりじゃない?」
サラ   「気のせいよ気のせい。さ、はじめましょ」
     (ネットで事前に情報流しといたとはいえ…よくまぁ集まったものね。ロリコンがこんなにいるとは思わなかったわ。
      ユミナたちには内緒にしといてよかったわ。ロリコンばかり集めたなんて知ったら気味悪がって手伝ってくれないだろうしね)

そう…サラは紋章町BBSのあるスレにてこれらの情報を伝えておいたのだ。
以下はサラの書き込みである。

499:助けて!名無しさん! 投稿日: 1002/3/21(土) 22:08:08 ID:yamiyoujyo
私からロリコンのみんなにお知らせ…

4月29日~31日 13:30~17:00 
バーハラ駅東口にて幼女握手会を開催するわ。
握手は500G、1000G出してくれたお兄ちゃんには幼女が「お兄ちゃん」と呼んでくれるわ。

ちなみに幼女の皆には署名活動と言いくるめてくるから署名もよろしく。
秘密厳守ね、秘密を漏らしたお兄ちゃんは屍竜の山に閉じ込めるからね。

なお参加幼女はT、F、Mのロリクートトリオ。
新人兵士のA嬢、GのY姫様、BFのNたん、そしてもちろん私。
それじゃあ奮って参加してね。

サラ  (あんな書き込みひとつで集まるなんてロリコンはヒマね…)

448 :幼女の旗の下に:2010/04/28(水) 17:28:10 ID:hUK7CS6o

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ロリコンたちは長蛇の列を成し、幼女たちと握手を交わしていく。ほとんどの者が1000Gを支払い、
なかには握手が終わると再び列の最後尾に並ぶ者すら入る。
ミルラ  「凄いです! あっというまに署名が集まるですよ!」
サラ   「これもみんな兄様を助けたいってことよ。さ、頑張りましょ」
     (ぶっちゃけると署名はついで、党の資金集めが主目的なんだけどね。
      これなら目標額を軽くオーバーしそうだわ)
チキ   「おかねいれてくれてありがとうお兄ちゃん♪」
ロリコンA「ムハーーーーーーち…ちきたん…ハァハァ…」
ユミナ  「ねぇ…これ本当にただの募金活動なの?」
サラ   「あら、並んでるわよ。待たせてはいけないわ」
ロリコンB「せ…1000G入れたよ…」
ユミナ  「ふ…フン! それっぱかしのはした金しか出せないなんて本当に甲斐性なしの平民ね!
      いっぺん死んだら?」
ロリコンB「は…ハァハァ……よ…幼女にののしられるのたまらん…」
アメリア 「あうー大勢と握手してたら手が汗ばんできたよう…ちょっと待って、今汗拭いちゃうから」
ロリコンC「待って! そのままでお願いします!」
アメリア 「え…でもベトベトするし…」
ロリコンC「それがいい…ハァハァ…」
アメリア (あぅぅ…気持ち悪い…でもこれも師匠を助けるためだもんね…)

幼女たちの自己犠牲(?)に満ちた奮闘の結果…
197万4500GをGETすることに成功した…

サラ   (これで党の資金難は一息つけるわね。党員を増やして活動を拡大できるわ)

449 :幼女の旗の下に:2010/04/28(水) 17:29:21 ID:hUK7CS6o

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壮麗なベグニオン様式の美術館に切なる音色が響き渡る。
タナス公オリヴァーは瞳を閉ざして弦が紡ぐ世界へと旅立っていた。
しばしの時が流れ……音色が終末を告げる。

オリヴァー 「ほほ、良哉良哉。誠、そなたの音色は麗しき美を生み出す」
エイリーク 「ええ…ありがとうございます」
オリヴァー 「だが…音色の奥には切なる悲しみが感じられよう…兄上が心配かね?」
エイリーク 「ふふ、オリヴァー様には隠し事はできませんね」
オリヴァー 「心配には及ぶまい。そなたの兄上は必ず元気に帰ってくるであろう。気丈に待つのじゃ。
       きっと小鳥の歌声は風にのって兄上のもとに届いておろう」
エイリーク 「オリヴァー様…ありがとうございます」

彼女は時折こうしてオリヴァーの美術館を訪れて美について学んでいる。
このところのヴァイオリンの音色には切ない気持ちが募るばかりだ。
特にエフラムの命が狙われていると知ってからはオリヴァーも無心ではいられない。

オリヴァー (ふむ…どうにかしてやりたいが…あのお方が手を打ってくれることを期待するしかなかろう。
       ワシは塀の外のことで動くしかあるまいな。元老党が美を失いつつある今、ワシも去就を定めねばならぬのだろうか…)

このときオリヴァーはエフラムの逮捕についてバルテロメ、ナーシェンらによる冤罪と考えていた。
証拠品の件を考えれば間違ってはいないのだが彼が故意に逮捕されたことまではオリヴァーは知らない。

450 :幼女の旗の下に:2010/04/28(水) 17:31:06 ID:hUK7CS6o

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5月3日…今日もまた過酷な労働は続いていた。
ツルハシの音も高らかにエフラムは採掘作業に当たっている。
エフラム (くそ…中々チャンスはこないものだな…ターナに連絡を取るのも、開かずの間を調べるのも…)
苦々しい思いを岩に叩きつける。

岩が削れ落ちる。ダイナマイト等は反乱防止のために支給されず、人間がスコップを使って岩を除かねばならない。
大変な作業だ。あ、カシムが監視の目を逃れて岩陰で休んでいる。要領のいい男だ。
なんだかイライラする……やはり日々の収容所生活にストレスが溜まっているのだろうか…
幼女と会えないことが原因だろうか…

エフラム (いかん…思わずカシムを殴るところだった…いらんトラブルは避けねば…平常心平常心…)

ほぼ同刻…ターナは重大な決断を迫られることとなる。
ここは作業所の機材置き場……昼時間にキャスに声をかけられたターナはここでキャスから重大な話を持ちかけられる。
ターナ  「えーと…なんの用事?」
キャス  「最初に言っておくけど、愛の告白とかじゃないからね! 変な勘違いしないでよ!」
ターナ  「誰がするかい!?」
キャス  「なら…いいけどさ。ねぇアンタ私に協力しない?」
ターナ  「へ?」
キャス  「大きな声じゃ言えないけどね…ムショを抜けるのよ」
ターナ  「え…ええっ!? それって脱走…」
キャス  「シーーーッ!」
ターナ  「あ…ごめん」
キャス  「このケータイでさ。外部の子分(チャド)と連絡を取ってたのよ。
      内部にも協力者がいると私としちゃあやりやすいワケ」
ターナ  「実際可能なの?」
キャス  「私らは盗賊よ? やりようはあるわ。で、どうすんの?
      協力するならアンタも一緒に逃がしてあげるし……気は進まないけど…
      見返りにアンタのロリコン趣味に付き合ってやってもいいわ」
ターナ  「だから違うっつのに!」
キャス  「ま、しり込みするのはわかるし、すぐに実行できるわけじゃないから、返事は急がないわ。
      考えといて。ちなみに看守にチクッたら…それなりの報復はさせてもらう」
ターナ  「怖いこといわないでよっ!?」
キャス  「私らアウトローの世界じゃそれなりの仁義ってもんがあるでしょ。犯罪者同士」
ターナ  「私は冤罪なんだってば…ま、まぁ告げ口したりする気はないけど…」
キャス  「ならいいわ、それじゃあんまりここにいると怪しまれるかもしんないから私は行くね。
      返事は…そうね。3日後までにお願い。返事がない場合はこの話は無かったことにするわ」

身を翻して部屋を出て行くその背を眺めながらターナは頭を抱える。
ターナ  「うう…どうしよう…いまだにエフラムとは会えないし…
      キャスに協力する代わりに手を貸してもらおうかしら…でも脱走の片棒を担いだりしたら…
      あうあう……」

1 キャスに協力する    見返りにエフラムと会えるよう手を貸してもらう
2 キャスに協力する    見返りに逃がしてもらう
3 キャスに協力する    見返りにロリコ……はっ!? 私は今なにを考えたっ!?
                 駄目よ! それじゃあ本物の犯罪者になっちゃうじゃない!
4 キャスに協力しない   やっぱデメリットが大きいよね
5 床下の携帯を借用する 党の様子が気になるわ…電話してみよ
6 機材に悪戯する      あっ手が勝手に!?
7 床板を剥がす       携帯以外にもなんか隠してあったりして… 

続く