26-138

Last-modified: 2012-08-28 (火) 19:50:06

138 :幼女の旗の下に:2010/05/13(木) 14:37:09 ID:o/mPzUZZ

79

3 サラのパンツをあげる そう言えば…バレンタイン(24章>>234-236)にもらったサラのパンツ、
             結局返しそびれていたな…女物のパンツを男の俺が持っていても仕方がないしな。

エフラム 「よし、サラのパンツをターナにやろう。俺は履かないし使う人間が持ってた方がよかろう。
      きっと喜ぶぞ」

その日の晩…自室でサラのおぱんつにアイロン掛けするエフラムの姿があった。
エフラム 「やはり人に譲るからにはちゃんとしないとな」
洗濯は済ませてある。
ボーダー入りの女児用パンツを丁寧に熱心にアイロン掛けしてキチンと畳む。
これも恩人に綺麗な物を送って喜んでもらいたいがゆえの真心だ。
畳み終えると用意しておいたラッピング箱にしまって可愛らしいピンクのリボンで包む。
包装にも気を配ろうと思った結果女子に送るものなら女子向けの店でリボンを買おうと考えて、
女子中高生の出入りするファンシーショップで2時間商品とにらめっこしたのだが、どれがいいかよくわからなかったので、
店員のお姉さんに見立ててもらったのだ。
包み隠さず「パンツのプレゼント用にはどれがいいだろうか」と聞いたらドン引きされたのだが、
贈り物のことで頭がいっぱいだったエフラムはお姉さんなど見ていなかったので気づかなかった。

まぁ…それはともかく、これでプレゼントの完成である。
箱の表面を彩るリボンが可愛らしい。
エフラム 「よし…明日にでも渡そう」
ターナの喜ぶ顔を思い浮かべると、自然に頬が綻ぶ。
エフラムは友情と恩義には厚い男だった。

139 :幼女の旗の下に:2010/05/13(木) 14:37:53 ID:o/mPzUZZ

80

AKJ本部会長室…
デスクについたラケシスは苛立たしげにデスクの上を指で小突いた。
ラケシス 「私宛に電話は?」
AKJ会員「ありません」

先日のクルト社長との会談で政府への不信任案提出の協力を求めたのだが…
クルト社長は党内での意見調整の後お返事する…と言ったきりなんの連絡もよこさないのだ。
調整に手間取っているのだろうか…

その危惧は当たっていた。
バーハラ保守党の会議室では党の大幹部、
レプトール、ランゴバルトの両議員が強行に反対論を述べていた。
不信任案提出に前向きな姿勢を見せたクルトに対し、
両者は現状での再度の選挙戦を行う上での不利を徹底的に主張した。

レプトール「再選挙といってもすでに新規の票田は頭打ちとなっております。
      前回の選挙とそう結果に変わりはありませんぞ。こういってはなんですが、
      選挙資金の無駄遣いでしかない」
クルト  「しかしな…あの堕落した元老党にいつまでも政権を握らせておいてよいものか…
      私たちが有権者に熱心に主張すれば、その気持ちはきっと紋章町住民に伝わると思うのだが」
ランゴバルト「我が党からも政府に閣僚は出ております。これは元老党が我らの力を無視できぬ証拠ですぞ。
       ここで対立を煽るようなことをする必要はありますまい」
クルト  「…父上…父上はいかがお考えですか?」
会議室の上座には孫娘に付き添われた老人の姿があった。
党首アズムールは老いてもはや歩行も満足にならないが、重大な集まりには党首として顔を出している
アズムール「……あぁうむ…そうじゃの…そなたらのよきにはからえ。
      時にディアドラや。茶を一杯くれんかの」
ディアドラ「はい、おじいさま」
レプトール「…それならば…採決を取りませぬか?
      幹部党員の多数決を持ってすればよろしい」
クルト  「ふむ…いや、そう性急に決めることはあるまい。皆もこの案をよく検討してくれ。
      後日再度会議を開こう」

この日はこうして閉会となった。

140 :幼女の旗の下に:2010/05/13(木) 14:38:40 ID:o/mPzUZZ

81

ターナ  「来週の今日の幼女のコーナーはニノに出てもらうわ、
      ジャファルが協力してくれるから、明日にでも取材に行きましょ」
カナス  「わかりました編集長。準備しておきます。
      それとこれからグラド大学に赴いて家族関係学の専門家に話を聞いてきます。
      近年の幼女のライフスタイルについて話が聞けると思いますので」
ターナ  「うん、お願いね」

ターナはカナスを送り出すと忙しくパソコンを打ち始める。
ターナ  「毎週記事を捻り出すのも一苦労ね、こりゃ……」
シャナン 「おお、それなら今度のグランベル中の運動会を特集してくれないか?
      元気な少女たちの姿が紙面を飾ればきっと部数も伸びるに違いないぞ」
ターナ  「……それなら自分で行ってきてよ…私だって学生なんだからそんなに時間取れないわよ…
      シャナンさんどうせヒマでしょ」
シャナン 「し…失敬な!…そ、そりゃ道場は夕方からだから時間は取れるがな… 
      日中ブラブラしてるといっても決してニート侍ではないのだぞ!」
ターナ  「はいはい…」
エフラム 「ターナ、ちょっといいか?」
ターナ  「え、なに?」
エフラム 「この間の礼に受け取ってくれ」

可愛らしく飾られた小さな箱がターナの目の前に差し出された。
ターナ  「え?」
思わず呆然と立ちすくむ…
いまだかつてエフラムから贈り物を貰ったことなど一度もなかった…
それだけに今、何が起こっているかとっさには把握できなかった。

エフラム 「…ターナには幼女の未来を救ってもらったからな、ほんの気持ちだ」
ターナ  「え、えーと…いやそういうつもりでもなかったんだけど…」
突っ込みつつも頬がにやける…嬉しい。なんだかんだ言っても嬉しい。
なんだろう…エフラムと思って大事にしていいのかな…
胸がときめく、頬が染まる…乙女モード全開だ。
横にいるシャナンがウザいが、それを除けばなんだかいいムードだ。
ターナ  「ね…ねぇ開けてみてもいい?」
エフラム 「ああ、もちろんだ。きっと気に入るぞ」

ドキドキしながら丁寧に包装を解いていく。
エフラムがどんな顔をしながら自分への贈り物を選んだのか…それを想像するだけで頬が緩む。
ターナはあれを喜ぶだろうか…いや、これがいいか…
そんなエフラムの気持ちが感じられるようで嬉しい。
それとも手作りの品かも…なんだか今、こうして想像しているのが楽しくて箱を開けるのが惜しい気もした。
でも開けちゃう。
ターナ (エフラムからの初めてのプレゼント、なんだろうな…♪)

141 :幼女の旗の下に:2010/05/13(木) 14:39:31 ID:o/mPzUZZ

82

ターナ  「…………」
シャナン 「…………」
エフラム 「どうだ?気に入ってくれたか?」

箱から姿を見せたのは…可愛らしい女児用パンツ…
時が止まった……

ターナ  (えーと…なにこれ?…いや…どう見ても女児用のパンツ…よね?
      これを私に履いて見せてくれって事!?)
エフラム 「うむ、俺が持ってても仕方がないし、ターナになら似合うと思ったのだ。
      喜んでくれたようで何よりだ」
ターナ  (いや…えっと…どこから突っ込んだらいいの私は!?女の子にパンツプレゼントするとか変態でしょっ!?
      ああえっと…エフラムの事だから変態とかそういうつもりじゃない…はず…たぶん…
      つか…どう見てもサイズ合ってないし…)
エフラム 「ちなみにそれはサラが履いてた物なんだが、使う人間が持ったほうがいいと思ってな」
シャナン 「な、なにいいいいいいぃいいぃい!?私だってラクチェやパティのパンツはさすがに持ってないぞ!?」
ターナ  「ちょ…っ」
エフラム 「変な勘違いをするな。バレンタインでもらったのだ。俺は下着ドロをするような変態ではない」
シャナン 「いや…それでも充分突っ込みどころだらけだと思うがな…」
ターナ  「え…えーと…つまり…私の手の上にあるこのパンツは…サラが履いてたのよね?」
エフラム 「そうだ」
ターナ  「ブバァァァァァァァァッ!?」
エフラム 「ブハッ!?」

ターナの鼻から噴出した血がエフラムの顔面を直撃した。
ターナ  「へへへへへへ変な意味じゃないのよ、今日はきっと血圧が高かったんだわ。そうに違いないわ。
      でででででもそう思ってみるとなんだかサラの温もりが…香りが感じられるような、
      あああああああいえ、だから誤解はしないで欲しいんだけれどね。あくまでも私は純粋にサラが綺麗で愛らしいって思うだけであって…
      えうえうえうえう…そそそそそれに人の心づくしの贈り物を断るなんてできないわ。
      そうこれは感謝の気持ちを受け取っただけであって決してやましいことは…」
なにやらつぶやきながらも震える手でパンツを懐へとしまう……
動悸が早まる…息が乱れる……
なんだかサラが身近になった気がする……そしてそれを嬉しく思ってしまう自分が嫌だ…
シャナン 「心配するな。誰しも通って来た道さ。私だってラクチェのパンツを洗濯する時、
      これはやましくない事と自分に言い聞かせながらしたものさ」
ターナ  「やかましい!」
エフラム 「うむ、なんかわからんが喜んでもらえたようでよかった」
ハンカチで顔についた鼻血を拭うエフラムの笑顔はさわやかで清涼感に満ちていた。

142 :幼女の旗の下に:2010/05/13(木) 14:40:14 ID:o/mPzUZZ

83

グランベル社……
すでに夜もふけつつあり、残業の者を除いて社員の姿も減っていた。
我らが兄弟家の長男シグルドは今日も絶賛残業中だ。
シグルド 「さてさて……今日も遅くなりそうだなっと…その前に夕食にするか」
家には遅くなると電話してある。
多分0時過ぎるだろう。
今のうちに腹ごしらえをしてしまおう。
さてどこへ行こう。

続く

1 近所のコンビニへ行く    ローソンのコンビニ弁当でいいか
2 ラーメン屋へ行く       流星軒のラーメンが食いたくなったな
3 KINSHINパトロールに行く この仕事は明日やろう!それよりKINSHINを防がねば!