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Last-modified: 2012-08-28 (火) 19:58:03

177 :幼女の旗の下に:2010/05/20(木) 01:33:57 ID:+ONfOaeG

90

3 たまにはキスでもしてやるか  いつもねだってくるしな…俺はロリコンではないが、キスは挨拶という文化もあると聞く

エフラム (そうだな…よく頑張ってくれたようだしな…)

思い立ったら行動は早い。軽々とサラを抱き上げた。
サラ   「あら兄様……何をしてくれるの…?」
エフラム 「褒美だ…特別だからな」
輝くような銀髪に吸い込まれるような瞳、白皙の美貌は普段女性に関心が薄いエフラムの心をすら掻き乱すものがある。
なるほど…サラは魔性の魅力を帯びている…
そっと可憐な唇に唇を重ねる。触れるだけの優しいキス。
サラ   「もっとディープなのしてくれてもいいのに…」
エフラム 「生意気言うな、十年早い」
サラ   「ふぅん? 十年早いような幼女相手にドキドキしてるのに?
      やっぱり兄様はロリコンね」
エフラム 「お前な……」
軽やかに笑うとサラはエフラムの腕から飛び降りる。
サラ   「いいよ兄様、今日はこれで満足してあげる。
      次は……ふふふ…もうちょっと過激にしてくれてもいいよ?」
からかうようにクスクスと笑いながらサラはリワープで姿をくらました。
エフラムの腕には微かな体温と残り香が感じられる。
サラが腕から離れたほんの一瞬…そう、ほんの一瞬だけ喪失感を感じたのは気のせいだろうか…

エフラム 「はぁ…まったく大人をからかいおって…仕方のないやつだ」
マンフロイ「いやいや、あれでサラはかなり党首殿を気に入っておるようじゃな」
エフラム 「うおっ!?」
忘れていた…そういえばこの部屋にはマンフロイがいるのだった…
マンフロイ「よかったよかった、これでワシも肩の荷がおりた…祝言はいつにしようかの?」
エフラム 「いやちょっと待て…なんでそういう話になる…大体サラは子供だろうが」
マンフロイ「細かい事はよいではないか。さ早く一刻も早く祝言を!
      そしてサラを引き取ってくだされ!」
エフラム 「普通こういう時は大事な孫娘をお前などにやれるかっ!…みたいにならないか?」
マンフロイ「……察してくだされ…」
エフラム 「苦労してるんだな…」

178 :幼女の旗の下に:2010/05/20(木) 01:35:27 ID:+ONfOaeG

91

党事務所を出てエフラムが自宅に戻ったのは21:30の事である。
居間ではシグルドがちゃぶ台に突っ伏して異様な欝ムードを発していた…
エフラム 「ん…どうか…」
声をかけようとした瞬間、ミカヤに腕を引っ張られる。
引っ張られるがままに廊下へと連れ出された。
エフラム 「どうしたのです姉上?」
ミカヤ  「えーとね…今ちょっとシグルド落ち込んじゃってて…そっとしておいてほしいのよ」
エフラム 「何かあったんですか?」
ミカヤ  「なんでもね…ヴェルダンの方へ左遷されるらしくて…」
エフラム 「左遷!?」
ミカヤ  「うん…シグルドってば前々から業務成績は…その…KINSHIN退治やらなにやらに時間を割きすぎてたから良くなかったんだけど…
      まさか左遷されるなんて…」
ヴェルダンといえば、ここから車で一週間はかかる…単身赴任ということになるだろうか…
左遷の理由に業務成績は関係ないのだが…結局シグルドには他に理由が思い当たらなかったのだ。

ミカヤ  「それがどこかで専務の耳に入ったんじゃないかってシグルドは言っていたわ…」
エフラム 「専務の…」
そういえばレプトール専務とは数日前に会ったばかりだ。

エフラム (…が、まあ…それが原因ってこともないだろうが…)
レプトールとクルトの対立関係などまったく知らないエフラムは、
それが原因であることに思い至らなかった…

シグルド 「おろろ~~~ん……人生オワタ…」
エイリーク「あ…あの兄上…出世だけが人生じゃありませんから…
      それに向こうでがんばれば本社に戻れるかもしれませんし…」
シグルド 「ディアドラ取られる…うえーーーーーんっ!!!!!
      ここですら私は原作同様ディアドラを寝取られるのかーーーーーっ!?」
マルス  「いやまだ結婚してませんから寝取られってのとは違うと思いますがね」
痛ましいが慰める以上の事はできない…
武器を振り回してどうにかなることなら兄弟家に敵はないのだが…

179 :幼女の旗の下に:2010/05/20(木) 01:36:23 ID:+ONfOaeG

92

バーハラ保守党内部のクルト派とレプトール派の対立は日に日に先鋭の度を増しつつあった。
クルト、リングとレプトール、ランゴバルトの両者はことある事に意見を違え、多数の党員たちも
2大派閥に分かれつつあった。
理想路線に偏って現実的な政策を取れないクルトと、
優れた実務家ではあるが理念よりも現在の繁栄を重んじるレプトールでは反りが合うはずもなかった。

クルト  「はぁ…レプトールもランゴバルトもわかっていない…
      何故に元老党と妥協せねばならないのだ…」
ディアドラ「お父様…あまり悩みすぎるものでもありませんよ?
      レプトール様とお茶でも飲んで話し合えばわかっていただけるのではありませんか?」
クルト  「これはそういう簡単な話ではないんだ…」
ディアドラ「それならバイロン様にご相談されてはいかがですか?」
クルト  「…あの方は党を離れて長いから…元老党をよく思っておられないから助力はしてくれるだろうがね」

バーハラが混迷を極める中、AKJも方針の変更を余儀なくされる。
ラケシス 「はぁ…なんということでしょう…これでは3分の1なんて取れるはずもありません…」
プリシラ 「ぐむむ…KINSHINの素晴らしさを理解しない輩には死を!
      会長!ただちに武装隊に出動の許可を!
      レプトールとランゴバルトの首を取って大通りに晒してやります!」
クラリーネ「無茶苦茶ですわ!」
ティニー (あわわわ…嫌な雰囲気に…)
クラリーネ「そういえば…レプトールといえばティニーのお祖父様じゃありませんこと?」
ティニー 「うひゃいっ!?」
ラケシス 「なんだ…それならそうとおっしゃい!」
ティニー 「あー…えと…まぁそうなんですけど…」
ラケシス 「それなら話は早いわ、ちゃっちゃと説得してきてね」
プリシラ 「ティニーさん! 貴女に兄を愛する妹の未来が託されています!
      説得失敗したら第2プラン! 私が武装党員を率いてフリージ家を襲撃します!」
クラリーネ「自重おし! そういう事だからお願いしましたわよティニー」
ティニー (あああ……あっというまに拒否権キエタ……)

180 :幼女の旗の下に:2010/05/20(木) 01:37:16 ID:+ONfOaeG

93

年度途中での急な人事異動ではあるが…こういったことが無いわけではない。
シグルドには正式な辞令が下り、月末までに後任への引継ぎと現地への着任が命じられた。
デスクで申し送りの書類を作るシグルドの肩には悲哀が漂っており、
同課の課員たちも気まずさにいたたまれない思いだ…
アーダン 「あ…あのー…コーヒーっす…」
シグルド 「ほへ?」
アレク  「そ……送別会は盛大にやりましょう!
      ほら、係長の好きな店で!」
シグルド 「あ……あー…送別会…ね…うん、自分が異動するって実感がわいてきたよ、はははははは…」
アレク  「………」
ノイッシュ(駄目だ……励ましても逆効果にしかならなそうだ…これが栄転ならめでたく送り出せるのにモロ左遷だからなぁ)
シグルド 「あー……そういやこのデスクとも長い付き合いだったなぁ……
      この席を離れるときは私の昇進の時!…だったはずなんだがなぁ…」
アーダン (ど…どう返事しろと…)

やりきれなさに胸を満たしながらパソコンを叩く…
万年係長!などと言われて長くこの席にいたが…思うような実績をあげられなかったのは事実だ…
こうなったら気持ちを切り替えてヴェルダンで頑張るしかないのか…
だがディアドラの事がある……
「一緒に来てくれ!」とプロポーズするか…それとも「待っていてくれ!」と遠距離恋愛するか…
悩みは尽きない…それに辺境ではなかなかKINSHINを取り締まれない。
自分がいないとAKJが大幅に活動を拡大するのは目に見えている。
いや、それだけではない。
アルムとセリカはKINSHINし放題、それに最近ではリンまでKINSHINに目覚めつつある…
シグルド 「ぬおぁああああああKINSHINは許さんぞぉぉぉおおおおおおお!!!!!!!」
アレク  「うわ!?いきなり絶叫しないでくださいよ!?」
シグルド 「すまん…つい」

181 :幼女の旗の下に:2010/05/20(木) 01:38:39 ID:+ONfOaeG

94

自宅に帰宅したティニーは頭を抱えていた……
祖父の説得…つまりクルトと協調して不信任案提出に協力せよ…元老党と対立路線に入れ…と説かねばならないわけだが…
ぶっちゃけ自信がない…というより多分無理だ。
政権に閣僚を送り出したことで、グランベル社もフリージも多くの恩恵を受けている。
それを手放せ…と言ってるようなものだし…そんなことをレプトールに提案したりしたら、
フリージで専務を務めるヒルダに殺されかねない…
とはいえ…AKJの仲間のことも考える…ティニーとしてはどうにかKINSHINの世の中を作りたい思いもあるのだが…

ティニー 「あぅぅぅ…頭痛くなってきました…そだ…こういう時こそ誰かに相談して…」

続く

1 アーサーに相談する  兄様…ティニーを助けて!
2 セティに相談する   セティ様…セティ様なら賢い方ですしいい知恵を貸してくれそうです
3 四人娘に相談する   ナンナ、サラ、ミランダならきっと力になってくれるはずです!
4 葉っぱに相談する   生活力のあるタフな方ですし、意外なアイディアを提供してくれるかもしれません
5 イシュタルに相談する 姉さまなら…お祖父さまや伯母様も一目置いてますし
6 ブルームに相談する  まぁ……以前同人誌作りを手伝ってもらったし、なにか力になってくれるかも…
7 ティルテュに相談する …母様…に相談してみますか?……駄目でもともとで…………
8 もう知らん寝る    しったこっちゃねーです。全て忘れて寝ます
9 BL同人誌を読む   気分転換は大事ですよね…ハァハァ…

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