26-242

Last-modified: 2012-08-28 (火) 20:10:41

242 :火刑台上のジャンヌではなくアルム:2010/05/25(火) 23:05:47 ID:sr4inXJg

最近は暑い日が続いていますね。皆さん体調など崩されていませんか?
しばらくぶりです。ジャンヌです。
さて先日アルム君に告白してファーストキスあげちゃって以来セリカさんに命を狙われています。
まー、それくらいの事は覚悟の上でやった事ですがね。
あれからセリカさんは私に対抗するかのごとくアルム君とイチャイチャしてます。
アルム君も嬉しそうですね。分かりきった事なので動揺したりはしませんよ。
そりゃちょっとは凹みますけどね。
それよりもむしろ闘志が沸いてくるってものです。

敵を知り己を知れば…ってわけで私はアルム君の事を好きな娘が他にいないかなーっいたら困るなーっと思って色々調べてみました。
ぶっちゃけ影の薄いアルム君は同じ兄弟家のアイクさんやロイ君みたいに競争率は高くありません。
セリカさんの他にフラグが立ってるとされる人についても調べてみたんですが、
ミラのシスター、シルクさんはフラグの元ネタとされる小説版が手に入らず不明。
原作プレイした限りでは特にフラグ的なものはなかったように思います。
ペガサスナイトのクレアさんはアルム君に気があったらしいですが、
二人のラブラブぶりに諦めてグレイさんという人の告白を受け入れたそうです。
(こういう話を聞くと、本当にアルム君GETは難しいって感じますねー。
 ま、へこたれたりなんかしませんけど)
やはりライバルはセリカさん…

セリカさんのほうも他の相手を作れないかなーなんて思って色々調べてみたんですが…
見事なまでにアルム君以外フラグ立ってる人がいませんね。
原作も3週ほどプレイしてみましたが、さっぱり見つかりませんでした。
大抵の女性キャラは複数のフラグがあるもんなんですがね。(特に聖戦以降)
すがすがしいまでにアルム君一筋ですねー。

さて、情報収集を終えて再確認したことは…2人の絆は極めて深いってことです。
ですがこっちだって遠慮なんかしませんよ。
脇役にも意地ってものがあるんで。

243 :火刑台上のジャンヌではなくアルム:2010/05/25(火) 23:06:31 ID:sr4inXJg

さて、今日はアルム君の学校にお邪魔しちゃいますよ。
え、自分の学校はどうしたのかって?
いなくても気付かれませんし、普段真面目にやってるんですからたまにはOKって事で。
アルム君の学校の場所はシグルドさんが教えてくれました。
シグルドさんは熱心に私を援護してくれます。
そしてセリカさんはミラ系の宗教学校だそうですので、学校の時間は別々。これは狙い目というものです。

ふふ、アルム君ってばどんな学校生活を送ってるんでしょうね?
想像してみますと、波乱も異常もない一般人チックな、ごく普通のモブキャラ的学生活が浮かんできます。
やっぱり私もアルム君も凡人脇役ですから。
でもいいじゃないですか。大抵の人はそんなもんです。
ゼフィールさんとか竜王家の人たちとかアイクさんとか漆黒さんとか、そういう人たちは一握りだからこそ目立つんです。

おっと見えてきました。
バレンシア中学…なんてことない田舎の中学って感じですね。
木造のボロッちい2階建てです。
周囲は緑なす山々にのどかな田園…綺麗な自然に囲まれて…っていうか自然しかありません。
さてそれじゃあお邪魔しましょうかね。
校門からさりげなく入っていきますが、誰も私に気付きません。
私がテリウスにいれば隠伏か影のスキルがあったんでしょうけどねー。
悲しいかなノースキルですとも。

周囲の生徒たちを観察しても本当にフツーっぽい人しか見当たりませんね。
まぁ皆さんアルム君よりは存在感がありますけど。

244 :火刑台上のジャンヌではなくアルム:2010/05/25(火) 23:07:13 ID:sr4inXJg

アルム君を見つけるまでさして時間はかかりませんでした。
生徒さんもそんなにいないみたいですし、狭い学校でしたので。
アルム君は裏庭で花壇に水を上げていました。
ただでさえ存在感が無いのにそんな目立たない所にいたら、ほとんど幽霊に近いです。
ま、人のことは言えませんけど。

ジャンヌ 「こんにちはアルム君」
アルム  「わっ!? ジャンヌ?どうしてここに?」
ジャンヌ 「アルム君に会いたくなったからではいけませんか?」
アルム  「あ…いや…いいけど……///」

あ、赤くなってる…可愛いー。
ホントにセリカさん以外の女の子に慣れてないんですねー。
…きっと私にキスされたときの事を思い出しちゃったんでしょうね。
うん…ちょっと私もドキドキしちゃいますけど、アルム君がどもってくれてるおかげで落ち着いていられます。

ジャンヌ 「ね、少しおしゃべりしませんか?」
アルム  「う…うん…」

私たちは並んで花壇のそばに腰を下ろしました。
隣接成功です。このままターンを稼ぎますよ。
しかしこうして並んでみますと、アルム君は本当に華の無い純朴そのものの青年です。
およそ飾り気ってものが無くて地味で、本当にどこにでもいる普通の人です。
取り立てた美男子でもなければ、ブサイクでもなし。
群集に混じってしまえばウォーリー以上に発見は困難です。
ですけど…うん、純朴で真面目で…いい所もいっぱいあるんです。
アルム  「あ…あのねジャンヌ…僕は…」

あ、すこしためらいながらも大事な事を切り出そうって表情ですね。
アルム君にはポーカーフェイスはできないようです。
そしてアルム君が言いたい事も大体見当がつきます。
私の告白への返事…ようするに僕にはセリカがいるから…ごめん的な事を切り出そうとしてますね。
どうやって話したものか随分悩んだに違いないです。
でもごめんなさいアルム君、私だってこれくらいのことじゃ負けるつもりはないんですよ?
ジャンヌ 「ええ、わかってますよ。アルム君の好きな人の事。でも私がアルム君を好きでいることは許してほしいんです」
アルム  「あうっ!?」
先手を取られて戸惑ってますね。やっぱり可愛いなぁ/////

245 :火刑台上のジャンヌではなくアルム:2010/05/25(火) 23:07:57 ID:sr4inXJg

アルム  「で…でもそれでいいの? ぼ、僕は…こういう事、経験ないからうまく言えないんだけど…
      他の人を好きな人を好きでい続けられるものなの?」
ジャンヌ 「どうでしょうね? 私としてはアルム君が振り向いてくれればハッピーエンドなんですけど…
      それともキスしてくれたら諦めがつく…なんて言ったらキスしてくれますか?」
真っ赤になってどもるアルム君が可愛くてついからかっちゃいます。
諦めるつもりなんてさらさらないんですけどね。
アルム  「あぅあぅ……/////」
ジャンヌ 「ふふ、ごめんなさい意地悪言っちゃって…でもアルム君顔真っ赤ですよ?」
突っ込まれてますますうろたえるアルム君が可愛くて…私はさりげなくアルム君の肩に寄りかかります。
わぁ……温かいなぁ……のどかな花壇の前でゆったりとした時が流れていきます。
あ、心臓の鼓動を感じますね…アルム君もドキドキしてくれてるんだなぁ…

ですが楽しい時間っていうのは有限の物、無常にも学校のチャイムが鳴り響きます。
アルム  「あ……ご…ごめん…授業だしもう行かなきゃ…」
ジャンヌ 「いいじゃないですか。アルム君がいなくても誰も気付きませんよ?」
アルム  「否定できないのがつらい…orz」

ふふふ、ごめんなさい。また意地悪しちゃいました。
だって私をおいて授業なんていうんですもの、ちょっとこれくらいはいいですよね?

ジャンヌ 「アルム君のいいところはそんな真面目なところですし…あまり困らせてもいけませんね。
      放してあげます。でも…ね?」
アルム  「へ?」
ジャンヌ 「ん……」
私はつい、ポカンとするアルム君の無防備な唇に…あうう///////
2…2回目だからでしょうか、前よりは落ち着いて出来たとは思いますけど…
わ、わーやっぱり慣れないものですね////////
心臓が早鐘みたいに鳴ってますよ!?////////

アルム君てば耳まで赤くして呆然としてます。嬉しいなぁ。
ちょっとは私に魅力を感じてくれてるんですよね?
それから…どのくらいの時間が流れたでしょうか…多分10秒かそこらだと思いますけど…/////
私は名残惜しくもアルム君の唇を解放します。
はぅ…我ながら大胆だなぁ///////
ジャンヌ 「えへへ…ごめんなさいねアルム君? でも…私をこんなにドキドキさせるアルム君が悪いんですよ?」
アルム  「くぁwせdrftgyふじこlp」
その時でした。猛烈な勢いで土煙が迫ってきます!
あ~まったく…感がいいなぁ……シグルドさんの妹ってのがよくわかりますね。
ウザいなぁ……

246 :火刑台上のジャンヌではなくアルム:2010/05/25(火) 23:08:41 ID:sr4inXJg

セリカ  「ななななにしてんのよーーーーっ!?」
ジャンヌ 「なにって…キスですけど?」
悪びれるそぶりもありゃしません。
セリカ  「燃やす!!!」
ジャンヌ 「いけない妹さん(強調)ですね。学校を抜けたりするような不良さんは、
      ミラの女神様もお許しになりませんよ?」
アルム  「ちょ…そのあのえうえう……」
んー、このままじゃアルム君が燃やされますね。
それだけは気がかりですが…ごめんなさいアルム君。
私も邪魔されてセリカさんにはカチンときちゃってるようです。
ついつい売り言葉に買い言葉といいますか…
セリカ  「ムガーーーーーー!!!!この影薄女?」
ジャンヌ 「ええ、アルム君とお揃いです。ね、アルム君?」
なーんてことを言いながらアルム君の腕に腕を絡ませちゃいます。
わわ…我ながら…//////
アルム  「ちょ……」
あ、そんなにセリカさんが怖いんですか?
でも駄目、放してなんてあげませんよ?
こめかみをひくつかせるセリカさんは早速ライナロックを…そろそろ限界かも…
が、ここで引いてちゃ進展もありません。
ジャンヌ 「そうやってアルム君を燃やすわけですね…可哀想なアルム君…
      大丈夫、セリカさんと違って私はちゃーんとアルム君を信じてますから、
      これくらいでカリカリしたりしませんよ」
セリカ  「ぬがががががっ!?」
すっかり頭に血が上ってるセリカさんですが、さすがにライナロックはやめたようです。
もし唱えてくるようでしたらリターンリングで脱出するつもりでした。
セリカ  「な…なによ! あんたみたいな脇役なんか一応主人公のアルムが相手にするわけないでしょ!
      さ、アルム!アルムが好きなのは私よね」
アルム  「そ…それはもちろ…」
ジャンヌ 「ひどいアルム君…さっきはあんなに大胆に迫って私の唇を奪ったのに…」
ごめんなさいアルム君。
わかってはいますけどその台詞だけは聞きたくないという乙女心をわかってくださいね?
…でも我ながら悪い娘だなぁ…
恋は人を変えるってことなんでしょうかね?
私は爆炎に飲み込まれて燃え尽きるアルム君を尻目にリターンリングで退却したのでした。

退却した私は、一応午後の授業だけでも出席することにしました。
それにしても…えへへ…温かい唇でした…///////
キスって…2回目ですけどきっと何回しても慣れないんだろうなぁ…//////
結構隣接できたし…アルム君も私を意識してくれてますし…/////
セリカさんには悪いけど(あと今頃折檻を受けてるアルム君にも)最後に笑うのが一人なら私は勝たせてもらいますとも。

終わり