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Last-modified: 2012-08-28 (火) 20:33:23

420 :普通係長シグルド:2010/06/08(火) 23:02:12 ID:G0a+YnnQ

~兄弟家、居間~

シグルド 「……というわけで、突然先方の要望が変わるなんてのは、実によくあることなんだよ」
エイリーク「それは困りますね」
シグルド 「うむ。だが逆にチャンスでもあるんだ。それに対して柔軟に対応してみせれば、取引先からの印象も良くなるからね」
エイリーク「なるほど。勉強になります」
リーフ  「ただいまー」
マルス  「おや、何かお話中でしたか」
エイリーク「おかえりなさい、マルス、リーフ。今シグルド兄上のお仕事の話を聞いていたところなのです」
リーフ  「シグルド兄さんの仕事? 総合商社の係長だよね」
エイリーク「はい。私もそう遠くない内に社会に出るわけですから、事前に少しでも多くのことを学びたいと思いまして」
リーフ  「うわぁ、真面目だ。とても僕の姉さんとは思えないよ」
シグルド 「そうだな。リーフもマルスも遊んでばかりいないで少しはエイリークを見習いなさい」
リーフ  「うーん……でもさーシグルド兄さん」
シグルド 「む、なんだ?」
リーフ  「いや……容姿端麗文武両道、その上紋章町有数のお嬢様学校に通ってるエイリーク姉さんが、
     シグルド兄さんと同じような立場に収まることなんてあるのかなー、なんて……」
シグルド 「うっ、痛いところを……!」
エイリーク「失礼ですよ、リーフ。私がこの先どうなるかは分かりませんし、社会人に必要な心構えはどんな仕事でも変わりないのですから」
シグルド 「うむ、その通りだ。どんな職に就こうと、社会の一員として変わりなく求められるものもたくさんあるからな」
リーフ  「まあ、分からなくはないけど」
マルス  「シグルド兄さんの言うとおりだよ、リーフ。それに……」
リーフ  「それに?」
マルス  「いろんな職種の人間の生態を把握しておくことで、いろいろと有利になることもあるから、ね……」
エイリーク「そうですね。様々な人の心を理解すれば、助けになれることも多くなるでしょう」
リーフ  (……言ってることは似てるんだけどなあ……)
シグルド 「しかし、お前たちも大分大きくなったなあ……私が働き始めた頃はこんなに小さかったのに」
マルス  「その発言親父臭いですよシグルド兄さん」
エイリーク「失礼ですよマルス。私たちが何の苦もなく生きてこられたのは、兄上たちが身を粉にして働いて下さっているおかげなのですから」
マルス  「それはもちろん分かってますよ」
リーフ  「考えてみれば大変なことだよねえ。いつもありがとう、シグルド兄さん」
シグルド 「お、お前たち……! こんないい弟、妹たちを持って、私は、私は……うぅっ!」
マルス  「大袈裟だなあ、シグルド兄さんは」
リーフ  「そうそう。気楽にいこうよ、気楽に」
エイリーク(この暖かいお人柄こそ、兄上が広く慕われる理由なのでしょう……私も見習わなければ)