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Last-modified: 2012-08-28 (火) 20:36:03

434 :社会科見学:2010/06/10(木) 15:38:38 ID:qrVco7+j

社会科見学は主に学生時代に行われる行事であり、学生の見聞を広げるために行われる。
社会科見学の多くは、工場での製造過程の見学・体験、周辺地域の旧跡の見学等を行って、
得た知識を元にレポートなどをまとめ、それらの結果を授業中に発表する。
これらによって得られる知識は多く、課外授業として積極的に行っている学校・教育者も多い。
また近年では社会人の社会科見学も多くなってきており、
担当分野以外の見学を行って自社の発展に貢献させようとする動きや、個人の見聞を広げて知識向上を図る動きも出てきている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

トラバント「と、いう訳で、だ。明日から貴様らは各々志願していた施設に伺わせていただく事になっている。いいか、くれぐれも先方のご厚意を無下にする様な行動は慎めよ。特にリーフ」
リーフ  「ちょっ、え、僕名指し!?」
ナンナ  「リーフ様……」
ミランダ 「あんた、自分の日々の行い解ってんでしょ? 間違っても見知らぬ女性にルパンダイブとか止めてよね」
リーフ  「僕がそんな無差別に破廉恥な行いをする男だとでも!?」
ミランダ 「……は~。やっぱりリーフと同じグループに入って、見張るべきだったかしら……」
      

435 :社会科見学2:2010/06/10(木) 15:43:12 ID:qrVco7+j

HRも終了し、学校を後にしたリーフは帰り道で兄、セリスと遭遇していた。

セリス  「やっぱりリーフもグランベル商社見学コースにしたんだね」

グランベル商社の他にも大きな所でいくとドズル重鋼、小さな所で流星軒、など幾つか見学出来る施設が候補に上がっており、
生徒達は各々自分の興味のある施設を訪ねて良い事となっていた。
ちなみに全学年同時施行の結構な一大イベントである為、当然セリスも参加するようだ。

リーフ  「セリスも? な~んだ、じゃあ僕はセティさんの会社にすれば良かったなぁ」
セリス  「ええ、いいじゃない、一緒に行こうよ!」
リーフ  「だってさ、僕はきっと兄弟の誰も選ばないだろうから気を使ったんだよ?」
セリス  「シグルド兄さんに?」
リーフ  「うん。見学コースに入ってるのに選ばないと、なんか気の毒な気がして。敢えて選ばなかったと兄さんが知ったら、泣いちゃいそうじゃないか」
セリス  「はは、リーフは意外と優しいとこあるよね」
リーフ  「意外は余計だよ。ま、純粋に総合商社ってのがどういう物か見てみたいってのはあったけど」
セリス  「さすが、商売関係への向学心は兄弟髄一だねぇ。あ、そうそう、僕の他にはレスターとデルムッドが来るんだけど、
      君のクラスからは他に誰が参加するの? ナンナとか?」
リーフ  「ううん、ナンナはティニーやミランダ達と印刷工場に行くってさ」
セリス  「へぇ! 絶対リーフと一緒に来ると思ってたんだけどな」
リーフ  「僕も正直驚いたけど。みんなにどつかれる心配がないから、普通に見学出来そうでよかったかな。
      最近エフラム兄さんにべったりなサラも勿論いないし。あぁ~、解放感!
      っていうか、セリスの方こそメンバー異色じゃない? レスターさんとかすっごい久々に名前聞いた気がするけど。
      絶対商社マンっていうより、屋台のあんちゃんやってる方が似合う感じ」
セリス  「あははっ、二人とも見た目はちょっとやんちゃだけど、生真面目だからね~。
      実際事務仕事とかかなり向いてると思うんだ。レスターはお姉さんを見習って医者も捨てがたい、なんて色々悩んでるみたいだけど。
      デルムッドも上の兄姉の生活が派手で困ってるんで、自分は堅実に行きたいとかどうとか」
リーフ  「デルムッドさん、貴族なのになんて地味な性格……」
セリス  「それが彼のいい所だよ……っと、到着! ただいま~」
エリンシア「お帰りなさいセリスちゃん……あら、リーフちゃんも。今日は二人一緒だったのね」
リーフ  「ただいま姉さん。ねぇ、今日シグルド兄さんいつ帰って来る?」
エリンシア「あ、今日は……」

シグルド 「ぶえ~っくしょん!!」
セリス&リーフ「!?」

436 :社会科見学3:2010/06/10(木) 15:44:30 ID:qrVco7+j

エリンシア「実は、営業途中で川に落ちたラグズの女の子を助けたらしいのだけど、しばらく濡れた服のままでいたらしくて」
リーフ  「もしかして、またリィレさんかな……。相変わらずすごい不幸遭遇確率。ほんとならフラグ立ちまくりなんだろうけど」
シグルド 「おお……お帰り、二人とも……」
セリス  「そんなぁ、兄さん、明日僕会社に見学行くねって言ったじゃないか~! 僕兄さんが働いてるとこが見たくて営業課見学にしたんだよ?」
シグルド 「す、すまん、いや大丈夫だ。こうして寝ていれば明日には治る」
リーフ  「顔真っ赤だよ、休んだ方がいいと思うけど……」
シグルド 「いーや、治す! エリンシア、もう一回杖を使ってくれ!」
エリンシア「ですから、杖では傷は治せても御病気までは無理です、と先ほどから申し上げておりますのに。困った兄上です事。取りあえずリライブ~」
シグルド 「はぁはぁ、くそっ、こうしている間にもどこでKINSHINが行われてるかしれないというのに!」
リーフ  「そんなだから悪化するんだと思うなぁ……」
エリウッド「取りあえず、今日の所は例の二人を大人しくさせておこうか」
リン   「そうね」
セリス  「あ、兄さん達」
エリンシア「あら、エリウッドちゃんにリンちゃんもお帰りなさい。ごめんなさいね、お夕飯まだなの」
リン   「いいわよ、大丈夫。今日は私が作るから、姉さんはそのまま兄さんの看病してて」
エリウッド「じゃあ僕はアルム達の所に行って来るよ。二人とももう部屋にいるんでしょ?」
エリンシア「ええ、お願い」
リーフ  「……なんか平和だなぁ」
マルス  「それはどうかな」
リーフ  「兄さん……いつもいきなり湧くのは止めて、心臓に悪いよ」
マルス  「ふっふ、そろそろ『アッー! この人でなしー!』の準備をしておいた方がいいと思うんだけどなぁ」
リーフ  「や、止めてよ、兄さんが言うとなんか怖い!」
マルス  「そうら、君にも聞こえて来ただろう? 槍と斧のぶつかり合う激しい金属音が……」

エフラム 「くっ!」
ヘクトル 「おらぁ! どうしたエフラム、その程度か!」
エフラム 「まだまだァ!」
ヘクトル 「うおっ! 下からだと!?」

リーフ  「……もう、どうしてあの人達、石垣飛び越えながら打ち合ってんの……? 重力感じてないの?」
セリス  「そういうリーフも、あり得ない高さで三角飛びとかしてるじゃない。
      そういえば最近ヘクトル兄さんとエフラム兄さんは玄関から帰って来なくなったよね」
リーフ  「セリスは呑気だなぁ!」
マルス  「とか何とか言ってるより、早いうちに避難しておいたら? 食事の時には多分呼ぶから」
リーフ  「多分って何!?」
セリス  「行こうリーフ、明日の打ち合わせとかしとこうよ」
リーフ  「マルス兄さんもセリスにだけは甘い所あるから、ついでに呼んでもらえるかな(分かった)」
マルス  「(まぁ、実際そうだから突っ込まないよ)目の前は勿論、背後と床下と窓と屋根に気を付けて」
リーフ  「ほぼ全方位じゃないか!」

437 :社会科見学4:2010/06/10(木) 15:46:30 ID:qrVco7+j

翌日――。

オイフェ 「それじゃあ皆、先生はドズル組の方の様子を見に行って来るから、後はこのアゼルさんから良く教わっておきなさい」
アゼル  「よろしくね、皆」
デル&レスター「はいっ!」
セリス  「は~い」
オイフェ 「セリス様、シグルド様の事は残念でしたね」
セリス  「うん……でも無理させたくはなかったし、仕方ないね。それじゃオイフェ、行ってらっしゃい」
オイフェ 「はっ!」
リーフ  (オイフェ先生、セリスに対してだけ何故か敬語なんだけど、誰も突っ込まない……)
アゼル  「君がリーフ君だね」
リーフ  「は? あ、はい!」
アゼル  「確かにセリス君よりは何処となく係長に似てるかな? 君も営業に興味があって来たの?」
リーフ  「営業に……ってよりは、どちらかというとこう会計、とか、会社での金銭のやりくりに興味があるんですけど……」
アゼル  「そうなんだ、なら良かった! 僕はホントは総務課なんだよ。営業は皆忙しくて皆出払っちゃっててさ」
セリス  「そうなんですか。じゃあ僕も総務課のお仕事見学させてもらおうかな。そしたら皆一緒だもんね」
レスター 「ですね。しかし意外です、アゼルさんもてっきりアルヴィスさんと同じ営業かと思ってましたけど」
アゼル  「僕はそんなに口が上手くないし、体力もないから営業向きじゃないんだよね。今やってる事務仕事は性に合ってるんだ。
      ただ、一つだけ困ってる事があって……」

レックス 「俺はノンケでも(ry 」
アゼル  「エルファイアー」
レックス 「レックス死すとも愛は死せず……ぐふっ!」

リーフ  「すごい、火柱が出たのに周囲の書類は一切燃やさず、レックスさんだけ綺麗に炭に」
セリス  「なんかヨハンみたいな人だなぁ」
リーフ  「いや、あの人とはまた種類が違うと思うけど」
アゼル  「こいつは昔からの友人でね。ドズル重鋼の社長令息なんだけど、何でか今も同じ総務で働いてるんだ」
リーフ  (それはただ単に、貴方を追って入ったんじゃ)
アゼル  「たまにこうやって訳のわからないセリフを言いながら襲って来るんだよ。いい加減扱いにも慣れたけど。
      普段は人の2倍仕事の出来る、凄い奴なんだけどね」

デルムッド「おいレスター、なんかこの人お前に似てないか? 親戚?」
レスター 「止めてくれ、自分でもそう思ってちょっと怖かったんだから」

ディアドラ「あらあら、またレックスさんが焦げてらっしゃるのね。
      ダメよアゼルさん、生徒さんの前で人を燃やしては」
アゼル  「あ、すみませんディアドラさん。ついうっかり」

リーフ  (二人とも笑ってるけど怖ぇ~!)
ディアドラ「こんにちはセリスさん、お兄様の具合はいかがかしら? お風邪を召されたと伺ってますけれど」
セリス  「はい、昨日よりは元気になったって朝言ってましたから、明日にはもう出社出来ると思います」
ディアドラ「そう、良かった」

デルムッド「……セリス様とディアドラさんもそっくりだな……」
リーフ  「ですよね~。僕も昔から不思議で仕方ないです」
レスター 「確かに……。だけど、その手の話はこの街で言い出すとキリがないぞ。アゼルさん、そろそろ見学の方お願いします」
アゼル  「あ、うんうんごめんね! 皆こっちだよ!」

438 :社会科見学5:2010/06/10(木) 15:48:33 ID:qrVco7+j

リーフ  「出来ました~」
アゼル  「早いね、ちゃんと確認までしてくれた?」
リーフ  「合ってますよ、ほら、元の資料と、出力したデータとで赤ペンチェック済みです」
デルムッド「こっちもあがりです」
アゼル  「ありがとー。凄いな皆、今の子はパソコンなんて使えて当たり前なんだねぇ~……っていうかごめんね? 仕事させちゃって。
      見学、なんて言っても社内じゃ皆デスクワークだからなぁ。まさか会議を見学してもらう訳にもいかないし」
セリス  「でも色々会社の中を見せてもらえて楽しかったですよ。今も実際やらせてもらえて、勉強になってます」
レスター 「ただのデータ化ですけどね」
アゼル  「いやいや、これも立派な仕事だよ。……全く、それもこれも兄さんが紙媒体廃止、とか急に言い出すから……。
      仕事を増やされたこっちはたまったもんじゃないよ。週末遊びに行く予定だったのに……」
リーフ  「デートですか?」
アゼル  「うん、そう……って、何言わすんだい」

アルヴィス「ほう、そうかそうか。……一体いつの間に、どこの馬の骨と!?」
アゼル  「そりゃ……って、ひぃっ! 兄さん!? 何で総務にいるんですか!」
アルヴィス「レックスか! レックスだな!? アゼルを陥れる疫病神がぁ~! 今度こそ息の根を止めてやる!」
アゼル  「違いますって! ってか何でデートって言ってるのに男が出て来るんです!?」
リーフ  (ここんちの兄弟も何だか大変そうだな……)

オイフェ 「セリス様」
セリス  「あ、オイフェ、お帰り。何でそんな小声なの?」
オイフェ 「そろそろお暇しましょう。社長には話が付きましたので」
レスター 「オイフェ先生、あのお二人は放っておいてよろしいので?」
オイフェ 「ああ、アゼルさんは魔法防御が高いから大丈夫だと思うが、頭に血が昇ったアルヴィス氏と渡り合えるのは基本
      ティルフィングを持ったシグルド様だけだ。早く逃げないとお前達は焼け死んでしまうぞ」
デルムッド「焼け死ぬって……。なんつう会社に見学に来させんですか」
オイフェ 「普段はとてもいい方ばかりなんだ!」
デルムッド「普段……ねぇ」
リーフ  「い、いいから行きましょ、アルヴィスさん、なんか凄い装丁の魔道書持ってる」
セリス  「あれが有名なファラフレイムか~」
リーフ  「セリス! 早く!」

439 :社会科見学6:2010/06/10(木) 15:49:15 ID:qrVco7+j

セリス  「あ~、面白かった」
リーフ  「……ホントセリスは精神が強いよね……。何事にも動じないっていうか」
セリス  「あ、そうだ! ねぇリーフ、今度僕達だけで、シグルド兄さんがちゃんといるときに見学に行こうよ。営業の方は見られなかったしさ~」
リーフ  「遠慮しとくよ……。元々僕は総務の仕事に興味があったんだもん」
セリス  「えぇ~! そんなぁ。リーフは足で稼ぐタイプだと思うんだけどなぁ……」

マルス  「やぁ、お帰り。社会科見学はどうだった?」
リーフ  「あ、兄さんただいま。う~ん、事務を見学っていうか、後半は体験したんだけど。もうちょっとアグレッシブな仕事の方が良かったかな。見学するにはちょっと地味だったよ」
マルス  「アグレッシブか。例えば?」
リーフ  「そうだなぁ……。あ、消防士とかレスキュー隊とか人を助ける系! 今回の見学コースにはそういうのは入ってなかったからな~」
セリス  「あ、それはいいねぇ。かっこいい!」
マルス  「確かに、リーフが消防士になれれば、(リーフが他人の代わりにこの人でなし~的な意味で)多くの人を救えるかもしれないね」

おまけ

ティニー 「うふふふ……素晴らしい……」
ナンナ  「ミランダ、そろそろ次に行きたいのですが……」
ミランダ 「参ったわね。ティニー、いい加減そこから離れなさい!」
ティニー 「低コストで大量製作……輪転機、一家に一台欲しいです」
ミランダ 「やめなさい、その機械自体はきっとバカ高いわよ」