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Last-modified: 2012-08-28 (火) 19:44:10

96 :レテの苦悩:2010/05/08(土) 22:30:19 ID:5MPZhavH

春、それは新たな始まり!
春、それは恋の始まり!
ハール、そいつは寝てばかり!

春とは、皆にとって新たな始まりを告げる季節。
もちろん、ラグズにとっても同じ事。

~ガリア、カイネギス邸~

リィレ  「あっれー?」
ライ   「? どうしたリィレ」
リィレ  「レテが御飯残して行っちゃいました」
ライ   「? 席離れただけだろ?」
リィレ  「いえ、さっき『ごちそうさまでした』って言って行っちゃたんですよ」
ライ   「? そりゃ珍しいな。あいつ、出されたモンは全部食ってたろ?」
リィレ  「それが最近調子悪いみたいで・・・」
ライ   「調子が悪い?レテがか?」
リィレ  「はい。昨日も『気分が悪い』って言ってました」
ライ   「へぇ~・・・ん? 『食欲が無い』・・・『調子が悪い』・・・ ま さ か ! ! ?」

~同時刻、兄弟家~

アイク  「う~む・・・」
ロイ   「? どうしたの?アイク兄さん」
アイク  「む・・・最近レテの様子がおかしいんだ」
ロイ   「様子が?」
アイク  「ああ。先週からどうもな・・・」

~先週~

アイク  「レテ、前日の約束通り、手合わせに来たぞ」
レテ   「・・・ッ!」
アイク  「どうした?苦虫を潰したような顔して・・・」
レテ   「来るな!寄るな!近づくな!」
アイク  「む?どうしたんだ?あんたが手合わせして欲しいと・・・」
レテ   「すまんが今日は帰ってくれ!」
アイク  (・・・体調不良か・・・?)

~現在~

アイク  「俺は最初にそう思ってその場を後にした。翌日ならば健康になっているだろうと・・・」
ロイ   「ていうか兄さん、なんで『苦虫を潰したような顔』なんて慣用句知ってるの?」
アイク  「話は最後まで聞け噴↑火↓」

 ドムッ!

ロイ (アフロ)「どうぞ続けてくださいアイク兄さん」
アイク  「俺はその翌日も行ったが、同じような事を言われて取り合ってもらえなかった。が、その2日後・・・」

97 :レテの苦悩:2010/05/08(土) 22:31:15 ID:5MPZhavH

~3日前~

レテ   「ニャー!」
アイク  「ん? レテか?どうし」ガバッ
アイク  「うお!?」
ドテンッ
アイク  「くっ・・・い、一体どうした?」
レテ   「フニャー・・・ナーン・・・」
アイク  「?・・・レテ・・・だよな?」

今のレテの行動が不自然に感じられ、アイクは確認の為に本人に問う。
しかし、レテはアイクの言葉に答えない。

レテ   「ゴロゴロ・・・ニャンッ」スリスリ

答えるどころか、アイクの頬に頬擦りをし始めた。
さすがのアイクも面くらい、焦りを見せた。

アイク  「うお!? レテ!? どうしたんだ!?」
レテ   「ゴロナーン・・・ハッ!!?私は何を!?」
アイク  「れ、レテ・・・」
レテ   「あっ、アイクゥゥゥゥウウウウ!!?」
アイク  「叫ばなくても聞こえてる」
レテ   「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!///」ズドダダダダダダダダダ・・・
アイク  「・・・?」

~現在~

マルス  「何そのツンとデレの両極端みたいな感じ」
アイク  「マルスお前いつの間に・・・」
リーフ  「アルムじゃないんだからさ、いきなり出てくるのはやめようよ」
ロイ (アフロ)「兄さんもだよ」

~庭~

アルム  「うわああああああああああああああああああん!!」ズドダダダダダダダダダ・・・
セリカ  「アルム!?アルムーーー!!」

~居間~

ロイ (アフロ)「・・・レテさん、何かあったのかなぁ?」
マルス  「さぁ?それにしてもロイ、良い髪形だね」
ロイ (アフロ)「ありがとう、最高の誉め言葉だよ」

98 :レテの苦悩:2010/05/08(土) 22:34:51 ID:5MPZhavH

~数分後、カイネギス邸~

所変わって、暗い廊下を歩く青髪の青年―――ライは、ある場所を目指して歩き続ける。
そして今その場所に行きつき、立ち止まる。
レテの部屋だ。
居るかどうかを確認する為、ライはドアをノックする。

コンコン
ライ   「レテ~、ちょっと話があるんだが・・・」
シーン
ライ   「? レテ?・・・鍛錬に出ちまったかな・・・」

そう吐き出すと、頭をガジガジ掻きながら面倒くさそうに溜息を吐く。
『でもまぁ、念の為だ』と思いつつ、ドアノブを徐にまわす。
すると、『ガチャッ』と言う音と共にドアが開く。

ライ   「ん?なんだ、居るんじゃねぇか」

部屋は暗いが、獣牙族特有の目と鼻で住居人を確認出来た。
寝息が聞こえないので、寝てるわけではないらしい。
ライは1歩部屋へと入りこんだ。

ライ   「居るんなら返事くらい」ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン
レテ   「夢なら覚めろ夢なら覚めろ夢なら覚めろ夢なら覚めろ夢なら覚めろ夢なら覚めろ夢なら覚めろ夢なら覚めろ夢なら覚めろ夢なら覚めろ夢なら覚めろ夢なら覚めろ」
ライ   Σ「なんか言ってる!」
レテ   「誰かァァァ!私を現の世界に引き戻してくれェェェ!!」
ライ   「待て待て待て待てェェェ!石柱に頭突きすんな!早まるなァァァ!」
 
~数分後~

ライ   「・・・成る程・・・気がついたらアイク等身大(ヴァンガードVer.)の抱き枕に涎垂らしながら抱き付いて寝てたワケね・・・」
レテ   「復唱すなァァァ!///」

ライの目の前にいる橙色の髪をした女性は顔を真赤にしながら叫ぶ。
その彼女のすぐ後ろにはベットがあり、その上に先程出てきた例の抱き枕が転がっている。

ライ   「つーか、お前今の今までアイク等身大抱き枕なんてモン持ってたのか?」
レテ   「知らん知らん知らん!!気がついたら置いてあったのだ!!」
ライ   「ふーん・・・まぁ抱き枕は置いといて」

ライは一度言葉を区切ると、部屋に入る前の溜息より深い溜息を吐きながら話を続ける。

ライ   「とうとう時期が来ちまったな・・・ 発 情 期 ・・・」
レテ   「あああああ~~~~・・・何ということだ・・・毎年毎年嫌になる時期が来てしまった・・・」

レテはそれを再確認したようで、水を与えられなくなった植物のように、みるみる内に力なく項垂れてしまった。

ライ   「そう言えば去年はアイクの写真にキスしてたっけ?」
レテ   「言うなと言ってるだろうがァァァ!!///」

そんな事してたのかレテ・・・。

99 :レテの苦悩:2010/05/08(土) 22:38:52 ID:5MPZhavH

ライ   「レテって発情期が来るとキャラ変わるからな・・・前半は“ツンデレクール”から“ツンツンツーン”だが、後半からは“デレデレデーレ”になる」
レテ   「デレるのは私のプライドが許さん・・・だが、気がつくとこうなってしまう・・・どうすれば・・・」
ライ   「どうすれば・・・つってもなぁ・・・」

ライは顎を指で抑えて考える。
そして『パキンッ』と指を鳴らし、何か思いついた顔をする。

ライ   「おっ、こう言う時にあいつが頼りになるんじゃねぇか!」
レテ   「へ?」

~数十分後~

マルス  「やっほ~、来ちゃいました~」
レテ   「・・・なぜ、アイクの弟なんだ?」
ライ   「何言ってんだよ、弟君は『紋章町が世界に誇る智将ベスト3』に入る策略家だぜ?現にランキング表にもホラ・・・」
レテ   「分かった分かった・・・」
マルス  「理由はここに来る間にライさんから聞きましたよ。大変な事になってますねぇクフフフ」
レテ   「・・・信用して良いのか?色々と・・・」
ライ   「・・・まぁ大丈夫じゃないか?」
マルス  「任せてくださいってクフフフ・・・あ~、楽しくなってきた~」
レテ   「・・・他に人はいないのか・・・?」
ライ   「口利きできる唯一の智将なんだ、諦めろよ」
マルス  「さて、本題に入りますか」
レテ   (不安だが・・・仕方あるまい・・・)
マルス  「手っ取り早い話、我慢できればそれに越した事はないんですけれど・・・無理なんですね?」
ライ   「それが出来たら苦労しないぜ?」
マルス  「それもそうですね。・・・簡単な話、レテさんはどうしたいんですか?」
レテ   「わ、私か? ・・・私は・・・・・・///」
ライ   「なんでソコで頬を赤らめる?」
レテ   「! いっ、いやっ!断じて赤くなどなっていない!」
マルス  「大丈夫ですよ、ここに居るのは3人だけで、他は誰も聞いて居ませんので」
レテ   「・・・!///」
マルス  「埒があかないですよ・・・素直に言ったらどうですか?アイク兄さんとセッ」「ションアットワンスゥゥゥゥゥゥ!!」ズガシャアアアアアアアア
マルス  「うぐふっ・・・なんて鋭い一撃+伏字・・・!」
ライ   「言い方が悪いぞ、弟君。ラグズの場合は交」「感神経伝達物質ゥゥゥゥゥゥ!!」ズゾバァァァァァァァ
ライ   「うぐふぅ・・・なんて鋭い(ry」
レテ   「貴様らァァァ!!なに放送禁止用語言おうとしてるんだァァァ!!」
ライ   「大丈夫だって、週間少年ジャンプの『銀○』だって交・・・あ~・・・ゲフンゲフン・・・の1つや2つ軽く使ってるぞ」
レテ   「一緒にすな!!」
マルス  「でも発情期の女性としては真っ当な意見だと思いますよ?意中の人とセッ・・・ゲフンゲフンッ・・・をしたがるなんていうのは。しかも野性の心が突き動かす中、ちゃんと我慢してるんですから凄い事ですよ。今は抱き枕に涎という行為に走っちゃってますが」
レテ   「ライィィィ!!貴様バラしたなァァァ!!?」ズダダダダダッ
ライ   「すまー―――ん!!」ピュー

100 :レテの苦悩:2010/05/08(土) 22:42:00 ID:5MPZhavH

~数分後~

マルス  「じゃぁまぁ、レテさんの意見もあると言うことで、既成事実作っちゃおうと思います」
レテ   「待てコラ!なぜ話を勝手に進めるんだ!」
ライ   「そうだな。いかに鈍感でも既成事実作っちまったら承認せざるを得ないな」
レテ   「だから話を勝手に進めるな!そもそも私は『デレたくないからデレを止める方法はないか』と聞いているんだ!」
ライ   「分かってねぇなぁ・・・デレまくる今が好機なんだよ。それにさっき言ったように、マルスは紋章町の誇る智将なんだぞ。マルスの意思を尊重した方が得策だとは思わねぇのか?」
レテ   「私の意思も尊重しろ!!」
ライ   「ダメだ、自分中心に考えてるぜ」
マルス  「いけませんねェ、自己中心的な発想は」
レテ   「何なんだこのやりきれない状況はァァァ!!」(憤怒)
ライ   「いいじゃねぇの、子どもの1人や2人、可愛いもんだぜ?」
レテ   「なんかもう既成事実作る方向で話が進んでるのか!?頼むから意思を尊重しろ!!」(激怒)
マルス  「そうですね。では、意思を尊重して子どもは5人くらいでどうですか?」
ライ   「おっ、そりゃ大家族だな」
レテ   「それが意思を汲む行為だと思ってるのかァァァ!!」(爆怒)
マルス  「分かりました。では、3人でどうです?」
ライ   「まぁ妥当な人数だな」
レテ   「さっきから全然尊重してないぞコラァァァ!!」(真・爆怒)
マルス  「はぁ~・・・話が先に進みませんね・・・いいですか?想像してください」
レテ   「あ、ああ・・・何をだ?」

とある一軒の家・・・そこにいるのは美しい女性と子ども達。
外で楽しく遊ぶ子ども達を見て女性は微笑む。
子ども達に一緒に遊ぼうとせがまれ、一緒に遊んでいる内に日は暮れ始める。
子ども達を家の中に入れ、泥だらけになった子ども達と一緒にお風呂に入る。
今日は何が楽しかったのか?次はどんな遊びをしたいのか?それらを風呂場で話し合う。
そして夕飯の時間になると夫が帰宅。
一家団欒の食事に会話が弾む。
子ども達は今日の感想を父親に報告し、明日は一緒に遊ぼうと約束を交わす。
満腹な上、遊び疲れた子ども達は素敵な夢を見る為、明日の為に眠りにつく。
残ったのは妻と夫。
夫は妻の疲労を労い、優しい言葉を掛ける。
その言葉に安心しきった妻は、夫の肩を借りて眠りにつく・・・そして夫もまた、仲良く寄り添って眠るのでした・・・。

マルス  「どうです?」
レテ   「い、良いかもな・・・」ドキドキ
マルス  (洗脳(寧ろ誘導?)成功!!)
ライ   (ナイスだぜ弟君!)
マルス  「そうなるように、僕等も全力でサポートします。一緒に頑張りましょう!」
レテ   「そ、そうだな・・・よろしく頼むぞ!」

まんまとノせられたレテ!裏で笑う腹黒王子と青猫!
カイネギス邸でこんな事が起こってるとは知る由も無いアイク!(知って如何こうするとは思えないが・・・)
どうなるレテ一行!どうなるアイク!続く!!