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Last-modified: 2012-08-29 (水) 20:34:27

116 :紋章町バスケットボール大会その24:2010/06/20(日) 18:47:00 ID:1IVviLkc

マルス 「なんだっ!?」

マルスが振り向くと、そこには、サイドラインから出たボールと、それを投げたと思われるフィオーラがいた。

マルス (!気を抜いてた・・・これで攻められてたら、2点、確実にとられていたはずだ。なのに、それを捨てた。ということは・・・。)
ドロシー 「イリアチームのタイムアウトです!」
マルス (相手も、同じ事を考えていた、ってことか。)
リン 「マルス!ベンチに戻るわよ!」
マルス 「わかった!」

ミカヤ 「さて、作戦会議なんだけど、私よくわかんないからマルスお願い!」
マルス 「了解。とりあえず、作戦の確認をしよう。」
リン 「ドリブルスティール、でしょ?」
マルス 「うん。それで、これからドリブルスティールを作戦に組み込むにあたって、誰がどの相手のディフェンスをするか決めておきたいんだ。」
エフラム 「なるほど。その方がディフェンスしやすいからな。」
マルス 「うん。というわけで暫定的に、だけど、誰が誰のディフェンスをするか決めたいと思う。・・・とりあえず、リーフ!」
リーフ 「!・・・何?」マルス 「君は、ティトのディフェンスをしてくれ。」
リーフ 「うっ・・・僕としてはフィオーラおねぃさんのディフェンスをしたかったんだけど・・・。」
マルス 「確かに、君のフィオーラさんに対するディフェンスには目を見張るものがあるんだけど、今は我慢して。今相手の攻撃をコントロールしてるのはティトなんだ。君のディフェンスで牽制してほしい。」

117 :紋章町バスケットボール大会その25:2010/06/20(日) 18:48:41 ID:1IVviLkc

リーフ 「うう・・・わかった。僕がティトのディフェンスね。」
マルス 「ありがとう、リーフ。次は・・・エフラム兄さん!」
エフラム 「俺は、誰のディフェンスをすればいいんだ?」
マルス 「エフラム兄さんには、ファリナさんのディフェンスをしてもらいたいんだ。」
エフラム 「わかった。」
マルス 「次は、アルム。」
アルム 「僕は誰のディフェンスをすればいいの?」
マルス 「君には、シャニーのディフェンスをしてもらいたい。」
アルム 「?なんで?」
マルス 「彼女は、相手チームのポイントゲッターだからさ。相手が僕らにトドメを刺そうとする時、彼女にボールが渡るだろう。そのパスを、スティールしてもらいたいんだ。」
アルム 「!!なるほどね。わかった。」
マルス 「次は、リン姉さん。」
リン 「私は、誰のディフェンスをすればいいの?」
マルス 「リン姉さんには、フロリーナさんのディフェンスをしてもらう。」
リン 「マルス・・・?あんた、この期に及んでふざけてるんじゃないでしょうね!?」
マルス 「ふざけてなんかないよ。ネタ的にじゃなく、ちゃんとした理由がある。」
リン 「理由?」
マルス 「そう。・・・フロリーナさんは、相手チームの3ポイントシューターだからさ。」

118 :紋章町バスケットボール大会その26:2010/06/20(日) 18:50:30 ID:1IVviLkc

リン 「そういえば、言ってたわね・・・。でも、なんで私なの?それならリーフの方がいいんじゃ・・・?」
マルス 「いや、リン姉さんじゃなきゃ駄目なんだ。
リン 「どうして?」
マルス 「姉さんには、僕らの中でNo.1・2を争うスピードがある。それに、背も高い。だから、3ポイントシューターを抑えるのに向いてるんだ。シュートを撃たれそうになったとしても、すぐにブロックにいけるからね。」
リン 「・・・わかったわ。私が、フロリーナのディフェンスをするのね?ということは、マルス、あんたがフィオーラのディフェンスをするの?」
マルス 「そういうことになるね。」
リーフ 「そんな!ずるいよマルス兄さん!フィオーラおねぃさんのないすばでぃは僕の物だ!マルス兄さんには渡さない!」
エイリーク 「リーフ・・・マルスはそんなことは考えていないと思いますよ?マルス、ちゃんとした理由があるんでしょう?」
マルス 「勿論。・・・相手チームで、1番冷静なのが彼女だからさ。こういう相手が1番怖い・・・いずれ、何かを仕掛けてくる。そんな気がするんだ。リーフ、こんな曖昧な理由じゃ駄目かい?」
リーフ 「う・・・そういうこと言われると不安になるなぁ。・・・わかったよ。兄さんがフィオーラおねぃさんのディフェンスね。」
マルス 「わかってもらえて良かった。」

119 :紋章町バスケットボール大会その27:2010/06/20(日) 18:52:34 ID:1IVviLkc

マルス 「あと、ミカヤ姉さんにもやってほしいことがあるんだ。」
ミカヤ 「何をすればいいの?」

パンッ!

マルスが不意に手を叩く。

マルス 「僕がコートの中で手を叩いたら、タイムアウトをとって。指示する暇も無くなるかもしれないから。」
ミカヤ 「わかったわ。アイクはいつ交替させればいい?」
マルス 「タイムアウトをとったら、そのタイムアウトの中で交替を申請してほしい。それまではいいや。」

ピーーーーッ!

マルスの話が終わるのを待っていたかのように、タイムアウトの残り時間があと10秒だということ示す笛が鳴った。

マルス (あと、試合時間は残り6分弱。点差は、9点。・・・か。)
マルス 「みんな、落ち着いて、シュートを決めていこう。点差はたった9点しかないんだ。さあ、行こう!」

アルム (僕も、行かなくちゃ・・・。)
アイク 「・・・アルム!」
アルム 「!・・・何?」アイク 「お前が、キーマンだ。このコートの中で、お前より3ポイントシュートが上手な人間はいない。自信を持て。」
アルム 「!!・・・・・・うん!」
セリカ 「アルム!」
アルム 「なんだい?セリカ。」
セリカ 「勝てるよね・・・?」
アルム 「・・・勝つよ。僕は、勝つ。絶対に、負けない!ベンチで見てて!」

アルムが、駆け出す。コートに向かって。

セリカ (アルムって・・・あんなに背中大きかったんだなぁ・・・。)

ピーーーーッ!

タイムアウトの終わりを告げる笛が、鳴った。