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Last-modified: 2012-08-30 (木) 23:56:37

274 :運命の歯車 1/4:2010/07/03(土) 21:12:26 ID:roFHFmCq

【前回までのあらすじ。前スレ>>204-207】
くしくも、誘拐された少女達を救う時間は残り少ない…。
アイク達一行は、ガトーの助力を得てかつてナギが眠りし異界の塔へと向かう。
彼らの知る漆黒の騎士は…既に何者かに手によって操られているとも露知らず…
果たして彼らは、間に合う事が出来るのだろうか!?

ガチャッ ガチャッ ガチャンッ
重騎士特有の、機械を連想させる重厚な足音が、少女達を幽閉している部屋へと近づいていく。
その足音は、再び苦しみをもたらすものなのだろうか……それとも…?

漆黒の騎士「(ガラッ)…………」
ミカヤ  「騎士…様…!」
一般巫女A「わ、私達をココから出してください!」
漆黒の騎士「無理な相談だ。
      ……だが、事情が変わった」
ユリア  「?…どういう事ですか?」
漆黒の騎士「新・紋章の謎を特集したニン○リ雑誌8月号で分かった事だが…
      そこの女、マリーシアは…銀髪ではなく実は紫髪だ」
他一同  「ええええぇぇぇ!!!?」
マリーシア「うん…そうよ…カツラを付けてただけなの」
イドゥン (カツラ…?本物ではない髪…デギンお爺様がよく頭に乗せている……鳥の巣…?)
漆黒の騎士「そういう訳で、この女には帰って貰おうか」
マリーシア「私…助かったんだ……わーい!」
漆黒の騎士「(転移の粉を振りかけ)…ワープッ!」
一般巫女B「それで私達は一体どうなるのでしょう?」
漆黒の騎士「(ギロッ)…処刑だ」
一般巫女B「ひぃ……」
一般巫女C「処刑処刑って…結局私をどうするつもり!?」
漆黒の騎士「…くくっ…私の積年の恨みを晴らす為の儀式…
      …死んだ方がマシだと思える、永久の苦悶を見せてやる!」
ニニアン 「…ああっ…エリウッド様…」
漆黒の騎士(……ん?…侵入者か…まぁ侵入者は『アレ』に任せるとして………ん?
      どこからともなく、転移の粉を使ってメインルームに戻れという声が聞こえるな…
      何かは知らんがいいだろう、使ってやろうではないか!)
シュウウウゥゥ・・・ン!!
?????(罠にのった!ドアを開けて入ってきたのに関わらず転移の粉で部屋を出るという事は……
      これで、乙女達が逃げられる!)

どうやら、この足音は数少ない希望をもたらすものだった様だ…
この転機が、ミカヤ達にどんな幸運を呼ぶのか…それは神のみぞ知る…・・・・・・

275 :運命の歯車 2/4:2010/07/03(土) 21:13:14 ID:roFHFmCq

~異界の塔 入り口付近~

アイク  「すごい高さだな……上が見えん」
ロイ   「こんな塔を、登っていったの?」
マルス  「(ロイを向いて)まぁね。
      ファルシオン未所持の状態で尚且つチキが居ない時じゃないと来れないけどね」
ヘクトル 「メタ的発言は自重」
リン   「何にせよ、早く行った方がいいわね……って…誰か」
アイク  「敵かもしれん…構えろ!」
マルス  「待って兄さん!…あれは……マリーシア!?」
マリーシア「マルス様!?…びええぇぇん!(´;ω;`)」
マルス  「うわぁ!…よ、よしよし大丈夫だよ」
エフラム 「マルス…まさかお前がロリコンだったなんて知らなかったぞ」
一部以外 (…ツッコミたい!お前が言うな。と凄くツッコミたい!!)
エリンシア「貴方は確か誘拐されたはずでは…?」
マリーシア「うん、でも新・紋章の謎のとある画像で銀髪じゃないって分かったから、開放して貰えたの」
リン   「メタ的発言は(ry」

その後兄弟家一同はマリーシアから様々な情報を得た。
誘拐されたのは全員100%銀髪or巫女の少女である事(えっ、ミカヤは年齢的に少女じゃない…こまけぇことは(ry))、
上記に満たない少女は直ぐに解放した事、そして漆黒の騎士が、普通ではない事を……

セリカ  「そもそもこんな事する時点で普通じゃないのは当然よ!」
アルム  「こう見えても長い付き合いだしね…やはり何かおかしいと思うんだ」
アイク  「あぁ。だが……正気じゃないのなら、殴って目を覚まさせるまでだ」
エリンシア「ソレでは塔の上へと行きましょうか。ミカヤお姉様達を、救い出す為に…!」
一同   「おおーっ!」

276 :運命の歯車 3/4:2010/07/03(土) 21:14:35 ID:roFHFmCq

???????
「ぐるるる……GYAWOOOOOO!!!」

一般巫女A「!!…い、今の…聞こえましたか…?」
一般巫女C「ええっ、よく聞こえたわ……竜の咆哮ね」
ミカヤ  「しっ!静かにして!」

ミカヤ達一行は、漆黒の騎士の中の人(?)の思い通りに部屋を抜け出し、塔内を静かに歩いていた…
新・暗黒龍24章外伝からは想像もつかないが、塔の中は一種の迷路である。何重にも入り組んだ、恐怖の迷路である。

ミカヤ  「こういう時程、武器があると心強いと思える事は無いわね…」
ユリア  「はい…私も同じ気持ちです」
ティニー 「イシュタルお姉様…」
イシュタル「大丈夫よティニー。私がついているからね(ああっ…ユリウス様…」
ミカヤ  (恐らく今頃はアイクやシグルド達が助けに来てるはず。でも大きな声を出して助けは呼べない…
      騎士様…いや、あの『別の誰か』の誘拐犯に、私達が脱走した事がバレてしまうから…
      バレたら最後、武器を持たない私達は抵抗出来ずに…
      何か、声を出さずに…彼らに位置を教える方法を考えなくちゃ…)
サラ   「…どうやら、ミカヤはリーフ達とコンタクトを取る方法を考えているみたい。
      私のワープの杖は取り上げられちゃったし、今は閃きを信じるしかないわね…」

シグルド 「…くっ、ここは迷路か…?」
ロイ   「迷うなぁ」
アイク  「罠がはってあるかもしれん。足元等に充分気をつけろ」

アイクの言う通りである。彼らが立ち入る場所は、聖域にあらず。漆黒の騎士の縄張り(?)といってもいい。
何が待ち構えていても不思議ではないのだ。…急ぎたくなる気持ちを抑え、彼らはゆっくりと通路を歩いていく。
…そして彼らは、一つの広い空間へとたどり着いた。

アイク  「ぬっ、広い空間へと出たな」
セリス  「あ、あ、あれは……!?」
屍竜   「GYAWOOOOOOO!!!」
一同   「「「「ドラゴンゾンビ!?」」」」

…ドラゴンゾンビ。それはかつて死に絶えた竜が、魔の力によって蘇った姿である。
生来の高いHPと能力はそのままに、守備力を貫通し万物を融かす死の息吹を吐き出す事が出来る…。
正に、絶望の化身と呼ぶに他無いだろう。

277 :運命の歯車 4/4:2010/07/03(土) 21:15:54 ID:roFHFmCq

リーフ  「り、理不尽だ…!?」
エフラム 「この感じ…ハードラグドゥ遺跡最下層の奴を連れてきたのか!」
ドラゴンゾンビ「GYAWOOOOOOO!!!つ『腐敗のブレス』」
セリス  「ぐわあああ゙あ゙あ゙ア゙あ゙あ゙あアああァ!!?」
エリンシア「リザーブッ!!」
セリス  「うっ…ぐ……あ、ありがとう、エリンシア姉さん」
アイク  「コイツが待ち構えていると知っていたなら、キルロイを呼んでいたが…」
リン   「エリウッド兄さんは早く武器をドラゴンキラーに変えて!追撃されちゃうわ!」
エリウッド「…こういう時に使えないとかどれだけイラナイ子なんだよ僕の専用武器…(´・ω・`)」
アイク  「……仕方ない。リスクは高いが、一斉に攻撃を仕掛けるぞ。…1,2の……!?」
???  「フォルセティッ!!」

…その瞬間、屍竜の全てが吹き飛んだ。
圧倒的な緑色の暴風は屍竜の意識を奪い、魔が染み込んだ肉を切り裂き、骨を砕いて砂塵へと変えた…
その暴風は、ある古代竜族の祝福を受けた、最上位の風魔法を誇る魔道書から放たれたモノである。
…そしてその魔道書の持ち主は、今…姿を現した…。

セリス  「セティ!?」
セティ  「みんな、大丈夫か…!?」
アイク  「ああっ…感謝する
      お前とはいつか手合わせしてみたいものだ」
ヘクトル (今はそういう事言う時じゃねーだろ!?)
アルム  「どうしてココに?」
セティ  「紋章町BBSのある書き込みを見て、ティニーが誘拐された事を知ったんだが…
      ガトー氏に相談しに行ったら、丁度みんなが向かったと聞いてね…私も送って貰ってきた」
セリカ  「そうなの。…貴方が来てくれて心強いわ!」
アイク  「だが、今のフォルセティで俺達が助けに来た事が漆黒の騎士にバレたな……急ぐぞ!」
他一同  「ああっ!!」

ミカヤ  (アイク…エリンシア…シグルド……『!?』…シグルド!そうよ、その手があったわ!)
サラ   「クスクスッ…何か良い手が思いついた?」
ミカヤ  「ええっ、そうよ。この方法なら、誘拐犯にバレずにアイク達に助けを呼べるわ!」
他一同  「……ゴクリッ」
ミカヤ  「ティニー、イシュタル…貴方達二人は今からKINSHINしなさい!!」

イシュ・ティニ ( ゚Д゚)…

イシュ・ティニ (゚Д゚)

ミカヤ  「こっち見んな」

5章へ続く。