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Last-modified: 2012-09-01 (土) 01:57:38

136 :幼女の旗の下に:2010/07/28(水) 18:41:09 ID:li8M2Uqr

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5 指輪を買う …こういうアクセサリーってのも女の子は喜ぶかもな…俺にはよくわからんが…

エフラム 「そうだな…今時の少女達がアクセサリーやら何やらをつけてはしゃいでる姿をたまに見かけるし…
      サラも案外そういうのが好きかもしれんな」
アクセサリーとしてパッと浮かんだのは指輪、イヤリング、ネックレスというところである。
このうちイヤリングは「幼女が耳に穴を開けるなど許さんぞ!」というわけで却下。
ネックレスも少し派手な気がするし、「指輪がよかろう」という結論になった。
エフラム 「そうと決まれば道具屋に寄っていくか」

商店街に足を伸ばすと道具屋を覗いてみる。
様々なアイテムが所狭しと並んでいる。
ララベル 「ララベルのお店へようこそ。なにがお望みなの?」
エフラム 「指輪だ」
ララベル 「色々あるわよ。パワーリング、スピードリング、マジックリング…掘り出し物で天使の指輪なんてのもあるけど」
エフラム 「いや…そういったものではなくてだな。普通の装飾品でいいんだ」
ララベル 「あら…ひょっとして彼女に送る婚約指輪?」
好奇心に満ちた瞳だ。
ララベルに限らず女性はこういう話が大好きだ。
エフラム 「違う。ただの贈り物だ」
ララベル 「照れなくてもいいのよ? それでお相手の指のサイズはどのくらいかしら?」
エフラム 「む…」
さっぱり考えてなかった……
どのくらいだろうか…サラの手の小ささを考えるとかなり小さいだろうが…
ララベル 「合わなければ作り直すけど…まず確認してきた方がいいんじゃないかしら。
      いい、左手の薬指のサイズを確認するのよ?」
エフラム 「なるほど…そうかわかった。また来る」
ララベル 「ええ、待ってるわね」
指ごとに指輪の意味が異なることなどエフラムは知るよしもない。
店員に左手の薬指と言われると、そういうものなのだろうと考えた。
何分ファッションの事に疎いエフラムである。指輪は左手の薬指に嵌めるのが作法なのだろう、と納得する。

店を出るとまっすぐサラのマンションへと向かう。考えてみるとサラの家に行くのは初めてだ。
エフラム 「マンフロイ殿と2人で暮らしてるんだったな…」

137 :幼女の旗の下に:2010/07/28(水) 18:41:58 ID:li8M2Uqr

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サラのマンションは駅から近い一等地に建っていた。
25階立てのなかなか立派なマンションだ。
ヒーニアス&ターナやラーチェルやミルラ達もそうだが自分の知り合いには何気に裕福な人間が多い気がする。
エフラム 「ふむ…む? 開かんな」
入り口にはインターホンがある。住民の部屋番号を押して開けて貰わないと入れない方式だ。
そういえば事前にサラが言っていた。
エフラム 「2507っと…」
サラ   『はい、兄様ね』
エフラム 「まだ何も言ってないんだが…どうしてわかった?」
サラ   『勘? ま、そんな事はいいわ。開けるから入ってきて。エレベーターは突き当りね』
エフラム 「わかった」
言われた通りに進み、サラ宅の玄関までやってきた。
チャイムに指を伸ばすと、押す前に扉が開く。
エフラム 「……もしかして俺はどこかで監視されてるのか? ここまでタイミングを読まれるとは…」
サラ   「ふふふ、さあね? それはともかくいらっしゃ……はぁ」
エフラム 「どうした?」
サラ   「兄様…女の子の家を訪ねるのにそのスタイルはどうなの…」

身に纏ったバカ一代のシャツ、サンダル履き、手に持った風呂桶&お風呂セット。
まるで銭湯帰りのおっちゃんだ。

エフラム 「風呂入りに来たんだから楽な格好でいいと思ったんだが…なんかまずかったか?」
さっきのララベルも突っ込みたくてしょうがなかったのだがお客なので顔にも言葉にも出さなかった。
だがサラは容赦ない。
サラ   「兄様…センス皆無ね…まぁそういう期待を兄様にするだけ無駄だけど…さ、上がって」
エフラム 「けっこういいと思うんだがな…」
サラの家は2人で住むにはかなり広い。
居間ではトランクを抱えたマンフロイの姿があった。
マンフロイ「おお婿殿来て下されたか」
エフラム 「誰が婿殿だ、誰が」
マンフロイ「うむそうじゃな。婿よりも嫁の方がよかったのう」
エフラム 「だからな…」
マンフロイ「それじゃあ後はよろしくお頼み申す」
エフラム 「…何の話だ?」
マンフロイ「何って…ワシは明日までロプト教の用事で出張するゆえ、今夜一晩泊まっていってサラの面倒を見てくれるんじゃろ?
      サラからそう聞いておるが?」
エフラム 「一緒にお風呂としか聞いてないんだが…」
サラ   「あら。こんないたいけな小学生に一晩一人でお留守番させるというの?
      こんな物騒なご時勢だもの。兄様はそんなことしないよね?」
マンフロイ「エフラム殿なら安心して任せられるからのう。それに万一過ちがあっても責任とってサラを貰ってくれるならワシはかまいませんぞ?」
エフラム 「……その発言はいろいろ自重しろ……」

すでにエフラムに退路は無かった。

138 :幼女の旗の下に:2010/07/28(水) 18:42:41 ID:li8M2Uqr

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グランベル社人事部ではシグルドをどのポストに付けるかで調整が行われていた。
アゼル  「来期に空きになる課長ポストは2席です。一人が定年退職、もう一人が昇進予定ですので…
      総務部管理課と営業部生活販売課になりますね」
フィラート「そうじゃのう…シグルド係長は渉外で実績をあげたわけじゃし…販売課長の席がよいじゃろう。
      幹部研修が終わったら現課長の補佐にして引継ぎさせ、来期になったら課長職とするよう取り計らおう」
アゼル  「わかりました。では書類を社長に提出しておきますね」
フィラート「うむ頼む」
手早く文書を纏めたアゼルは決済書類を社長秘書に提出した。
優れた補佐役を得ることができず、業務に追われていたクルトがその書類に目を通したのは定時過ぎのことである。
党の事会社の事幾つもの要因に悩み苦しみ、頬はこけ、痩せた姿が痛ましい。
クルト  「…シグルド…? 初めて聞く名だが…」
秘書   「少し前にヴェルダン支店で大きな実績を挙げた社員ですよ。評判になったではありませんか」
クルト  「……ああ…ああ!…思い出した…そうか、人事でも昇進させる事にしたのか…」
人事部の考課表に目を通していく。
クルトが判子を押せば内定は決定になる。

クルト  「アルヴィスと同期入社…ふむ…」
シグルドの同期は概ね係長または課長補佐、あるいは地方の支社幹部となっている。
その中では出世は遅いほうだが、今回の人事でアルヴィスと並ぶ事になる。
もっとも重役の座をアルヴィスが蹴らなければ再び大きく差が付いていたところだが。
クルト  「実績はよいが補佐を短期間で飛ばすに近いな…通常なら何年か課長補佐をさせるところだが」
秘書   「…このところベグニオンに押されて社内の士気も下がってますから…ヴェルダンの件は明るい材料になりますし、
      フィラート部長もその当たりを考えたのではないかと」
クルト  「そうだな…他の社員達も…これに続けと奮い立ってくれれば……っ」
秘書   「社長!?」
クルト  「ああ…悪いがそこの頭痛薬を取ってくれ…」
秘書   「どうぞ」
薬を飲んだクルトは軽く息を付いた。
クルト  「すまないが今日はもう休む…明日の用意をしておいてくれ」

139 :幼女の旗の下に:2010/07/28(水) 18:43:22 ID:li8M2Uqr

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アゼル  『シグルドさん、おめでとうございます!』
シグルド 「やあアゼル…もしかして?」

人事部のアゼルからの電話にシグルドはワクワクしながら続きを促す。
アゼル  『ええ、生活販売課の課長補佐、来期の課長職が内定しました!
      後は社長の決裁待ちです』
シグルド 「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!! 」
アゼル  『幹部研修の書類も用意しておきますから、休暇中ですみませんが時間のある時にでも人事に顔を出してくださいね』
シグルド 「ああ、明日にでも顔を出すよ。知らせてくれてありがとう!」

万年係長と呼ばれた男が万年係長を脱出しようとしている頃、
ディアドラは自宅で祖父の世話をしていた。
…と言っても使用人も多い大貴族の家の事、特に負担にはならないが。
アズムール「いつもすまんのぅ…」
ディアドラ「いいえ、大丈夫ですよおじい様」
祖父の食事の世話を終えるとTVでも付けてのんびり話し相手になる。
アズムール「クルトはいつも帰りが遅いのう」
ディアドラ「お父様は多忙ですから…」
アズムール「そうじゃのぅ…時にディアドラや?」
ディアドラ「はい?」
アズムール「そなたの婿はまだ決まらんのかのう?」
ディアドラ「あ…それは…ええと…」
アズムール「ああ…ああ…別にせかしはせん。原作と違いナーガの使い手は竜王家じゃし」
ディアドラ「おじいさまメタ話は…」
アズムール「すまんのぅ…じゃが伝統あるバーハラの家を絶やさぬよう立派な婿を取ってほしいのじゃ…」
ディアドラ「ええ……」

不安は幾つもあるが…身分差のある恋愛は障壁も高いが上手くいった例も無いわけではない。
ディアドラはシグルドの躍進を祈ってやまなかった。

140 :幼女の旗の下に:2010/07/28(水) 18:44:10 ID:li8M2Uqr

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サラのマンション…
夕食を終えた2人は洗面台の前に並んで仲良く歯磨きしていた。
エフラム 「いいか。歯は時間をかけて丁寧に磨くのだ。歯茎の間は特に念入りにな。ああ、そうじゃない。
      もっと手の角度を…」
人の歯磨きの仕方まで事細かに口を出してくる。
サラ   「兄様うざい…」
エフラム 「虫歯にならんためだ。こうだこう」
サラ   「むぐむぐ…」
サラの手に手を重ねて実演してみせる。
エフラム 「そうだ、丁寧にな。強すぎず弱すぎずだ。力を入れすぎると歯茎を傷めるかもしれんからな」
サラ   「ディープなキスをしても痛んだ歯や口内じゃ愛で甲斐がないってわけね」
エフラム 「だから10年早い…よし次はうがいの仕方だ」

歯磨きを終えると居間でまったりした。
サラを膝に乗せてWiiで遊ぶ。
いくつか対戦ゲームをしたが戦績はエフラムの惨敗だった。
サラ   「兄様…弱い…つまんない」
エフラム 「悪かったな…最近はゲームやる時間があまりないんだ」
だがどことなくサラはホクホク顔だ。

そうこうしているうちに時計の針は9時を指した。
エフラム 「よし、風呂入って寝るぞ」
サラ   「え、もう?」
エフラム 「ゲームは一日1時間、それに小学生は10時くらいには寝ないといかん」
サラ   「兄様硬いのね…ま、いいわ。それじゃあ一緒に入りましょ」
エフラム 「最初に言っておくがタオルは巻けよ」
サラ   「…ホントは見たいクセに…」
エフラム 「…あのな…」

脱衣所に入ると二人は服を脱いでいく。
白く細い姿を脱衣所の鏡に映して長い髪を上げて纏めたサラはからかうような笑みをエフラムに向けた。
サラ   「兄様ドキドキしてる?」
エフラム 「バカ言うな。何度も言うが俺はロリコンではない。ほらタオル」
サラ   「…無理しちゃって…」
エフラム 「あまり大人をからかうもんじゃない」
腰にタオルを巻くと風呂桶を持って風呂に入る。
エフラム 「ふむ、立派な風呂だな」
サラ   「無駄に広いだけよ」

141 :幼女の旗の下に:2010/07/28(水) 18:44:52 ID:li8M2Uqr

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お湯を浴びると風呂に入ってまったりした。
風呂にはエフラムが持ってきたアヒルのおもちゃが浮かんでいる。
エフラム 「ファが好きでなこれ」
サラ   「…あら幼稚園児扱いかしら? もう…兄様のストライクゾーンがそこまで下がっていたなんて…
      もはや小学生では満足できないのね…クスン…」
エフラム 「泣き真似すな」
サラ   「もうちょっと焦るとかしてよ。兄様の意地悪」
エフラム 「俺が悪いのか?」

軽く頬を膨らませたサラは湯船に入るとエフラムの膝に腰を下ろした。
最近ではこの仕草は自然なものになっており、エフラムも何も言わない。
エフラム 「まったく仕方の無いやつだ」
ポフポフとサラの頭を撫でてやる。
湯気を吸って湿った髪の手触りが心地よい。
サラ   「くすくす……そして私の白いうなじにハァハァする兄様…犯罪するなら絶好の機会だよ?」
エフラム 「お前な…」
軽く耳を引っ張ってやる。お仕置き代わりだ。
サラ   「ひどい、兄様の意地悪」
肩越しに振り向いて恨めしそうな視線を向けるサラだが、エフラムは気にしない。
しかし確かにサラは白くて肌も顔立ちも綺麗だと女性に関心の薄いエフラムですら思う。
口に出すと弄りまくられるので言わないが。
サラ   「ま、いいわ。髪洗ってくれる?一人で洗うのは大変なの」
エフラム 「ああ、わかった」
サラ   「変な気を起こさないでね?」
エフラム 「…そういう事言うならやめるぞ…」

142 :幼女の旗の下に:2010/07/28(水) 18:45:36 ID:li8M2Uqr

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風呂椅子に腰掛けたサラの長い髪を懇切丁寧に洗ってやる。
シャンプーを付けて長い髪を時間をかけて磨いていく。
サラ   「指の腹を使って丁寧に…爪は立てないようにね?」
エフラム 「わかったわかった」
サラ   「もぅ…何か気の利いたセリフはないの兄様?」
エフラム 「俺に何を期待する?」
サラ   「今思ってる事を正直に言えばいいわ。サラの髪は綺麗…とか
      さわり心地がいい…とか、幼女ハァハァとかね」
エフラム 「最後のは思ってないぞ!」
サラ   「そう…ふふふ、じゃあ他2つは思ってるのね。無粋な兄様には珍しいことだけど
      正直に言ったから許してあげる」
しまったとばかりに顔を歪める。
だがまったくの本音だったのでどうしようもない。
充分に洗った髪に思い切りシャワーを浴びせる。
サラ   「ぷわっ!? …流すなら言ってよ兄様の意地悪!」
エフラム 「大人をからかったお仕置きだ」
サラ   「もう……ま、いいわ。次は体を…」
エフラム 「自分で洗え。俺も自分で洗うから」
サラ   「本当は洗いたいくせに」
エフラム 「なんと言われようとそれはならん。絶対ならん。重ねていうがならん」
サラ   「兄様の理性と本能が大バトルの真っ最中です…本能の回し蹴りが決まった!
      だうーん!カウント1、2、3…理性立てないたてな~い」
エフラム 「…妙な実況入れるな…俺の理性はしっかりしている」
サラ   「ちぇっ…つまんない…」
エフラム 「何度も言うがもしおれが本当に変質者だったらどうする…ちゃんと自分の身に気を使ってだな…」
サラ   「兄様…やっぱり変質者だったのね…でも兄様ならいいよ?」
エフラム 「例えばの話だ例えばの…ってか問題発言すな」

143 :幼女の旗の下に:2010/07/28(水) 18:46:59 ID:li8M2Uqr

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まぁ…いろいろ危険を跳ね除けて風呂を上がるとサラの髪をドライヤーで乾かしてブラシを入れてやる。
長くて手入れも大変だが、その甲斐あってふわりと広がる髪が見目麗しい。
自分の仕事にそこはかとなく満足してると、指輪の件を思い出した。
サラ   「兄様…今日は一緒に寝てくれるんでしょ?」
エフラム 「うむ」
マンフロイの甚兵衛を借りて着込む。
サラはちょっとセクシーなネグリジェを着ようとしたので無理やりパジャマを着せた。
エフラム 「ちょっと左手を出してくれ」
サラ   「もしかして薬指に指輪でもくれるの?」
ニヤニヤとからかう笑みを浮かべているサラに対しエフラムは真顔で返した。
エフラム 「どうしてわかった?」
サラ   「…え?」
一瞬ポカンとした表情を浮かべる。サラには珍しい。
だがエフラムは気づかずにサラの指のサイズを測った。
エフラム 「やはり細いな…」
サラ   「……なんとなくオチは想像つくけど…ふふふ…そーなんだ…」
すぐに普段の表情を取り戻して見せる。
サラ   「私は別に愛人でいいんだけど…兄様がそこまで…ね?」
エフラム 「何言ってるんだお前は…いろいろ頑張ってくれたから褒美だ」
サラ   「やっぱり…ま、いいわ。後で教えてあげる」
なにやらもったいぶると大きなベッドに飛び込んで顔を埋める。
サラ   「さ、兄様。思う存分幼女分を補充するといいよ」
エフラム 「変ないいかたすな。単に寝るだけだ」
サラ   「無理しちゃって」
エフラム 「…なら俺は床で寝るぞ」

なんのかんの言いながらもエフラムはサラの隣で眠りに付いた。
サラ   「相変わらず寝つきのいい兄様ね…どうしよう…ふふ」

続く

1 額に肉と書く 基本ね、油性マジックを使いましょう
2 素直に寝る  ま、たまにはいいわ。兄様にくっついていい夢みよ…
3 夢を覗く   兄様はどんな夢を見てるのかしら?
4 夢に参加する 兄様の夢に入ってみよ、何しでかそうかな…