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Last-modified: 2012-09-01 (土) 02:08:27

197 :雨の日の思い出:2010/08/01(日) 15:31:35 ID:KKKsfpMv

僕の名前はマリク。カダイン学院で魔法を勉強している魔法使いだ。
今、僕は友人のエルレーンと共に仲良く論文を書いている。
エルレーンは僕の親友で同じクラスの魔法使いだ。
僕よりも成績優秀で次期カダイン学院教授最有力候補だ。

エルレーン「マリク…顔色が良くないが大丈夫か?」
マリク「そうかな…最近ちょっと寝不足だからかもね。」
エルレーン「無理するなよ。」
マリク「ああ、ところでエルレーンは何を書いてるんだ?」
エルレーン「ん?ああ、エクスカリバーを使うには、だな。」
マリク「……そう。頑張りなよ。」
エルレーン「まあ新暗黒と新紋章verなら俺も使えるんだがな。」
マリク「メタ発言はやめとくんだ。」
エルレーン「気にするな。おっと、もうこんな時間か。」
マリク「いけない、エリス様と待ち合わせがあるんだ。」
エルレーン「お熱いなー。まあ楽しんでこいよ。」

エルレーンと別れて慌てて学院の門に向かう。
エリス様は僕の先生で、僕の大事な人でもある。
エリス様は僕達より少し早く卒業し、杖術の講師をしている。
そしてここで再開した時、ある事件をきっかけにして僕は告白した。
結果として僕とエリス様は世間一般でいう恋人となった。
まあ、一緒にいるのは楽しい。ちょっと問題もあるんだけどね…

待ち合わせ5分前に到着、エリス様は…もう待っていた。
エリス「ああ、マリク!会いたかった。」
いきなり抱き着いてくる…ああ、周りの目が痛い…
そう、問題ってのはこの過剰なまでの愛情表現なんだ。
過去に僕がとある試験に合格した時には授業そっちのけで来たこともある。
いや、愛されているのはとっても嬉しいんだけど周りに迷惑は…ね。

マリク「今日はエリス様に夕食を作ってもらえるので楽しみです。」
エリス「マリク、エリスって呼んでよ。様なんていらないわ。」
マリク「エリス様はまだ僕の先生ですから…」
エリス「エリスって呼んでくれないのね…嫌われたんだわ…」
マリク「ああ!わかりました!わかりましたから泣かないでください!」
エリス「本当に?」
マリク「エ、エリス…の夕食が楽しみだなー…」
エリス「今日は頑張って作るから楽しみにしててね!」
そう言ってまた抱き着かれる。いや、抱き着いてくれるのは嬉しいけど…
うぅ…また視線が痛い…早く家に向かおう。

198 :雨の日の思い出 2/5:2010/08/01(日) 15:33:07 ID:KKKsfpMv

台所から美味しそうな香りとエリス様の鼻歌が聞こえてくる。
今日来たのはエリス様の実家である。両親はいないので一人暮らしらしい。
高校、大学時代は留学したため向こうに引っ越していたらしいが、
最近こっちで講師になったため再びこちらに来たらしい。

エリス様の家は綺麗で何だかいい香りがする…ドキドキしてるな。
あれ?初めてエリス様の家に来たはずだが…見たことがあるような…?
気のせいかな?似たような家に行ったことがあるのかもしれない。
それにしても眠い…昨日は夜中まで論文を書いていたから寝不足だ。
エルレーンに指摘されるまで気づかなかったが体調もよくないかな。
それでもエリス様の手料理のために頑張って来たんだけどさ…
エリス様には悪いけど料理ができるまで少し寝よう…

???「マリクー、きょうはなにしてあそぶ?」
どこか見覚えのある青い髪にまだ幼い顔立ちの少年が近くにいた。
その横にはマリクと呼ばれた同じくらいの少年がついて来ていた。
マリク「マルスさまとたんけんごっこ!」
マルスと呼ばれた少年はマリクの手を引っ張ると走りだした。
2人が遊んでいると急に雨が降り出してくる。
慌てて近くの建物の軒下に雨宿りするが2人はびしょ濡れであった。
そこへ傘をさした青い髪の小学6年生頃の少女がやって来た。
???「マルス、マリク。傘持ってきたわよ。」
マルス「エリスおねえちゃんありがとー。」
エリスと呼ばれた少女は子供用の傘をそれぞれ2人に渡した。
エリス「とりあえず2人ともうちにおいで。風邪引いちゃうわ。」
マリク「ありがとーございます。」
3人は仲良く並びながらエリスの家へと歩きだした。

エリス「……ク、ご飯できましたよ。起きてください。」
マリク「…あ、ごめんなさい。眠ってしまったようです。」
エリス「疲れてるんでしょう。私の料理で元気だしてね。」
目の前には見るからに美味しそうな料理が並んでいた。
マリク「ありがとうございます。いただきます。」
うん、美味しい。やっぱりエリス様の料理は美味しい。
普段から弁当を作っていただいているので料理は食べていたが、
出来立ての温かい料理を食べるのは初めてだ。
エリス「どう、美味しい?」
マリク「はい、美味しいです。これならたくさん食べれそうです。」
エリス「おかわりもあるからゆっくり食べてね。」
ニコニコしながらゆっくりと食べるエリス様。幸せそうだなぁ。
こうしてエリス様の夕食を僕はゆっくりと楽しんでいった。

199 :雨の日の思い出 3/5:2010/08/01(日) 15:34:20 ID:KKKsfpMv

ふぅ…少し食べすぎてしまったかな。少々苦しい。
エリス様は僕が美味しそうに食べるのを幸せそうに見てきたし、
何よりも、美味しかったからか僕もつい食べすぎてしまった。
さて、もう夜だし帰らないと…
マリク「エリスs…ごちそうさまでした。そろそろ帰ります。」
エリス「あら、雨が降ってきたみたいだけど大丈夫?」
窓から外を見ると外はまるで台風のような強さの雨風だった。
エリス「無理して帰らずに泊まっていってもいいのよ?」
マリク「あー…困ったな…」
泊まらせてもらえるのはありがたいが、僕も健全な男性だ。
ちょっとしたことで結婚前に過ちを犯しても困る…な。
……あれ?さっきから少し身体が変だ……?
エリス「大丈夫?何だか顔が赤くてハァハァしてるわよ?」
マリク「だい…じょうぶ…です…」
どうしたんだ僕の身体は…ふらふらしてる…?
エリス「熱は…」
エリス様が額に額を当てる…や、やばい…ドキドキする。
な、何故だ?そんなことをされただけでエリス様が愛しくなる…
エリス「熱があるみたいね…大人しく泊まったら?」
いや、それはダメだ…今の僕だと……エリス様を…
マリク「すいません…お言葉に甘えます。」
エリス「なら私の部屋の隣の部屋を使ってね。着替えもあるから。」
ああ…こうなったら早く寝よう…寝不足を治さないと。
………ところで何故着替えがあるんだろう…?

ふらふらな身体でエリス様から聞いた部屋へ向かう。
ハァ…ハァ…身体が熱い…風邪かな…寝不足だからだろうか…
ふらふらになりながらも何とか部屋に到着、入ることができた。
部屋には綺麗に整理されたベッドと本棚、たんすがあった。
とりあえず今はベッドに行くことにしよう…早く寝たい…
ベッドに倒れ込むとあっという間に僕の意識は沈んでいった…

マルスとマリクはびしょ濡れの服を脱ぎ、エリスからタオルを貰う。
マルス「まりくーだいじょうぶか?顔があかいぞ?」
マリク「だ、だいじょうぶです…くちゅん!」
エリス「マリク、大丈夫?」
エリスはマリクの額に額を合わせ熱がないか確認する。
マルス「あーまりくずるーい。えりすおねえちゃん、ぼくにもー!」
エリス「待ってねマルス。んーやっぱり熱があるわね。」
マルス「まりくはだいじょうぶじゃないの?」
エリス「うーん…とりあえずベッドに寝かせてくるわね。」
エリスはマルスに着替え(昔のエリスの服)を渡し、マリクを抱える。
そのままマリクを連れて自分の部屋の隣にある部屋へ運び、寝かした。

200 :雨の日の思い出 4/5:2010/08/01(日) 15:35:04 ID:KKKsfpMv

マリクをベッドに寝かしたエリスはまず電話をする。
エリス「あ、もしもし。マルス君のお姉さんですか?」
ミカヤ「はい、その声はエリスちゃんね。どうしたの?」
エリス「マルス君が雨で濡れてしまったので迎えに来てもらいたくて…」
ミカヤ「あらあら、それはありがとうございます。今すぐ行くわね。」
エリス「はい、お願いします。」
エリスは電話を切るとすぐに台所に向かう。
まずは冷凍庫から凍りまくらを、冷蔵庫から冷えピタを取り出す。
次に沸かしたお湯を冷ました湯冷まし、棚からは風邪薬を取り出す。
それらを持ってマリクの寝ている部屋に行き、テキパキと準備する。
ミカヤがマルスを迎えに来る頃にはマリクは楽になってきていた。

ミカヤ「エリスちゃん、ありがとうね。」
玄関で着替えと傘を持ってきたミカヤがエリスに礼を言う。
マルスはその着替えを受け取りそそくさと着替えていた。
ちなみにミカヤはエリスの服を着ていた姿を撮影していたりする。
エリス「いえ、たまたま見かけたので…」
これは嘘だったりする。2人の姿を見て追い掛けていた。
たまたまテレビでやっていた天気予報でにわか雨が降ると聞いたからだ。
ミカヤは着替え終えたマルスを連れて仲良く手を繋いで帰っていった。

エリスが急いでマリクの元へ行くとマリクは穏やかな顔で寝ていた。
エリス「これなら大丈夫そうね…」
寝ているマリクを見るとエリスも釣られてうとうとし始めていた…

目が覚めると僕の横には座りながら寝ているエリス様がいた。
そうか…この部屋、この家に来たことはあったんだ…
さっきと今見た夢はその時のことか…全然覚えてなかったな…
そんなことを考えているとエリス様が目を覚ました。
エリス「マリク、大丈夫?」
エリス様の顔は僕を心配してくれている。
体調は…かなり楽になったかな。気分も悪くない。
マリク「はい、だいぶ楽になりました。」
エリス「よかった…」
マリク「昔…昔も今見たいに看病してもらったことがありますよね?」
エリス「…覚えているの?」
マリク「今…見た夢の中でもエリス様に看病してもらいました。」
エリス「あなたは子供の頃から無理をするとすぐに風邪を引いたわね。」
マリク「はい…昔からすぐに体調を崩してしまいましたね。」
確かに僕は今でも無理しすぎると体調を崩しやすい。けど…
マリク「そんな僕をいつも助けてくれた…エリスが…ありがとう。」
エリス様は顔を赤くして照れていた。きっと僕もだけど。
マリク「だからエリスに何かあった時は…僕が助けます…必ず。」
エリス「ありがとう…でも無理しないでね。」
僕たちは2人で助け合って生きてきた。もちろんこれからもだ。
そうやってずっと生きてきたのだから…これからもずっとできる。
そう思いながら僕はエリスを抱きしめるのであった。

201 :雨の日の思い出 5/5:2010/08/01(日) 15:35:45 ID:KKKsfpMv

エリスの独白

今日は大好きなマリクを家に誘い、夕食をご馳走することに成功した。
まあそのあとマリクは体調を崩してしまったので残念だったけど。
今日に備えていろいろと準備してきたというのに…

まず料理を美味しく食べてもらうためにいろいろ頑張った。
エリンシアさんに頼んでいろいろ教えてもらった。
結果、マリクはとても美味しそうに食べてくれた。成功だ。
次に、苦労しているであろうマリクに休んでもらうために泊まらせる。
聞けばマリクは寝る間を惜しんで勉強しているらしい。
勉強熱心なのはいいが、体調を崩してしまうだろう。
だから泊まってもらうためにユンヌさんに頼み雨を降らせてもらった。
確認した際にコノヒトデナシーと叫びながら誰かが飛んでいた気がするけど…
食事後ふらふらなマリクはベッドですぐに寝ていた。成功だ。
しかし、熱が出てきていたので私は冷えピタと凍りまくらを準備し、
湯冷ましと風邪薬を持って看病することにした。久々に。

看病しながらうたた寝していたらマリクが目を覚ました。
元気になっていたので頑張った甲斐はあったのだろう。
やっぱり元気なマリクを見るのが1番大好きなことだから…
マリクは昔、こうやって看病していたことを覚えていたらしい。
そしてお礼を言われたあと、抱きしめられた。
今日は頑張ってよかったわ…マリク、大好き!

ユンヌの悪戯

私はマリクとエリスの仲を進めるためにいくつか悪戯をしたわ!
まずエリスの家に興奮作用のあるお香を焚いたわね。
マリクが部屋に入った時に異常にドキドキしたので成功ね。
次にうたた寝したマリクの夢に関与、幼い頃の夢を見せたわ。
ついでにエリスが見てない隙に無味無臭の媚薬をマリクの料理に混ぜる。
これで、マリクはエリスに迫って(自主規制)な展開に…ならなかった。
どうやら媚薬の効果を体調不良と勘違いされたらしく寝てしまった。
つまんないから夢に干渉して似たような夢を見せた。
起きたらマリクはエリス抱きしめたから期待したけど何もなかった。
残念ね…ハァ…
マルス「懺悔は済みましたか?」
ハッ!?この気配はメダリオン!?いやー!!!

終われ