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Last-modified: 2012-09-01 (土) 13:55:29

377 :はじめまして??? 1/5:2010/08/15(日) 00:38:51 ID:mH+j/urj

シグルド 「マルスは遅いな。まだ帰ってこないのか?」
ヘクトル  「お?そういえば見ないな。どこ行ったんだ?」
エリウッド 「え…忘れたのかい?イトコのクリスが来るからって、迎えに行ったじゃないか」
エフラム 「そうか、そういえば今日だったな」
アルム  「そうだよ、朝から姉さんたちみんなで準備してるじゃないか」
リーフ   「あー、台所がガチャガチャしてると思ったら、そういうことか」
エリンシア「ふふふ、ちょうど今準備が終わったところですわよ」
セリス   「後はクリスが着いてから最後の仕上げだけだよ」
アイク   「今でも十分いい匂いがする。これは腹がなるな、今日は手加減できんぞ」
リン    「今までもあれで手加減してたの…?すごい暴食だったけど」
エイリーク「いけませんよ兄上。今日の主役はクリスなのですから」
セリカ   「でも本当に懐かしいわね。何年ぶりかしら?」
ミカヤ   「ひのふのみの……十年くらいかしらね…」

ロイ    「あのさー皆で盛り上がってる所悪いんだけど、僕そのクリスさんの記憶全然ないよ」
ミカヤ   「そうね、ロイは覚えてないかもしれないわね」
エリウッド 「クリスが来てたのは、まだロイがよちよち歩きしてた頃のことだからね、仕方ないね」
エフラム 「元々紋章町にいたのに、引越ししてしまったんだよな」
リン    「それ以来、こっちに来ること全然なかったのよね」
シグルド 「叔父さん達が忙しい方だったからな。盆暮正月全然時間が取れなかったそうだ」
ミカヤ   「それが今日から紋章町に引っ越して帰ってくるそうよ」
エイリーク「これからはご近所でもあるわけです。昔以上に仲良くしたいですよね」
ロイ    「ふーん。でもさー、僕、クリスさんを覚えてないどころか、
       イトコなんて存在がいた事すら知らないんだけど、おかしくない?」
エイリーク「まぁ、あまり家での話題には上りませんでしたからねぇ」
セリカ   「正直記憶が曖昧なのよね。私も幼かったし」
ヘクトル  「はっはっはっ、実は俺もイトコの存在自体忘れ去ってたぜ」
リン    「それはヒドイ。…とは言えないわね。私も忘れてたもの」
ロイ    「もしかしてアルム兄さんみたいに目立たない人なの?」
アルム  「そんなひど…
エフラム 「いや、それはない。アルムと一緒にしてはかわいそうだぞ」
アイク   「目立たないというわけではないが…、いつもマルスと一緒にいたせいか
        マルスの影に隠れてしまっているような感じだな」
エリンシア「そうですわね…、マルスちゃんの思い出だと思ってたものが、よーく思い出してみると
        実はマルスちゃんとクリスちゃんの思い出だったってこともありますわね」

ロイ    「それでね、初対面同然だから、先にクリスさんのこと教えてほしいんだけど」
リン    「別に良いじゃない。もうすぐにでも会えるんだから、そのまま楽しみにしてなさい」
セリカ   「向こうだって『あの時の赤ちゃん』くらいの記憶しかないだろうし、似たようなものよ」
ロイ    「うーん。それならそういうことにするよ」

378 :はじめまして??? 2/5:2010/08/15(日) 00:39:33 ID:mH+j/urj

リーフ   「いやーでも楽しみだねー。綺麗なお姉さんになってるといいんだけどなーー」
エリウッド 「……はぁ?(´・Д・` )」
ヘクトル  「お前はなにを言っているんだ」
リーフ   「へ?なにか変な事言った?」
アイク   「そりゃ変だろう。クリスは男だぞ」
エリンシア「そうですわ。若いながらも弾けるKINNIKUの持ち主になっているはずですわ」
アルム  「ちょっとちょっと、そっちこそおかしいよ」
セリス   「クリスは女の子だったよ。それを男の子だなんてひどいよ」
エフラム 「そうだ、かわいい妹だったじゃないか」
リン    「そんな筈はないわ。マルスの弟みたいなものだったじゃない」
セリカ   「いや、妹だったわ。むしろ私よりも妹らしかったもの」

ロイ    「え……どういうこと?なんでみんなの記憶が違ってるの?男女どっちなの?」
シグルド 「はっはっはっ、みんな幼かったから記憶違いをしているんじゃないのか?」
ミカヤ   「クリスのことでおぼえてる事言ってみなさいよ」
リーフ   「髪型とかアイク兄さんの真似して修行してたね」
エリウッド 「いや、ロングヘアーだったよ。ハチマキはしてたけど」
ヘクトル  「ポニテだったぞ。リンとクリスからダブルポニテハンマー食らったことある」
アイク   「おかっぱじゃなかったか。座敷わらしみたいな感じで」
エイリーク「モヒカンでしたよ。汚物は消毒だーっていいながら掃除してました」
セリカ   「セルフ・スターライト・エクスプロージョンだったわ。いい僧侶になれそうだったもの」
エフラム 「ちょんまげ」

ロイ    「全然印象が一致しないね。他には何かないの?」
セリス   「そうだなぁー…、あっ!王様ごっこ!」
ロイ    「なにそれ?」
エリンシア「それなら覚えてますわ!マルスちゃんが王様でクリスちゃんが騎士役でしたわ」
アルム  「確かTV見てたマルス兄さんが『王様まっていいなー』って言い出したんだよね」
リン    「それ聞いたクリスが『お兄ちゃんが王様ならわたしきしやるー』って言って」
セリカ   「『おれに何でもめーれーしてください、マルスさま』って…」
エリウッド 「そうそう、それからだよね。クリスが『マルス様』って呼び出したのは」
リーフ   「それまではマルスおにいちゃんって呼んでたのにね」
エフラム 「おにいちゃんの響きの良さが分からん愚か者だな、マルスは」
エイリーク「兄上ェ…」

ロイ    「……ますます訳ワカメ。さっきまでは全然記憶一致してなかったのに
       今度はみんな同じこと覚えてるんだ」
シグルド 「むう…これはいったいどういうことだ…?」
ミカヤ   「おっかしぃわねー。ホントにみんな覚えてないの?」
アイク   「…駄目だな」
エフラム 「まいったな。まさか身内をココまで忘れてしまうとは…」
セリカ   「どうしよう…。もうすぐ来るのにあなた誰?なんて言えないわ」
エリウッド 「大丈夫。まだあわてるような時間じゃぁない」
リーフ   「ミカヤ姉さんとシグルド兄さんなら…二人なら何とかしてくれる」
ロイ    「そうか!ミカヤ姉さんとシグルド兄さんなら十分いい年になってたんだよね」
エリンシア「そうですわね。お兄様、クリスちゃんのこと教えてもらってもよろしいですか?」
シグルド 「………………」ササッ
エイリーク「兄上っ!?なぜそこで目を逸らすのですかっ?」
アルム  「兄さん…まさか…」
ヘクトル  「オイオイオイ!マジカヨッ?」
シグルド 「ははは…。面目ない」
セリス   「み…ミカヤ姉さんは大丈夫だよねっ。ずっと大人なんだもん」
ミカヤ   「………ゴメンネ。お姉ちゃん明日にでも脳トレ買ってくるわ」
リン    「だめだこりゃ」

379 :はじめまして??? 3/5:2010/08/15(日) 00:40:50 ID:mH+j/urj

エリウッド 「まいったね。まさか誰も覚えてないなんて…」
リン    「まさか性格がどうとか、どんな遊びをしたか以前に、性別すら思い出せないなんて」
アイク   「せめて男か女かどっちかくらいは思い出さなければいかんだろう」
セリカ   「そうよね。でないといざ会った時に間違いなく困るわ」
エリンシア「お姉さま、お兄様、なんとか思い出して下さいませ」
ミカヤ   「それがね…どっちも正しい気がするのよ」
ヘクトル  「はぁ?なんだそりゃ」
シグルド 「姉上もか。実は私もだ。少年のクリス、少女のクリス。どちらも正しい気がするんだ」
エフラム 「まってくれ兄上。その当時なら少女というよりはょぅじょと言ったほうが正しくのでは」
エイリーク「兄上、少し黙っててください」
アルム  「両方正しいってどういうことかな?」
セリス   「まさか男のクリスと女のクリスがいるとでも言うのかな?」

リーフ   「ピコーン! なんだそういうことか」
エリウッド 「なにか思い出したことあるのかい?」
リーフ   「思い出したわけじゃないけど、全ての事柄に答えが出せたよ」
エフラム 「………期待はまったくできないが一応聞いてやろう」
リーフ   「つまり… 性別:セリス ってことだよ」
セリス   「え?それってどういうk」
一同    『おおぉーーー!!!』
セリス   「えっ?」
アルム  「あーっ、そっか、そういうことか!」
エリウッド 「どうりで男女の印象が混ざってるはずだよ」
ミカヤ   「性別:セリスならしかたないわね」
セリス   「えっなんでみんな納得してるの?ねぇ?」
アイク   「性格や行動なんかが一致してない説明はつくか?」
リーフ   「人種:アイク これでおk」
アイク   「? そんなのでは説明できn」
一同    『おおおぉぉぉーーー!!!』
アイク   「なにっ!?」
セリカ   「うん!これも納得だわ!」
シグルド 「ああ!人種:アイクなら仕方ない」
エイリーク「そうですね。仕方ないですね」
アイク   「…なぜだ?」

ミカヤ   「よーし、これでもう大丈夫ねっ!」
エリンシア「ええ、あとはクリスちゃんを迎えるだけですわっ!」
アイク   「………なんか納得できん」
セリス   「………ボクも」
アルム  「そう?僕たちは納得できたよ」
エイリーク「はい、すべての疑問は解決しました」
エフラム 「もはや、クリスを迎え撃つのになんの問題もない」
ヘクトル  「どっからでもかかってこいやーーー!」
エリウッド 「なんでそんな好戦的なんだい!?」

マルス  「ただいまー」
リン    「あっ帰ってきた」
エリウッド 「噂をすれば…か。いいタイミングだね」
セリカ   「当然クリスもいっしょよね」
シグルド 「よし、皆でいこう。クリスを出迎えるぞ」
ミカヤ   「いらっしゃ…い?…い……い………」
一家   『いいいぃぃぃぃぃイイイイイイイィィィィィーーーーーー?????』

380 :はじめまして??? 4/5:2010/08/15(日) 00:41:49 ID:mH+j/urj

マルス  「…なに?そんな変な声出して」
アルム  「だって…ねぇ?」
リン    「え…えぇ…だって…ねぇ」
???  「おひさしぶりです。久しぶりにこの紋章町に帰ってきました」
???  「うわー、皆おっきくなってるけど、なんとなく面影があるなぁ」

セリカ   「えっと…なにかおかしくない?」
マルス  「なにが?」
ロイ    「今日家に来るのは、いとこのクリスさんなんだよね?」
マルス  「そうだよ。ああ、ロイは小さすぎてクリスを覚えてないんだね」
エフラム 「いや、ロイじゃなくても疑問がある」
リーフ   「今日訪ねて来るのはイトコのクリスだけの予定。…なのに」
ヘクトル  「なんで『二人も』来てるんだよ!?」

マルス  「ちょっとちょっと、みんな何を言ってるんだい?」
???  「あぁこれは…、やはり忘れられてしまっていたか」
???  「十年くらい会ってないんだもの、しょうがないよね」
マルス  「ひどい人たちだねぇ。ホントに忘れてるの?」
エイリーク「え…えっと…そのぅ…」
???  「そんな事言って、マルス様だって忘れてたじゃないですか」
???  「そーですよー。結構傷ついたんですよー」
マルス  「あはは…ごめんごめん。でもすぐに思い出したでしょ」
エリンシア「あっ、今の『マルス様』っていうのは、確かに聞き覚えがありますわ」
シグルド 「それでは君達が…」

クリス  「はい、いとこのクリスです」
クリス  「はい、いとこのクリスです」

兄弟   『…………は?』
クリス   『ですから、いとこのクリスです』
ミカヤ   「オーケーボーイ。もう一度お願い」
クリス   「従兄弟のクリスです。俺が双子の兄、こいつは妹です」
エイリーク「えっと、ではそちらは…」
クリス   「従姉妹のクリスです。本当は私が姉で、あいつが弟です」
エリウッド 「ふ…双子のクリスとクリス…だって…」
アイク   「なるほど、どおりで俺たちの記憶がゴチャゴチャになってるわけだ」
リーフ   「従兄弟と従姉妹、どっちも イトコ」
セリス   「男女二人のクリスがいたから、いつの間にか記憶が混ざっちゃったんだね」
セリカ   「なんせイトコが居た自体を忘れてたくらいだし仕方ないかも」
ミカヤ   「やっぱり本格的にボケ防止トレーニングしなきゃだめかしら」
エフラム 「とにかくこれで俺達の記憶違いも解決したな。納得ナットク」

381 :はじめまして??? 5/5:2010/08/15(日) 00:42:35 ID:mH+j/urj

ロイ    「できるかーい!!なんで双子が両方ともクリスなの!おかしいでしょ」
ミカヤ   「まぁまぁ、ここは紋章町なんだしそんなこともよくある話…」
ロイ    「あってたまるかーーー!」
エフラム 「まぁロイの気持ちも解らんではないが」
エリンシア「思い出してきましたわ。たしかに『クリスちゃん』は二人いましたわ」
ロイ    「マジデッ!?あり得ないでしょそんなこと」
シグルド 「それが真実だ。確かにクリス(男)とクリス(女)の二人だったよ」
ヘクトル  「昔聞いたことある気もするが…なんでそんな面倒なことになってんだっけ?」
クリス   「俺達が生まれる前、じいちゃんが男女兼用の『クリス』って名を考えてたんだが」
クリス   「実際生まれてきたのは私たち男女両方」
クリス   「急いで別の名を考え始めたがまったく思い浮かばない」
クリス   「そのうちに役所に届ける期限が迫ってきちゃって」
クリス   「焦ったじいちゃん、何を思ったか二人とも『クリス』で書類提出していまい」
クリス   「役所も何も考えず受理。その結果…」
クリス   『完全同姓同名の双子が今ここに!!』
マルス  「さすが紋章町。なにもかもがテキトーすぎる町」
アルム  「あるあr…ねーよ。いや、やっぱアリかな、紋章町だし」
セリス   「そうだね、紋章町だしね」
ロイ    「もうやだこの町……」

マルス  「みんな納得した?それじゃぁもうあがるよ」
ロイ    「僕はまだ納得し切れてないけど…」
セリス   「大丈夫だよ。ロイだってすぐに慣れるよ。だって僕達いとこだもの」
エリウッド 「昔の僕らも特に困ったことなかったね」
リーフ   「だね。それに実際に会ったらイロイロと思い出してきたよ」
アルム  「男のクリスも女のクリスも一緒になってあそんだよね。懐かしいな」
ヘクトル  「一時はどうなるかと思ったが、会ってみれば何の問題もないな」
エフラム 「当然だ。俺達いとこの絆。たかが十年程度で消すことなどできん」
アイク   「ああ、俺達の絆の前には、時の流れなど問題ではない」
リン    「これがさっきまで忘れてた人の言葉かしら」
セリカ   「無駄にかっこよく〆なくてもいいのに」
エリンシア「さ、積もる話はお食事をしながらにしましょう」
エイリーク「そうですね。『クリス』との再開のために準備したのですから」
シグルド 「そうだな。さあ!あがってくれ。歓迎会だ」
ミカヤ   「いらっしゃい。…いいえ、お帰りなさい…かしら」
マルス  「さ、行こう!」
クリス   「それでは…」
クリス   「あらためまして…」
クリス   『おじゃましますっ!!』