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Last-modified: 2012-09-01 (土) 01:50:01

57 :スター俳優マルス 5章1/3:2010/07/25(日) 15:24:04 ID:FL5h4BvR

舞台前日…下山して町に帰ってきたエフラムは一晩泊まるところを探していた
エフラム「参ったな…お金がないからホテルは使えん」
ひたすら迷った末、エフラムは公園のベンチで一晩を過ごすことにした
エフラム(まあ夏だし死にはしないだろ。明日こっそり家の風呂を借りよう)
そんなことを考えながらベンチに座っていると隣に誰かが座った
???「ようやく見つけたよ」
エフラム「ん、誰d…ってお前は!?」
エフラムの隣に座ったのは練習を終えて帰宅するマルスであった
マルス「まったく、散々家族に心配かけて…はいないか」
エフラムはなんだかんだで誰かしらが連絡していたので心配はかけていない
むしろ喧嘩がなくなりエリウッドの健康な日は増していたりする
エフラム「…なあマルス。お前も(シーダさんを取られて)大変だよな」
マルス「いきなりなにさ?まあ(一ヶ月の練習は)大変だったよ」
エフラム「エイリークももう少し(シーダさんを奪う方法を)優しくすべきだよな」
マルス「いや、あの状況じゃ(スパルタ指導でも)仕方がないさ」
エフラム「お前…(恋人を寝取られたのに)意外と元気だな」
マルス「まあ(エイリーク姉さんやシーダとの練習は)楽しかったしね」
エフラム「そうか…あと今日はうちには帰らないからみんなに伝えてくれ」
マルス「あ、ああわかったよ。ミカヤ姉さんに伝えとく。でもどこで寝るの?」
エフラム「ん?ここだが」
マルス「ちょ!?せめて布団と風呂があるところに寝なよ!?」
エフラム「そうは言っても金がないからホテルにはな…」
マルス「…ちょっと待ってて」
そう言ってマルスは少し離れたところで電話し始めた

マルス「あ、オグマ。君の家に一晩だけ一人泊めてくれない」
オグマ「それは構わんが誰だ?」
マルス「君の仲間。具体的に言うとロリコン」
オグマ「…ユミナ達は大丈夫だろうな?」
マルス「大丈夫、手は出さないから。じゃあよろしく」

電話を終えたマルスは再びベンチに戻ってくる
マルス「とりあえずオグマの家に泊まりなよ。あとで制服は届けるよ」
エフラム「悪いな。そういえば明日はお前も行くのか?」
マルス「うん?僕は(主役だし)行かないと行けないよね」
エフラム「そうか…(寝取られた)お前が行くなら俺も行かないとな」
マルス「まあ楽しみにしてなよ」
エフラム「ああ、また明日な」
そういって2人はそれぞれの行く道へ歩いていった

58 :スター俳優マルス 5章2/3:2010/07/25(日) 15:25:00 ID:FL5h4BvR

エフラムとオグマの幼女を守るためのトークが夜まで続いたとか
エイリークとマルスの最後の特訓があったりとかした舞台前日もあっという間に過ぎ
エフラムが昼頃に起きるとオグマ達の姿はなく、きちんとたたまれた制服が置かれていた
エフラムが制服に着替え、覚悟を決めて会場へと向かっていた頃
兄弟家も会場に入り、マルスの舞台を楽しみにしていた
ロイ「ヘクトル兄さんは今日も寝るんだろうね」
ヘクトル「せっかくマルスが頑張ってるのに寝れるか!」
リン「…まあ頑張ってね」
アイク「俺は…大丈夫だろうか」
ミカヤ「最悪起こしてあげるから頑張って」
シグルド「パンフレット買ってきたぞ。みんな見よう」
リーフ「どれどれ」

~合唱 FEのテーマ~
アカネイア小学校学童、幼稚園児童
~暗黒魔王と光の勇者~
アカネイア演劇クラブ

キャスト
光の勇者マリス王子:マルス
シーナ姫     :シーダ
暗黒魔王     :ハーディン
宮廷騎士リーク  :ルーク
宮廷騎士ラディ  :ロディ
宮廷騎士セシリー :セシル
傭兵シグマ    :オグマ
魔法使いマリオ  :マリク
ペガサス3姉妹  :パオラ、カチュア、エスト
旅の踊り子フィーネ:フィーナ
その他裏方やドラゴン役など
エリンシア「うーん、みんなKINNNIKUが足りないわね」

兄弟達は皆マルスの勇姿を楽しみにしていた
しかし控室で予期せぬアクシデントが起こる!突如ルークが倒れたのだ
ルーク「ぐわぁ…は、腹がいてぇ…」
ロディ「ルーク大丈夫か!?」
ルーク「だ、だいじょ…グハッ!!」バタッ
レナ「レスト!…だ、ダメです。意識が回復しません」
オグマ「どうする?ルークの役は比較的台詞も出番も多いぞ」
マルス「……僕に考えがある。レナはルークを病院に、皆は準備して」
一同「はい!」
ちなみにルークの腹痛は会場入り前に付近である女性が売っていた弁当を食べたのが原因である

マルスは観客席へと急いでいた。ルークの代わりをできる唯一の人を目指して…

59 :スター俳優マルス 5章3/3:2010/07/25(日) 15:25:44 ID:FL5h4BvR

兄弟家が集まる観客席ではエフラムが来ないことを皆心配していた
ヘクトル「それにしてもエフラムの奴遅いな」
エリウッド「エフラムもいろいろあるんだろう」
エイリーク「でもエフラム兄上は必ず来るはずです」
マルス「いた!エイリーク姉さん、お願いがあるんだ!」
息を切らせながらマルスはエイリークの名を呼んだ
そう、一ヶ月間マルスや皆の練習を見てくれたエイリークなら代役もできる
マルスはそう信じてエイリークを呼びに来たのである
エイリーク「マルス、もうすぐ開幕なのにどうしたの?」
マルス「ルークが倒れて困っているんだ。エイリーク姉さんに代役を頼みたいんだ!」
ルークが倒れたと聞きエイリークは驚きの表情を浮かべる
しかし困っているマルスの表情を見てエイリークは真剣な表情に変わる
エイリーク「…わかりました。行きましょう」
マルス「ありがとう!こっちだ」
マルスはすぐにエイリークの手を引っ張り走り去った
ちょうどエイリークが見えなくなった時、未だに勘違いしたままのエフラムが来た
エフラム「みんな、久しぶりだな」
ヘクトル「お、来たか」
エリウッド「みんな心配していたぞ」
エフラムは会場を見てずいぶん変わったところで結婚式をやるんだなと考えていた
しかし舞台がどうのこうのと周りの会話を聞いて新たな結論に達した
エフラム「そうか、きっとエイリークの得意な舞台で演出するのか」
普段のエフラムなら自分は勘違いしていたのではないかと考えるのだろう
しかし一ヶ月間勘違いをしていたエフラムにはただの劇とは考えられなかった

エフラム「マルスとエイリークはどうしたんだ?」
ヘクトル「2人とも控室に行ってるぜ」
エフラム「そうか…少し話したかったんだがな」
ヘクトル「終わってからゆっくり話せばいいだろ」
エリウッド「2人とも、そろそろ始まるから静かに頼むよ」
2人「「はーい」」

一方その頃控室では
エイリーク「わかりました。男装なら慣れてますしやりましょう」
マルス「ありがとうエイリーク姉さん。台詞は…」
エイリーク「基本的に全員分の台詞は暗記しています。以前やりましたから」
シーダ「さ、さすがです」
マルス「おっと、そろそろ始まるね。みんな、頑張ろう」
一同「「「「「おー!(はい!)」」」」」

こうして波瀾万丈な予感のする舞台はいよいよ開幕する

終章へ続く…