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Last-modified: 2007-06-30 (土) 22:17:02

闇よりの…

 

ミカヤ「ロイー、早くしないと姉さんおいてっちゃうわよー」
ロイ「待って待って、すぐ行くから待って!」
エリンシア「ロイちゃん、ハンカチ持った?迷子にならないようにミカヤ姉さんから離れたらだめよ?」
ロイ「わかってるよ。もう子供じゃないんだから」

 

ミカヤ「…ほんとにもう。ギリギリになってから準備し始めるんだから」
???「あ…あの…」
ミカヤ「ん?」
???「こ、こんにちわ。ミカヤ…さん」
ミカヤ「あら、ペレアスじゃないの、こんにちわ。いつもセネリオ君にうちのアイクがお世話になってます」(ぺこ)
ペレアス「あ、こちらこそ…よく義弟がお邪魔しているようで。セネリオが迷惑をかけていたりしていない?」
ミカヤ「そんなことないわよ。あの脳筋のことをよく制御してるって感心してるくらいだわ」
ペレアス「の、のうきん…せいぎょ…」
ミカヤ「それより。今日は学校?休日なのに大変ね」
ペレアス「いやぁ、今日は闇魔道サークルの方に用があって、それで学校に行く途中で…えっと、ミカヤ…さんは?」
ミカヤ「私はデパートに弟連れて行くところよ。今ちょうどバレンシア物産展がやっているらしいのよ」
ペレアス「はぁ、なるほど。バレンシアの物産展はいつもかなり人気みたいだしね」
ミカヤ「ええ、食べ物がおいしいのよね。限定品はすぐに売り切れちゃうし」
ペレアス「へえー、そうなんだ」
ミカヤ「…ところで、いつも呼び捨てでいいって言ってるでしょ。そんな畏まらないでって」
ペレアス「いや、でも…」
ミカヤ「でもじゃないの。いくら私が(ダギュン)(ダギュン)歳だからって見た目はこんなだし、何より私がさんづけじゃなく呼んでほしいって言ってるの。…だめ?」
ペレアス「だっ、だめじゃない…よ。君がそう言うなら。えーと…じゃあ、ミカヤ
     ………あ、っ」(ごす)(ばたり)
ミカヤ「!?な、なに、今の衝撃波?どこからかいきなり飛んできたわよ!?」
ペレアス「…あ、き…気にしないで。いつもの…ことだから…」
ミカヤ「い、いつものこと!?ちょっ、爽やかに儚げに微笑むその額から夥しい血が!」
ペレアス「…あ、ほんとだ。そういえば、今日は少し傷が深い…かな」
ミカヤ「いーやー!ロイ!傘たてに入ってるライブの杖持ってきて!早く!」
ペレアス「本当はあの時……なくなってたはずの命……」
ミカヤ「ちょっ、何言ってるのかわかんない!ペレアスしっかり!!」

 

ピロロロロロロ~(HP回復音)

 

ミカヤ「ふう…なんとか傷はふさがったわよ」
ペレアス「手数かけてごめん…」
ロイ「お兄さん、まだ顔が青いよ。大丈夫なの?」
ペレアス「ああ、ロイくんもありがとう。しかも気を利かせて僕なんかにリライブの杖を…」
ミカヤ「そんなことより。いつものことって、あなたこんな大怪我をしょっちゅうしてるの?」
ペレアス「そうだなぁ…いつも学校に行く途中なんかにこのあたりを通りがかると、時々今みたいな衝撃波に当たる事があるんだ。何なんだろうね?」
ミカヤ「何なんだろうね…じゃないわよ。絶対変よ、それ。日常的に通りで衝撃波が飛び交うわけないじゃない。うちの家の中じゃあるまいし」
ロイ「それに、アイク兄さんはここしばらくまた修行に行ってて家にいないしね」
ペレアス「うーん、でも闇魔道サークルの先輩にものすごく運の悪い人がいてね。
     家の門から一歩出れば車にひかれて、大事な行事のある日は必ず雨が降って、高いところに行けば必ず落っこちるから2階より上には行けないって人もいるから、僕のこれはそれに比べればましな方なんじゃないかなぁって」
ミカヤ「…比べる相手を間違ってると思うわ、それ」
ロイ「っていうか、ましだからって安心するようなもんじゃないと思うよ、それ…」
ペレアス「え、そうなの?(´・ω・`)」
ミカヤ、ロイ「………」

 

ミカヤ「…それによくよく見てみたら、体中そこかしこに怪我の跡があるじゃない。ここも…あ、ここも。こっちは切り傷ね。まだ新しい」
ペレアス「あ、これは違くて…はは、恥ずかしながら義父上とセネリオの親子喧嘩にまきこまれた時の流れウインドに当たっちゃったときのだよ」
ミカヤ「ペレアス…」
ロイ「…(さ、爽やかな表情しつつ言ってる事はなにげに悲惨だから、子供のぼくにはかける言葉がみつからない…)」
ペレアス「あ、誤解しないで。これは単なる僕のドジだから。
     それに義父上もセネリオも真正面から相手にぶつかるようになって、あれでも昔よりは随分ましになったんだよ。前は全く目もあわさず、相手の存在さえも無視しているようで、一つ屋根の下に暮らしていながら家族がばらばらで。
     そしてそれを見て心を痛めておられる義母上がとてもかわいそうで…。やっぱり僕には本当に血の繋がった家族の代わりにはなれないんだなぁって思ってた」
ミカヤ「そんなことないわ。アムリタさんはあなたに随分助けられたって。この間婦人会の会合の時に聞いたわよ」
ペレアス「そうかな。うん、でもきっとセネリオにとってミカヤの弟たちとつきあうことが随分とプラスになったと思うんだ。
     義父上とは喧嘩ばかりしているけれど、きっとあれが…2人なりのコミュニケーションなんじゃないかなって、僕はそう思う」
ミカヤ「そう…多分本人は何も考えていないだろうけれど、不肖の弟がよそ様のお役にたてたのだったら、それはとてもうれしいことだわ」(にこり)
ペレアス「え、いや、その…あ…はは…(照)」
ロイ「…!お兄さん、危ない!」(ごっ)
ミカヤ「ロイ、ペレアス!」
ロイ「ふう、またどこからともなく衝撃波が…お兄さん大丈夫?」
ペレアス「ああ…横から思いっきりつきとばされてアスファルト上に倒れこんでさっき怪我した頭部を思いっきり打ったけど、大丈夫なんじゃないかな…」
ロイ「…ご、ごめんなさい(´・ω・`)」
ペレアス「今日はなんだか衝撃波がたくさん飛ぶ日みたいだから、もう行くよ。外出の邪魔をしちゃ悪いし」
ミカヤ「あ、そうだった。ロイ、もう準備はいいの?」
ロイ「もちろん」
ペレアス「では、楽しんでくるといいよ。今日はどうもありがとう」
ミカヤ「ええ、ペレアスも道中充分気をつけて」
ロイ「ばいばい、お兄さん」

 

ミカヤ「んー、でもこの付近に近づくのが危ないってわかってるんなら、通る道を変えればいいのに。なにかあるのかしら?」
ロイ「なんだろうね?」

 

マルス「(…にぶちんなのは確実に遺伝だな)」

 

そのときのお向かいさん
しっこく「銀の髪の乙女は…私が守る…!」