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Last-modified: 2007-06-13 (水) 21:10:47

ある晴れた昼下がり―

グローメル「♪あなたの町の~電気屋さ~ん グロ~メ電気~っと。
      おいっ、居るんだろう?いつものをくれ!」
プラハ「あん?誰かと思えばアンタか。ふぬけた歌唄いやがって…全く。」
グローメル「ここは相変わらずお客さんが居ないな。」
プラハ「うるさいねぇ。そういうアンタはどうなんだい。」
グローメル「フム…。オープンして間もない頃は遠目から店の看板のボルトアクスをネタにされていただけだったが
     とある豆腐屋のマスコット制作を手伝った所、口コミで評判が広がって、少しずつ…だが確実にお客さんが増えつつある。
     そのうち飛竜を使った家電製品修理・修繕出張大サービスを始めるつもりだ。」
プラハ「はんっ、順調そうで何よりだねぇ。
   アンタんとこの家宝も今じゃただの看板かい?…あの子、きっと今頃泣いてるんじゃないのかい。」
グローメル「そんな事はないさ。登山家へ対する嫌がらせと比べれば、ずっと有意義な仕事だしな。
     …それに、電飾看板の維持費もかからないし、あいつには随分助けられてるよ。」
プラハ「…あんたそれ絶対泣いてるよ…。
   まぁいいや、商売を始めるとするかねぇ。
   …オホン。いらっしゃい!さぁ、何本欲しいんだい?ミディアム、レア、好きな加減で焼いてやるからさっさと選びな!」
グローメル「……。若年ボケですかプラハさん。最初に「いつもの」って言っただろう。」
プラハ「うるさいねぇ、分かってるよ!でも最初にこれを言わなきゃ調子が出ないんだよ!!そらっ。」(焼き鳥を手渡す)
グローメル「おおっ。相変わらずうまそうだな。んごはご。
     …全く、味は悪くないんだから、もう少し接客態度を改めてはどうだ。商売の基本だぞ。」
プラハ「他人に媚びへつらうのは性分じゃないんだよ。
   だからこうして胸元をはだけさせて、大きいお友達…?を呼び込む努力をしてるんじゃないか。」
グローメル「…大きいお友達はお前みたいなキツい女には興味がないと思うのだが…。」
プラハ「何か言ったかい?消し炭にするよ?」
グローメル「いやいや、なんでもないさ。さて、そろそろ休憩時間が終わる頃だな。
     ではな、プラハ。次に会う時までにはもう少し愛想が良くなってるといいな。」
プラハ「…待ちな!」
グローメル「うん?どうした?」
プラハ「…その、次はいつここに来るんだい?」
グローメル「さてな。明日からは暫く流星軒とソーンバル軒でラーメン三昧だから―
     まあ、早くて一月後だな。」
プラハ「……そうかい。」
グローメル「なに、心配するな。また食べに来るさ。たまに食べるからこそお前の焼き鳥はうまいんだ。」
プラハ「…///。う、うるさいね!心配なんてしてないさ!ほらっ目障りだからさっさと消えちまいな!!」
グローメル「はいはい。分かった分かった。では、またな。」(グローメルフェードアウト)

プラハ「…ふぅ、すっかり丸くなっちまいやがって。
   黒登山の帝王と呼ばれたあの頃のあいつはどこに行っちまったんだい。
   …私が好きだった頃のあいつは……。

   …はんっ。でもま、それは私も同じ事か。接客態度、あいつの言う通り直してやるか。
   サァ、今日も頼むよ相棒!!」(フレイムランスを手に取る)

  fin…