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Last-modified: 2012-09-10 (月) 19:43:24

158 :個性は大事? 1/3:2010/09/26(日) 04:32:58 ID:o9bu87jR

早朝、日課のランニングをするためにエフラムは起き出した
さて…今日はミルラに槍の基本をレクチャーしないとな
階段を下り、玄関の戸を開く…玄関にはミルラと…何故かアルムがいた
「あ、エフラム…おはようございます」
「おはよう兄さん!今日もいい天気だね!」
「……ちょっと待てアルム。突然朝からどうした?」
「たまには兄さんと走ろうと思ってね!さあ行こう!」
「あ、ああ…」

朝、兄弟達の弁当を作るためにエリンシアは起き出す
そろそろエフラムちゃんがミルラちゃんと帰ってくるわね
前日に仕込んでいた鳥のから揚げを揚げながらそんなことを思っていた
「おはよう姉さん!手伝うよ!」
「アルムちゃん!?こんな朝早くにどうしたの?」
「いや、たまには姉さんを手伝いたくてね。はい、野菜」
「あ、ありがとうございます。じゃあ野菜切ってサラダにしてください」
「わかったよ」

シグルドは起きたら居間に行き、コーヒーを飲みながら新聞を読むのが日課である
「はい、コーヒーと新聞。読んだら僕にも読ませて」
「ああ、ありがとうアルム……ってアルム!?珍しいな新聞を読みたいなんて」
「たまには僕も新聞ぐらい読むよ」
「そうか。なら急いで読むよ」
「ありがとう兄さん」

アイクの朝は素振りから始まる。自分の力量より少し上の特注の剣を振る
素振りの時は集中力を高めているため周りが見えていない
だから素振りを終えるまでその横でアルムが素振りしていたのを知らなかった

そして兄弟が揃う朝食でいつものようにアルムはセリカと仲良くしていた
「そんなアルムも素敵よ…」
「セリカだって素敵だよ…」
「アルム…」
「セリカ…」
「さあ今朝のティルフィングはよく斬れるぞ」
「また僕が斬られるんだよ、この人でな…あれ?」
リーフがこの人でなしー!と叫ぼうとしたが一向に斬撃は来なかった
「いやぁぁぁぁ!アルム!死んじゃダメ!」
「あ…アルム!?どうしていつものように逃げなかったんだ!?」
「いいんだセリカ…これで兄さんが満足なら…ぐふっ」
回避しなかったアルムはシグルドのティルフィングで死んでしまった…
今日のアルムは様子がおかしいと兄弟達は認識したのだった…黒焦げで
そんな中エイリークとセリスはのほほんと会話していた
「まあ、アルムったらシグルド兄上のためにわざと逃げないのですわね」
「すごいよね。僕も家族のために身体を張って頑張れるようになろう」
「なんで姉さん達はライナロック当たらないんだ…この…人でなし…!」

159 :個性は大事? 2/3:2010/09/26(日) 04:33:58 ID:o9bu87jR

その後もアルムの奇妙な行動は続いた
エイリークからバイオリンを習ったり、ヘクトルにホモになるにはどうするかを尋ねたり、
ミカヤに占いの仕方を習ったり、リンに同性愛について尋ねたり、
エリウッドに胃薬を貰って飲み始めたり、セリスからぬいぐるみを分けてもらったり、
エリンシアから女装を習って実践したりしたのである

「という訳でアルムの様子がおかしいの。助けて、マルス兄さん」
「しょうがないな…このままだと困るし…任せてセリカ」

「という訳で何があったのか教えてアルム」
「さすがマルス兄さんよ…隠し通せないんよ」
「いや、みんなにバレバレだから。ていうか今度はサザさんの真似?」
「身の程をわきまえよ!」
「似合ってないよ…ってファルシオン振り回さな…ぐはっ!?」

「大丈夫、マルス兄さん?」
「はは、大丈夫。おかげでアルムが何のつもりかわかったよ」
「本当!?教えて!!」
「アルムは影の薄さを解決するためにみんなの真似をしてるんだ」
「そうか…だから朝からランニングに付き合ったのか」
「あれ、エフラム兄さんどうしたの?」
「アルムがロリコンになるにはどうするか聞いてきたから逃げてきた」
「うわ…重傷だね。早くアルムの目を覚まさないと」

「アルム、あなたはあなただからいいのよ!みんなの真似はやめて!」
「ククク…ワガカゲヲウスクサセルモノ…コロス」
「アルムめ、ついにセリカすら認識しなくなったぞ」
「っていつの間にアルムは闇のオーブを見つけたんだ?」
アルムの首には闇のオーブがぶら下がっていたのたった
これは前日、個性を得るためにいろいろ頑張っていた時に
「ハァ…やっぱり僕にはみんなと違ってうまく個性を出せないな…」
「ふふふ…個性が欲しいか小僧…ならこのオーブを持てばいい」
「な……なんだ…今ならアイク兄さんにも負ける気はしない」
なんてことがあったりしたのである

「くっ…こうなったら光のオーブで…」
「待って兄さん!私がアルムを止めるわ!」
そういってセリカは目が赤くなり始めたアルムの前に立つ
「アルム!あなたの影が薄くても私には関係ないわ!」
「どけ…女を斬るような剣はもっておらぬ。俺はアイク兄さんより強くなった」
「どうしてアイク兄さんより強くなりたがるの?」
「個性…そしてシグルド兄さんに復讐するためだ」
「だめよ!復讐なんてアルムらしくないわ!」
「どけ…シグルド兄さんがいなければ俺はセリカと結ばれるんだ」

160 :個性は大事? 3/3:2010/09/26(日) 04:36:00 ID:o9bu87jR

「いやよ!シグルド兄さんを斬るなら…まずはその剣で私を好きにして…」
「何故だ!?何故君が邪魔をする」
「シグルド兄さんだって私には大事な兄さんよ!アルムだってそうでしょ!」
「俺は…僕は…」
「さあアルム!そんなものは捨てていつものアルムに戻って!」
「…セリカ……」
「アルム……」
オーブを捨てたアルムはセリカと抱き合う。そして…

「いい話だな…」
「いい話でしたね…美しい愛です」
「いい話だな、感動的だ。だがKINSHINは許さない!死ねぇ!」
どこからともなくシグルドが現れ2人に切り掛かろうとする…のだが、
マルスとエフラムがシグルドを掴み引きずっていく
「は、離せ!私にはKINSHINを止める義務が!」
「今日ぐらい2人に仲良くさせてあげましょう」
「そうそう、あんなにセリカが頑張ったんだから」
「ぬわぁぁ!兄さんは許しませんからねぇぇぇ!」

エフラムとマルスの粋な計らいでアルムとセリカは半日ぶりに仲良くしましたとさ

おまけ
「ところで個性はどうなったの?」
「僕にはみんなと同じようにはできないからやめたよ」
「私にはアルムがいれば十分よ…」
「僕にはセリカがいれば個性なんだね…」
「アルム…」
「セリカ…」

「離せぇぇ!!KINSHINが!KINSHINがぁ!」
縛られたシグルドは血涙を流しながら叫んでいたのだった…

終わり