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Last-modified: 2013-11-06 (水) 21:38:18

190 :おねショタでおねしょネタ:2010/11/08(月) 00:52:51 ID:rVip46ga

朝起きた途端、布団に言いようもない違和感を感じた

久々とはいえ、忘れようにも忘れられないこの感覚

「うわー、久々にやっちゃったよ……」

そう言いながら掛け布団をめくってみると、
案の定、布団には見事な紋章町全土の地図が描かれていた

「レイが起きる前に、早く洗濯しないと……」
ぼくの名前はルゥ
紋章町のとある中学校に通う普通の中学生で、普通の魔道士だ
ちなみに今名前を挙げたレイっていうのは僕の双子の弟
一見とっつきにくそうだけど、根はすごく良い奴なんだ!
最初はその性格のせいで、友達があまりいなかったみたいだけど……
今ではソフィーヤさんを筆頭に、クラスに大分溶け込めてるみたいで正直ほっとしてる

………
……

でも、今問題なのは弟の方じゃなくて、中学生にもなって悪癖を抱えてる僕の方
中学生にもなっておねしょなんて……

レイは、別にそういう奴だっているし、ゆっくり治せばいい、って言ってくれたけど……
………やっぱり、恥ずかしい

191 :おねショタでおねしょネタ2:2010/11/08(月) 00:55:20 ID:rVip46ga

そう考えた僕はこうして、教会の裏の方にこっそり干しに来ている

言い忘れたけど、僕達の住んでる所は教会の裏手の孤児院だ
とはいっても、僕とレイは孤児院の中でも年長の方だから、旧館の方で寝泊まりしてるんだけどね
誰に説明しているのかも分からないが、そんなことを考えている内に教会に着いた
「よし、早く干して朝食の準備をしなきゃ。
 レイもそろそろ起きる頃だし……」
僕は可能な限り素早く、布団を目立たない所に干しておいた
しかし急いでいたからだろうか、僕は自分が見られている事に気がつかなかった

「あら?あれはひょっとして……ルゥ君?
 何をしてるのかしら………」

………
……

あっという間に放課後になり、孤児院へと帰ってきた
レイが自分の部屋に入ったら、早めに布団をしまわなきゃいけない
そう思っていた矢先、レイが今思い出したとばかりに話しかけてきた

「あ、そうだ兄貴。
 エレンさんが洗濯物とりこんで家まで運んどいてくれたってよ。
 後でちゃんと礼言っておけよな」
「えぇっ!?」
今まさに取りに行こうとしていたモノを話題に出され、思わず大声を出してしまった
ひょっとして、もうレイにばれてしまったのだろうか?

192 :おねショタでおねしょネタ3:2010/11/08(月) 00:58:09 ID:rVip46ga

「なんだよ急に大声出して。

 ……しっかし、なんで平日の朝っぱらから洗濯なんてしたんだ?
 まぁどうでもいいけどさ」
「え、ああ、うん……。
 ちょっと朝食作った時に、ね」
「ああ、だから昨日と違う寝間着着てたのか。
 てっきりまた漏らしたのかと思ってたんだが」
「ま、まっさか~!!何言ってるのさレイ!!!
 は、ははははは……」
「はっはっは!!まぁ、そりゃそうか」
内心真実を言い当てられて心臓がバクバク言っていたのだが、
レイは一緒にひとしきり笑うと、さっさと部屋に帰って行ってしまった
僕はいてもたってもいられなくなり、自分の部屋へと急いだ

果たしてそこに、布団はあった
しっかりとシーツが変えられており、清潔な印象を受ける
しかし今問題なのは布団の状態ではない
一体エレンさんは、どこまで知っているのか?
またしてもいてもたってもいられなくなった僕は、教会まで一っ走りすrという選択をした
もちろん、レイにきちんと声を掛けて

………
……

「あらあら、こんばんは。
 ルゥ君、こんな時間にどうしたの?
 なにか悩みごと?」
息を切らせて教会の戸をたたくと、いつもと変わらない笑顔でエレンさんは迎えてくれた
しかし勢いに任せて来て見たものの、一体どのように聞けばいいのか分からないことに気がついた
まさか「僕のおねしょ布団を見ましたか?」と聞くわけにもいかない
そんなことをすればおねしょしましたと言っているようなものだ

193 :おねショタでおねしょネタ4:2010/11/08(月) 01:02:23 ID:rVip46ga

「えっと、その……

 洗濯物、取り込んで下さったそうで、そのお礼に……」
「ふふっ、そんなのいつでもいいのに。
 別にいいのよ。同じ教会の人間同士、助けあわなきゃ、ね?」
そういいながら笑っているエレンさんは、まぎれもなくいつものエレンさんで、
僕はすっかり安心してしまった
きっとエレンさんは、おねしょの跡が乾いたあとに布団に気がついたんだろうって、そんな希望を抱いてしまった
……その後のエレンさんの一言で、その希望は儚く砕け散ることになるとも知らずに

「それに……良い物も見れたしね」
……え?
「あんな立派な地図、久しぶりに見たわ
 干してた時のルゥくん、かわいかったなぁ……」
あ、あの……エレンさん?
「も、もしかして……」
「ええ、見てたわよ?
 最初から最後まで、ぜーんぶ♪」
「!?!??!!」

――多分今、僕の顔は今までにない位、真っ赤に染まっているのだろう
なにせ、僕を除けば弟のレイしか知らなかった秘密が今、よりにもよってエレンさんにばれてしまったのだから
ああエレンさん、なんでいつもよりちょっと素敵な笑顔なんですかエレンさん――
情けなさと恥ずかしさで、気がつけば僕は地面に涙を落していた

「う、うう………」

幼子みたいに泣いている僕に、エレンさんはいつもの笑顔のまま言った
「……ルゥくん、恥ずかしがることはないわ」
「だって、だって……中学生にもなって……」
「確かに、普通の子とはちょっと違うかもしれない。
 でもね、ルゥくんはそれ以上に、良い所が一杯あるじゃない」

「いつも孤児院の皆の世話をして、レイ君の面倒もみて、
 それでいていつも、見ている人が元気になる位の笑顔でいられる。
 私、ルゥくんのそんな所が好きよ。
 エミリーヌ様も、きっとそうおっしゃられると思うわ」
「…グスッ、エレン、さん……!!」

194 :おねショタでおねしょネタ5:2010/11/08(月) 01:05:39 ID:rVip46ga

気がつけば、僕はエレンさんの胸の中で泣いていた

そこはとても暖かくて、良い香りがして……なんだか、安心できた
「辛かったわね……」
そういって背中を撫でてくれたエレンさんの手は、とては優しく感じられた

………
……

10分程エレンさんの胸を借りて泣き続けただろうか、ようやく僕は落ち着いてきた
「……もう大丈夫です。
 その、すいませんでした」
「ううん、いいのよ。
 私もちょっと、無神経だったわね」
「それで……その、おねしょの件は、あまり人には言わないでもらえると助かるんですが……」
「ふふ、分かってるわ。
 念のためレイ君にも、お布団のこと“洗濯物”って言っておいたしね」

そう言われて、ようやく家でのやりとりを思い出す
今思えば、あの時点でエレンさんが気がついていたことが分かっていて当然だったというのに……
自分の至らなさにまたしてもぶつかり、落ち込みそうになっている自分に気がついたのか、
エレンさんが再び励ましの言葉を掛けてくれる

「少しずつでいいの。
 あなたはまだ若いんだから、ちょっとずつ治していけば……ね?」
「……そう、ですよね」

195 :おねショタでおねしょネタ6:2010/11/08(月) 01:07:26 ID:rVip46ga

そうだ

僕はレイみたいに頭もよくないし、ロイ様みたいな人望も持ってない
でも、それが僕、ルゥなんだ
僕は、僕のままでいていいんだ!

そう思った途端、背中の重荷が少し軽くなった気がした………

………
……

「あの、今日は本当に色々ありがとうございました!!」
「いいのよ。
 何か困った事があったら、いつでも相談しに来て。
 もちろん、遊びに来てもいいわよ?」
「あ、それで、早速なんですが1つ相談が……」
「あら、一体何かしら?」
「どうすればこの……おねしょ癖が治るんでしょうか……」

「そうね……寝る前に水分を取り過ぎないこと、
 後はトイレにも行っておいてそれから……
 そうだわ!」
良いことを思いついたと言わんばかりにエレンさんは自分の手を叩いた
「ルゥくんがおねしょしなくなるまで、私が一緒に寝てあげればいいのよ!」

「うん、これは良いアイデアね。
 じゃあルゥくん、早速今夜から……ふふふ」
「あの、ちょっと………あーれーーーーーーー!」

僕はこの日、何かを得た気がしたが、同時に何かを失った気がした………
これが大人になるってことなのかなぁ?

                            終わり

ただタイトル言いたかっただけですすいませんorz
エレンさんとルゥが普段このスレに出ないからキャラ設定がいまいちに終わってしまったのが残念
エレンさん今見ればエリンシアにしか見えないw