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Last-modified: 2013-11-06 (水) 23:15:13

511 :助けて!名無しさん!:2010/11/20(土) 17:31:39 ID:SuIsok4I

『大卒内定率が60%を割る中で、ニートやひきこもりなどの数が急増している問題が…』

セリス 「おはよう兄さん。今日はお仕事はお休みなの?」
シグルド「ああ。不況の影響でウチも厳しくてね…。大丈夫だ。家族に心配はさせないよ」
ロイ  「無理はしないでよ兄さん。兄さんは大黒柱だけど、その前に家族なんだから」
シグルド「ははは、ありがとう。それにしても就職難か…。
     お前たちが働くころには持ち直してほしいものだが…」
セリス 「ニートって何?」
ロイ  「ニートっていうのは働いてなくて、学校にも行ってない若い人のことだよ」
シグルド「本当はそれに職業訓練を受けていないことも加わるんだが、まあそんな感じだ。
     レヴィンがいい例だな。彼にもそろそろ定職に就くべきだと言っているんだが…。
     『おいおいシグルド、俺はちゃんと働いているぜ?愛のキューピッドという仕事にな』と
     言ったなんだで結局放蕩しているらしくてなあ…」
ロイ  「うわぁ」
セリス 「愛のキューピッドなんて素敵だなぁ…僕もなりたいなあ」
エリンシア「セリスちゃん、そろそろお昼の準備をするから手伝ってくれないかしら?
       今日はイドゥンさんもお誘いしているから腕によりをかけなくっちゃいけませんわね!」
セリス 「はーい」
ヘクトル「兄貴おーっす…くそー、朝はダリぃなー…」
リン  「あんたそう言ってるけどもうお昼近いわよ?少しは早起きしなさいよ」
ヘクトル「っせーなー…早起きなんて年寄りがすることだろ?
     学生は休みは昼まで寝ててもいいじゃねーか…」
マルス 「学生って言ってもマトモに勉強してないから学生(笑)って感じだけどね(・∀・)」
ヘクトル「何だよマルスやんのか?」
マルス 「事実を言ったまでだよ?」
ロイ  「でも兄さん勉強しないし働いてもいないから確かにニートくさいよねw」
ヘクトル「お前らなあ…」
イドゥン「ニートって何ですか?」
ヘクトル「どわっ!?いきなり背後に立つんじゃねえよ!?」
イドゥン「呼び鈴を押してもお返事がなかったもので…すみません。
     それで、ニートって何ですか?」

512 :助けて!名無しさん!:2010/11/20(土) 17:32:45 ID:SuIsok4I

マルス 「ニートっていうのはですね、要するに学校も行っていない働いてもいない社会のk(ドブチ)ぐふっ」

リン  (あんた相手はイドゥンさんよ!?もうちょっと考えなさいよ!?)
ロイ  (ああ…イドゥンさん学校も行ってないし働いているわけでもなかったね…)
シグルド(いわゆる良家の箱入り娘ということか…)
リーフ 「ああっ!イドゥンさん!今日もお美しいですねハァハァ」
イドゥン「こんにちは葉っぱさん。…突然で申し訳ありませんが、ニートとは何かご教授願えますか?」
リーフ 「なぁんだそんなことですか、お安い御用ですよ。
    ニートっていうのはですね、学校も行っていない働いてもいない社会のハイエナのことですよ!」
リン  「このおバカ!つ必殺」
リーフ 「アッー!この人でなし!?」
イドゥン「では私は…ニートなんでしょうか?」
ロイ  「そんなことないよ!ニートっていうのは学校行ってるくせに頭が悪くてやることといったら喧嘩するか
     食べるか寝るかしかしてないピッツァのヘクトル兄さんのことを言うんだよ!」
ヘクトル「ロイてめえさっきよりひでえこと言ってんじゃねーか!」
シグルド「そうだ。ニートというのは遊びほうけているような連中のことだが貴女は一生懸命社会に出ようと
      努力しているじゃないか」
イドゥン「でも、私はシグルドさんのように働いていません。
     ロイさんや葉っぱさんのように学校に行っているわけでもありません…」
エリンシア「あら、イドゥンさんもうお見えになってらしたんですね」
セリス 「皆どうしたの?おなかが痛いの?」
ヘクトル「いや、イドゥンが自分はニートじゃねーかって言い出してな」
エリンシア「あらあら。それでしたら私もニートですわね」
セリス 「姉さんはニートじゃないよ!」
イドゥン「エリンシアさんは皆さんのお世話をなさっていてすばらしい人です…。
     でも私は自分の事ばかりで、皆さんに迷惑をおかけしてばかりです…」
リーフ 「そんなことないですよ!むしろ僕のそばで息をしているだけでもうハァハァ」
リン  「つ必殺」
リーフ 「アッー!この人でなし!だがそれがいい」
514 :助けて!名無しさん!:2010/11/20(土) 17:33:54 ID:SuIsok4I

ミカヤ 「ただいまー」

アイク 「今帰った」
エリウッド「姉さん、足りない食材買って来たよ…ってキャー!?リーフが息をしていないよ!?」
ヘクトル「いつものことだろ。それよりも面倒くせーことになっちまったんだ何とかしてくれ…」
アイク 「む…イドゥン、どうした?また何か思いつめていることでもあるのか?」
マルス 「カクカクシカジカ…というわけなんですよ」
アイク 「カクカクウマウマ…なるほどな。イドゥン、人の価値は『働いている』『学んでいる』から
     生まれるものじゃないんだ。『何かをしようと努力する』『何かをするために必死になる』から
     人はその人を敬い、評価するんだ」
イドゥン「でも、私は努力して何かをしているわけではありません…」
アイク 「人は常に努力できるように作られているわけじゃない。そんなことをすれば必ずその人は
     壊れてしまう。それに、努力というのは自分で思っているだけじゃだめなんだ。
     周りの人が評価して初めて『努力した』と言えるんだ。悲しいことだが、世の中は『努力』を
     そういうものだと考えている。誰かが『自分は努力している』と言い張っても、そいつが
     何の結果も出せなければ周りのやつらは『努力していない』と評価するんだ。
     本当に努力しても認められないやつだっている。それは『努力』が見えないものだからだ。
     見えないから人は『努力』を結果で判断する。だからって努力しても認められないやつが
     不幸なわけではないぞ。努力する人間の周りには必ずそいつが努力しているって
     知っている人がいる。
     …あんたは、今までずっと家の中にいて外の世界を知らなかったんだろう?だが、今は
     社会で皆と一緒にいられるよう必死になっているじゃないか。それが常に努力している
     わけではないとしても、俺たちはあんたが努力していると知っている。それじゃだめか?」
エリウッド「小さい子供の相手ってすごく大変なことだよ。ファちゃんたちのお世話だけでも
      十分がんばっているんじゃないかな?」
リーフ 「そうだよ!むしろ僕と会話してくださるだけで辛抱たまらん!」
リン  「またこいつは…」
ミカヤ 「まあこういうことを言う子もいるけど、イドゥンちゃんががんばっているって、皆知っているわ。
     だから、自分に価値がないなんて思っちゃだめよ。もっと自分のこと大事にしてあげなきゃ」

515 :助けて!名無しさん!:2010/11/20(土) 17:35:36 ID:SuIsok4I

イドゥン「…」

リン  「ちょ!?泣いちゃったわよこの子!?」
マルス 「兄さんったらワルイコ!(・∀・)ニヤニヤ」
リン  「あんたは自重しなさい!兄さんもほら謝って!?」
アイク 「す、すまん…説教じみたことを言ってしまった。俺だって人に説教できるほど
    できた人間じゃない癖に出すぎた真似をしてしまった」
イドゥン「…すみません。悲しいわけではないのに涙が出るんです…」
リーフ 「ああ!おねいさんが泣いてしまうなんて人類の多大な損失だッ!!ささ、これで涙を拭いて」
ヘクトル「それてめえのパンツじゃねーか!このHENTAIが!!」
エリンシア「ぶっとばしてさしあげますわ!」
リーフ 「アッー!本日三度目のkhdnー!」
イドゥン「…ふふっ葉っぱさんは面白い人ですね」
セリス 「あ、笑ったよー!」
リン  「今日は泣いたり笑ったり珍しい所たくさん見られたわね。何だか得したかも」
ミカヤ 「さ、イドゥンちゃんが笑ったところでそろそろお昼食べましょうか!」
ヘクトル「そうだな。もう腹へってしょうがねーよ」
マルス 「そんなだからピザトルって言われるんだよ(・∀・)」
ヘクトル「マルスてめー今日はえらく突っかかってくるじゃねえか。後悔させてやるぜ?」
エリンシア「はいはい。二人ともご飯ですよ」

ロイ  「なんかさ。きれいにまとめられちゃったけどさ」
エリウッド「うん」
ロイ  「イドゥンさんよりずっとニートっぽい人知ってる気がするんだよね」
エリウッド「うん…」

ー竜王家ー
ヤアン「はっくしゅん!」

おしまい