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Last-modified: 2013-11-06 (水) 23:21:56

ロイ 「今日社会の時間に習ったんだけど、紋章町って観光事業は壊滅的らしいね」
リーフ「旅行者が少ないってことかい?」
ロイ 「平たく言えばね。どうしてだろ、いろんな意味で面白いところ満載だと思うんだけど」
リーフ「うん……あのねロイ、君も紋章町育ちだから分からないのかもしれないけど」
ロイ 「なにが?」
リーフ「普通の町ではね、道を歩いてるとき突然家が吹っ飛んだり雷が落ちてきたり隕石が降ってきたり、
    あまつさえどこからともなく衝撃波が飛んできたり竜が飛来して天馬騎士と大空中戦を始めたり、
    落し物を交番に届けたら署長が回転して感謝の意を表明したり……といったことは一切ないんだよ」
ロイ 「……ははは。またまた兄さんったら、ご冗談を」
リーフ「いや本当に。僕も初めて知ったときは驚いたんだけどね。普通の町の一般市民はフレイボムも光の結界も常備していないらしいんだ」
ロイ 「ええっ、そんな! それじゃあ通りすがりの山賊がヒャッハーし始めたらどうやって対応するのさ!?」
リーフ「そもそも普通の町には通りすがりの山賊自体が存在しない」
ロイ 「そ、そんな……! メル友のHN兎さんが『僕の町では巨大ロボットが闊歩して皆いつもミンチになってます』って言ってたからてっきりどこも似たようなものかと……!」
リーフ「それが世界の現実なんだ……だからまあ、この街でのん気に観光を楽しめるのなんて、それこそこの街の住人ぐらいのものなんじゃないかな」
ロイ 「凄い場所で生活してたんだなあ、僕たち。ちっとも知らなかったよ……」