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Last-modified: 2013-11-06 (水) 21:06:59

88 :リムステラさんが暴走したようです7:2010/11/01(月) 22:14:42 ID:1RQTf86N

前回までのあらすじ

己の体を造り変えてまでも目的を達成しようとするリムステラ
一体彼女に何があったのか?
時を同じくして、町で巨乳の女性が突然貧乳になるという怪奇現象が発生する
今紋章町に、貧乳の嵐が吹き荒れる……
ぺったんぺったんつるp(ry

「くそっ、なんてことだ!!」
「侵入者はどこに行った!?被害者の正確な数は!?」
「上だ!まず社長の安全確保を優先しろ!!」

ベニグオン公社……
比較的都市開発が進んでいる紋章町でも有数の、大会社の一つである
社長がまだ年端もいかないようj……もとい、少女であるにもかかわらず、
辺境までその名を轟かす天馬騎士団、更には私設兵団をも有し、
その総資産はベオウルフをトラキアでリセットした回数雇ってもまだまだ余る位とのことである
であるからして当然警備も厳しく、一般人はおよそ会社に立ち入ることすら難しいはずであった

しかし……

「くっ……なんでわが社に、今噂の乳泥棒が………!
 シグルーン様達が危ないッ!」

89 :リムステラさんが暴走したようです8:2010/11/01(月) 22:16:10 ID:1RQTf86N

――ベニグオン社・社長室

社員達の心配通り、侵入者は既に社長室に到達していた

その視線の先に、高級そうなカーペットの上に、天馬騎士団隊長が胸部を押さえてうずくまっている
顔色から見るに、外傷を受けたというわけではなさそうだ
侵入者はフードを被っている為その表情からは何も読み取れないが、
対照的にシグルーンの方は悔しさにその端正な顔を歪ませていた

「くっ……よくも!!」
「歳のせいで年々垂れてきていた脂肪の塊を取ってあげただけだ。
 むしろ感謝してほしい位だが?」

「巨乳部下の貧乳化ktkr!!これで勝つる!!」
(私の部下に何をするのじゃ!!)
「これで隊長も我等の仲間入りですね。
 胸なんて飾りです!!戦いの邪魔にしかなりません!!」
(隊長、お気を確かに!!おのれ、よくも隊長を!!)

「……志村、逆だ。では、さらば」ヒュッ

そう言い残して、侵入者は備え付けの窓から颯爽と飛び降りていった
すでに窓ガラスはシグルーン達との戦闘によって破壊されていた為、
サナキ達には静止するいとまもなかった

90 :リムステラさんが暴走したようです9:2010/11/01(月) 22:18:28 ID:1RQTf86N

「っ馬鹿な、ここを何階だと思って・・・・・・・!!」

すぐにタニスが窓から下を覗き込んだ
ちなみに、ここは本社最上階の20階であり、地上から50m以上離れている
タニスは地上に凄惨な侵入者の姿があると思ったのだが……

その思惑とは裏腹に、下には侵入者の影も形もなく、いつもの情景だけが広がっているばかりであった
しばし呆然とした後、すぐにそのからくりに気が付き、出し抜かれた悔しさから思わず外壁にその拳を叩きつける
「リワープか・・・・・・くそっ!!!」

………………………
…………………
……………

(これで4000……まだまだか)
ベニグオン社襲撃という大事件が起きていた頃、裏路地を人目を避ける様に進む一つの影があった
黒いフードとマントという絵に描いたような不審な格好で、その姿は闇に溶け込んでいるかのようだ

(そろそろ、“私”が上手くやった頃だろう)
ふと一陣の風が吹き、一瞬フードがめくれて素顔が露わになる
フードの下の顔は、ベニグオン社を襲った犯人と、まったく同じだった
……もっとも、それ位スレを見ている皆ならとっくに知っt(ry

91 :リムステラさんが暴走したようです10:2010/11/01(月) 22:22:02 ID:1RQTf86N

(いくら私が一万人いるとは言え、全員がこの術を使えない以上は仕方がないのだろうが……

もう少し、ペースが上がらないものか)
自然と、手術室での主とのやり取りが思い出される
それと同時に、身体の違和感も一層強まったような気がした

――いいか、リムステラよ
  この魔術の力にお前の肉体は耐えられない。
  明日を待たずに、お前の全身は腐り果てる……というようなことはないが、
  まぁ使い過ぎには気をつけることだ。
  それとこの術はお前のクローンも使えるが、適性のある何体かしか扱うことはできないだろう。
  そして最も重要な事として言っておく。
  お前とお前のクローンの集めたエーギルは、全てオリジナルであるお前に集まるようになっている。
  無理をせずに、クローンにこまめに分け与えるのを忘れるな。
  何をやろうとしているのかしらんが、それだけは覚えておくがいい
  リムステラ。我が最愛のモルフ……そして我が最愛の、娘よ――

(ネルガル様……ありがとうございます)
いつもと変わらぬ表情をしていたつもりだったのだろうが、
説明をしている時のネルガルの表情には、自分への配慮が感じられた

心配、してくれているのだ
一万回も替えが効く、この安い命を
娘と呼んでくれたのだ
人間ですらない、この仮初の命を

(すいません、ネルガル様……
例え罪を犯そうとも、私は………!)

考え事をしながら歩いているうちに、いつの間にか目的地に着いていたようだ
リムステラは目の前の巨大な門に、物怖じせずにずんずんと入っていく
その門には、ルネス女学院と書かれていた……

                               つ づ く