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Last-modified: 2013-11-07 (木) 00:13:07

リーフ「(ピコーン!)分かったぞ!」
ロイ 「そう。すごいね」
リーフ「……いや聞いてよロイ。もっと興味を持ってよお願いだから」
ロイ 「はいはい……で、何を思いついたの?」
リーフ「アイク兄さんとエフラム兄さんとロイ、我が家のモテ筆頭三人組の共通点さ!」
ロイ 「兄さんたちはともかく何で僕が」
リーフ「それだよ!」
ロイ 「はい?」
リーフ「その恋愛に対する無関心さ、一種のストイックさ! そういうところに女の子たちはメロメロなのさ!」
ロイ 「うーん、まあ確かに、そういう男らしいところにキュンときてる感はあるね、皆」
リーフ「だろう? つまりだ、これを利用すれば僕もおねいさんにモテるようになる!」
ロイ 「具体的には?」
リーフ「向こう三ヶ月間、一切おねいさんたちに接触しない!」
ロイ 「……」
リーフ「フッ……言いたいことは分かるさ、ロイ。おねいさん大好きの僕にそんなことできるはずがないって言いたいんだろう?」
ロイ 「うんまあそれだけじゃないけど、大体そういう感じかな」
リーフ「だが大丈夫、おねいさんたちへの欲望さえあればおねいさん断ちぐらい軽いもんさ!」
ロイ 「なんだかすごく矛盾している気がするよ兄さん」
リーフ「細かいことを気にしてはいけない! じゃあ早速僕は行動を開始するよロイ、さあ、明るい未来に向かって出撃だ!」
ロイ 「ハイハイ……」

 どうせ途中で欲望に負けるだろうと思っていたが、そんなロイの予想に反してリーフは宣言通りに行動した。
 通学路で偶然を装ってアルテナに近づくのを止め、学校でセルフィナ先生を追いかけ回すのを止め、
 放課後セシリア先生のところへ押し掛けるのを止め、ベルン署のブルーニャさんにわざと捕まろうとするのも止めた。
 そうして余り始めた時間を利用して勉学やスポーツ、地域への奉仕活動に打ち込んでイメージアップも図った、その結果!

リーフ「……僕の周囲からおねいさんの影が消えたorz」
ロイ 「まー、そりゃそうだろうね」
リーフ「クッ、何故だ!? こうやって誰にも気のない振りをして己の活動に黙々と打ち込んでいれば、
    そこにトキめいたおねいさんたちが勝手に近づいてきてウハウハだったはずなのに……!」
ロイ (そういう下心がいけないんじゃないのかな……)
リーフ「だが僕はくじけないよロイ! きっとまだストイックさが足りないんだ! もっとひたすら自己鍛錬に打ち込めば、
    きっとおねいさんハーレムが勝手に形成されるはず……! こうしちゃいられない、出撃だ!」
ロイ 「はいはい、頑張ってね」

 ~一方その頃、ユグドラル学園~

ナンナ「セルフィナ先生、学級日誌です」
セルフィナ「お疲れ様。……ナンナさん、あなた最近、前よりも元気になったわね」
ナンナ「え……そ、そうでしょうか……?」
セルフィナ「ええ。充実してるように見えるわ」
ナンナ「充実……そうかもしれないですね」
セルフィナ「何か、いいことでもあった?」
ナンナ「えっと、その……実は最近、リーフ様とご一緒できることが多くて……」
セルフィナ「リーフ君? ……そう言えば最近、年上の女生徒やら教師やらを追いかけ回す姿を見ないものね」
ナンナ「それで、最近は一緒に図書館で勉強したりとか……」
セルフィナ「フフ、そういうこと。良かったわね?」
ナンナ「はい! ……でも、どうして急に年上の女性を追いかけるのをお止めになったんでしょうか?」
セルフィナ「さて。案外、ようやくナンナさんの魅力に気付いたのかもしれないわね」
ナンナ「えっ!? そ、そんな、からかわないで下さい、セルフィナ先生」
セルフィナ「あら、そう? 私には他に理由が思いつかないのだけど」
ナンナ「そんな、わたしなんか……で、でも、そうだったら嬉しいです……」
セルフィナ「でも、何せ相手はあのリーフ君だからね。お付き合いは学生としての節度を守るように、ね」
ナンナ「いえそんなわたしたちまだそんな段階じゃ……し、失礼しますっ!」
セルフィナ「あ、ナンナさん……真っ赤になっちゃって、可愛いものね。昔を思い出すわ……
       さて、リーフ君がそんなことになっているのだったら、皆にも連絡しておかなくちゃ。
       ……あ、ブルーニャ? リーフ君がね……そう、だからもうマーク外しても大丈夫よ。
       ……セシリア、久しぶり。もうリーフ君のことは気にしなくても大丈夫みたい。
       ……アルテナさん、リーフ君を警戒しなくても良くなったようだから、安心してアリオーン君との時間を楽しんで……」