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Last-modified: 2011-05-30 (月) 21:46:16

138 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2011/05/16(月) 02:09:50.34 ID:Cwe0EoNi
 ~ある日の兄弟家~

アイク「……ん? お前は……」
サラ「……こんにちは」
アイク「確か……お椀とか丼とかそういう感じの名前だったな」
サラ「……皿?」
アイク「ああ、そうだ」
サラ「……面倒臭いから敢えて突っ込みは入れないでおくわ」
アイク「こんなところで何をしている?」
サラ「別に……エフラム兄様もリーフもいないみたいだから」
アイク「そうか」

 呟き、ひょいっ、とサラをまるで米俵のように抱え上げるアイク。

サラ「!? な、なにをっ……!」
アイク「いや、エフラムの居場所なら心当たりがある」
サラ「え?」
アイク「舌を噛むから口を閉じていろ」
サラ「……一体何のこと」
アイク「ぬぅん!」
サラ「をおおぉぉぉぉぉぉぉ……!?」

 凄まじい土埃を上げながら全速力で走りだすアイク。
 そして、およそ十分ほどの後。

 ~フレイムバレル~

火竜「あんぎゃあああああ!」
はぐれ飛竜「ぎゃおおおおおおっ!」
サラ「……ここはどこ」
アイク「フレイムバレルだ」
サラ「……そう。で、兄様はどこ?」
アイク「今日は確かここで修行しているはずだったが……」
火竜「ぐぅぅぅぅぅ……」
アイク「……いないな。ラグドゥ遺跡辺りと間違えたかもしれん」
サラ「どうやったら間違え……いやいいわ。わたし帰る」

 と言いつつサラがリワープの杖を取りだした瞬間、

はぐれ飛竜「ごぉぉぉぉぉぉぉ(ブレス)」
サラ「きゃっ……つ、杖が燃えて……!」
アイク「今日の連中は気が立っているらしいな……大丈夫だ、ある程度倒せば怯えて逃げていく」
サラ「た、倒せばって……」
アイク「悪いが俺も自分のことで手一杯だ。自分で何とかしてくれ」
サラ「こ、こんな竜の群れ相手にこんな女の子に一人で何とかしてくれって、それでも」
アイク「? あんたは相当厄介だとエフラムが常々零しているぞ。このぐらい何とかなるはずだ」
サラ「厄介の意味が……!」
火竜「ぐおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
アイク「お喋りはここまでだ。ぬぅん!」

 ラグネルの衝撃波で火竜を吹き飛ばすアイク。
 サラも歯軋りしながら魔導書を取り出し、

サラ「オーラ! オーラ! ……もう、こんなのわたしのキャラじゃない……!」
アイク「さすがに強いな。後で手合わせを頼む」
サラ「絶対イヤ!」

 ……結局、煤に塗れたサラがアイクと共に帰還したのは半日後のことだったという。
 感想を聞かれた彼女は「もう二度とあの人には近づかない」と大層ご立腹だったそうな。